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勝海舟とグリット(やり抜く力)

こんにちは。コーヒーおじさんです。
2018年のNHK大河ドラマは、『西郷どん』(せごどん)ですね。
今回は『西郷どん』ではなく、もう一人のキーマン・幕軍の勝海舟に注目してみたいと思います。

江戸城無血開城を成し遂げた西郷隆盛と勝海舟

西郷隆盛と勝海舟といえば、江戸城無血開城を成し遂げた2人。
この2人の直談判がなければ、江戸は戦火に包まれ、その後の歴史は全く違う軸に移っていたかもしれません。

維新前夜、アメリカ、イギリス、フランス、それにロシアも、支援の手をさしのべるごとく装いながら、内戦で日本が疲弊し、植民地化することをひそかに狙っていたといわれます。首都・江戸を戦火で破壊し、国を二分する愚かな戦いだけは避けねばならない。勝海舟と西郷隆盛は、諸外国による植民地化の危機と国家利益の重大性を認識し、一戦まじえねば気分のおさまらない強硬派の声を抑えて、ついに江戸城無血開城という歴史的大事業を成し遂げたのでした。

勝海舟ってどんな人?20秒で知る勝海舟の生涯

そんな大事業を成し遂げた勝海舟とはどんな人だったのでしょう。

  • 1823生~1899没
  • 幼名は「勝麟太郎(かつりんたろう)」
  • 剣術は「直心影流」免許皆伝の腕前
  • 蘭学を学び、オランダ語もペラペラ
  • ペリーの黒船来航で幕府が「海防意見書」を募集した際、海舟の提案が評価され、幕府にとりたてられる
  • 1860年、遣米使節の一人となり咸臨丸で、ジョン万次郎、福沢諭吉らとアメリカへ(しかし、船酔いでめちゃくちゃ苦しむ)
  • 日本海軍の建設を目指し、神戸海軍操練所を創設
  • 坂本竜馬も弟子入りした
  • 江戸城無血開城の功労者
  • 明治維新後も政府の要職を歴任

略歴を見ただけではピンとこないかもしれませんが、勝海舟のすごさは、こんなエピソードからうかがえます。

勝海舟の情熱と粘り強さ

長崎で実地に外国の軍艦に乗り組み、西洋の兵学を学ぶ必要性を感じて江戸に戻ってきた海舟が、ある日、書店に立ち寄ると新刊の兵学の洋書が目にとまった。砂中に宝石を発見したような喜びで、店主に代金を尋ねると、50両という。海舟には驚異の大金だった。

しかし、この書を逃しては航海者に灯台のないのと同じだと思った海舟は、八方工面して50両を手に、書店へ駆けつけた。

ところが「昨日売れてしまった」との答え。

一度はがっかり肩を落とすが、その本を購入したのが四谷大番町に住む人物であることを突き止めた。

すぐさま訪ねて「どうか、お譲りください」と懇願するが「譲るくらいなら買いはせぬ」とのすげない返事。

当然といえば当然だが、海舟はあきらめない。

しばらく考えたのち、「それなら毎日参上するから、ぜひ書写させていただきたい」と海舟は手をついた。持ち主は、うるさい奴と思ったが、あまりの熱意に動かされて、「夜の12時以後ならばよかろう」と、しぶしぶ承諾する。

海舟は厚く礼をのべ、12時以降の来訪を依頼して帰宅した。

本所の彼の住所から、大番町までは8キロもある。よほどの健脚でも大変なのに、深夜の勉学だから容易なことではない。しかし海舟は、豪雨も暴風の夜も寒中も通い続け、2カ年余りかかって8冊の大部を写し終えている。

初めは面倒くさいと思っていた主人も、月日を重ねるにつれて、粘り強い彼の不屈の精神に感服し、「あなたに贈呈したい」とまで申し出たという。(すでに写し終えたのだからと、海舟は深く礼を述べて辞退した)。

このエピソード1つ聞いても、すごいですよね。敵に回したくないタイプ(笑)です。

勝海舟にみるグリット(やり抜く力)

近年、IQでも才能でもない、成功に必要な第3の要素としてアメリカ社会に絶大な影響を与えたといわれるのが、心理学者・アンジェラ・ダックワース氏の提唱した「GRIT(グリット)」です。日本語では「やり抜く力」とか「不屈の精神」と訳されます。

<参照記事>
成功者が共通して持つ「グリット」という能力。才能でも、努力でもない第3の要素とは?
いつも途中で挫折する人は「グリット」の能力が欠けている!?

もともとニューヨークの公立学校で数学を教えていたアンジェラ氏は、知能指数に関係なく、よい成績をとる生徒には共通の傾向があることに気づきます。それを解明し、教育に役立てることこそ自分の使命、と感じて現場を離れ、心理学者になった異色の経歴の持ち主。

その後、アンジェラ氏は、米国陸軍の士官学校で厳しいトレーニングをくぐり抜ける人と、途中で脱落する人の違いはどこにあるかなど、いくつもの調査を積み重ね、その結果、成功するのに学歴の高さや知能指数は関係なく、課題に対して粘り強く取り組み、最後までやり抜く力「GRIT(グリット)」こそ、目標を達成する人に共通の特性であることを突き止めたのでした。

こう聞いても皆さん、さほど驚きはないかもしれません。日本では「継続は力なり」などといわれるように、努力を続ける大切さは、生活にしみこんで教えられていると思われるからです。それは「まいたタネは必ず生える」という「自業自得」の仏教の教えが日本文化の根底にあるからかもしれません。
とはいえ、知識で努力し続ける大切さを知っていても、実際、海舟のように「やり抜く」ことは簡単ではないですよね。

そんな「やり抜く力」を持っていた勝海舟だから、江戸城無血開城という歴史的大事業もやり抜くことができたのではないでしょうか。

情熱はどこからやってくるのか?

ちなみに、この「GRIT(やり抜く力)」は「情熱」「粘り強さ」という2つの要素から成ると、アンジェラ氏は言っています。高いモチベーションを持ち続け、努力し続けること、といえるかもしれません。

勝海舟でいえば「西洋の兵学を学ぶことが日本の危機を救う」という強烈な「モチベーション(情熱)」と、深夜、毎日通い続ける「粘り強さ」がそれでしょう。

しかし、そもそも「情熱をかけて取り組みたいことがない」「自分が生まれてきて、人生で何をなすべきなのか、分からない」「本気で生きたいけれど、本気になれない」といった悩みを抱えている人も、少なくないのではないでしょうか。

「何でもいいから、自分のやりたいことを見つけよ」と言われても、「結局死ぬのに生きる(頑張る)モチベーションをどう保てばいいのか」という悩みは晴れません。それは、生きてる意味が分からないから。

もしあなたが、何をやってもむなしいと感じてしまうなら、「GRIT(やり抜く力)」の前に「人生の目的」について考えてみるのが有益だと思います。下記のメルマガが、きっと思考の整理の手助けになると思いますよ。

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「生まれてきたのはこれ1つ」という生きる目的をはっきりさせて、高いモチベーションと、粘り強さで、夢の実現に向かう生き方をしたいと思います。

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