コラム

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HSPだけど刺激が好きなHSS型HSP。生き方がラクになるコツ

目次

  1. あなたはHSS?――HSSチェックテスト
  2. HSPなのに、刺激が好き。そんな人がいるの?
  3. 4つのタイプの相性と、コミュニケーションでよくある悩み
  4. HSS型HSPさんの快適で充実した過ごし方
  5. HSS型HSPさんの人生が、より豊かになるヒント

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。
好奇心旺盛なのですが、環境に敏感でもあるので、刺激過多で調子を崩してしまい、いつも調整が難しいです。
理想が大きくて、アレもしたいコレもやってみたいと思うのに、手に負えなくなります。
どうすればいいでしょうか。

今回は、HSPでありながら、HSSでもある女性のお悩み相談ですね。
同じようなお悩みをお持ちなら、あなたもHSS型のHSPかもしれません。

HSS=High(高い)Sensation(刺激)Seeking(追求)
刺激追求型で、冒険するのが好きな、行動が活発な人をいいます。
HSP=Highly(非常に)Sensitive(刺激に敏感な)Person(人)
環境や人に影響されやすい、敏感で慎重な人をいいます。
人口の20%(5人に1人)がHSPです。

HSPについて詳しく知りたい方は、この記事をご覧ください。

あなたはHSS?――HSSチェックテスト

まずは、あなたがHSSかどうか、セルフチェックしてみましょう。

次の質問に、感じたまま答えてください。
少しでも当てはまるなら「はい」
まったく当てはまらないか、あまり当てはまらないなら「いいえ」と答えてください。

=HSSチェックテスト=

  1. 目新しくて好奇心を刺激するような場所に行きたい
  2. スリルを味わえるスポーツや遊びをしてみたい
  3. 長い間家にいると落ち着かなくなる
  4. することもなく待つのがイヤ
  5. 不慣れなこと、未知なことも楽しめる
  6. 私は何をしでかすか予測がつかないと思われている
  7. 新しい分野を探求するのが好き
  8. マンネリを避けている
  9. 突発的な行動をとるような友人を好む
  10. 旅行にお金を使うなら、できるだけ知らない国がいい

「はい」の数はいくつありましたか。

〇女性の場合
6個以上:おそらくHSSです。
4~5個:ややHSSです。
3個以下 :HSSではないでしょう。

〇男性の場合
7個以上 :おそらくHSSです。
5~6個:ややHSSです。
4個以下  :HSSではないでしょう。

正式なチェックテストは、エレイン・Nアーロン著『敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。』(講談社)をご覧ください。

HSSという言葉をつくったマービン・ズッカーマン氏によれば、
HSSとは、変化に富み、新奇で複雑かつ激しい感覚刺激や経験を求める人をいいます。

「刺激を楽しみ、いろんな経験をしてみたい人」ということです。

HSPなのに、刺激が好き。そんな人がいるの?

「あの人はHSPっぽくない」
「刺激的なイベントが好きで活動的だし、HSPではないのでは?」
「私はHSPテストで高得点だけど、気ぜわしいし楽観的だし、よくわからなくなりました」

こんな声をよく聞きますが、
HSP(敏感さ)とHSS(刺激追求)は、関連のない別の特徴なので「敏感なのに刺激が好き」という人は一定数います。

◆HSPの中でも2通りに分けられます。

見た目通りのHSP

内省的で、静かな生活を好みます。衝動的でなく、あまり危険を冒したがらない人たちです。

HSPっぽくない、刺激好きなHSS型HSP

移り気で、HSPの敏感さとHSSの衝動性の両方をもつため、すぐに圧倒されるが同時に飽きっぽい人たちです。
新しい経験を求めますが、動揺はしたくないし、大きな危険は冒したくないのです。
いつもブレーキとアクセルの両方を踏んでいるような気持ちがするでしょう。

HSPだけど刺激好き。両方の特性のはざまで、どう生きていくのがいいか悩んでいる。
そういうタイプのHSPさんの悩みをたくさん聞いてきました。

HSS型のHSPさんも、コツをつかめば楽しく幸せに生きることができますよ。

◆非HSPの中でも2通りに分けられます。

多数派でいわゆる「普通の人」非HSP非HSS

それほど好奇心もなく、内省的でもない人たちです。
あまりものごとを考えることなく淡々と生活しています。

見た目通りのHSS

好奇心に満ち、やる気があり、衝動的で、すぐに危険を冒し、すぐに退屈します。
無謀にみえる行動を山ほどする、大胆で冒険好きな人です。
与えられた状況の微細なことにあまり気づかないし、興味もありません。

■HSPに関連するホルモンはセロトニンやコルチゾールであり、HSSに関係するのはドーパミンなので、両方とも当てはまる人がいるのです。

■HSPとHSSに共通するのは「遺伝的」ということです。

遺伝的=変えようとしても大きく変わらない、生まれつきの性質

「その人はどんな人?」と調べるとき、簡単には変わらない性質で識別します。

男性か女性か。
年齢はいくつか。

実はこの2つに続いて、ほとんど変わらないのが「HSPか非HSPか」なのです。

また「HSSの度合い」は、身長と同じくらい遺伝的なものだといわれます。
赤ん坊のときにはすでに、活動度の高さとして現れます。

■HSSは「社交的」や「外向性」とは異なります。

HSPやHSSは遺伝的(生まれつき)ですが、社交的かどうかは後天的(後から身につけるもの)です。
社交的なHSPも、そうでないHSPもいます。

また「外向性」とは、内向性と反対の性質です。
外向型HSPも内向型HSPもいます。

外向性…広い交際範囲をもち、集団の中にいたり、新しい人と出会ったりすることを好みます。社交的で愛情深い大家族か、安全な場所で育ち、他者は信頼できるものだと思っています。
人間関係の「量」を増やしたがります。
内向性…人が嫌いというわけではなく、たくさんの人に囲まれるよりも、数人の中の良い人たちといることを好むということです。
人間関係の量より「質」を重視します。

HSPさんの中で、外向的な人は30%います。

外向的なHSPさん…30%

内向的なHSPさん…70%

4つのタイプの相性と、コミュニケーションでよくある悩み

「HSPと非HSPだと、相性が合わないの?」

そんなことはありません。
相性がいい人は、同じ特性の人とはかぎらないのです。

違いがあるからこそ、相手を知りたいと興味が湧いて、好きになる。
相手の優れた部分に敬意を抱き、絆が深まる。
自分の持っていない部分に惹かれるのは、よくあることです。

逆に、似ているからこそ些細な違いが気になって、許せないこともあります。

それぞれの特性の良さを知らなければ、「自分は正しくて相手はおかしい」とか「相手は正しくて自分はおかしい」というように、どちらかを否定しがちです。

それぞれが素晴らしいことを知ってもらうのが、この記事のねらいです。

タイプ別によくある悩みと、ベストなコミュニケーションを見てみましょう。

HSPさんが、非HSPさんに思うこと

非HSPさんダメ 私(HSPさん)OK
「どうして今そんなこと言うの?」「深みがない」

非HSPさんOK 私(HSPさん)ダメ
「現実的なことをしっかりこなしてくれる。私は細かいことばかり気にしてしまう。」

非HSPさんOK 私(HSPさん)OK
「私が苦手なことをやってくれて、本当に助かるよ。代わりに、あなたが苦手な細かい部分は私に任せて♪」

非HSPさんが、HSPさんに思うこと

HSPさんダメ 私(非HSPさん)OK
「もっと気楽に生きたら?」「細かすぎる」

HSPさんOK 私(非HSPさん)ダメ
「細やかで気遣いができてすごい。分析力がある。自分はなんて鈍感でガサツなのか…」

HSPさんOK 私(非HSPさん)OK
「細やかな配慮ができて、尊敬しているよ。僕は気づかない部分もあるけれど、君を守ることができる。」




同じHSP同士でも…

HSP&HSSさんが、HSP&非HSSさんに思うこと

HSP&非HSSさんダメ 私(HSP&HSSさん)OK
「一緒に深く考えるのは楽しい。だけどもっと外にも出ないと広がっていかない」

HSP&非HSSさんOK 私(HSP&HSSさん)ダメ
「自己管理できていて大人だな。私は疲れるって分かっているのにアレもコレも手を出しちゃう。」

HSP&非HSSさんOK 私(HSP&HSSさん)OK
「深い話ができて、貴重な存在。どれくらい外に出ていきたいかは、人それぞれだから、私は外で社会人サークルにでも参加してみようかな」

HSP&非HSSさんが、HSP&HSSさんに思うこと

HSP&HSSさんダメ 私(HSP&非HSSさん)OK
「そんなに無茶して、疲れるのも当然だよ」

HSP&HSSさんOK 私(HSP&非HSSさん)ダメ
「興味の幅は広いし、刺激を楽しんでいてすごいなぁ。自分なんてほとんど家にこもりっきり」

HSP&HSSさんOK 私(HSP&非HSSさん)OK
「アクティブなところに憧れるけど、それは私らしい生き方じゃない。私は私で、在宅ワークや趣味の手芸など、1人で充実した時間を過ごそう」

HSS型HSPさんの快適で充実した過ごし方

HSS型HSPさんは、刺激が好きで追求したいのに、敏感で刺激に大きく左右されるので、快適に過ごすためにはコツを知っておく必要があります。

HSSの活動的で明るい側面は、この社会では理想的性格なので、評価されやすく自信につながります。
そのぶん期待され、外的な力に負担を感じることもあるでしょう。

HSPなので、活動して刺激を受けた後は、じゅうぶんな休息時間(ダウンタイム)が必要です。
それなのに、周囲の期待に応えるため、体が悲鳴をあげるまで、敏感な側面を無視し続けてしまいがちです。

HSS型HSPさんは、周囲の期待に応えるために、理想が大きくなり、アレもコレもこなそうとして手に負えなくなります。

そこで、HSS型HSPさんが快適に過ごせるための<対策アドバイス5つ>をご紹介します。

1、チャレンジは小さく始める

HSPの側面から、最適なやり方が直感的にわかったり、どうすれば相手の期待に応えられるかが感覚的にわかったりします。

すると自分で「もっといける」と思い、周囲も「キミならまだまだいける」とあおりがちです。
推し進めたい気持ちを、いったん冷静に見ましょう。

非HSPさんと同じペースだと、刺激過多になりやすいので「ちょっと物足りないな」と思う程度にしておくのがオススメです。

大多数の非HSPと「同じになりたい」と思うかもしれませんが、同じにならなくていいのです。

HSS型HSPさんが快適に過ごすための言葉
「自分だけでやるのではなく、もう1人参加してもらって、負担を減らせないか?」
「じっくり時間をかけて進めよう」

2、「境界線」を引き直す

周囲からの要求をすべて受け止めたり、逆にすべてを断ったりするのは、他人と自分の間によい境界線を引けているとはいえません。

他人があなたに近づいてきたときに、次のように自分に問いかけてみましょう。

HSS型HSPさんが快適に過ごすための言葉
「すぐに『はい、やります』と言って大丈夫?」(引き受けるかどうか)
「この要求に、どこまで応える?全部、半分、4分の1?」(一部限定で引き受ける)
「みんなと一緒に居たいけど、〇時になったら帰るね」(時間限定で引き受ける)

3、感情のアップダウンも受け入れる

一喜一憂するのも、HSS型HSPの特徴だと理解して、まぁこんなもんかと長い目で面白がりましょう。

「こんなに疲れ果てて不調になるくらいなら、もう挑戦はしない」なんて思わないで。
あなたの行動力は魅力的なのだから、封印しないでください。

疲れたら休み、エネルギーが溜まったらまた動き出す。そしてまた疲れたら休めばいいのです。

HSS型HSPさんが快適に過ごすための言葉
「がんばったから疲れたんだ。エネルギーが溜まるまで、休もう」
「七転び八起きでいこう」

4、1回に1つずつ変化させる

HSS型HSPはクリエイティブで、頭の中に次々とアイデアが浮かんできます。
どれも魅力的で「あれも、これも」となりがち。

でも、時間には限りがあります。
刺激過多から回復するダウンタイムの時間も想定に入れてスケジュールをたてましょう。

一度にいくつものプロジェクトをこなそうとすると、それだけで刺激過多になります。
「1回に1つずつ」じっくり取り組みましょう。

拒絶や否定されたときのこと、うまくいかなかったときのことも想定して、心の準備をしておくこと。
そうすれば強い刺激にノックアウトされることも少なくなります。

「考えすぎ」なのではなく、意図的に「考える」のです。

「Aのときはこうする、Bが起きたらこうする、Cのときは…」とノートに書き出して、場合分けするのもよいでしょう。

それだけじっくり考えるためにも、「1回に1つずつ」くらいでちょうどいいのです。

HSS型HSPさんが快適に過ごすための言葉
「スケジュールはダウンタイムもセットで時間を確保!」
「万全の準備をするために、1つずついこう」

5、スーパーマン・スーパーウーマンになろうとしない

あなたはなぜ、そんなにも「完璧」を求めるのでしょうか。

自分に限界があると認めたくないから?
周囲の全員を喜ばせようとしているから?
たくさんのチャンスをどれも手放したくないから?

自分が頑張ってしまう理由が分かれば、ストレスの多すぎる生活を手放し、快適に過ごすことができます。

スーパーマン・スーパーウーマンになろうとしている自分に気がついたら、立ち止まって考えてみましょう。

HSS型HSPさんが快適に過ごすための言葉
「私はなんのために頑張っているの?」
「私が本当に得たい結果は何?」

HSS型HSPさんの人生が、より豊かになるヒント

5つの対策をした結果、HSS型HSPさんからこんな感想をもらいました。

自分の一喜一憂にも疲れていましたが、上手に調整することで、自分の特性がプラスに働くんだと元気が出ました!

HSS型HSPさんは、外で新しい刺激を受けて、家に帰ってからじっくり考えるのが向いています。

ただ本を読んでいるだけでは、物足りないかもしれません。
これまで知らなかった「人生観」や「生き方の哲学」など、深い思考を楽しむ勉強会に参加してみるのはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

ライター:月見 草

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