コラム

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性格を変えたい。性格は変えられる心理学的な理由。

【目次】

  1. 性格とは?知っておくべき4つの違い
  2. 性格を変えたい。パーソナリティ障害は、変えられない性格?
  3. 性格を変えたい。生まれつきの要素が強い「気質」とは
  4. 性格を変えたい。性格よりも変わりにくい「気質」4つの要素
  5. 性格を変えたい。後天的に身につけた「性格」とは
  6. 性格は変えられる。比較的変えやすい「行動習慣」とは
  7. 性格は、時と場面、相手によって変わる。「役割性格」とは
  8. 性格が変わらないと思うのは、大きな間違い!

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

性格を変えたいです。でも変わらないです。
性格を変える方法はあるのでしょうか。

調子が良いときは「けっこう自分も悪くない」と思えるけれど、残念な結果が続くとき「こんな自分は変わらないんじゃないか」と、うんざりすることもありますよね。

性格を変えたいと思っている人は多いと思います。

性格はこれまでの人生の積み重ねで出来ているもの。だから、そう簡単には変わらないですよね。

でも、性格は変えられます。

性格を変えたいのに、変わらない理由は7つあります。

【性格を変えたいのに、変わらない理由】
(1)「性格は変わらない」と思い込んでいるから
(2)変えられる部分と、変えられない部分を区別していないから
(3)変わりたい理由が曖昧だから
(4)今あるものを活かさずに、ないものねだりしているから
(5)本音では「変わらなくてもいい」と思っているから
(6)少ないサンプルで決めつけているから
(7)変わるまで行動していないから

この中で、今回は、

(1)「性格は変わらない」と思い込んでいるから
(2)変えられる部分と、変えられない部分を区別していないから

この2つについてお話しします。

性格とは?知っておくべき4つの違い

その人をつくりあげているものを「パーソナリティ」と言います。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんね。

「パーソナル」なら、日頃から耳にするのではないでしょうか。

パーソナルコンピュータ(パソコン)
パーソナルジム
パーソナルスペース
パーソナルカラー診断

いずれも「その人の」「個人の」という意味です。

「パーソナリティ」とは、人格、個性、人柄といってもよいでしょう。

パーソナリティ……人格、個性、人柄

パーソナリティは、4つの層に分けられます。

パーソナリティの4つの層
(1)生まれつきの要素が強い「気質」
(2)後天的に身につけた「性格」
(3)比較的変えやすい「行動習慣」
(4)時と場面、相手によって変わる「役割」

小さいころから、大人になるまで、ほとんど変わらない行動パターンを「パーソナリティ」ということもありますが、それは(1)を指しているといえるでしょう。

あなたが「性格を変えたい」と言っているのは、本当に「性格」なのか、それとも「気質」なのでしょうか。

変えられる部分と、変えられない部分を区別していないと、

・無駄な努力をする
・自己否定につながる
・諦める、絶望する、悲観的になる

という残念な結果になりかねません。

パーソナリティの4つの層について、それぞれ学んでいきましょう。

性格を変えたい。パーソナリティ障害は、変えられない性格?

その前に、パーソナリティというと、「パーソナリティ障害」を思い浮かべる人があるでしょう。
パーソナリティ障害は、「病気」です。

病気と聞くと、なんだか落ち込んでしまうかもしれませんが、
「病気」というのは、治療可能なものを言います。

かつては、治らない「素質」だと考えられていましたが、治療可能で、変えることができる「病気」だと認識されるようになりました。

専門的に言うと、「可塑性がある」ということです。
どうしようもなく変えられないものではなく、時間はかかるけれども、改善するケースが多いことが分かってきました。

不安定な対人関係パターンや行動は、挫折や傷つき体験をきっかけとして、持続的につくられてきたものです。

「変わりたい。でも変わらない」と、投げ出したくなってしまうかもしれませんが、薬やカウンセリングによって、治療し、変えることができます。

性格を変えたい。生まれつきの要素が強い「気質」とは

生まれつきの要素が強い「気質」とは、生まれ持った素質的傾向で、生涯を通して変化しにくい部分です。
遺伝や体質と深く結びついています。

ただ、私の書いている表現をよく注意して読んでみてください。

「生まれつきの要素が強い」「素質的傾向」「変化しにくい」というように、「絶対に変わらない」とは言っていないのがお分かりになるでしょう。

「遺伝」と言っても、「遺伝する/しない」の0か100ではなく、「遺伝率〇%」となっています。

いつもお話ししている「因縁果の道理」でいえば、因はあっても、縁によって、表面に出てこなかったり、影響を小さくしたりすることはできるからです。

また「体質」も、さほど変化はしませんが、食事や環境を整えることで、長い時間をかけて変化します。

そうはいっても、パーソナリティの4つの層のなかでは、もっとも変化しにくい部分です。

すぐに変わらないからといって、自暴自棄になるのではなく、長い目で見て、よりよい選択を続けていきましょう。

変える必要のないものもあります。今の気質のままで、その気質を活かす方法を考えましょう。

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性格を変えたい。性格よりも変わりにくい「気質」4つの要素

「気質」を4つの要素に分けたのは、アメリカの精神科医ロバート・クロニンジャーです。(クロニンジャーのパーソナリティ理論)

(1)新奇性探求
(2)損害回避
(3)報酬依存
(4)固執

性格よりも変わりにくい「気質」です。これらを、

・性格を変えたい
・自分が嫌いだ
・周囲とちがっているのが恥ずかしい
・評価される気質に変えなくては

と思い込むと、自己否定につながり、悲観的になるかもしれません。

4つの気質は、それぞれ「低い」人から「高い」人までいます。
どちらが良い・悪いではありません。
どちらにもメリット・デメリットがあります。

自分はどちらの傾向が強いか、理解して、活かす方法を考えましょう。

◆「気質」4つの要素

(1)新奇性探求……新しい刺激を求める傾向
高い → 好奇心旺盛で飽きっぽい、新しいことが好き。
低い → 現状維持を優先する。
(2)損害回避……慎重さ、リスクを避ける傾向
高い → 慎重で堅実。
低い → 危険な賭けを好む、さほどリスクを恐れない。
(3)報酬依存……報酬とは周囲からの評価のこと。
高い → 褒められると頑張るなど、周囲からのフィードバックの影響を受けやすい。
低い → 周囲の評価には、さほど関心がない。周囲に影響されにくい。
(4)固執……「どうしてもこうしたい」こだわり
高い → こだわりが強く、信念を通す。融通がきかない。
低い → こだわりがなく、柔軟。変わりやすい。

ほぼ変わらない特性で、良い・悪いはないのですから、持っている良いところを活かしていきたいですね。

それでも、どうしてもデメリットが気になるときは、次のことを忘れないでください。

気質は「生まれつきの要素が強い」といっても、

環境を整えれば、マイナスの部分は表面的に出てこなくなります。
・気質を活かし、プラス面を強化すれば、マイナス面は相対的に小さくなります。
・マイナスの部分は「持ち味」「愛嬌」とも言えます。
・マイナスの部分が顔を出したときは「疲れているから休むサイン」として活用できます。

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性格を変えたい。後天的に身につけた「性格」とは

「性格」とは、「気質」の土台の上に、環境の影響が加わり、気質と環境の相互作用でつくり上げたものです。

環境とは、主に家庭環境が大きいとされます。
その後、学校生活や友人関係の影響もあります。

心理学的には「生育歴」ともいいます。

生育歴……生まれてから今日まで育ってきた歴史のこと。

「性格」は3つの要素があると、クロニンジャーは考えました。

◆「性格」3つの要素

(1)自己志向……自分の考えを実現しようという傾向
高い → 意見を押し通す
低い → 他人の考えに合わせる
(2)協調……人と仲良くやっていく傾向
高い → 周りに合わせる
低い → 孤立的に振る舞う
(3)自己超越……他人のために奉仕しようとする傾向
高い → 他人のために尽くす
低い → 自分の利益ばかりを追求する

「気質」4要素と「性格」3要素を合わせて「クロニンジャーの気質と性格の7因子モデル」と言われます。

この他にも、外向性/内向性や、愛着スタイルなどがあります。

遺伝と環境(幼少期)によって作られているので、たしかに性格はそう簡単には変わりません。

ですが、親元を離れて何年、何十年と経てば、考え方も性格も変わります。

親よりも、パートナーや友人と過ごす時間が圧倒的に多くなり、その影響のほうが大きくなっていきます。

性格を変えたいのなら、自分が目指したい人と会う回数を増やしたり、なりたい考え方をしている人の本や講座で学んだりするといいでしょう。

性格は、変えられます。

性格は変えられる。比較的変えやすい「行動習慣」とは

「性格を変えたい」と言うとき、行動習慣を指していることもよくあります。

・こんな怠け者の性格を変えたい。

仕事一筋な性格だから、家事はやらない。

「オレは酒飲みだ」と思っていたけど、健康のために禁酒したい。

・インドア派で出不精な性格だけど、そろそろ運動不足を解消したい。

●ほとんど変わらない「気質」でも、環境を整えれば、表面に問題は出てこなくなります。

●なかなか変わりにくい「性格」も、接する人や考え方に接する機会を増やせば、変わります。

●さらに「行動習慣」は、気質や性格よりは変わりやすいものです。

習慣化コンサルタントの古川武士氏は、習慣の種類を3つに分けています。
習慣化までにかかる期間が異なります。

行動習慣 (1ヶ月):片付け、資格の学習、日記など、日常で繰り返す行動レベルの習慣
身体習慣 (3ヶ月):ダイエット、運動、早起き、禁煙など、身体のリズムに関わる習慣
思考習慣 (6ヶ月):ポジティブ思考など、考え方や価値観などの根深い思考の習慣

行動心理学に「インキュベートの法則(21日間の法則)」があります。
新たに習慣にしたいことを21日間続ければ、努力が無意識レベルの行動に定着し始めます。

性格といっても、行動習慣ならば、一定期間、繰り返すだけで、いつのまにか自分の一部になるのです。

仕事一筋な性格だから、家事はやらない」と言っていた人が、妻の病気や母親の介護などで、やらざるを得なくなると、すっかり家事メンに変わることもあります。

怠け者の性格だと思っていたのが、趣味に魅了されて、どんどんアクティブになることもあります。

性格は、時と場面、相手によって変わる。「役割性格」とは

パーソナリティの4つ目は、役割性格です。
人は、役割を与えられると、その役割に応じた行動をするようになります。

・会社の部長になる
・父親になる
・学生から、社会人になる
・弟が生まれて、お兄ちゃんになる

重い犯罪者でも、保護犬や保護猫の「世話役」を引き受けることで、性格が変わることがあります。
ワシントン州の最重警備女子刑務所では、ペットの世話役により、再犯率が20.8%から5%まで低くなったそうです。

役割性格は、いくつも持っている場合もあります。
会社では社長として厳格だが、家に帰ると優しいパパ、など。

新たな役割を引き受けることで、性格は変わります。

性格が変わらないと思うのは、大きな間違い!

仏教では、諸行無常と説かれます。

諸行無常……すべてのものは、常が無く、変わりゆく。

あらゆるものは、移り変わってゆきます。
何事も、今の状態が永遠に続くということはないのです。

諸行無常の「諸行」の中には、「自分」も入っています。
良くも悪くも、変わってゆきます。

「心コロコロ」といわれるように、人の心ほど変わりやすいものはないでしょう。

変えられないと絶望する必要はありません。

遺伝、これまでの経験、クセ、価値観など、簡単には変わらないものもあります。
ですが、固定不変ではありません。

固定不変の「私」というものはないのに、変わらないと思っているのは大きな間違いです。

私たちは毎日、心、口、体の3つで、たくさんの行いをしています。

一人一日のうちに八億四千の憶いあり。
(一人が一日に、八億四千遍、心が変わる。)

あなたが思っているよりも、はるかに多くの行いをしていることがわかるでしょう。

アリストテレスは、このように言っています。

「繰り返し行っている事が、われわれ人間の本質である。 ゆえに優秀さとはひとつの行為ではなく、習慣によって決まる。」

「我々自身は繰り返し行っている行動により作られる。」
アリストテレス『ニコマコス倫理学』

・どうして「変わらない」と思い込むのか。
・なぜ人は、なかなか変われないのか。
・何がよい行いで、何が悪い行いか。
・「苦しい人生」から変わるには、どうすればいいのか。

仏教には、詳しく、その理由と解決方法が教えられています。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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