コラム

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デマに惑わされない人になろう!情報リテラシー 基本の「き」

目次

  1. デマは感染症のようなもの?「インフォデミック」とは
  2. デマは疫病や災害の時が注意!100年前から変わらないデマ
  3. デマは「不安」から拡大する?FOMO(フォーモ)とは
  4. デマを引き寄せているのはあなた自身!?インターネットの仕組み
  5. デマに騙されないための、正しい情報収集のしかた
  6. デマはどれだけ気をつけていても避けられないと心得よ

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこのようなお悩みについて、お答えします。

新型ウイルスやワクチンについて、いろんな情報があるので何を信じたらいいかわかりません。不安になって余計に検索してしまいます。
デマもあり、争っていることもあり、見るのもイヤだけれど、情報を仕入れないと乗り遅れてしまうのでつい見てしまいます。

デマは感染症のようなもの?「インフォデミック」とは

世界保健機関(WHO)は、「私たちはウイルスの感染拡大(パンデミック)に付随して、インフォデミックにも襲われている」と注意を呼びかけました。

インフォデミックとは、「情報(Information)+感染症の拡大(Epidemic)」を組み合わせた造語で、「ネットなどで噂やデマも含めて大量の情報が氾濫し、現実社会に影響を及ぼす現象」を指します。
参照:日経をヨクヨムためのナビサイト

インフォデミックという言葉は、2003年 SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行したときに使われ始めました。

2020年の「情報伝達力」は、2003年の68倍。

1918~1920年 スペイン風邪の時と比べると、なんと約150万倍といわれます。
参照:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(2020.4.6)1世紀で150万倍に増大した情報伝達力~情報の急速な伝染「インフォデミック」とは

多すぎる情報量を毎日 浴びているのですから、デマに騙されないようにするには、よほど用心しなければなりません。

デマは疫病や災害の時が注意!100年前から変わらないデマ

デマは、疫病や災害の発生時に広がりやすいことがわかっています。

1923年 関東大震災
「朝鮮人が井戸の水に毒を入れたらしい」とデマが広がり、数千人が殺害された。

2003年 SARS
中国で都市封鎖のデマが拡散し、買い占めが起きた。

2011年 東日本大震災
各地で「強盗や性犯罪が多発している」とデマが広がった。
※東北学院大学の郭基煥教授(共生社会論)の調査によると、仙台市民の8割以上が事実と信じたという。

2016年 熊本地震
「動物園からライオンが脱走」というデマが拡散、投稿者が逮捕された。

100年前から変わらず、デマによって多くの人が混乱してきたのです。

デマは「不安」から拡大する?FOMO(フォーモ)とは

あなたは何時間、インターネットやSNSを見ないで過ごせますか。

スマホを家に忘れると、胸がザワザワしませんか。

もしかしたら、あなたもFOMOかもしれません。

FOMO(フォーモ)とは

「Fear(恐れ) of Missing Out(見逃す)」の頭文字をとった略語です。

「最新情報を見逃したら、取り残される」と恐れ、不安になることを言います。

もとは「有益な情報を見逃して、自分だけチャンスを失う」恐怖心でしたが、転じて

「ずっとSNSをチェックしていないと気が済まない」SNS依存症のことも意味するようになりました。

FOMOから、MOMO、JOMOという言葉も生まれました。

MOMO(モーモ)とは

「The Mystery(謎) of Missing Out(見逃す)」

「なぜ返信が来ないの?仲間はずれにされているから?」と妄想してしまうことです。

JOMO(ジョーモ)とは

「Joy(喜び) of Missing Out(見逃す)」

「情報を見逃すほうが、幸せになれる」という考え方です。

情報に一喜一憂して振り回されるので、「見ないようにすれば不安から解放される」と考える人も増えてきました。

不安だから常にチェックする。
不安に共鳴するように、インパクトのある記事が目に入ってくる。
驚きと恐怖から、「みんなにも知らせなきゃ」と思ってシェアする。

デマが拡がる現象には、「不安」な気持ちが深く関わっているのです。

デマを引き寄せているのはあなた自身!?インターネットの仕組み

あなたは400時間の動画を何日かけて見ますか。

400時間分の動画は、たった1分間にYoutubeにアップされます。

膨大な動画がアップされるにもかかわらず、たった1%の動画ばかりが視聴されます。
(Googleの広告事業、Google検索を担当していた米アナリスト Carlos Kirjner氏の分析より)

■なぜ、1%の動画ばかりに偏るのでしょうか。

インターネットの検索上位に表示されるものばかりが、視聴されるからです。

■じゃあ、検索上位にくるのはどういうものでしょうか?

インターネットで検索して1番目、2番目、3番目に表示される内容は、似た内容になっているはずです。

同じようなキーワードの内容が、検索上位にくる性質があるのです。

■なぜ同じような内容の記事が検索上位にくるのでしょうか。

「検索アルゴリズム」によって、「あなたが知りたい情報」だけが選び出されたからです。

■「私が知りたい情報」が選び出されるとは、どういうこと?

検索結果は、【人それぞれで異なる仕組み】になっています。

インターネット検索をするほど、あなたの価値観に合った情報が目立つように、カスタマイズされていきます。

自分と違う意見は見えづらくなるのです。
参照:総務省上手にネットと付き合おう!安心・安全なインターネット利用ガイド

インターネットだけ見ていると、

「ほら、私と同じ意見の人ばっかり!やっぱり私の意見は正しい」

と思い込みやすいのでご注意を。

デマであっても、事実だと思い込みやすくなるのです。

デマに騙されないための、正しい情報収集のしかた

■タイトルはウソをつく!鵜呑みにするな

タイトルはインパクト最優先で、一見すると誤解を生むものがあります。

アクセス数やビューを増やすために、わざと「えっ」と思わせるタイトルにしているのです。

タイトルを鵜呑みにしないように気をつけましょう。

■誰が発信している?信頼度をチェックしよう

正しいデータをもとに発信している人の情報を信頼するようにしましょう。

信頼度の高い情報
・厚生労働省や総務省など、国が発信している情報
・新聞社のネット記事
・専門家の名前や著書が書いてある
・根拠が明示されている
・根拠の引用文と、自分の意見が区別されている
信頼度の低い情報
・根拠が少ない
・「~らしい」という伝聞
・どこまでが引用で、どこから自分の考えなのか曖昧

■写真に騙されるな!簡単に加工できると知っておく

写真はいくらでも加工できます。関係のない写真をくっつけることもできます。
視覚情報は、不安や恐怖をかきたてるので、判断を誤りがちです。

■インターネットだけ?情報源を数多く持とう

インターネットは「私と同じ意見の人ばっかり!」となりがちです。

ほかの情報ツールも活用しましょう。

【新聞】…… 複数の新聞を読み比べてみましょう。

同じ情報なのに、新聞社ごとに正反対の意見が書かれていることもあると気づくはずです。

【テレビ】…… 専門家の意見に耳を傾けましょう。

新聞よりは意見の違いが分かりづらいですが、専門家の意見を聞き比べるとよいでしょう。

【本】…… 体系的に、じっくり深く考えることができます。

新聞やテレビよりは発信が遅いですが、全体像を把握しやすくなります。

本の最後のページを見て、誰が、いつ書いたものかを確認し、信頼できる本を見極めましょう。

■「一次情報」をたどってみよう

引用や伝聞は「二次情報」と言われます。

「伝言ゲーム」で何人かが伝えると、最初の人の言葉(一次情報)は、どこかへ消えてしまいます。

誰から聞いたのか確認して、元の人をたどってゆくと、正しい情報にたどり着きます。

著書が引用されていたら、その本を読んでみる。

シェアやリツーイトされていたら、元の情報をたどってみる。

「一次情報」を意識してたどるようにしましょう。

デマはどれだけ気をつけていても避けられないと心得よ

中国の思想家・荀子の言葉に『流言は知者に止まる』という格言があります。

知恵のある人はデマを他人に話さないので、噂は知者で止まるという意味です。

ところが、いつの時代も、どこの国でもデマはなくなりません。

どんなに気をつけていても、縁さえくれば、どんなことでもしてしまうものです。

「さるべき業縁のもよおせば、いかなる振る舞いもすべし」

『歎異抄』に書かれている言葉です。

どんな知者でも、避けられない縁(きっかけ・環境)があると、どんな行動でもしてしまうということです。

新型ウイルスで不安が募っている今、誰でもデマを拡散してしまう可能性はあります。

自分の心について学び、正しい指針をもちましょう。

この記事を書いた人

ライター:月見 草

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