コラム

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HSPでつらい。損ばかりするHSPが世の中を生き抜くには?

【目次】

  1. HSPは、メンタルが弱いのではない。
  2. HSPさんには、味方が必要。
  3. HSPさんは【仕事量を減らすことに、罪悪感をもたない】こと。
  4. HSPさんは「自分に合った刺激量」を保ちましょう。
  5. HSPさんは【休むことに、罪悪感をもたない】こと。
  6. HSPをすべての人に理解してもらうことは不可能。
  7. HSPさんにとって一番大切なのは、人生の目的。

はじめに

HSPつらい

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

HSPでつらいです。損ばかりしてると思います。
SNSで見かけた「つらさを感じる瞬間」とか、全部あてはまります。
タフな人のように活動できないし、どんどん置いていかれる感じがします。

損ばかりしているように感じる、つらい。
繊細さをもっているHSPさん同士なら、深くうなずき、共感するのではないでしょうか。

5人に1人がHSP(Highly Sensitive Person)です。
人間だけでなく、高等動物の20%が、高感受性の持ち主です。

5人グループで、自分以外の4人から

「考えすぎだよ」
「誰だってつらいよ」
「そんなこと気にしたって仕方ない」

と言われたら、どうでしょう。

HSPのことをよく知らなければ、
「自分がまちがっているんだ」
「自分の努力が足りないんだ」

そんなふうに考え、自分を責めるようになるでしょう。

「誰だってつらいよ」ってホント?

たしかに、HSPさんではなくても、

・叱責される
・苦手な人と一緒に働く
・自分の意見を否定される
・仕事量が多すぎる・仕事がキツイ
・イレギュラーな対応を求められる

こういったことは、誰だってつらいものです。

ですが、HSPさんは、苦痛を感じる程度が「何倍も」強いのです。
そう言っても、感覚のことは、目に見えないので、なかなかわかりません。

誰でも「自分がいちばん大変だ」と思っています。

生まれてから今日まで、自分の感覚しか、経験したことがありませんから、人の痛みは、なかなか分からないのです。

「そんなこと気にしたって仕方ない」ってホント?

●HSPさんは慎重なので、

・準備に時間をかける
・下調べをたくさんしておく
・失敗を先回りして予防する

気にすることが多いからこそ、「成功させよう」「完成度の高いものに仕上げよう」と、ひといちばい苦労しています。

●HSPさんは直感的にわかることも多いので、

・「こうしたほうがいいのに」と気づきやすい
・ほかの人が気づかない乱れ、汚れ、危険に対処する

気になるからこそ、こういったことを自然とやっているのですが、誰にも気づかれません。
人知れず、善い行いをしています。
だから「損ばかりしてる」と感じやすいのです。

●HSPさんが気づいたことを提案しても、重要だと認識してもらえないこともあります。
感覚がかなり違うので、「些末なこと」と切り捨てられてしまいます。

何か問題が起きて初めて「やっぱりそうしておけばよかったね」と言われる

HSPさんは「だから言ったのに……」と、理不尽な思いをします。

こういったことが続けば、「損ばかりしてる」と感じますよね。
理不尽が多すぎて、つらい思いをしている感覚もマヒして、原因不明の不調が続いているHSPも多いです。

HSPさんが、どうやってこの世の中を生き抜くか?

今回は「3つの生きやすくなるヒント」を用意しました。
(1)HSPさんには、味方が必要。
(2)仕事量を減らすことに、罪悪感をもたないこと。
(3)休むことに、罪悪感をもたないこと。

この3つが、自然にできるくらい身につくと、生活が変わります。
自分を責めることが減り、体調を崩したり、仕事や人間関係でつまずいたりすることが少なくなるでしょう。

HSPは、メンタルが弱いのではない。

こんな寓話があります。

片目の猿が99匹、住んでいる、猿山がありました。
そこに、1匹の猿が、やってきました。両目のある猿です。

両目の猿は、99匹の片目猿からバカにされます。
「おかしなやつだ。目がふたつあるぞ」
「理解できない」
そう言われ続けた両目の猿は、ついに片方の目をつぶしてしまったのでした。

「鼻欠猿、満足な一匹の猿を笑う」ということわざもあります。

HSPじゃない人は、片目の猿だとか、鼻が欠けている猿だと言いたいわけではありません。
「たった一人であっても、間違いとは限らない」という教訓です。

少数派は、どうしても、理解されにくく、自分を押し殺してしまいがちです。
みんなと同じように仕事をしていても、

・音、光、臭いなどが気になって、集中するのに、ものすごく労力を使う。
集中はできるので、表面的にはわからない。疲労感が強く出る
・人と関わると、ちょっとした一言が気になって、苦しくなる。
相手に直接言えないので、苦しんでいるとは気づかれない
・自分が言ったこと、しぐさ、やったことが、おかしかったのではないかと後悔する。
誰もおかしいと思っていなくても、自分だけが気になり、引きずる

あれこれと気がかりなことがあり、何倍も疲れるのです。

実際、HSPの感性や意見に、耳を傾け、環境を整えていくと、環境が良くなります。誰にとっても快適な空間になり、思いやりのある関係を築けます。

しかし、8割の人は気がつかないので、HSPは疲れ果ててしまいます。

そういうときに、体調が悪いので休ませてほしいと言うと、

「なんで?」
「メンタル弱いね~」
「繊細すぎるんじゃないの?」
「体調管理しっかりしなさい」
「もう少し体力をつけたら?」

などと言われてしまうことがあります。

メンタルが弱いわけではありません。むしろ、繊細でない人の何倍も、いろいろなことに耐えています。どちらかというと、忍耐力の強い人が多いように思います。

食事や飲み物にも気をつけて、タバコも酒ものまず、健康管理を徹底しているHSPさんも多いです。

HSPという敏感な気質は、生物的には健全なのですが、「おかしい」「気にしすぎ」と言われやすく、なかなか理解してもらえません。

自分にはない「違い」を理解するのは、難しいことです。

他人から言われ続けると、そちらが正しいように思えてきます。

否定されることに慣れて、

「孤軍奮闘しても、どうせわかってもらえない」

と、無意識に口を開けることを辞め、心を閉じてしまいます。

そして、疎外感や否定感に苛まれます。
疎外感や否定感は、頭の理解で乗り越えられるものではなく、胃のあたりが気持ち悪くなったり、胸がギューッとつぶされるような思いがしたりします。
肩が凝り、体が鉛のように重く、人に会うのが嫌になってきます。

仕事が嫌なわけではありません。
むしろ熱心に仕事に取り組むHSPは多くいます。

理解してもらえないのがしんどいのです。
言っても、まともに取り合ってもらえないことが多いと、
自分のままで生きることが、難しいように感じられます。

人から理解してもらえない悲しみ、不安、恐怖は、きわめて本能的なもの。
だからといって、多数派の声をうのみにして、自分を否定すべきものでしょうか?
両目の猿が、ついに片方の目をつぶしてしまうようなことは、しないでください。

理解されなかったとしても、自信喪失する必要はないのです。

敏感さは、生きていく上で役に立ちます。
繊細だから、感じられる幸せもあります。

自分が自分をよく理解し、自分の一番の味方でいること。

そのためには、1人でもいいから味方を見つけること。
深く理解し合える人がいなかったとしても、部分的にでも理解してくれる人を、寄せ集めてもいいでしょう。

HSPさんには、味方が必要。

同じ感覚をもっていて、わかり合える人を1人でも見つけましょう。
5人に1人はHSPなのです。

また、同じ感覚ではない人でも、「あなたはまちがっていない」と言ってくれる人はいます。

私のまわりには、HSPだと思う人がおらず、理解してくれそうな人もいません。
どうしたらいいですか?

5人に1人はHSPなのですが、意外と「私のまわりにHSPさんはいない」と言う人が多いですね。

HSPといっても、何に敏感かは人それぞれ。
敏感さの強弱も人によって異なるので、「あの人はHSPじゃなさそうだ」と決めつけやすいようです。

さほど繊細には見えないHSPもいます。

男性のHSP(敏感さに男女差はありません)
外向的なHSP(HSPの30%は、外向的です)
刺激好きなHSP(刺激追求型のHSSを併せ持つHSPもいます)

本人もHSPだと気づいていないこともあります。

私もわりと外向的な面があり、刺激追求型のHSSも併せ持っているため、「HSPだとは思わなかった」と言われることもあります。

でもHSPチェックテストでは満点を取るほど、強めのHSPです。
心は見えないので、わかりにくいだけです。
案外、HSPはまわりにたくさんいます。

「まわりに、自分と合いそうな人がいないな」と感じるときは、気持ちがラクになるネット上の記事や、本をじっくり読むといいでしょう。
(余計にしんどくなるときは、読むのをやめましょうね。)

励みになる本、ネット記事。心に響く歌詞のフレーズ。

ペットやぬいぐるみでも、自分を励ましてくれるような感覚になるものを見つけましょう。

HSPさんには、味方が必要です。

HSPさんは、仕事量を減らすことに、罪悪感をもたないこと。

HSPは、生まれつきの特性です。
わかりやすいように、ごく単純化して言うと、

1を聞いて、10を考えるのがHSP
10を聞いて、やっと1動くのが非HSP

考える量に、100倍の差があるのです。

たとえば……

「ろうかを走ってはいけません」と言われたら、
HSPは、誰も見ていない所でも、歩く規則を守ろうとします。

自分が注意されたわけでなくても、他人が注意されたのを見て、しっかり守ります。

多くの人は、何度か叱られて、ようやく直します。
他人が叱られていても、どこ吹く風で、認識に乗りません。

●もちろん、HSPでなくても、しっかり規則を守る人はいます。

●HSPといっても、倫理観やマナーのスキルには差があります。
だから「あの人はHSPじゃないな」とか、「HSPのくせに」「HSPはみんな○○だ」という決めつけは不当です。

●ただ、「感じる負担」や「刺激量」は、HSPとそうでない人には、歴然とした差があります。

「感じる負担」や「刺激量」が10倍も100倍も多いのが、HSPさん。

感覚は、目に見えないので、「これくらいのことで?」と思われがちで、それがまた自己否定や疲労につながるのです。

●誰でも「自分に合った刺激量」にするのが、いちばん自分を活かせます。
他人との比較ではありません。

ところが、HSPは、すぐに刺激量が許容量を超えてしまうので、みんなと同じように学校に通ったり、仕事に行ったりするだけで、ヘトヘトになってしまいます。

HSPの気質を理解していないと、非正規雇用より正社員、パート勤務よりフルタイム勤務が「いい」と思われがちな社会で、長く働けないことに劣等感をもってしまいます。

HSPさんは、仕事量を減らすことに、罪悪感をもたないこと。

「自分に合った刺激量」で、自分を活かすことのほうが大切です。

HSPさんは「自分に合った刺激量」を保ちましょう。

「自分に合った刺激量」であれば、元気に、いい仕事ができます。
繊細な感性を生かして、ほかの人にはできない仕事をします。

「早く正社員になりたい」「フルタイム働けるようにならなきゃ」という“ 思い込み ”でいると、無理をして、体調を崩してしまいます。

いちばん自分を活かせる「自分に合った刺激量」を保つこと。

これが優先です。

「もう少しがんばれない?」と勧められたり、
「ふつうはこれくらい……」と言われたり、
「みんな大変なんだから、あなたも……」と責められたり。

親や、上司や、まわりの人から、そう言われることがあったとしても、

「これ以上は体調を崩して、かえって働けなくなってしまいます」

と、堂々と伝えましょう。

遠慮してしまって言えず、体調を崩したり、辞めてしまったりするほうが、あなたも周りも損をします。

HSPの特性をよく知り、じゅうぶんに自己理解をしていれば、毅然とした態度で伝えることもできるようになります。
はっきりと言えば、相手も「そうか、わかった」となるでしょう。

綺麗事に聞こえるかもしれませんが、「自分の態度」が「相手の言動」を引き出します。
ズルズルと相手のペースに巻き込まれるのは、あなたの「迷い」が、そうさせているのかもしれません。

具体的な不調を、長々と列挙する必要はありません。
具体的なことを言っても、たいてい理解してもらえませんから。

「させていただきたいのですが、体調を崩すため、申し訳ありません」
「体調が回復したら、させていただきます」

とはっきり伝えましょう。

それでも職場の都合で、どうしてもと言われるときには、「体調を崩すリスクがありますが、どれくらいやる必要がありますか」と、事実を伝え、話し合いましょう。

HSPさんは、休むことに、罪悪感をもたないこと。

休むことに、罪悪感をもたないこと。
人が疲れるのは、行動量ではなく、「刺激量」によります。

なぜ同じように行動できないのか。

理由ははっきりしています。
同じ行動量でも、「感じている刺激量」に10倍も100倍も差があるからです。

私も、HSPです。
HSP以外の性格・気質も相まって、
「なんとか、人と同じように行動できないか?」と悪戦苦闘します。

ところが、結果は惨憺たるものに終わります。

・夜、眠れなくなる。
・ポカミスが増える。
・やたら肩や背中が凝る。
・吐き気がしてくる。
・受けた刺激を何度も思い出す。
・ネガティブ思考になってくる。
・風邪や病気に罹りやすくなる。

こういう症状が出ても「がんばらなきゃ」と思って続けてしまうと、慢性化します。

・起きれなくなる。
・なにもしたくなくなる。
・体が鉛のように重くなる。
・イライラする。
・なかなか症状が回復しなくなる。
・自己否定が止まらなくなる。

こうなってしまっては、かえって遠回りになります。

刺激を受けたら、休む。
疲れたら、休む。

当然のことをしているだけです。
自分の感覚は、自分にしかわかりません。

誰が理解してくれなくとも、自分で「これは危険なサインだ」と理解して、休むことです。

HSPさんは、休むことに、罪悪感をもたないこと。

エネルギーが貯まってきたら、自然と、また動けるようになります。

それなのに、

「なんでこんな怠け者なんだ」
「どうしてみんなと同じようにできないんだ」

自分を責めてしまいがちです。

「決して怠けようとしてるわけじゃない。どうしても疲れて動けないだけ」
「HSPは、感じる刺激量が100倍ちがうのだから、疲れて当然」

このように、自分で自分を励ますことが必須です。

誰かから、モヤッとする言葉をかけられた時も、

「HSPには、このアドバイスは無効。この人はHSPのことを知らないんだな」
「理解されなくて残念だけれど、少し休めば大丈夫」

このように、自分を否定するのをやめ、自分に優しいことばをかけてもらいたいのです。

あなたが元気にまた動き出すために、自分で自分を励ましましょう。
あなたの味方に、励ましてもらいましょう。

HSPをすべての人に理解してもらうことは不可能。

自分に合う環境や、勇気づけてくれる人との出会いがあれば、HSPはものすごく力を発揮します。

ほかの人が気づかない着眼点をもっていて、「なるほど」と人にいい影響を与えたり。
丁寧な作業で、すばらしい作品をつくったり。
誰よりもまじめにコツコツと、陰で努力を続けたり。

繊細さは、人類にとって必要な特性だから、絶滅せずに残ってきました。
ただ弱いだけなら、弱肉強食の世界で、とっくの昔に絶滅しているはずです。
全体の20%は、繊細な人が必要なのです。

すべての人に「HSPとはこういうもの」とわかってもらうことはできません。
感覚の違う人のことは、理解するほうが難しいのです。

理解されないのは、仕方がない。
ちがうんだもの。
わからないものは、わからないのです。

給料をもらってHSP講座をやるのなら報われるかもしれないが、無理解な人にわかってもらおうとして傷つくのは、あなたの仕事ではありません。

理解してもらえないのが当然。
理解してもらえたら、有り難い。

少しでも理解してくれる人との出会いを喜びましょう。
少数派でも、理解してくれる人はどこかに必ずいます。

HSPの交流会や、勉強会に参加するのもいいでしょう。
私のところへ、いらしてください。

感覚が似ている人とは、「そうだよね、わかるわかる」と、励まし合えばいい。

おかしいと言ってくる人に対しては、「あなたのほうが、おかしいよ」と思うことも、時には必要かもしれません。

感じ方は人それぞれなのに、「おかしい」と言うほうがおかしいのです。
ちょっと強気になってみましょう。
いつも弱気なあなたは、強気になるくらいでちょうどいいのです。

自分の良さを最大限に活かすことを、考えましょう。

HSPさんにとって一番大切なのは、人生の目的。

ウサギとカメの童話のように、
カメなりと、たゆまなく目的に向かって進めば、ウサギを超えることもできます。

大切なのは「どこに向かって進むのか」です。

タフな人のように活動できないし、どんどん置いていかれる感じがします。

このように感じるかもしれませんが、進む方向がまちがっていたら、行動量の多いウサギでも、努力は報われません。

速く進めば進むほど、間違ったところへ行ってしまうからです。

人生の目的を知らずに、努力を続けることほど、悲惨な結果はありません。

「生きてよかった」と大満足する「人生の目的」がなければ、生きれば生きるほど苦しむだけの一生に終わってしまいます。

あなたは、人生の目的は何か、はっきり答えられますか?

仕事や趣味や生きがいは、「人生の目的」ではありません。
あくまで生きていく手段であり、目的ではないのです。

歩みの遅いカメなら、なおさら、進む方向が正しいことが重要です。
気づいてからの、軌道修正が難しいからです。

目的を知り、進む方向さえ合っていれば、ゆっくりの歩みであっても報われます。

「損ばかりしている」とはなりません。
どんな目に見えない苦労も、知られざる努力も報われます。

「損ばかりの人生」になるか、「すべて報われる人生」になるか。
人生の分かれ目は、

目的を知るか、知らないか。

これが、重要ポイントです。

人生の目的を知って、報われる苦労や努力に変えましょう。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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