「運のいい人・悪い人」と聞くと、どんな人をイメージされるでしょうか?
素敵なパートナーと巡り会い、自分の理想とする仕事に就いて成功し、懸賞に応募すればたちまち当選する。
そんな人を見ると、「あの人はほんとうに運のいい人だなぁ」と思いますよね。
反対に、パートナーとして選んだ人が実はひどい人だったり、せっかく就いた仕事が思い描いたものとは違ってギャップに苦しんだり、懸賞には全然当たらないけれど、事故には頻繁に遭ってしまう。
そういう人は「あの人はなんて運の悪い人なんだ」と思うでしょう。
いままさに「運の悪い人、それは自分のことだ。自分はとても運が悪いんです。何をやってもうまくいかない。トラブルにはよく巻き込まれてしまう」と思われている人もいるかもしれません。
できることなら運を良くしたい!というのは誰もが思うことでしょう。
でも「運なんてすべて偶然でどうしようもないもの。運を良くするなんてできるはずない」という嘆きも聞こえてきます。
ところが、そんな掴みどころのない「運」についての科学的な研究を進め、運のいい人に共通する法則を見つけ出した人がいます。
その法則を正しく理解し実践することで、誰でも今よりも多くの幸福を得ることができるのです。
その「運のいい人の法則」を何度かにわたって紹介していきます。
生まれつき運のいい人はいない。運のいい人に共通する法則があった
運に関する科学的研究を行ったのが、心理学者のリチャード・ワイズマン博士です。
研究で明らかになった内容をまとめた『運のいい人の法則』(矢羽野薫訳 角川文庫)は、世界30カ国でベストセラーとなりました。
ワイズマン博士はもともとはプロのマジシャンだったのですが、マジックの裏にある人間の心理に強い関心を持ち、マジシャンをやめ、ロンドン大学に入って心理学を専攻、研究にするようになったという異色の経歴の方です。
そのワイズマン博士、心理学に関するある講演でマジックも披露した際、やたら引き運の強い女性と接したことをきっかけに、
- 「運のいい人」「運の悪い人」の違いは何か?
- 偶然だけではない、「運」を説明する何かが存在するのか?
ということに関心を持ち始めたのです。
運という、不確定要素の強すぎるものはそもそも研究対象として避けられがちなのですが、ワイズマン博士は8年にわたって、きわだって運のいい人・悪い人、数百人を対象にインタビューと実験をし、運のいい人の法則を発見したのです。
ワイズマン博士は、
と、いい運とは生まれつきでもなく、偶然の産物でもなく、法則に従ってつくりだされたものと言われているのですね。
今回はその法則の1つである「チャンスを最大限に広げる」についてお話しします。
偶然ではない?運のいい人は考え方や行動でチャンスを演出している
冒頭でも触れましたように、運のいい人の人生にはなぜかチャンスがあふれています。
いいパートナー、いい仕事、いい情報。さまざまな有益なものが偶然にも集まってくるように思いますね。
しかしこれはほんとうに偶然なのでしょうか?
決して偶然ではないと、『運のいい人の法則』の中でワイズマン博士はこう言われています。
チャンスは偶然に巡ってくるのではなく、運のいい人は考え方や行動によって、それらを演出しているのですね。
具体的な例をご紹介します。
ワイズマン博士がインタビューした人の中で、特に自分は運がいいと思っているウエンディさんとジョーさんがいました。
この2人に共通するのが、懸賞で数多く当選していることです。
たとえば、ウエンディさんは賞や抽選に応募すると、平均して1週間に3回、当選しています。またジョーさんは抽選でテレビ数台を手に入れ、人気テレビ番組の収録現場を見学し、旅行も何回か当たっています。
私から見れば、1カ月に1度でも当選すれば「自分は運がいいな」と思いますが、1週間に3回も当選しているとは、生まれつき幸運の持ち主としか思えません。
ところがこの2人には、生まれつきの運によらない、共通する秘密があるのです。
その秘密とは、何だと思いますか?
お気づきの方もいるかもしれませんが、その秘密は「2人ともかなりの件数を応募している」のです。
実はとても単純なことだったのですね。
ジョーさんでいえば、週に50件、応募しているそうです。
ジョーさんは周りから「特別に運がいい人」と思われているそうですが、ジョーさんとしては、「僕は、自分の運は自分でつくるものと思っている。当たらないのは応募していないだけだ。応募しなければ当選のチャンスはないのだから、やってみるしかない」と思っているのです。
応募する件数を増やしていけば、どのような応募の仕方であれば当選に近づくかという傾向もわかっていき、質も上がって、より当選確率も上がっていくでしょう。
それは当然ですが、「応募すること」から始まるのですね。
あなたは外向的?内向的?運の良さと性格との意外な関係
この考え方は、懸賞に限った話ではないのです。
いいパートナー、いい仕事、いい情報など、あらゆる種類のチャンスにも当てはまることなのです。
実は運のいい人に共通していた性格の特徴があります。
それは、
- 外向的
- 神経症的傾向が小さい(=落ち着いている)
- 開放的
の3つです(2番目、3番目の性格と法則との関係は、今後の記事でご紹介していきます)。
1番目の「外向的」でいうと、調査の結果、運のいい人は外向的で愛想が良く、人付き合いもいいことがわかりました。
懸賞で多く応募すれば当選確率も上がるように、人と会うのが好きな外向的な人は出会いの数が多くなり、必然的に良い人との巡り会い、チャンスも生まれやすいのですね。
運のいい人の多くは、普段の生活で会う人の距離を意識して近づけている、と口をそろえています。
さらに単に出会いの数を多くするだけでなく、愛想のいい人はより良質なつながりを持つことができるのです。
ワイズマン博士が行った実験によって、運のいい人は、そうでない人に比べ、
- コミュニケーション時の笑った回数は2倍
- アイコンタクトもはるかに多かった
ということがわかりました。
さらに最も大きく違っていたのは、身ぶりが「開いているか」「閉じているか」だったそうです。
腕や足を組んでいる人は身ぶりが閉じている人であり、そういう人にはなかなか近づきがたいですね。
反対に、手のひらを広げて見せるような、開いている身ぶりの人は周りの人への印象も良く、近づきやすいのです。
その愛想のよさによって良質な関係を構築できれば、そこからさらによい人、よい仕事、よい情報を紹介してもらえる可能性も上がり、よい巡り合いが増えていくのですね。
この結果を踏まえ、ワイズマン博士は「運を鍛える方法」として、
- 1週間に1人以上の、初対面の人と知り合う(※好感の持てない人には無理に関係を深めなくていい)
- つねに笑顔やアイコンタクト、「開いている」しぐさに心がける
を勧めています。
内向的な人にはなかなかハードルが高いと感じられると思いますが、すべてされる必要はありません。やりやすそうなところから少しずつ取り組んでいただければと思います。
運のいい人の法則と仏教の「因果の道理」
運のいい人の法則の一部のご紹介ではありましたが、運とは偶然のものではなく、運のいい人はチャンスを自らつくりだす考え方や行動をしていることがわかっていただけたと思います。
この運のいい人の法則はごく最近明らかになったものですが、「運命は自らの行いが生み出すものであり、自らの行いによって変えることができる」という法則は、2600年も前にお釈迦様が説かれた仏教の「因果の道理(いんがのどうり)」によって明らかにされています。
そもそも、運がいい、運が悪いというのは、私たちにやってくる運命がいい、運命が悪い、ということですね。
ではいい運命、悪い運命は何によって決まるのでしょうか。それを教えられたのが仏教の「因果の道理」です。
お釈迦様は、私たちの身に起こる運命の仕組みをこう教えられています。
- 善因善果……善いことすれば善い結果(=幸福、幸運)に恵まれる
- 悪因悪果……悪いことをすれば悪い結果(=不幸、不運)が引き起こる
- 自因自果……自分のやった行為の結果は、自分が刈り取らねばならない
自らの行いによって運命は決まり、行いの性質によってどのような運命かが決まると教えられています。
仏教でも「原因なくして起きる結果」のような偶然ということはない、と説かれているのです。
どんなことが善い結果を生み出す善因なのかを理解し、それらを地道に実践することで、偶然としか思えないようなチャンスに巡り会い、ほんとうに善い結果がもたらされるのですね。
『運のいい人の法則』で明かされている多くのチャンスに巡り会えるほかの方法を、また今後、仏教の観点も入れながらご紹介していきます。
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