生と死

生と死

震災で苦しんでいる人がいるのに、自分だけが幸せを感じていいの?

【目次】

  1. 震災の時のお悩み1、旅行は行かないほうがいい?
  2. 震災の時のお悩み2、テレビを観て笑っている自分は思いやりがない?
  3. 震災の時のお悩み3、苦しんでいる人がいるのに、自分だけ幸せになってもいいの?
  4. 震災の時、あなたにできることは、まずあなたが幸せになること

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

震災で苦しんでいる人がいて、私は普通に日常生活を送れるだけでも有り難いのに、娯楽を楽しんで良いのだろうか…と思います。
旅行の予定があるのですが、キャンセルした方が良いのかも…と迷っています。

震災で苦しんでいらっしゃる方を想うと、心苦しいですね。
一刻も早く、復旧することを念じ、私もできることを精一杯したいと思います。

今回は、被災のニュースを聞いた人が、悩みやすい3つのシチュエーションを挙げます。
どのように考え、行動したらいいかを考えてみましょう。
あなたの選択のヒントになれば幸いです。

震災の時のお悩み1、旅行は行かないほうがいい?

地震の被害もさることながら、別の被害もあります。
それは、ホテルや旅館の宿泊予約のキャンセルによる被害です。

令和6年能登半島地震において、富山県だけでも宿泊キャンセルによる損失額は3億円近くに上りました。(1月10日時点)

もちろん、安全を確認し、移動自粛などが解除されてからですが、
被災地にとって、旅行に来てもらうほうが助けになるのではないでしょうか。

「旅行の予定があるけれど、キャンセルした方がいいのかも」

こんな気持ちになるときは、「何をすれば支援になるか?」を考えてみましょう。

「不謹慎」「自粛」といった言葉が浮かぶかもしれませんが、後ろ向きな気持ちでいても、復興は進みません。

建設的に、自分にできることを1つでも考えて、実行してみましょう。
前向きな気持ちになるはずです。

そうですね。自分にできる行動を起こしたほうが、被災地のためにも、自分のためにもなることが分かりました。

震災の時のお悩み2、テレビを観て笑っている自分は思いやりがない?

私は東日本大震災で被災し、自宅は半壊、実家は原発の自主的避難対象区域に指定されました。
当事者として、思っていたことがあります。

被災地では、テレビの娯楽番組が自粛され、ポポポポーンのCM(ACジャパン「あいさつの魔法。」)しか流れない状態が、何ヶ月も続きました。

学校は休校、会社も多くが自宅待機。
とくに子供は娯楽がなく、気持ちが不安定になります。
親は、ずっと子供と一緒。気分転換もできない。

一日に何度もアラームが鳴り、余震におびえるだけでなく、
電気もガスも水道も使えない。
何週間も入浴できず、美味しいものも食べられない。

娯楽で息抜きができない疲労感も溜まっていたのです。

「暗い気持ちをどう切り替えたらいいか分からない」

私のまわりでは多くの人がこう話していました。

少しでも子供の気分が晴れ、親の負担が軽減されるように、私は近所の子供に将棋を教えたり、一緒に遊んだりしました。

こういう時こそ、笑顔になれる娯楽が必要なのではないでしょうか。

「こんなに苦しんでいる人がいるのに、楽しむなんて節度がない」

こう言う人もいます。
ですが、私は「苦しむ必要がない人まで、苦しまなくていい」と思います。

一緒に落ち込むよりも、元気を分けてもらいたい。
暗い気持ちの人をすくい上げてくれるのは、元気な人であり、誰かの笑顔です。

たとえ直接、被災地の人と関わりが無かったとしても、あなたが笑顔で過ごすことが、巡り巡って、苦しんでいる人を助けることにつながっていくと思います。

一緒に悲しむことも、思いやりかもしれませんが、
あなたが笑顔でいるのも、思いやりではないでしょうか。

「苦しむ必要がない人まで、苦しまなくていい」
とても心動かされました。

震災の時のお悩み3、苦しんでいる人がいるのに、自分だけ幸せになってもいいの?

震災の時だけ、娯楽を自粛するのは、物事の一面しか見えていないかもしれません。

今この瞬間にも、苦しんでいる人は、世界中のどこかに必ずいるでしょう。

●世界で飢えに苦しむ人は、8億人。

食べるものもなく、生活すらままならぬ人が、今この瞬間もいます。

●ひどい震災や戦争に遭う人だけが「苦しんでいる人」ではありません。

ガンで闘病している人
最愛の人を亡くした人
日本だけでも、30秒に1人がどこかで亡くなっています。

●東日本大震災の死者・行方不明者は約1万9千人。

日本で一週間に亡くなる人は、2万5千人。
報道はされなくても、毎週、東日本大震災よりも多くの人が亡くなっています。

●ニュースにもならない悲しみや苦しみは、山ほどあります。

たとえ平和なニュースだけ流れた日があっても、どこかで苦しんでいる人がいます。

もし「誰かが苦しんでいるとき、自分だけ幸せになってはいけない」のなら、あなたはいつ幸せになれるのでしょうか。

仏教では、「人間の慈悲は不完全である」と言われます。

「慈悲」とは
……苦しんでいる人の、苦しみを抜きたい
……幸せになってもらいたい

仏様の慈悲を「大慈悲」というのに対し、人間の慈悲を「小慈悲」といい、3つの欠点があると説かれています。

(1)続かない

ニュースを見て一時的には「かわいそう」と思っても、別の番組を見たり、他のことをし始めたりすると忘れてしまいます。

(2)差別がある

身近な人や、ニュースで見た人にだけ「幸せになってほしい」と思い、ほかの人の苦しみにまで気にかけている人はいないでしょう。

(3)先まで見通せない

未来を見通した支援を続けられない、よかれと思ってやったことが裏目に出るなど、思い通りに助けられません。

もちろん「小慈悲」であっても、慈悲は慈悲。大切な心がけです。

むしろ、人を助けたい気持ちの強い、優しい人ほど、自分の慈悲の不完全さに気づかされるものです。

人間の慈悲でできることには限界がある。

ということを知っておきましょう。

「苦しんでいる人がいるのに、自分だけ幸せになってもいいの?」

こんな気持ちになるときは、
・「誰かが苦しんでいるとき、自分だけ幸せになってはいけない」と思うのは一面的な考え
・人間の慈悲は不完全である

ということを思い出しましょう。

スッキリはしないかもしれませんが、「今は、一緒に苦しんでいなければいけない」というアンバランスな考えが少しゆるむのではないでしょうか。

震災の時、あなたにできることは、まずあなたが幸せになること

誰かが苦しんでいる時でも、あなたは幸せになっていい。
というよりもむしろ、まずあなたが幸せにならねばなりません。

それは、苦しんでいる人を、幸せに導くためでもあります。

あなたにできることは、幸せというものをよく知って、まずあなたが幸せになることです。

幸せとは何でしょう?

一時の娯楽で笑ったとしても、その娯楽が終わればまた、ダルくてしんどい毎日が始まります。幸せな気持ちは続きません。

あなたが本当の幸せを知らずに、他人を助けようとしても、それは不可能です。

・仮設住宅から公営住宅に移り、安心できる住居が確保される
・避難指示が解除され、自宅に帰れる

このように復興が進んだとき、「震災関連自殺」が増えることも報告されています。

過酷な状況から抜け出し、ようやく安全になったのに、なぜ幸せになれないのでしょうか。

一体、何のために生きるのか。

心の奥に眠っていた、この「根源的な不安」が目を覚ますからではないでしょうか。

・大切な人が亡くなった。自分はこの先、一体、何のために生きるのか。
・仕事を失い、家を失い、すべて無くなってしまった。一体、何のために生きるのか。

「根元的な不安」は、被災した人だけがもつのではありません。

もともと、誰もがもっているものです。
普段は、多忙や娯楽によってごまかしているだけです。

・多忙が少し落ち着いたとき、ふっと「自分は一体、何をしているんだろう…」という気持ちになる。
・一時の娯楽を終えたとき、ふっと虚しい気持ちになる。

「根元的な不安」がちょっと顔を出した瞬間です。
あなたも身に覚えがあるのではないでしょうか。

被災した人も、被災していない人も、
この「根元的な不安」を解消して、初めて、安心して幸せに暮らすことができます。

おわりに

「根元的な不安」の解決方法を教えられているのが、仏教です。

たとえ被災はしなくとも、
どんなに今はそれなりに健康で、恵まれていたとしても、
やがて年老い、病気になり、死んでゆきます。

「老病死を超えた幸せ」を教えられたのが、仏教です。

震災に遭っても、事故に遭っても、余命宣告をされたとしても、
どんなことがあっても、壊れることのない「幸せ」があるのです。

仏教を聞かねば、絶対にわからない「心の幸せ」があります。

あなたが幸せを知り、まずあなたが幸せになれば、苦しんでいる人にその幸せを伝えることもできます。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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