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今回はこんなお悩みについてです。
悪いとわかっているのに、やってしまう。
その気持ち、よくわかります。
別々の「こうしたい」思いをもつ、2人の意見を合わせることって、難しいですよね。
人間関係は、2人以上の間の “ 関係 ” なので、相互作用です。
<あなただけが悪い>ということはありません。
こんなふうに自分を責めるのは、やめにしましょう。
叱ってしまうくらい、あなたは一生懸命がんばっているんです。
キツい言葉が出てしまうくらい、あなたは困っているんです。
他人に優しくなるには、自分に優しくなること。
まずは自分に、優しい言葉をかけてあげてくださいね。
夫婦ゲンカは、旦那さんとの関係。
叱りつけてしまう、親と子どもの関係。
まず「私」をコントロールできるようになって初めて、相手とよい関係を築くことができます。
自分の成熟をすっ飛ばして、本やネットに書かれているテクニックのような近道だけでは、やがて人間関係は崩れてしまうでしょう。
『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著、1996初版、キングベアー出版)を通して、学んでみましょう。
第一、第二、第三の習慣は、「私的成功」というタイトルがついています。
本当に自分を好きになる気持ちは、「私的成功」から出てきます。
自分のことをコントロールできないまま、一時的に好きになれたとしても、うわべだけの短期的な思い込みにすぎません。
なので、まずは第一、第二、第三の習慣をよく理解し、実践しましょう。
それぞれ記事でご紹介しました。
(リンクは、この記事の最後に載せます。)
自分を本当の意味で好きになった「あなた」が、
人間関係を築いていきます。
『7つの習慣』第四、第五、第六の習慣は、「公的成功」というタイトルがついています。
人間関係は、心の痛みや挫折を感じ、幸せを妨げるものにぶつかる領域です。
幸せを定期的に手に入れるには、高い信頼関係をつくり、それを維持し、大切にする必要があります。
私的成功(第一、第二、第三の習慣)の総まとめとして、
今回は、「信頼残高」をテーマにお話しします。
『7つの習慣』の「信頼残高」という考え方を知ると、長期的にみて、良い関係が築けるようになります。
あなたの銀行の通帳を思い浮かべてください。
預金の残高がプラスであれば、必要なときにお金を引き出すことができますね。
逆に、残高がゼロなら、必要なときでもお金がありません。
赤字になったら、借金となり、返済利息もふくらんでいきます。
あなたは冷や汗をかき、気が気でない状態で、苦しい思いをすることになります。
信頼(安心感)も、預金のように増えたり減ったりするので「信頼残高」と例えられています。
地雷の上を歩くようなコミュニケーションになります。
攻撃と防御の戦いになり、「ケンカ」か「逃避」の反応に走ってしまいます。
コミュニケーションは簡単で、効果的で、すぐに話が進みます。
夫婦関係は、地球上でもっとも親密になりうる関係です。
ほかの誰よりも、充実して、喜びに満ち、満足できる、生産的な関係になりえます。
それなのに、信頼残高が不足すると「戦場」と化します。
夫婦こそ、信頼残高をプラスにしていきましょう。
そう思うのも、もっともです。
仕事でクタクタのとき、家ではくつろぎたいですよね。
あなたが、くつろぐことができるようにする【ため】に、
信頼の「貯金」をするのです。
もっとも「日常的で、身近な」夫婦関係こそ、継続的な信頼の「貯金」が重要です。
あなたが、くつろげる環境になるか、戦場になるか。
「信頼残高」で決まるからです。
貯金がいつでもたくさんあると思うのは、
ちょっと危険かもしれません。
たくさん貯金があっても、浪費すればあっという間に減ります。
接する頻度の高い、身近な人には、
引き出し(マイナスになる行動)がなされるので、気づかぬうちに信頼残高がマイナスになりがちです。
「信頼残高」が不足したとき、
地雷の上を歩くようなコミュニケーションに怯えなければならないのは、
あなた自身です。
あなたが思いっきりくつろげるように、安心できるように、
つねに信頼残高をプラスにしていきましょう。
子どもに対しても、信頼残高が重要です!
信頼残高(安心感)が不足すると、子どもはやがて何も話さなくなります。
閉鎖的・機械的なコミュニケーションしかできなくなるのです。
これは、信頼残高(安心感)不足の現れです。
もしかしたら、幼いころから長期間にわたって、信頼残高が赤字になってきたのかもしれません。
こう思ってしまわずに、今から、信頼残高をプラスにしていきましょう。
※反抗期の子どもは、
信頼残高(安心感)があるから、反抗を出せる、ということもあります。
「反抗しはじめたら、一安心」ともいわれます。
逆に、聞き分けの良い、手のかからないいい子は、ちょっと注意。
知らず知らずのうちに、「親が子どもに甘えて」しまい、
子どもの信頼残高(安心感)を減らして、
数年後に関係が悪化したり、子どもが病気になったりすることがあります。
どちらにしても、
信頼残高(安心感)をプラスにしていきましょう。
じゅうぶんに信頼残高(安心感)があれば、
将来のことや、重要なことを相談してくるようになります。
具体的に、信頼残高をつくる6つの行動を見ていきましょう。
まず相手を理解してからでなければ、
なにが信頼残高をプラスにする(貯金になる)のか、わかりません。
これが最優先です。
あなたにとっては貯金になることでも、
相手にとっては、まったく貯金にならないこともあります。
相手の求めるものでなければ、貯金のつもりが引き出しになることもあります。
こう思うときは、貯金のつもりで引き出していたのです。
また、夫にとってはささいなことでも、妻にとっては大ごとだということがあります。
こういうこともあるのです。
信頼残高をプラスにしたいなら、
相手が大切に思うことを、あなたも同じくらい大切に思う必要があります。
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【仏教のことば】
仏教では、1人1人、ちがう世界に生きていると言われます。
これを「業界(ごうかい)」といいます。
「業(ごう)」とは、行いのこと。自業自得の「業」です。
同じ映画を観ても、感動するポイントは人によってちがいます。
同じりんごを見ても、じつは同じように見ていません。
同じ世界に生きていても、1人1人、まったくちがう世界に生きているのです。
この前提で、相手の話をよく聞き、深く理解しましょう。
小さな行いが、大きな結果になるのです。
強そうな人も、無口な人も、子どもも大人も、
内面には、誰もが「痛みを感じやすい心」をもっています。
子どもに対しても、
小さなことを大切にしましょう。
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【仏教のことば】
仏教の根幹は、因果の道理です。
まいた種は、必ず生えます。
ゴマつぶより小さな種が、やがて大樹になるように、
どんな小さな行為も、やがて大きな結果となって返ってくる、とお釈迦様は言われています。
約束を守ることは、大きなプラスの貯金になります。
約束を破ることは、大きなマイナスになります。
守れない約束はしないこと。
軽々しく約束をすることは危険です。
これが人間関係の破綻につながります。
なるべく多くの環境要因や不確定要素を、予測して考え、約束を果たせないことがないようにしましょう。
しかし、あらゆる努力をしても、予期せぬ事態が起きたときは、よく状況を説明し、心から謝りましょう。
夫や子ども、親しい相手にこそ、怠ってはいけません。
そんなときは、夫や子ども自身が、その行動によって当然もたらされる結果が見えていないのです。
次のように伝えましょう。
信頼残高があれば、相手はあなたの忠告に従って行動するでしょう。
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【仏教のことば】
仏教ですすめられる善の1つに「持戒」があります。
持戒とは、今のことばでいうと「言行一致」です。
言うことと、行いを一致させる。
約束は必ず守る、ということです。
「持戒」の反対は「破戒」という悪です。
悪い行いをすれば、その人に悪い結果が返ってきます。
まずはあなたから、言行一致させていきましょう。
人間関係の問題のほとんどは、あいまいな「期待」をもつことから始まります。
これが、誤解、失望、信頼残高の引き出しにつながります。
それぞれ、相手の期待に応えれば、大きなプラスの貯金になり、
期待を裏切れば、大きなマイナスになります。
人は、自分の持っている「期待」に照らし合わせて、相手を裁きます。
だからこそ、「相手に何を期待しているのか」を最初から明確に伝えることも、プラスの貯金になります。
期待を明確にすることは、お互いのちがいを直視し、納得できるまで話し合いが必要です。
最初は大きな時間と労力の投資が必要になりますが、
長期的にみると、大きな時間と労力の節約になります。
面倒くささから、気持ちを伝えず、話し合いをせず、
最終的には何とかなるだろう、と思い込む方がラクですが、
やがて誤解や感情は拡大し、関係に大きな問題が生じます。
あなたが相手に期待することを、
相手に伝わるまで、伝えるようにしましょう。
将来的にラクになります。
誠実さが欠如していると、信頼残高をプラスにすることはできないのです。
どんなに小さな親切をし、約束を守り、期待を明確にする努力をしても、不誠実ならムダになってしまいます。
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【仏教のことば】
仏教では、心をもっとも重視します。
行いといっても、口や体だけはありません。
心の行いは、口や体の行いよりも、重い結果を引き起こすと教えられています。
不誠実な心で、口先だけうまいことを言っても、うまくいくはずがありません。
忘れないようにしましょう。
信頼残高をマイナスにしてしまったときは、誠意をもって謝ること。
これが信頼残高をプラスにします。
こういった言葉を、すばやく心から伝えるのです。
そうですよね。
すばやく心から謝ることは、高潔な人格を必要とする行為です。
深い内的な安定性がなければ、誠意をもって謝ることはとてもできません。
謝罪することが、安定を壊すように感じるからです。
このように恐れるのです。
だから、自分自身の行動を正当化しようとします。
相手の間違いや欠点を探し出し、それを言い訳に使い、
たとえ謝ったとしても、口先だけの謝罪をします。
これでは、信頼残高をプラスにすることはできません。
また、誠意をもって謝ることは、プラスの貯金になりますが、
性懲りもなく同じ行動を繰り返すなら、かえって誠意がないとみられ、マイナスになります。
これが、信頼残高をプラスにする行動です。
多くの人は、「問題は邪魔者」だと思い、消えてなくなってくれることを望みます。
しかしこの「問題」こそが、深い人間関係をつくるとてもいい機会を与えてくれるのです。
人間関係だけでなく、あなたがまだ気づいてもいない課題や問題を知り、目を向ければ、あなたの人生は一変します。
そんな深いテーマを扱うのが、仏教です。
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