幸せとは

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アダルトチルドレンとは―克服したカウンセラーの話

目次

  1. アダルトチルドレンとは、安全な場所として機能しない家族のなかで育った人たち
  2. アダルトチルドレンの苦しみは、「人生脚本」と呪縛
  3. アダルトチルドレンの克服には、「人生脚本」を手放すこと
  4. アダルトチルドレンを克服するまでの道のり
  5. アダルトチルドレンを克服した後の人生は…

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。
アダルトチルドレンかな?と思っているけれど、克服法がわかりません。
なんとなく生きづらさを抱えていて、インターネットで検索すると、アダルトチルドレンに当てはまるみたい。だけどどう克服したらいいのかわかりません。

今回はアダルトチルドレンの克服についてです。

私自身、アダルトチルドレンでしたが、今では克服しました。
アダルトチルドレンを克服できなかったら、生きづらくて苦しいままだったと思います。

アダルトチルドレンの克服は簡単なことではありません。

でも、時間はかかっても、方向性が正しければ、かならず克服できます。

どうかあきらめないで。まずは一緒に「正しい方向性」を学んでいきましょう。

アダルトチルドレンとは、安全な場所として機能しない家族のなかで育った人たち

「私はアダルトチルドレンなのでしょうか」

アダルトチルドレンとは、安全な場所として機能しない家族のなかで育った人たちのことです。

「安全な場所として機能しない家族って?」

自分の家族は安全に機能していたか、機能不全だったのか、判断がつかないと思います。

自分が育った家族は、基本的に1つなので、他の家族と比較できないからです。

私も機能不全家族で育ちましたが、20歳になるまで、「うちの家庭はすばらしい家族」と思っていました。
(実際は「すばらしい家族だと言いなさい」と言われて育ち、疑いもしなかっただけなのですが。)

「安全な場所ではない」といっても、さまざまなパターンがあります。

機能不全の多くのパターンは…
力のある人が、ほかの人を抑圧し、適切な愛情が与えられず、一人一人の人格や個性が尊重されない家族

たとえば、こんな家族です。

感情的アビューズ(暴力)
両親が不仲でどちらかに暴力をふるう、喧嘩が絶えない。
・嫁姑など、家族内で仲の悪さから常に緊張して、気をつかわねばならない。
頻繁な怒りの爆発、拒絶、否定する暴言。
精神的アビューズ(暴力)
・何を言っても聞いてもらえない
・「そんなことをしたら追い出すぞ」「学費を出してやらないぞ」などの脅し
・他人や兄弟姉妹と常に比較され、差別される。
・自分のしたいことが禁止され、親の言うとおりにさせられる。
・なにをやっても親に満足してもらえない。小さなミスを指摘され、褒められない。
お金、肩書き、学歴、見栄えのいい仕事だけが重視される。
・顔や容姿をからかわれたり、バカにされる
・子が親の世話をしなければならない、親子逆転
親のグチ聞き役、なぐさめ役、年齢以上の責任をとらされる。
身体的アビューズ(暴力)
・父親が酒を飲むと、母親や子供に暴力をふるう。
・殴られる、叩かれる、蹴られる、髪や耳をひっぱられる、つねられる。
・物を投げつけられる、壊される、大切にしているものやペットを傷つけられる。

このように聞くと、

「暴力はなかったから、アダルトチルドレンではないのかな」

と思われるかもしれませんが、表面には見えない機能不全家族もあります。

自己愛家族(見えない機能不全)
・だれが見ても「良い家族」だが、子供の欲求に焦点が当たらない
親の事情や、親の欲求に焦点が当たり、子供はそれが自分の欲求だと思い込む。

ある程度の機能不全は、どの家庭にもあります。

しかし、それが常に起こっていてパターン化していたり、頻度は少なくても程度がひどい場合には、トラウマとなり人生を縛ります。

どの程度なら許容範囲で、どこからが問題のある機能不全なのか、判別が難しいかもしれません。

私も「みんなこんなものだろう。うちの家族は問題ない」と思っていたので、複数の機能不全が常態化していたにもかかわらず、アダルトチルドレンと聞いてもピンときませんでした。

矛盾するようですが、「うちにもけっこう問題あったよ~」と軽く言える人は、機能する家族で、問題を問題と認められる風通しのいい環境で育ったようです。

問題が山積みなのに、誰にも言えない。
誰かに言えたとしても、まったく理解してもらえない。
うつ病や、心身症、学業や仕事を続けられないなどの支障が続く。

このような場合は、アダルトチルドレンである可能性があると考えられます。

アダルトチルドレンの苦しみは、「人生脚本」と呪縛

アダルトチルドレンの誰にもわかってもらえない苦しみの1つは、「人生脚本」です。

人生脚本とは、なぜか人生において繰り返してしまうパターンのことです。

親の「魔力をもった言葉」が染みついていて、「こう動かねばならない」と完全に思い込んでいるのです。

いろいろなパターンがありますが、たとえば…

・「ここぞ」というときにかぎって体調を崩したり、逃げ出したりする。
・結婚に踏み切れない、親しい友達ができない。
・パワハラのターゲットになりやすい。
・いつも緊張して、過度に警戒している。

この呪縛を解けるのは、他ならぬ「あなた自身」です。

「わたし自身が呪縛を解くって、一体どうやって?」

そのヒントになるのが「因縁果の道理」です。

すべてのことは、「因縁果の道理」で成り立っています。

とは、あなた自身の心・口・体のおこないのこと。自分の行いです。

とは、因を助けるもの。環境やきっかけのことです。

とは、結果。幸福や不幸のことです。因と縁が結びついて、果が現れます

「因縁果の道理」は、シンプルな法則ですが、奥が深く、学べば必ず幸せになれる法則です。仏教に詳しく教えられています。

アダルトチルドレンの克服、呪縛を解くカギは、因縁果の道理を“ 正しく知る ”ところにヒントがあります。

【因はないのに、縁だけで起きる結果】はあり得ません。

親は、「縁」にすぎません。
あなたが不幸に感じるとき、「親のせいで」「兄弟のせいで」と「縁」だけのせいだと思うなら、それは間違いです。

あくまで、あなた自身の心で思うことや、口で言ったこと、行動したことが「因」です。

「あなたに原因があるのだから、あなたが悪かった」とか、「あなたが原因をつくっているのだから、あなたの努力不足」ということでは決してありません
もし「あなたが悪い」「あなたの努力不足」という人がいるなら、その言葉は間違っているので、鵜呑みにしないようにしましょう。

自分に起きるすべての結果(幸せ・不幸)は、自分の行為(心・口・体)がつくり出しています。

あなたは、あなた自身の行為を変えることで、これからの人生を変えてゆけるのです。

「縁」だけで結果が生じると思っていると、親や家族を恨み、この先の人生もずっと呪縛が解けないと思ってしまいます。人生を変えられないと思うのは、間違いです。

「因」と「縁」を区別することが、アダルトチルドレンの克服のヒントになります。

【縁がないのに、因だけで起きる結果】もありません。

想像してみてください。

平穏な家庭(縁)で過ごした人は、心・口・体でどんな行動をするでしょうか。
日常生活には恐れがなく、緊張もせず、「今日は夕ご飯なにかな~」と思ったり、無邪気に遊んだりするでしょう。
機能不全な家庭(縁)で過ごした人は、心・口・体でどんな行動をするでしょうか。
戦々恐々としているので、「今日はどうやってピリピリした食事の時間を切り抜けようか」と思ったり、体が縮こまったりするでしょう。

縁によって、心・口・体の行動も変わります

縁がないのに、因だけで起きる結果はないのです。

縁の影響が大きいほど、当然、結果(幸せ・不幸)にも大きな差が出ます。

アダルトチルドレンが不幸とは限りません。私はアダルトチルドレンの克服をきっかけに、因縁果の道理を学んだり、人生を深く考えたりしたことを誇りに思っています。不幸や災難も、それ以上の幸せを得るきっかけにしていくことはできると思っています。

アダルトチルドレンは、長年、親や家族という「縁」の強い影響力によって、いつもピリピリした環境で、恐れや不安などの「因」をつくってきました。

幸福や不幸という「結果」を決めるのは、「因」です。あなた自身の心・口・体の行為です。

「縁」は、あくまで「因」が「結果」になるのを助けるものでしかありませんが、その環境下では、幼かったあなたはそのように行動するしかなかったのでしょう。

精一杯、そのときを生き抜いてきた自分を褒めてあげてくださいね。

パターン化した【「因」と「縁」を変える】

あなたが家庭で学んだ人間関係の築き方、人との距離感、不安や疑い、恐れなどの心・口・体の行動(因)は、習慣化して、大人になった今も、不健全な方法で行動してしまっています。

これが、「なぜかいつも面倒な人間関係に巻き込まれてしまう」「仕事を続けることができない」などのパターン化した「人生脚本」を生み出していると考えられます。

「人生脚本」は、誰にでもありますが、ひどい家庭環境で学習した「人生脚本」を意識して手放さなければ、これからも生きづらい苦しい人生の繰り返しになってしまうかもしれません。

アダルトチルドレンの克服には、「人生脚本」を手放すこと

大人になった今、その恐れや不安を手放すために、穏やかで安心できる人とつき合ったり、カウンセリングを受けたり、自分で「縁」を選ぶことができます。

よい縁を選ぶのも、自分の行為「因」です。

よい縁を選ぼうとしても、最初のうちはうまくいかないことも多いでしょう。

安心してもいい相手なのに恐れたり緊張する。
・逆に、親と似た雰囲気の安心してはいけない相手に心を打ち明けてしまう。
・気がついたら自分も親と同じように他人を束縛していた。

こんな失敗が続くかもしれません。

「人生脚本」は、幼いころに「こうしないと痛い目に遭う」と学習したことなので、一朝一夕に手放せるものではありません。

それでも、よい「縁」を選び、心・口・体でよい「因」をつくっていけば、かならず「結果」も良いほうへ、良いほうへと変わってゆきます。

筋トレで少しずつ筋力がつくように、少しずつ「人を見極める目」が養われ、「肩の力を抜く」加減が身についてきます。

誰に、どこまで、自分のことを打ち明けるか。完全に隠すわけでもなく、相手を困らせるほどでもなく、相手と対等で安心できる関係でつき合えるように、自分でコントロールする感覚ができてきます。

自己コントロール感をもつことができるようになれば、アダルトチルドレンに特徴的な「共依存」もなくなっていきます。(共依存については、また別の機会にお話ししましょう)

「人生脚本」は、「自分でコントロールできないまま、なぜかいつもうまくいかない」というものです。

自己コントロール感をもつことができれば、「人生脚本」を手放すことができます。

アダルトチルドレンを克服するまでの道のり

幼いころだけでなく、今も、親の影響を受けていませんか。

アダルトチルドレンを克服するまでは、親との距離感もつかめないかもしれません。

あなたが変わろうとするとき、これまで親にとって都合がよかったのに、不都合な行動が増えるので、親は抵抗します。脅したり、あなたを否定したりする危険性があります。

できるだけ、安全な場所や、信頼できる人の助けを得ながら、歩みを進めていくのが一番です。味方になってくれる人を見つけましょう。

アダルトチルドレンを克服するまでの道のりを示します。

主体性を取り戻す。

親があなたにかけた無言の期待
「こうしなければあなたはダメになる」という決めつけ
親は正しく、子は誤り。だから親に従うのが当然、という横暴さ。

親は親、子は子です。子供の考えが、親と一致しないのは自然なことです。
本来は、子供の人格や意思を尊重し、親が子供にふり回されながら、子供の安心感や自主性を育むものですが、アダルトチルドレンはそれができる環境ではありません。

大人になった今、親が何を言ったとしても、自分で考え、行動し、失敗しながら自分の人生をつくってゆくのです。

親の手を離す。あなたが親を導く。

良い親のフリをして、自分のことしか考えていない親。

親が、あなたに対してかけてきた「魔力をもった言葉」に、自己中心的な「毒」が混じっているのは、事実です。

でもその毒を、放置して毒されたままにしているのは、実はあなた自身なのです。

自己中心的な親とあなたはずーっと手をつないでいて、ブンブンふりまわしてくるのに、その手を離さないでいます。

あなたはもう、親をふりまわすくらいの力をもっているのに、あきらめて力を出していません。力がないと思い込んでいるからです。

思い切って、ふりまわしてくる親の手を離しましょう。

まずは、あなたが自分の力に気づくことです。

あなたが自分のもつ力に気づいたとき、ふりまわされて苦しかったのを、そのまま親に仕返ししたくなるかもしれません。しかしそれでは、親と同じ過ちを繰り返すことになります。

ゆくゆくは、あなたが本来の力を発揮して、あなたが親の手を引き、導くのです。

尊重してくれる人とつき合う

あなたの気持ちを尊重し、あなたが決めることを否定せずに応援してくれる人は「よい縁」になります。手助けしてくれる人・味方になってくれる人を見つけましょう。

だれか1人に依存するのではなく、味方が何人かいるといいですね。
アダルトチルドレンの克服は大変な作業ですから、1人だけに依存すると、その人が抱えきれなくなって共倒れになってしまうかもしれません。

自由で自主性のある考え方をする人と接すれば、あなたが親とつくりあげた固定化した考え方も柔軟になっていき、自由に行動できるようになるでしょう。

あなた自身が決断し、力をつける

最初は自分で決断することが難しくても、小さなことから自分で決断するように練習していきましょう。
一筋縄にはいきません。

でも、小さな種が、芽を出し、どんどん大きくなって、あなたは自由に幸せになれます。

あなたの人生をあきらめないで。

アダルトチルドレンを克服した後の人生は…

あなたが親から取り込んだ「自分はダメだ」というメッセージ。

アダルトチルドレンを克服するときに邪魔になる考えです。
「自分のどこがダメなのか」と減点式に自分を評価するのはやめましょう。

すべては、幸せのゴールに向かうプロセス。
その途上にいる自分を「よくやっている」と褒めてくださいね。

「なんでこんな親のもとに生まれたんだろう…」と悲しむ必要もないのです。

仏教では、本当の幸せになれば「すべてのことは、本当の幸せになるために、私に必要だった」と過去の一切を喜べると言われます。

「親のせい」と嘆いてばかりだった私が、仕事も、人間関係も、うまくいくようになったのは、因縁果の道理をひとつひとつ実践して、考え方や行動がすっかり変わったからです。

因縁果の道理は、アダルトチルドレンを克服した後も、さらに明るく楽しい人生につながってゆきます。

あなたも、因縁果の道理をもっと詳しく聞けば、「この幸せになるための苦労だったんだ!」と喜びいっぱいで満たされる時が必ずきます。

苦しみ悩む今が、チャンスです。悩みが深いほど、だれよりも真剣に自分の人生と向き合い、本気で幸せになる一歩を踏み出せるのですから。
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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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