病気

病気

励ましの言葉。NGワードとOK励まし言葉。

目次

  1. 励ましの言葉チェックテスト。NG態度、あなたはとっていませんか?
  2. 励ましの言葉とまちがえやすい【NGワード】
  3. 励ましの言葉としてOK!勇気づける【OK励まし言葉】
  4. 「励ます言葉」悩みごとに使う具体例
  5. どうしても希望がもてないときは

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

「落ち込んでいる人を、どう励ましたらいいかわかりません」

こんなお悩み相談を受けましたので、今回は【励ましの言葉】特集です。

落ち込んだときに、励ましてくれる人がいたかどうかで、その後の人生が変わることだってあります。

逆に、ヘタをすると「この人にはもう相談しない」「こんな人だとは思わなかった…」と、信頼関係が崩れてしまうこともあります。

私自身、励ましの言葉で「勇気づけられた」経験もあれば、「負担に感じてしまった」経験もあります。

せっかく励ましの言葉を伝えるなら、相手に心から元気になってもらいたいですよね。

人によって感じ方は違いますが、だいたい共通した心理的な法則があります。

励ましの言葉の【NGワード】と【OK励まし言葉】をご紹介します。

励ましの言葉チェックテスト。NG態度、あなたはとっていませんか?

人を励ますとき、次のA~Dのうち、あなたはどの行動をとることが多いですか。

=励ましの言葉チェックテスト=

A 「励ませば、きっと元気になってくれる」と思って、できるだけたくさんの言葉をかける。

B 傷つけてしまうのではないかと思うと、言葉に詰まり困ってしまう。

C 当たり障りなく、落ち込んでいる内容には触れずに、たわいもない話をする。

D 厄介なことに巻き込まれると嫌だから、近づかない。

励ましの言葉をかけるには、実は高度なスキルが必要です。

人を励ますのは、簡単なことではありません。
カウンセラーであっても、100%確実に人を励ますことはできません。

むしろ、有能なカウンセラーほど【自分にできる限界】を十分に認識しているものです。

あなたも最初に、励ましスキルがどれくらいあるか、正しく自己認識しましょう。

=チェックテストの結果=

A 「励ませば、きっと元気になってくれる」と思って、できるだけたくさんの言葉をかける。

悪気のない純粋な気持ちなのですが、

【落ち込んでいる人は敏感になっていて、ヘタをするとあなたへの信頼はガタ落ち】

という可能性があります。

「励ませば元気になる」「たくさん言葉をかけなくちゃ」と思っていると、【NGワード】を連発しがちです。

相手は表面的に「ありがとう、元気になったよ」と笑顔を見せるかもしれませんが、内心は「もうこの人に相談はしない」と決意していることもあります。

「励ましの言葉」を考えるとき、矛盾するようですが、あまり強く「励まそう」と思わないほうがうまくいきます。

人は、悲しみから<自分の力で>立ち直っていくようにできています。

本人の中に、立ち直る力は備わっています。

周囲ができるのは、本人の回復力を、ほんの少しお手伝いするだけなのです。

あなたへのアドバイス
1、後ほどご紹介する【NGワード】を頭に入れましょう。
2、本人の回復力を信じましょう。
3、周囲ができることはある、けれどできることには限界があると知っておきましょう。

B 傷つけてしまうのではないかと思うと、言葉に詰まり困ってしまう。

「落ち込んでいる人を励ましたいと思っても、どう言ったらいいか分からないんです…」

そんなふうに「傷つける可能性がある」という意識のあるあなたは、とても心優しい人ですね。

【NGワード】を連発してしまう可能性は低いので、信頼関係が崩れる心配はありません。
その代わり、言葉に詰まることもあるでしょう。

あなたが言葉に詰まっていると、落ち込んでいる相手は「困らせてはいけない」と思って、あなたの前では無理して元気をよそおうかもしれません。

ところが1人になった途端、落ち込みのドン底に舞い戻ってしまいます。

相手を励ましたいなら、あなたが困惑していてはいけません。

正しい知識をもっていれば、言葉に詰まって困ることはなくなります。
相手を勇気づける【励ましの言葉】を伝えられるようにしましょう。

あなたへのアドバイス
1、大切な人を支える人になれるように、できるだけ困惑した姿は見せないようにしましょう。
2、正しい知識を身につけ、自信をもって励ましの言葉を伝えましょう。

C 当たり障りなく、落ち込んでいる内容には触れずに、たわいもない話をする。

【NGワード】言わないので、相手を傷つける可能性は低いでしょう。
その一方で、相手が勇気づけられることもありません。

落ち込んでいるときに勇気づけてもらった経験というのは、かけがえのない宝になります。

あなたは今、言葉ひとつで、一生の宝物を渡すチャンスがあるのです。

もちろん、たわいもない話をすることも、落ち込んでいる人にとって気分転換になりますが、もっと効果的な言葉をかけることができます。

あなたへのアドバイス
1、まずは相手を勇気づける【励ましの言葉】を伝えましょう。
2、たわいもない話と、励ましの言葉。両方あると信頼度はグッと高まるでしょう。

D 厄介なことに巻き込まれると嫌だから、近づかない。

落ち込んでいる人と関わるのは、エネルギーの要ることです。

あなたはこれまでに「親身になって行動したら、厄介なことに巻き込まれた」経験があるのかもしれませんね。

けれど、あなたもいつ、どんな事故に遭うかもしれません。
重い病気にかかることもあるかもしれません。
最愛の人を亡くすかもしれません。

あなたが落ち込んでいるドン底のとき、誰も声をかけてくれない。誰も気にかけてくれない。
そんな状況を想像してみてください。

一人ぼっちだったら、どんなに孤独でしょうか。

助けたことのある人は、助けてもらえる人です。

目の前の落ち込んでいる人は、多くを望んでいるわけではありません。
あなたからの【たった一言】でもいいのです。

あなたへのアドバイス
1、たった一言かけるだけでもいいのです。
2、情けは人の為ならず。あなたも助けてもらう時がくるでしょう。

励ましの言葉とまちがえやすい【NGワード】

良かれと思ってやったことが、かえって悪い結果になることもあります。

励ましの言葉とまちがえやすい【NGワード】を押さえておきましょう。

励ましNGワード1、「そんなに落ち込まないで」

落ち込んでいる本人が、一番「落ち込みたくない」と思っているものです。
でもどうしても落ち込んでいるから困っているのです。

励ましNGワード2、「ほかの人はもっとひどかったのよ」

誰かと比較されても、本人のつらさは本人にしかわかりません。

たとえば病気。「病」という字は、やまいだれに「丙」と書きます。苦しみに甲乙つけがたいから「丙」と書くそうです。

苦しみは、比較できるものではないのです。

「もっと大変な人がいる」と比較することは、無自覚であっても「あなたのつらさは、たいしたことではない」というメッセージを送ることになります。

励ますつもりが「そんなことくらいで落ち込んで(あなたはダメ)」と伝わり、かえって落ち込む結果になることもあります。

比較して重いものを引き合いに出すと、もう一方は「軽い」というニュアンスになります。

励ましNGワード3、「きっと大丈夫だよ」

文脈によっては励みになりますが、逆効果になることも多いので注意しましょう。

大丈夫かどうか、わからないから落ち込んでいるのです。
根拠なく「きっと大丈夫だよ!」と言われると、人によっては違和感を覚えるでしょう。

正直な人は「あなたに一体なにがわかるの?」と言うでしょう。

あなたも「せっかく励ましたのに…」と思い、お互いに気まずくなってしまいます。

励ましNGワード4、「こうしたら?」「この人はこうしたら良かったらしいよ」

励まそうとして、たくさんの情報を教えたくなるかもしれません。

ですが、落ち込んでいるときは、普段よりずっとエネルギーが消耗している状態です。
あれもこれもと勧められると、混乱します。

励ましNGワード5、「私もあのときは大変だったなぁ」

「励ますこと=共感すること」だと勘違いしている人が、いかに多いことでしょう。

共感…相手の話を「そのとおりだ」と肯定すること。相手と似たような経験を思い出して、自分の感情を味わうこと。

「共感」という間違いを犯すと、「私もあのときは大変だったなぁ」と、結局あなたの体験を相手に<聞いてもらう>ことになります。

カウンセラーは、共感はしません。
かならず「傾聴」をします。

傾聴…相手の話に「良い」「悪い」という評価を加えません。注意深く正確に聴き、そのまま「あなたはそう感じるんだね」と伝えます。

カウンセラーも「共感的理解」はします。

共感的理解は、似たような体験をしていなくてもできます。

また、自分の価値観に反することであっても、「あなたはそう感じるんだね」と理解します。

あくまで相手に「寄り添う」感覚です。

励ましNGワード6、「早く元気になってね」

「早く元気になってほしい」と思うのは、自然なことですが、それを相手に伝えるのはNGです。

「早く元気にならなきゃ。でも元気が出ない…」という葛藤をしている時に、「早く元気になってね」と伝えることは、相手を焦らせ、窮地に追い込むことになります。

励ましNGワード7、「がんばって」

落ち込んでいる時というのは、「がんばりたい、だけどがんばれない…」という葛藤の状態です。
「がんばって」と言われると、葛藤がますます強まり、回復が遅れます。

励ましNGワード8、「ショックだな」

「じつは大切な人を亡くしてしまって…」
「えっ、そうなの?そんな…。(ショックを受けて落ち込む)」

こういうケースが、意外と多いのです。

落ち込んでいる人よりもあなたが強く落ち込んでしまうと、落ち込んでいる側が励まさねばならなくなります。

本来いちばん悲しむべき相手が悲しめなくなってしまいます。

あくまであなたは励ます側。代わりに落ち込んでしまうのは避けましょう。

励ましの言葉としてOK!勇気づける【OK励まし言葉】

瀬戸内寂聴さんは、ある女性が若くして夫を亡くし「もうどうしたらいいかわからない」と涙をこぼしながら相談したとき、何も言わずに手を取り、女性を抱きしめました。

励ましの本質は、ここにあると思います。

相手にとって励みになることは、言葉とは限りません。

そばにいて、うろたえることなく話を聞き、相手の悲しみをそっと受け止め、心の痛みに「手を当てる」感覚。

傷の「手当て」を受けた人は、悲しみがふっと軽くなり、心の奥底から「だいじょうぶかもしれない」という気持ちが小さく湧き出てくるのです。

その癒しは、一時的な小さなものかもしれませんが、やがて希望になり立ち直ってゆきます。

ただ、相手との関係性もあるので、むやみやたらに抱きしめるのはやめてくださいね。

心が大事、ということです。

励ましの言葉も、どういう心で伝えるかによって、相手の受け取り方は変わります。

誠実に相手のことを思って、気持ちを伝えましょう。

励ます言葉1、「私にできることがあったら、なんでも言ってね」

おすすめの言葉です。
「私にできることがあったら、なんでも言ってね」と言われて、傷つく人はいないでしょう。

何かしてもらいたいと思っても、遠慮してなかなか言えないものです。

あなたに頼ってみようかな、と思えるまで、何度でも伝えてみてくださいね。

励ます言葉2、「話してくれてありがとう」

落ち込んでいる内容を話すことは、自分の弱い部分をさらけ出す行為なので、いろいろな葛藤が生じます。

『こんなことぐらいで落ち込んでいる』と思われないだろうか。
『あなたにも落ち度がある』と責められはしないだろうか。
『あなたってそんな人だったのね』とガッカリされないだろうか。

ほかにも、
・前に、落ち込んでいる時に他人に相談しても、わかってもらえなかった。
・私の苦しみがわかるはずがない。
・弱い人間だって思われたくない。

などなど、落ち込んでいる姿を見せるのはリスクなのです。

そんなリスクがありながら、あなたに話してくれたのは【あなたを信頼している証拠】です。

ぜひ「話しづらいことを、話してくれてありがとう」と伝えてくださいね。

励ます言葉3、できない部分は目をつぶり、できたことを一緒に確認する

落ち込んでいる時は「できなかったこと」「できないこと」ばかり考えてしまいます。

これを視野狭窄(しやきょうさく)といいます。
もとは目の病気で視野が狭くなる意味ですが、ストレスや落ち込みで「まわりが見えなくなる」「視野が狭くなる」こともいいます。

1つの考えにとらわれて、ほかの考え方ができなくなるのです。

視野狭窄には、6つの思考パターンがあります。

  1. ~しなければならない (例)1人で乗り越えなければならない
  2. 決めつけ・ラベル付け (例)自分はダメな人間だ
  3. 自分の責任と思い込む (例)私が早く帰らなかったから、こんな結果になったんだ
  4. 全否定・すべてに応用 (例)もう人生終わりだ
  5. 悲劇的な考え方をする (例)きっと誰からも助けてもらえない
  6. 急ぎ極端な結論を出す (例)もう死ぬしかない

落ち込んでいる人がこういうことを言い始めたら、決して責めず、否定もしないでください。

落ち込むと、だれでも視野狭窄になります。

「いまは視野狭窄に陥っているのだな」と理解して、ゆっくりと、別の考え方を提示しましょう。

「あなたは全部ダメだと言ったけど、これはできていたよ」

できたことを、本人の代わりにあなたが見つけて、伝えていきましょう。

励ます言葉4、「ゆっくりいこう」

落ち込んでいる人は、たいてい焦っています。

「早く回復しなきゃ」
「早く取り戻さなきゃ」

ところが落ち込みというのは、脳のホルモンがたくさん関係しており、ドーパミンやセロトニンといったホルモンが一時的に枯渇して、再度つくるまでに時間がかかります。

元気な時はコップに水が入っているのに、落ち込んだときはコップが空になってしまったようなものです。

元気な時とおなじくらいの水量まで回復するには、ある程度の時間が必要なのです。

「早く回復しなきゃ」と思ったところで、早くはなりません。

むしろ焦るとさらにホルモンを消費するので、回復が遅れます。

「焦らなくていいんだよ」
「頑張りすぎてない?」
「ゆっくりいこう」

と繰り返し声をかけてくださいね。

励ます言葉5、「落ち込んでもいいんだよ」

落ち込むのは、人間にとって自然な感情です。

太古の昔から、大切な人を亡くしたら落ち込んでいたでしょう。
しかも世界に共通する感情です。

その証拠に、墓は何千年も昔から存在します。古墳やピラミッドも墓の一種ですが、5千年ちかく前に造られたものもあります。

悲しみがどうにもならないから、なにかできることをしたいという気持ちの表れでしょう。

そして昔から「喪に服する期間」があります。

今は形式的になっていますが、もとは「悲しんでいていいんだよ」という期間だったのです。

充分に悲しむ時間を取れないと、身体は正直なので、トラウマや心身症といった形で落ち込みが噴き出てくる可能性もあります。

安心できるように、「落ち込んでもいいんだよ」と伝えてくださいね。

「励ます言葉」悩みごとに使う具体例

実際にありがちな悩みの場面を挙げて、「励ます言葉」の具体例を紹介します。

「眠れないんだ」

眠れないのは、つらいよね。
眠れなくてしんどい中、話してくれてありがとう。
こうしていま、話ができてうれしいよ。

「食欲がないんだ」

食欲がないと、つらいよね。
食べられなくてもどかしいと思うけど、食べられるだけ食べたのが偉いよ。

「あれもこれもできない」

頭で「ああだ、こうだ」と考えちゃうよね。
でもきっと、考えると焦っちゃうんじゃないかな。
まずは深呼吸してみて。
できることを、1つずつ、一緒にやっていこう。

「希望がもてない」

今は思えないかもしれないけれど、また希望の光は出てくるよ。
それまでサポートしていくし、心はいつもそばにいるよ。

「自分の存在価値って何?」

存在価値がないように感じるのかな。
どんなときも、あなたの存在意義は変わらないよ。
何を言われても、あなたの価値は変わらないよ。

「私の何がいけなかったの?」

あなたは何も悪くないよ。
生活をひとつずつ、一緒にできることをやっていこう。

「原因は何?」

複雑に要因が絡まって、原因がわからないことだってあるよ。
原因を探して落ち込むなら、原因を考えるのは一旦やめにしよう。
気持ちがラクになることを一緒に探そう。

「ウダウダ考えちゃう」

考えちゃうことってあるよね。
ウダウダに気がついたんだから、大丈夫だよ。
気づいたときに、気持ちがラクになるほうを選んだらいいんじゃないかな。

「痛みがひどいんだ」

(痛みに名前をつけて)ズキズキのズッキーニ君が出てきたんだね。
(さする、手を当てるなど、相手に寄り添う)

「暗い気持ちになっちゃうんだ」

(落ち込むきっかけの出来事)について、○○と感じるのは、人間として当たり前だよ。

泣き言ばっかり言う人には…

ぶちまけたいくらいつらいんだね。
言えば言うほど、自分の言葉であなた自身が傷つくんじゃないかと心配だよ。
長期的な解決につながるように、一緒に考えるよ。
あなたはどうしていきたい?

※五感を使う、健康的な慰め(代替対処法)を少しずつ勧めましょう

あたたかいお風呂に入る
楽しい音楽を聴く
散歩に出かける
ストレッチや軽いスポーツ
カフェに出かける
映画やテレビを観る
植物を育てる
アロマなどいい香り
体験に注意を向ける(鳥のさえずり、風を感じる、空を眺める、味わう)

どうしても希望がもてないときは

誰でも病気になります。そして、考えたくないことですが、すべての人は必ず死ぬ時がきます。

大切な人を亡くしたら、ひどく落ち込むでしょう。
自分が余命宣告されたら、どうやって希望をもちますか。

最期、どうしても希望をもてない時がくるのが現実なのです。

あなたの大切な人を、心の底から励ますには、人生について、人間について、そして死についても、もっと深く考える必要があります。

そうやって考えることが、いずれ、あなた自身にふりかかる悲しみに立ち向かう希望になります。

この記事を書いた人

ライター:月見 草

人生の目的が5ステップで分かる
特典つきメールマガジンの登録は
こちらから

詳細を見る

関連記事

人生の目的とは 生きる意味やヒントを見つけるための特集ページです。

生きる意味やヒントを見つけるための特集ページです。