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人生は、選択の連続です。
日々の献立から大学、就職、結婚にいたるまで、頭を悩ませます。
よりよい道を賢く選ぶため、近年、導入されてきたのが人工知能(AI)です。
人工知能(AI)が加速的に進化する今、私たちにとって大切なこととは何でしょうか。
アメリカの大学で、人工知能(AI)による進路アドバイスが始まっています。
その様子を取材した番組が、今年1月、NHKで放映されました。
分厚い講義一覧から、科目を選択する光景は過去のもの。
人工知能(AI)が、学生の得意科目や関心・成績などから、向いている科目を絞り込み、お勧めの履修科目を紹介してくれるようになりました。
意外な提案も多いそうですが、アドバイスは的確で、このシステムを導入した大学では、落第者が目に見えて減ったといいます。
すでに約2万4千人の米学生が利用しており、近い将来、適性のある職業や就職先について助言してくれる、より賢い人工知能を導入の予定です。
人工知能(AI)は、結婚相手探しにも活用されています。
年齢や居住地、年収、子どもの有無、結婚の意思など約30項目を入力すれば、理想の条件をもとに人工知能(AI)が「相性度」などをはじき出す。
画面には、「恋人候補者」の顔がずらりと並び、それぞれに人工知能(AI)が出した「相性度」が赤く記されます。
賢く、効率的に理想の相手を探す近道、とばかりに、利用者は累計700万人以上に上るといいます。
「この人と結婚すれば、あなたとピッタリ。幸せになれるわよ」
腕利きの仲人人工知能(AI)による「見合い結婚」です。
このように、私たちの生活はもはや、人工知能(AI)と切り離せなくなりつつあります。
発明家エジソンは
と言ったそうです。
賢い決断をするには、膨大な情報を集め、いろいろと考えを巡らせなければなりません。
考えるのは面倒なことですから、人工知能(AI)が代わりに考えてくれるなら、こんな楽なことはありません。
あれこれ考えず流されるのが、最高の幸せと感じる人が多いから、「無知は至福なり」の諺まであるのでしょう。
ビジネスでもプライベートでも、難しい選択を迫られたときは人工知能(AI)がいつも最適解を教えてくれる。
時代が進めば、「迷う」ことがほとんどなくなり、ほとんど人工知能(AI)の言いなりに物事を進めるようになるかもしれません。
しかし、本当にそれでよいのでしょうか。
『朝日新聞』の編集委員・福島伸二さんは、「人工知能(AI)によって、方向づけられた思考や行動を、自分の意思で行っているかのように錯覚してしまうのでは」と警鐘を鳴らしています。
日々のネット検索の履歴が蓄積された結果、偏った情報しか表示されなくなる現象は「フィルターバブル」と言われ、視野が狭まる危険性が指摘されています。
自分で選んだつもりでも、“自分の好み”を学習した人工知能(AI)が導き出した選択肢から選ぶようになってきています。
そもそも、人工知能(AI)を造ったのは欲に目鼻をつけた私たちです。
人工知能(AI)の提案する「生き方」は、色々あるように思えますが、つまるところ、「欲さえ満たせば幸せ」の考えを前提に造られています。
「楽したい」の欲に流されて考えることを放棄し、「サア、ホレ、欲満たせ」と、人工知能(AI)の勧めのままに欲望をかき立てられ、無限の欲を満たそうと走らされる。
そのために、最も大事な人生の目的を見失い、欲望のとりこになって露の命を終えていきます。
「ローマの賢者」と言われた2千年前の思想家・セネカは、次のように言いました。
求めるものが間違っていた。
才能、財産、権力があれば他人はうらやむが、わが身にはよろこびも満足もない。
なぜ心の底から満足できる幸せを求めなかったのか。
後悔のため息ばかりである。
私たちは、セネカのため息を繰り返してはいけないでしょう。
人工知能(AI)研究の第一人者、松尾豊・東京大学大学院教授は、
と言い、目的をハッキリさせることこそ、人間にとって重要な仕事だと述べています。
このことについてサイエンスライターの森山和道さんは、「自動運転」で分かりやすく考察しています。
自動運転の車は、自分で周囲の状況を判断しながら、目的地までの適切なルートを選択して移動します。
障害物があったら避けたり、信号や道路標識・制限速度などを認識したりして、交通法規を守りながら少しでも速く到着するように考えてくれる、便利な乗り物です。
しかし、肝心の「行き先」は、人間が指示しなければ、動きません。
これは、どんな人工知能(AI)も共通している点です。
どんなに効率的な道筋を示してくれても、それが本当に私の幸せにつながるのかは、人工知能(AI)は判断できません。
人工知能(AI)時代、「どこに向かって生きるのか」の答えが、一層求められていくようです。
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