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1:「なぜ生きる」のシンプルな答えを知る
2: 2種類の幸福の違いを知る
3:「本当の幸せになれない理由」を知る
4:「本当の幸せ」と「本当の幸せになれる道」はどこに教えられているかを知る
5: 正しい方向に進む
今、ビジネス界で哲学が注目を集めています。
書店のビジネス書コーナーや自己啓発本の棚には「哲学」の関連本が並び、Amazonノンフィクション部門の売れ筋ランキングでも、常に上位に食い込んでいます。
例えば、2020年11月12日現在のランキングを見ると、上位50位以内には、『自分の頭で考えたい人のための15分間哲学教室』『史上最強の哲学入門』『哲学と宗教全史』『教養として学んでおきたい哲学』などの書名が並んでいるのです。
これは世界的な傾向で、欧米では、多くの「哲学プラクティショナー」、「哲学コンサルタント」と呼ばれる哲学のプロフェッショナルが活躍しています。
グーグルやアップルといった超大手 IT 企業でも、「企業内哲学者」をフルタイムで雇用しています。
こうした企業専属の哲学者は、経営会議をより本質的なものへと導き、経営者へ直接助言を与えることから、“CEO”ならぬ、“CPO”「チーフ・フィロソフィー・オフィサー」と呼ばれ、存在感を発揮しています。
ビジネス企業が、哲学の力を必要とする時代に突入している、といえそうです。
なぜ今、ビジネス界で哲学が注目されているのでしょうか。
令和の今日、私たちの日常はモノであふれ、「物を生産すればいい」という時代に、限界が見えはじめてきました。
身の回りの生活用品を最小限にして生活する「断捨離」「ミニマリスト」といった言葉が象徴するように、モノを大事にして消費を減らす機運も生まれています。
一方で、消費者に不足しているのが、生きる意味や人生の意義のような精神的な充足です。
現代の消費者は、ストレスがたまりやすい日常生活において、心を満たされることを求めています。
さらに、AIやロボット技術をはじめとするテクノロジーの進歩で、多くの仕事がAIに取って代わられつつあり、働く意味も分からなくなってきました。
そのような中で、企業にはデータに基づく分析だけでは解決できない問いと向き合うことが強く求められているのです。
そもそも「哲学」のテーマとは、何でしょうか。
アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドという哲学者は、「西洋哲学の歴史は、プラトンの脚注である」と評しています。
プラトンの哲学に、決定的な影響を与えたのが、恩師ソクラテスの死刑でした。ソクラテスもまた、古代ギリシャの思想に革命を起こした大哲人です。
ソクラテスは、デルフォイ神殿に刻まれた「汝自身を知れ」という格言を、おのが哲学の出発点としました。
そして、人は、何のために生まれ、生きているのか。人生の目的は何か。
この問いにソクラテスは一点集中し、人々にも探求するよう促したのです。
会社も企業も、利益を第一の目的とし、それにはどんな手段が役立つかを考えています。
「富に何の意味があるのだろう?」
「人生には、金銭より大切なことがあるのでは?」……。
そんな一円の得にもならないことに悩んでいたら、仕事も手につきません。
「生活の基盤を築くため」に、言い換えれば「生きるため」に生きているのが、人間の実態ではないでしょうか。
ところがソクラテスは、そうやって、働いて衣食住を整え、生きていくのは何のためかを問い続けたのです。
金銭が人生の目的でないことは、誰もが認めるでしょう。
欲しい物を買って「幸福」になりたいから金銭を求めるのであり、金銭そのものが目的ではありません。
仕事も健康管理も勉強も、全ては幸せになるためでしょう。
万人共通の、人生究極の目的は「幸福」です。
では、幸福とは何か。
どうすれば、幸せになれるのか。
ソクラテス以降、「幸福」が哲学の中心テーマになりました。
哲学は、この、「人は、なぜ生きるのか」「本当の幸せとは何か」という2500年前にプラトンが始めた議論をバトンタッチしながら、現在に至るまで脈々とアップデートしてきたのです。
20世紀のフランスの作家・思想家であるアルベール・カミュも、「真に重大な哲学上の問題はひとつしかない。自殺ということだ。人生が生きるに値するか否かを判断する、これが哲学の根本問題に答えることなのである」と言っています。
今までは、世の中に色々なものを作って普及させることで、経済が発展してきました。
「いかに効率よく、大量に作るか」を考える人が社会で活躍し、優秀な人材だったと言えるでしょう。
しかし、今、求められるのは、「何のために働いて、生きていくのか?」という意味を、周囲に与え、示すことのできる人です。
「なぜ生きるのか」の答えを学べば、これからの時代、大きく活躍できそうですね。
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