人間関係

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いじめ後遺症のつらさを克服する

【目次】

  1. いじめのトラウマ「いじめ後遺症」とは
  2. そもそも「いじめ」って何? いじめの定義とは
  3. 「いじめ後遺症」を長引かせてしまう言葉
  4. 「いじめ後遺症」のトラウマを強くしてしまう関係を繰り返していませんか
  5. なぜ「いじめ後遺症」は長引くのか
  6. 「いじめ後遺症」を克服する

いじめのトラウマ「いじめ後遺症」とは

こんにちは。心理カウンセラーの月見草です。

いじめのトラウマを思い出し、大人になってもつらい症状を出すことを「いじめ後遺症」といいます。

あなたは今、何に苦しんでいますか。いじめ後遺症があるために、うつ病、摂食障害、パニック障害、対人恐怖症、心身症など、いろいろなつらい症状が出てくることがあります。

「いじめ後遺症」のトラウマをもった人は、どうしても人間関係で不安を抱いたり、悪く言われているのではないか、と感じたりしやすい傾向があります。

とてもつらい思いをしたのですから、心が傷つき、対人関係で慎重になるのは自然なことです。

トラウマは、生きていく上で「危険だから、もう同じ目に遭わないために、記憶しておかねば」と起きています。

トラウマは、自分を苦しめるためにあるのではなく、自分を守るために備わった機能なのです。

でも、トラウマが長引くと、今が苦しくなってしまいます。いじめの危険は、もう去りました

鳴り続けている警報(トラウマ)を止めるには、「もう安全なんだ」と心身が感じることが大切です

そもそも「いじめ」って何? いじめの定義とは

いじめとは、「されている人が嫌だと思うこと」です。

「これはいじめではない、遊んでるだけ」と相手がシラを切ったとしても、「思い込みじゃない?」「あなたも悪いんじゃない?」と周りの人から言われたとしても、自分が嫌だと思うことをされているのなら、それはいじめです。

  • 無視される、陰口を言われる、噂を流される。……そんなことされていい人はいません。
  • 仲間外れにされる、馬鹿にされる、妨害される。……そういうことをする人がいけないのです。
  • 変なあだ名をつけられる、叩かれる、触られる。……相手はあそんでいるつもりでも、あなたは傷ついているのですから、いじめです。
  • 悪口を言われる、物を隠される、落書きをされる。……「それくらいのこと」なんて、思う必要はありません。

これまで、あなたは、つらい思いをしてきましたね。
嫌だと思うことに、よく耐えてきましたね。

いじめ後遺症で、嫌だった記憶がフラッシュバックすることは、自分の身を守るための自然な反応です。

これからは、いじめ後遺症で危険に身構えなくても、自分を守れる方法がわかれば、つらい症状は消えていきます

今、いじめ後遺症が長引いているのなら、トラウマを強化する言葉を使ってしまっているかもしれません。いじめ後遺症を長引かせる言葉を使っていないか、チェックしましょう。

「いじめ後遺症」を長引かせてしまう言葉

いじめ後遺症を克服するためには、自分に「もう安全なんだ」という言葉がけをしていくのが効果的です。

そうはいっても、あなたは実際に危険な目にあったのですから、「危険だから、もう同じ目に遭わないために、記憶しておかねば」と、いじめ後遺症を長引かせてしまう言葉を使うのは本能的に自然なことです。

いじめ後遺症のつらさを和らげるために、癒しを妨げている言葉を減らすところから、はじめてみませんか

「いじめ後遺症」のトラウマを抱えた人が、人から言われたり、自分を責めてしまったりして、癒しを妨げている言葉は、つぎのようなものです。

「昔のことを、今さら言っても仕方ない」
 ↓
いじめ後遺症のトラウマは、「今」を苦しくしているのです。今まさに感じている気持ちは、否定する必要はありません。安心できる場でつらさを吐き出し、理解してもらうことが、癒しにつながります。
「いじめられた自分が悪かったのかな」
 ↓
あなたが悪いわけじゃない。いじめられる人が悪いということは、絶対にありません。身を守るすべを知らなかっただけです。
「きっとまたいじめられる」
 ↓
今はどうしても、「また危険な目にあうかも」と感じてしまうんですね。これから少しずつ、あなたを守ってくれる人、応援してくれる人と、あたたかい人間関係を築いていきましょう。

中でも特に、「いじめられた自分が悪かったのかな」と思うと、自己肯定感が下がってしまいます。あなたは、頭の中がつぎのような言葉でいっぱいになっていませんか。

「私はいじめられっ子なんだ」
「いじめられるような自分がいけないんだ」
「なにか自分に原因があるに違いない」
「私のなにがいけなかったんだろう」
「どうせ私なんていないほうがいいんだ」
「私がいると迷惑をかける」
「私がビクビクしているのがいけないんだ」

実はこれ、私が人間関係でつらかった頃、頭の中がいっぱいになっていた言葉です。「自分=ダメな人間」と思うと、どんどん自己肯定感が下がってしまいます。

いじめ後遺症を克服するために、本やセミナーで学んでわかったことは、「いじめられる人が悪いことは絶対にない」ということでした。それからだんだんと、自分がつらくなる言葉を使うのをやめ、ラクになっていきました。

心がラクになる言葉を、たくさんかけてあげてください
自分の言ったことが、自分の運命をつくっていきます

「私は、私のままでいい」
「私は、とってもすてき」
「私は、ちゃんと愛される」
「私は、自分の居場所をつくっていい」
「私は、評価されるに値する人生を歩んできた」

これは、本当のことです。八つ当たりのようにいじめてくる人に対して、ぐっと堪えてきた。つらくて生きるのは大変だったけれど、今日までちゃんと生きてきた。

あなたは、評価されるに値する人生を歩んできたんですよ。

「いじめ後遺症」のトラウマを強くしてしまう関係を繰り返していませんか

いじめ後遺症を克服するには、(1)病院での治療(2)「人との関係は安全」という感覚に上書きすること が効果的です。

信頼できる医師との関係や、カウンセリング、話を聞いてくれる友達。人と接する中で、「人との関係は安全」という感覚に上書きしていくと、かなり生きやすくなります。

ところが、いじめ後遺症で悩んでいる人は、無意識のうちに、昔のトラウマを思い出すような人間関係を繰り返して、「やっぱり人は危険」と強化していることも多くあります。

あなたも、自分でも気がつかないうちに、今も職場や家族などの人間関係で、自分が嫌な思いを抱きやすい関係を繰り返していませんか。

「トラウマ(PTSD)とフラッシュバックを克服する方法」で書きましたが、いじめ後遺症を克服するには、仏教の「因縁果の法則」がとても大きなヒントになります。

「因縁果の法則」とは、どんなことにも例外なく「因」「縁」「果」があり、「因」か「縁」を変えることによって、「果」を変えることができる、という法則です。

いじめを受けたときは、まだ自分で自分を守る手段を知らなかったかもしれない。悪縁から離れることができなかったかもしれない。

でももう、大人になった今、あなたは自分で自分を守ることができます。

まず、嫌なことは、嫌だと言うことができます。(因を変える

それでも状況が良くならなかったり、やめてくれないのなら、苦しみを生み出す悪縁に近づかないようにすることはできます。(縁を変える

あなたが「つらい」と感じる人には、「こういう人もいるんだ」と思って、自分は関わりをもたない。挨拶だけの関係にする。大人になった今は、自分で相手との関係を変えていくことができます。

あなたを応援してくれる人、話をちゃんと聞いてくれる人との安全な関係を、これから少しずつ築いていきましょう。

なぜ「いじめ後遺症」は長引くのか

あなたが、今はもう悪縁から離れているのに、トラウマが続いている場合もあるでしょう。今はもう安全なのに、なぜトラウマが続くのでしょうか。

因果の道理には、因と縁があります。悪縁を変えたのに、まだ悪果(苦しみ)がきているのならば、まだ悪因(自分の行い)が変わっていないからです。

次は因を変えるときです。

因果の道理とは、「善因善果 悪因悪果 自因自果」です。因は行い・行為です。

因果の道理を正しく知ると、必ず幸せになります。

逆に、因果の道理と反対のことをしていると、苦しく不幸になってしまいます。

自因自果」の反対は、「他因自果」です。

「自因自果」……自分の幸せは、自分でつくっていくことができる。
「他因自果」……他人のせいで自分は不幸になっている、という考えです。

「他因自果」は、因果の道理を明らかにみていない、間違った考えです。

人は、自分を守るためについ、「あの人のせいで」「あいつが悪いんだ」と思ってしまいがちです。
たしかに、悪いことをする人はいます。でもそれは「悪縁」であって、自分の不幸を生み出すきっかけにすぎません。「因」はいつでも自分です。

「悪因」というのは、「あいつのせいで…」と思い続ける心の行いのことです。

「あいつのせいで」という心の行いを、いつまで続けるかは、あなたが決めることができます。

今あなたを苦しくしているのは、いじめた人ではなく、自分の心の行いです。

過去を変えることはできなくても、自分の心の行いを変えていくことはできます

自分を幸せにすることができるのは、自分自身。

因果の道理の通りに、自分を幸せにする行いをしていけば、必ず幸せになれますよ。

「いじめ後遺症」を克服する

そうはいっても、心の種まきを変えるのは、とても時間がかかるもの。

「トラウマについてまた考えてしまった」「自分を責めてしまった」と嘆く必要はありません。すぐに変わらないのは当たり前です

いじめ後遺症は、数か月経って、振り返ってみたら、いつの間にか考えなくなっていた、という消え方をします。たまに思い出しても、長引きません。

昨日よりも、ほんのすこし、悪い行いを減らせた自分を褒めましょう。幸せを生みだす行為に変えることができた、それがすばらしいことです。

因果の道理を知ったあなたは、もっともっと素敵な自分をつくっていけます

もっと因果の道理について知りたい方は、幸せになる考え方「【わかりやすい】リフレーミングでトラウマを克服する」をご覧ください。

この記事を書いた人

ライター:月見 草

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