【目次】
- 認知行動療法の基本となる考え方「ABC理論」
- 認知行動療法で考え方を変えるだけで、気持ちがラクになる理由
- ストレスを生む思い込みの「3つの特徴」
- ストレスの原因は出来事ではなく「受け止め方」にある
- ABC理論で自分の思い込みに気づく実践ステップ
- 認知行動療法で考え方を変える!具体例5選
- 自分を否定せず、より生きやすくなる選択ができる
- 柔軟な考え方を身につける「ラショナル・ビリーフ」とは
- ABC理論で自分らしい生き方を取り戻そう
はじめに

今回はこんなお悩みについてです。
マイナス思考を変えたい。その気持ちそのものが、プラス思考ですね。
変えたいという気持ちがあれば、大丈夫です。
同じ状況なのに、人によってまったく異なる反応が起こります。
たとえば、
同じ30分でも、捉え方は人それぞれです。
目の前の現実はまったく同じですが、認知の仕方(受け止め方)によって、心の中は180度、変わるといっても過言ではありません。
このように聞くと、
こう思われた方もあるかもしれません。
そのときは、前回の記事を先に読んでみてくださいね。
「うわー、出たよ」自体が、1つの受け止め方だからです。
じつは、感情の起伏やストレスを抱える人の多くは、この認知の仕方によるといわれます。
その謎を解き明かしたのが「ABC理論」です。
認知行動療法の基本となる考え方「ABC理論」

ABC理論は、認知行動療法の基礎となる、シンプルな考え方です。
A(Activating Event): 出来事
B(Belief): 考え・思い込み
C(Consequence): 結果
多くの人は、A(出来事)とC(結果)しか意識していません。
しかし実際には、同じ出来事(A)に直面しても、すべての人が同じ感情(C)になるわけではありません。
この違いを生み出すのが、 考え・思い込み(B)です。
間にあるB(考え・思い込み)が、結果を左右するのです。
そして、考え・思い込み(B)は、変えることができます。
考え・思い込み(B)を変えることで、結果(C)は変えられる
新しい考え・信念(B)を頭の中でつぶやくだけで、気持ちが楽になります。
私は昔、うつ病になりました。原因はいろいろ考えられますが、思い当たる一つに文学があります。
いわゆる文学少女で、太宰治や芥川龍之介が大好きでした。
しかし、いま読むと、それはそれは暗い作品が多い。どうしてそこまでマイナス思考なのかと思うくらい、現実と自分を極端に悲観しているように感じます。
文学を好むのが悪いとは思いませんが、自分の醜い心に囚われ、出口のない閉塞感に陥るような文学ばかり好んで読んでいましたから、マイナス思考に拍車をかけたのでしょう。
今はどちらかというとポジティブで元気、自信のあるほうです。
長年かけて、新しい考え・信念(B)を身につけたからだと思います。
補足)細かいことをいいますと……
※行動分析学のABC理論も存在しますが、別物です。
※正確には、ABC理論と認知行動療法はイコールではありません。
認知行動療法は、ABC理論を基礎としながら、認知療法、行動療法、暴露療法、リラクセーション技法など、多様な治療技法が含まれています。
認知行動療法で考え方を変えるだけで、気持ちがラクになる理由

私がまず効果を感じた、新しい考え・信念(B)は、
「この人から離れていい」「環境を変えていい」でした。
苦しい思いをしているのに、長い間、このようにしか考えられなかったんですね。
今日のテーマと矛盾するように聞こえるかもしれませんが、
「自分の受け止め方」を変えるだけで、対応しようとしていました。
そうではなく、「環境を変えていい」「この人から離れていい」という新しい考え・信念(B)をもつことで、病気になるまでその場にいることを、やめるようになりました。
さらに、元気になる環境を選び、尊敬できる人に近づくことで、どんどん明るくなっていきました。
ストレスを生む思い込みの「3つの特徴」

その結果、嫌な感情やストレスが生じます。
B(受け止め方)のうち、問題を引き起こす不合理な思い込みを「イラショナル・ビリーフ」と言います。
イラショナル・ビリーフには、3つの特徴があると言われています。
「これしかなかった」など、実際にはそうではない思い込み
2、論理的でない
「自分は一生ダメだ」など、感情的で非論理的な結論
3、気持ちをみじめにさせる
自分の可能性を狭め、苦しめる考え方
文字だけだとわかりにくいかもしれませんが、柔軟にやっていく方法は、じつは存在する、ということです。
嫌な感情やストレスが生じるとき、それは、あなた自身が生み出したものかもしれません。
ストレスの原因は出来事ではなく「受け止め方」にある

『それをどう受け止めたか(解釈したか)』にある。
この言葉は、ABC理論を提唱したアメリカの臨床心理学者アルバート・エリスによるものです。
また、アメリカの精神科医アーロン・ベックは、さらに重度のうつ病治療に応用しました。
物事の悲観的な側面ばかりに目を向ける “ 自動思考 ” があると発見したのです。
同じ「昇進」という出来事でも、
それなのに、“ 自動思考 ” に気づいていないので、「自分には務まらない」としか思えないのです。
まずは、ABC理論のB(考え・思い込み)に気づくことから始めましょう。
ABC理論で自分の思い込みに気づく実践ステップ

最初から、B(考え・思い込み)に気づくのは難しいので、次のステップで進めましょう。
=具体的な実践ステップ=
ステップ1、A(出来事)の特定
感情的になっているときは、事実と解釈を混同しがちなので、
「何が実際に起こったのか」事実だけを書き出します。
ステップ2、C(感情・行動)の確認
「悲しい」「怒っている」「不安」などの感情、
「避ける」「攻撃的になる」などの行動を詳細に書き出します。
ステップ3、B(考え・思い込み)の発見
これがなかなか見つからないんですね。「この考えが当然」と思っていますから。
私がやりやすいと感じているのは「真逆の考えは?」「別の考えは?」と、そうは思えなくても、無理にでも書いてみることです。
ふっと気持ちが軽くなる瞬間があることに気づくはずです。
認知行動療法で考え方を変える!具体例5選

B(考え・思い込み)のヒントに、具体例を挙げてみます。
転職活動がうまくいかない
人間関係がうまくいかない
体調が思わしくない
親に言われたくないことを言われる
上司に怒られた
自分を否定せず、より生きやすくなる選択ができる

B(信念)を見直すことは、これまでの自分を否定することではありません。
B(受け止め方)のうち、問題を引き起こす思い込み(イラショナル・ビリーフ)は、次のような形になっています。
「ねばならない思考」「べき思考」と呼ばれるものです。
自分の中に「ねばならない」を見つけたら
「そうでなければ・・・?」と無理にでも書き出してみましょう。
正義感や義憤から、現実を変える力もあります。
しかし、イラショナル・ビリーフ(B)を持っていると、嫌な感情や強いストレス(C)を抱えやすくなります。
どの考え・信念(B)をもつか、選択肢を複数もち、自分で選べるようになると、ストレスを軽減することができます。
柔軟な考え方を身につける「ラショナル・ビリーフ」とは

合理的で柔軟な考えを「ラショナル・ビリーフ」と言います。
ラショナル・ビリーフは、次のように作ります。
(1)「〇〇であってほしいが、そうならないこともある」
「いつも良い仕事をしたいが、そうできないこともある。」
(2)「〇〇だといいなと思うが、そうでないこともある。」
「管理職には、リーダーシップを発揮してもらいたいが、そうでないこともある。」
(3)「〇〇でないのは嫌だが、最悪ではない。」
「大きな課題だが、それだけで最悪とは言えない。」
(4)「〇〇でないことは嫌だが、耐えられないほどではない。」
「上司に不満はあるが、耐えられないほどではない。」
極端な評価を否定するのがポイントです。
ABC理論で自分らしい生き方を取り戻そう

ABC理論は、単なるストレス対処法ではなく「自分らしく生きるための思考法」です。
「完璧でなくてもいい」「休むことも戦略だ」
こんな新しい視点をひとつ取り入れるだけで、心は自由になっていきます。
あなたを縛っているルールを発見して、解きほぐしてみましょう。
ABC理論の限界
ABC理論には多くのメリットがありますが、限界があります。
そんなときは、仏教の「因縁果の道理」を思い出してみましょう。
先に縁を変えることで、自然と新しい視点を受け入れられることがあります。
いろいろな縁を試してみて、自分に合うものを見つけられたら良いですね。
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