こころ

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どん底から這い上がる。5つの心の成長を遂げるPTGとは

【目次】

どん底から這い上がるまで、希望を持ちたいなら
PTG(トラウマ後の心理的成長)とは

≪5種類の成長≫

  1. どん底から這い上がると(1)人間関係における成長
  2. どん底から這い上がると(2)新たな可能性をひらく
  3. どん底から這い上がると(3)強さの自覚
  4. どん底から這い上がると(4)感謝の気持ちが深くなる
  5. どん底から這い上がると(5)人間を超えた力に、畏敬の念を抱く

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

どん底から這い上がる方法を教えてください。

今がとても苦しい状態なのですね。
暗闇の中を進むような、先が見えない苦しみではないでしょうか。

私にも、そういう時期が長くありました。

心理学的には、つらい経験の後、ポジティブな心の成長があると言われます。
ひどい経験をする前よりも、もっと幸せを感じるようになるのです。

とてもそんなふうには思えません!

暗中模索して、あがいているときに、先は見えませんよね。

「やがて良くなる」「心理的に成長する」というのは、事実なのですが、渦中にはそう思えないのが当然です。

私もつい「大丈夫」とアドバイスしてしまいがちですが、そう思えないときは「そう思えない」と言っていいのですよ。

今のあなたの気持ちを尊重したいと思っています。

どん底から這い上がるまで、希望を持ちたいなら

どん底から這い上がるまで、それでも希望を持ちたいなら、話を聞いていただきたいと思います。

永遠に抜け出せないように思えても、必ず状況は変化していきます。

仏教には「諸行無常」と説かれています。
すべてのことは、移り変わるのです。

心理学では、どん底から這い上がった人には「強さ」が生まれるとされています。

どん底は苦しい。けれど、悪いことばかりではありません。

どんなに苦しい出来事であっても、「マイナスの部分を回復する」だけでなく、「プラスに転じる」可能性を兼ね備えています。

「艱難、汝を玉にす」という言葉もあります。

苦難や困難によって、人間が磨かれ、宝石のように美しく立派になること。

どん底が深いほど、浮かんだときの輝きも増します。

こういうことを知っていれば、どん底を味わう中でも、少し希望をもてるのではないでしょうか。

PTG(トラウマ後の心理的成長)とは

事故、災害、大切な人の死、病気、借金、事業の失敗、職を失うなど、
どん底と感じるような出来事には、精神的なショックが伴います。

最も大きなものが「トラウマ」と言えるでしょう。

トラウマとは、強いショックや苦痛な体験によって、深く刻まれた心の傷のことです。

トラウマになると……

・フラッシュバックや悪夢が続く。
・集中力がなくなる、眠れなくなる。
・人を信じられなくなる、自分を信じられなくなる。
・トラウマ体験を思い出すような刺激を避けたがる。

這い上がるまでは、暗いトンネルを歩き続けるような時間です。
少しずつ回復の兆しが見えて、やがてトンネルを抜けるときが来ます。

ただ回復するだけでなく、大きな成長が起きることがあります。
どうせ苦しいのなら、なにか得たいではありませんか。

・この出来事があったからこそ、今の自分がある
・痛みはあっても、心は成長している

このように、どん底から這い上がった後、心理的な成長が起きることをPTGといいます。

PTG(Post-Traumatic Growth) …… トラウマ後の心理的成長

PTGは、単なる回復レジリエンス(回復力)とは異なります。

トラウマ以前よりも、レベルの高い心理的成長を遂げ、残りの人生において、指針のような役目をするのです。

PTGとして、5種類の成長がよく見られます。
あなたの未来がぼんやりとでも見えるように、それぞれ丁寧にみていきましょう。

どん底から這い上がると(1)人間関係における成長

大きな困難に直面すると、人を信じられなくなることがあります。

しかし、人は言葉に傷つき、言葉に癒されるもの。

裏切られても、喪失しても、また人を信じるようになります。

それどころか、人を見る目を養い、信頼できる人との絆を深く感じるようになります。

助けを求めていい

「自分一人の力ではできないことがある」と痛感したとき、それまで一人で抱えようとしていた人も、助けを求めます。

助けを借りて、這い上がることができた。

そんなとき、自分がいかにご縁に恵まれていたのだろうと、深い感謝の心が起きるでしょう。

苦しいときは、助けを求めていいのです。

それがあなたの力になり、未来の感謝につながります。

自分と同じように苦しむ人を助けたい

自分と同じように苦しむ人に、深い慈愛の心が起きるかもしれません。

仲間意識が生じて、「昔からの友達、兄弟」のような感覚になり、涙ながらに握手する場面もあります。

他の人にも優しくなり、思いやりを持てるようになるかもしれません。

味わった苦しみが深いほど、感謝や慈愛の気持ちも深くなります。

どん底から這い上がるまで、そう思えないかもしれません。
それでも人間関係を、より深く意味のあるものと考えるようになります。

どん底から這い上がると(2)新たな可能性をひらく

どん底を経験すると、それまで考えつかなかった新しい道が開けます。
絶体絶命のピンチが、思わぬ突破口を生む可能性があるのです。

一般的には「窮すれば通ず」と言われますが、正確には、このように言います。

窮すれば変ず、変ずれば通ず、通ずれば久し。

中国の古典にある言葉です。

物事が行き詰まり、逃げ場がなくなったときに、変化が生じる。
その変化によって、新しい道や解決策が開ける。
その結果、道が開けた状態が長く続く、という意味です。

苦難がなければ出会わなかった人と、出会える。
まったく関心がなかったことに、深く関心をもつ。

このように、あなたに変化があるはずです。

生きる力を失うような、つらい経験があったなればこそ、同じ悩みを抱える方々を支える活動をしたいと、力強く歩み始めることもあります。

どん底から這い上がると(3)強さの自覚

大きな危機を経験すると、それまでの世界観は崩れます。

信じていたものに裏切られ、何を信じたらいいかわからなくなる……。

その結果、認知的変化が起こるのです。
「パラダイムシフト」「パラダイムチェンジ」と言えるでしょう。

危機の直後は、こんな不安や恐怖を味わいます。

・自分は弱いと感じる。
・危機を予測するのは難しいと感じる。

それが、やがて、少しずつ対処できるようになると、自分と環境に対する認知が変わってゆきます。

自己の強さや、能力への自信

辛い時期を乗り越えるには、強さや能力を、存分に使う必要があります。
そうしているうちに、普段は気がつかなかった自分の「強み」を発見します。

思っていたより、自分には強い面もある。

このように感じ、自分自身に対する見方が変わります。

これからの危機にも立ち向かえるという自信

あんな最悪な状況を生き抜いたんだ。

そう思えると、これからの危機にも立ち向かえるだろうという自信が芽生えます。

恐怖や無力感の真っただ中では、自信もなくなりますが、向き合い続けると、自分に備わる「強さ」を感じられるようになります。

どん底から這い上がると(4)感謝の気持ちが深くなる

つらい体験をしているときは、当たり前のことができなくなります。
当たり前の日常が、当たり前ではなかったと、身をもって知らされるでしょう。

すると、有り難さを感じ取る力が育まれます。

なんでもない日常が、すばらしいことなんだ。

日々の些事にも、感謝する気持ちが起きてくるかもしれません。

人生において何が最も重要か

「人生において何が最も重要か」という価値観も変化します。

外的なもの(お金、財産、地位、名誉など)

こういったものよりも、

内的なもの(家族や友人との絆、健康、自分らしく過ごすこと)

こちらを重要と感じるようになるケースが多いようです。

さらに深い感謝が生じることもあります。

人智を超えた大きなものから生かされていたんだ。

こんな深い感謝をもつことができるのは、幸せなことではないでしょうか。

仏教では、「この世に三長者あり」と言われます。

家の長者、身の長者、心の長者。

心の長者が一番良いと言われています。

どん底から這い上がると(5)人間を超えた力に、畏敬の念を抱く

どん底のトラウマ体験は、「幸せの脆さ(もろさ)」「命の儚さ(はかなさ)」を意識させます。

あまりにも苦しい経験をすると、

「なぜ自分がこの経験をしなければならなかったのか」
「なぜ自分でなければならなかったのか」

考えずにおれなくなり、苦しみと向き合い、答えを探します。

人生全体を俯瞰し、自分の人生を問い直すことになるでしょう。

何のために生きるのか。
自分の存在や役割は、一体何なのか。

その結果、時間的・空間的な捉え方が変化することもあります。

時間的な捉え方 …… 自分の命だけでなく、子々孫々のためになる行動をしたい。
空間的な捉え方 …… 自分のためだけでなく、地域、国、世界のために行動を起こしたい。

やりたくもない仕事をして、お金のために働くではなく、命の使い道を真剣に考える。
やりがいのある仕事を吟味し、喜びや感謝、使命感をもって動き出すなど。

やがて、自分の人生という枠組みを超えて、

大自然の力、宇宙に満ちるエネルギー、人間を超えた力に、畏敬の念を抱く。
歴史の流れに思いを馳せ、その中に生きる自分について考える。
死んだらどうなるのかといった、大きな問いに向き合う。

このように考えるようになることもあります。

おわりに

PTG(トラウマ後の心理的成長)から、5種類の成長を見てきました。
どの成長も、仏教を学ぶと得られるものと似ていると感じます。

お釈迦様のことばを聞いても、

「へー、そんなもんかな」と思って聞いている人と、
「あぁ、まさしくそうだ」と痛切に感じている人。

受け取るものが、同じわけがありません。

どん底の時ほど、「人生の目的」や「生きる意味」を強く求め、必死に掴むからこそ、得られるものも大きいのではないでしょうか。

私も、どん底で何年も苦しみました。
そして、心の成長のきっかけとなったのが仏教でした。

仏教を聞き始めても、最初は「そうだろうか」と思っているうちは苦しいままでしたが、やがて「そういうことか!」と、自分にしっくりきたのです。

あんなに苦しい時間を過ごしたのも、この幸せに出会うためだったのかと思うと、どの苦労も報われた気持ちです。

あなたにとっても、人生が好転するきっかけになれば幸いです。
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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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