【目次】
- 楽観的な人、社会的に有用な人
- 見せかけの共同体感覚の人
- 支配する人、ずるい人、自己中心的な人
- 弱さをアピールする人と、逃げる人
- 餓鬼のような生き方
- 旦那(与える人)という生き方
- 逃げる人(人生の課題に取り組もうとしない人)
はじめに

今回は「健康的なパーソナリティと、未熟なパーソナリティの違い」についてお話しします。
「パーソナリティとは何か?」については、次の記事をご覧ください。
未熟なパーソナリティの人は、人間関係がうまくいきません。
では、その違いは何によって決まるのでしょうか。
アドラー心理学では、パーソナリティの成熟度を次の2つの視点から考えます。
1、共同体感覚が高いか・低いか
2、活動的か・非活動的か
この2つを組み合わせることで、人のあり方は大きく4つのタイプに分けられます。
B:共同体感覚が高く、非活動的な人
D:共同体感覚が低く、非活動的な人
あなたはどのタイプに当てはまるでしょうか。それぞれの特徴を見ていきましょう。
楽観的な人、社会的に有用な人

楽観的な人であり、社会的に有用な人と言われます。
共同体感覚とは、これら3つの要素によって成り立っています。
・他者を信頼できる
・他者に貢献しようとする
自己受容ができ、 他者を信頼し、貢献しようとする人。
こういった人は、周りから好かれますよね。
周囲との良好な人間関係を築きやすい人です。
組織においても、重宝されますので、社会的に有用な人と言えます。
また、困難に直面しても、勇気をもって行動し続けると言われます。
見せかけの共同体感覚の人

こういった人は、実際にはほとんど存在しないと考えられます。
なぜなら、共同体感覚が高まれば、自然と誰かの役に立ちたい気持ちが生まれ、行動につながるからです。
もし「人のことを考えています」と口では言っていても、実際の行動が伴わないのなら、それは本当の共同体感覚ではないかもしれません。
「見せかけの共同体感覚」とは?
周囲から良く思われるために、「私はあなたのことを思っています」とアピールする人がいます。
そういった人もいると言われています。
この人は、共同体感覚が実際は低いと思います。
相手への関心よりも、自分が良く見られることに重点が置かれているため、真の共同体感覚とは言えないでしょう。
支配する人、ずるい人、自己中心的な人

この人は「支配する人」のタイプです。
「支配する人」の自己概念(自分で自分のことをどう思っているか)は、「他の人は自分に奉仕して当然だ」というものです。
人間関係は本来、与え合うこと(ギブ・アンド・テイク)で成り立っています。
関心があるのは、相手を利用して自分に奉仕させること。
・どうすれば自分に利益をもたらしてくれるか
してもらうことばかり考えていますので、自ら貢献しようとはしません。
いわば、ずるい人、嫌な人ですね。
全員に当てはまるわけではありませんが、傲慢な人、自己中心的な人になりやすいと言われます。
アドラー心理学では、ライフスタイルのパターンにおいて、このような人を「ゲッター」と呼びます。
こうした人は、一見すると、自信があり有能に見えます。
成功しそうに見えるため、仕事を任されたり昇進したりすることがあります。
上司にゴマをする人、傲慢な人、自己中心的な人は、年収が高かったり、勤務評価が高く昇進しやすかったりするのだそうです。そのような調査結果もあるんです。
これを見ると、「嫌な奴ほど出世するのかな」と思ってしまいますね。
ですが、あくまで短期的です。
ミシガン大学の政治学の教授、ロバート・アクセルロッド氏の調査によりますと、次のようなことがわかっています。
(『残酷すぎる成功法則』エリック・バーカー著、飛鳥新社、2020年6月)
しかし長い目でみれば、彼らが成功するために必要とする環境そのものを破壊しかねないのだ」
ずるいことばかりやっていますと、周りの人の意欲が下がります。
やがて、組織全体の意欲が下がり、組織自体が破壊されてしまう。
その部署に、その人自身がいられなくなってしまうのです。
つまり、自己中心的な成功は長続きしないのです。
弱さをアピールする人と、逃げる人

大きく2つのタイプがあります。
1、弱さをアピールする人
2、逃げる人
1、弱さをアピールする人
こういった自己概念がある人です。
関心のあるのは、他の人から守ってもらうことです。
・私のために時間を取ってほしい。
・私の話を聞いてほしい。
こういう人を、通称、何と言われるでしょうか。
最近は、あまり使わないかもしれませんが、いわゆる「構ってちゃん」ですね。
私の代わりにやってほしいと言われたら、一度や二度なら、やってもいいと思われます。
何度も何度も繰り返されますと、正直、鬱陶しい、面倒くさい気持ちになってしまうと思います。
しかし、それが常態化すると周囲は疲弊してしまいます。
弱さをアピールし続けると、愛想をつかされてしまう。
結果として人間関係がうまくいかず、本人も孤立してしまうのです。
餓鬼のような生き方

支配する人、弱さをアピールする人。
仏教でいう「餓鬼のような生き方」と言えると思います。
仏教では「餓鬼界」という世界があると教えられています。
餓鬼は、骨と皮だけになって、お腹だけはぷくっと膨れている生き物。
飢えで苦しんでいるのです。
餓鬼界には、食べ物や飲み物はあるのですが、餓鬼が、食べ物や飲み物を口に持っていこうとすると、ぼわっと青白い炎になってしまって食べることはできません。
なぜ、餓鬼界に堕ちて苦しむのでしょうか。
・物が欲しくて、自ら施しをしようとしなかった。
・嫉妬深く、相手の努力を認めなかった。
生きている時にやった行いの報いで、餓鬼界に堕ちて苦しむと説かれています。
この教えが伝えようとしている本質は、死後の世界だけではありません。
ですので、仏教では餓鬼のような生き方ではなくて、「旦那」になりましょうと言われています。
旦那(与える人)という生き方

「旦那」というと、今日では「夫」「主人」と同じ意味で使われています。
「夫」で検索してみたところ、どうも悪い言葉ばかり出てきます。
同じように「旦那」も、あまりいいイメージを持たない人もいるかもしれません。
しかし「旦那」の本来の意味を聞きますと、イメージがガラリと変わると思います。
「旦那」という言葉は、それに漢字を当てたものです。漢字自体には、意味はないそうです。
つまり、本来の旦那とは「与える人」のことなのです。
アドラー心理学でいえば、共同体感覚の高い人ですね。
そこから、さらに転じて、一家の大黒柱で、奥さんや子どもを養う人、支える人ということで「主人」「夫」のことを「旦那」と言われるようになりました。
本来の意味からすると、与える人、施しをする人ならば、「主人」「夫」に限らず、女性も子供も、誰でも「旦那」になれるんです。
仏教を説かれたお釈迦様は、施しをしましょう、旦那になりましょうと徹底的に教えられました。
人を幸せにすることが、自分自身の幸せにもつながるという考え方です。
逃げる人(人生の課題に取り組もうとしない人)

このタイプの人は、「私は弱い」と言い、人生の課題に自ら取り組もうとしません。
アドラー心理学では、人生の課題の中心は対人関係にあると考えます。
人間関係がうまくいくよう踏み出してこそ、幸せになれるといわれます。
しかし、その一方で喜びや幸福もまた人との関わりの中にあります。
失敗を恐れて人間関係から逃げ続ければ、幸福からも遠ざかってしまいます。
人と関わることによる幸せ、喜びは得られませんから。
そういった人生の課題、対人関係の課題から「逃げる人」ということですね。
幸せになるためには、勇気を持って一歩踏み出すことが大切なのです。
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