病気

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眠れない時の対処法。「眠る力」を引き出す「脳の睡眠スイッチ」10選

【目次】

  1. 眠れてますか?眠りを改善する二大要素
  2. 眠れない時、今すぐ環境を整えたい8項目
  3. 眠れないのは、人間本来の「眠る力」が弱まっているから
  4. 「眠る力」を引き出す「脳の睡眠スイッチ」とは?
  5. 脳の睡眠スイッチをつくる10選
  6. 睡眠スイッチは、快感(報酬)と結び付ける練習
  7. それでも眠れないときは……

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

「眠れない時の対処法をおしえてください。」

睡眠で悩んでいる方はたくさんいますね。
なんと成人の30〜40%が、不眠症状を抱えています。

眠れないのは、さほど珍しくないようです。

しかも、ここ5年ほど、睡眠で休養が充分とれていない人は、年々増加中!
(厚生労働省令和5年「国民健康・栄養調査」)

「眠れない」にも、いくつかのパターンがあります。

1)そもそも、睡眠時間が不足している
2)時間は確保しているけれど、眠れない
3)寝ているのに、疲れがとれない

あなたは、どれに当てはまりますか?

わりと寝ているほうかな、と思う人でも、じつは睡眠が足りているとは言えないかもしれません。

1960年 日本人の平均睡眠時間は、8時間13分
2023年 7時間未満しか寝ていない人が86%(40代~50代男女)

人間はそんなに変わっていないでしょうに、睡眠時間がこんなに減っているのは心配ですね。

世界的に見ても、33か国中、日本人の睡眠時間は最下位です。
(OECD「各国平均睡眠時間のデータ」2021年)

健康の三大要素は「睡眠」「食事」「運動」

睡眠の問題は、じわじわと健康に影響をおよぼします。
できるだけ早く改善したいものです。

しかし、食事や運動は「努力」で改善できますが、睡眠は「寝ようとするほど逆効果」になる、くせ者。

「眠れない時の対処法」を一緒に考えていきましょう。

眠れてますか?眠りを改善する二大要素

こういうことはありませんか?

・寝つきが悪い(入眠障害)
・眠りが浅く、途中で何度も目が覚める(中途覚醒)
・早朝に目覚めて二度寝ができない(早朝覚醒)

当てはまるなら、あなたも「不眠症」かもしれません。

不眠症は特殊な病気ではありません。よくある普通の病気です。
日本では成人の5%~10%が、睡眠薬を服用しているといわれます。

「薬を飲むほどではないんですが……」

そういう人のほうが多いわけですが、「意志」や「努力」で眠れるものではありません。
「寝ようとするほど、寝れなくなる」のが睡眠の特徴だからです。

「じゃあ一体、どうすればいいの?」

眠りを改善するための、二大要素があります。

1、環境を整える
2、心を整える

今回は、「環境を整える」対処法を徹底的に解明します!
眠れない時のために、ブックマークしておいてくださいね。

眠れない時、今すぐ環境を整えたい8項目

快適な睡眠を得るには、環境を整えることが大切です。

1・温度(エアコンは27~28℃設定、途中で切らない)
2・湿度(除湿 or 加湿、のどが痛くならないように)
3・光(遮光カーテン、パーテーション、アイマスク)
4・音(音の出る機械のスイッチを切る、耳栓)

また、自分の体を緩めるために、補助的なグッズを使うのも効果的。

5・食いしばり対策(マウスピース)
6・いびき対策(口呼吸防止テープ、横向き寝まくら)
7・首を支える(枕の高さ調整)
8・腰を支える(マットレス)

とはいえ、「これだけ環境を整えたんだから、寝れるだろう!」なんて意気込んでしまうと、よけいに寝れなくなるもの。

「自然と眠くなる」「気づいたら寝てた」となるのがベストですね。

「そんなこと、できるんでしょうか。」

昔の人は、高級な布団や、補助グッズがなくても、ちゃんと眠っていました。
つまり本来、人間は「眠る力」をもっているはずです。

その「眠る力」を引き出すことが重要です。

眠れないのは、人間本来の「眠る力」が弱まっているから

現代人が眠れない理由は、

・農作業 → デスクワークに変化したから
・車が普及して歩かなくなったから
・スマホを使うようになったから
・肉体を使わず、頭ばかり使っているから
・多くの人と接し、感情的に不安になりやすいから
・コンビニなどが夜遅くまで営業し、遅くに食べるから
・電気が普及して、夜遅くまで部屋の明かりをつけているから
・マスメディアが普及し、不安なニュースを見聞きしすぎているから

など、さまざまです。

どうやら「便利」で「活動的」を追求してきた結果、「休養」や「眠り」が弱まってしまったようです。

・昔は、電気がなかったので、日が暮れたら活動をやめざるを得ません。
・食べ物もすぐに手に入らないので、夜食をとってしまうこともない。
夜が来たから、寝る。これが自然にできていたわけですね。

現代人は、人間本来の「眠る力」を引き出すためには、努力が必要です。

「自然と眠くなる」「気づいたら寝てた」

そうなるためには、一体どうしたらよいでしょうか。

「眠る力」を引き出す「脳の睡眠スイッチ」とは?

「脳の睡眠スイッチをつくる」とは、専門的には「刺激コントロール法」といいます。
条件付けを使って、「布団に入ったら眠れる」と脳に学習させます。

「脳に学習させるって、どういうこと?」

簡単にいえば、「習慣化」することで「自動的に眠くなる」ようにします。

行動 × 反復 = 習慣化

「夜になったら、寝るものだ」と、脳に覚えさせるのです。

昔の人が自然にできたことですが、現代人は努力してできるようにしなければなりません。

「眠れない」3パターンを先ほど挙げました。
それぞれ、次のように心がけてもらいたいと思います。

1)そもそも、睡眠時間が不足している

睡眠は最重要事項と心得て、睡眠時間を確保しましょう。
肉体は老いていくものですが、睡眠時間を削ると老いが加速します。

寝ている間に、ケガの修復や、脳の疲労を回復します。
寝なければそれができません。

仕事など理由をつけて睡眠時間を削れば、それ相応の報いを受けなければなりません。

2)時間は確保しているけれど、眠れない

時間を確保できているのはいいですね。
それでも眠れないのは、体内リズム自律神経が乱れているからです。

次に列挙する10選の対処法で「脳の睡眠スイッチ」をつくっていきましょう。

3)寝ているのに、疲れがとれない

次回の記事で取り上げます。

脳の睡眠スイッチをつくる10選

「自然と眠くなる」「気づいたら寝てた」と脳が学習する、脳の睡眠スイッチをつくる10選を試してみてください。

知っていても、やらねば結果につながりません!

「自然と眠くなる」のを脳が覚えるまで、続けていきましょう。

1・寝る1~2時間前にはライトを暗くする

「昼白色」「昼光色」は、文字通り「昼」の色です。
「電球色」というオレンジがかった色にすることで、夕方~夜だと脳が判断します。

寝る時間が近づいたら、部屋の明かりは使わず、間接照明だけにします。

・スタンドライト
・フロアランプ
・ウォール(壁)ランプ
・テーブルランプ

などの間接照明があります。
部屋を全体的に、暗めにするといいですね。

私はコンセントタイマーを使って、21時過ぎると自動で間接照明が点灯するように設定しています。

2・入浴は湯船につかる

体温は、自分で調節することができません。
ぜひ、お風呂を活用しましょう。

40度のお湯に10分間つかると、90分後に眠くなってくると言われます。

入浴すると、深部体温が上がったあと、グーっと下がります。
この体温の変化が重要。

「疲れているから」といって入浴しないと、深部体温が下がらず、良質な眠りから遠ざかってしまいます。
よく寝て疲れを回復したいなら、入浴しましょう。

シャワーだけの日は、首の後ろをしっかり温めます。
それもできない日は、せめて足湯を。

3・眠くなってから布団に入る

布団に入って「すぐ眠れる」経験を積むと、「布団 = 寝る」と脳が学習します。

布団の中で考え事をすると「布団 = 考える場所」になってしまいます。

「早く寝なきゃ」と思うかもしれませんが、脳に「布団 = 寝る」と覚えさせるために、眠くなってから布団に入るようにしましょう。

4・「ベッドは寝る専用」にする

スマホを見たりすると、ベッドが「作業する場所」になってしまいます。
ベッドは寝る場所!

休日に昼寝したり、ゴロゴロしたりするのは、ソファなど、別の場所にしましょう。

ついでに、昼寝は15時まで。30分以内にすると、夜、眠くなりやすいです。

5・眠れない時は、布団を出る

「布団で眠れない」という学習をしないように、15分くらい眠れなければ、布団から出ます。

別の場所で、つまらない本を読むなどして、眠くなってきたらまた布団に入ります。

最初は、「布団 = 眠れない場所」になってしまっているので、せっかく眠くなったのに、布団に入ると目が覚めてしまうかもしれません。

それでも、繰り返しているうちに、うっかり「眠れた」経験をしたらラッキー。
さらに続けると、だんだん眠れる回数が増えていきます。

6・時計を見ない

「まだ2時か……(明日早いのに寝れない)」
「まだ4時か……(また目が覚めちゃった)」
「まだ5時か……(よく眠れなかったな)」

こんなふうに余計なことを考えがち。

目覚ましが鳴るまでは、時計を見ないようにしましょう。

途中で目が覚めても、また眠れれば大丈夫です。
どうしても気になるなら、時計は部屋の外に出してしまいましょう。

7・「触感」に注意を向ける

ふわふわで気持ちいい、やわらかい、あったかい、ひんやりしている、といった触感に注意を向けると、リラックスしやすくなります。

ホットアイマスク湯たんぽ耳を温めるグッズもオススメ。

ほかにも、布団に体が沈み込む感覚、重たい頭が枕に乗っている感覚などに注意を向けるようにしましょう。

8・寝るのが○○

「寝るのが心配」……今日も寝れないんじゃないかと心配、寝るのは不安になるイメージ
「寝るのが幸せ」……リラックスできる、寝るのはエネルギーが貯まるイメージ

寝るときのイメージを、リラックスと結び付けていきます。

「寝なきゃ、寝なきゃ」と思って、焦りや義務感と結び付けていませんか。

矛盾するようですが、眠れなくたって、死にはしません。
生命維持において必要に迫られたら、人は眠ります。

「寝なくてもいいけど、寝るのは気持ちいい」

これくらいの「ゆるさ」がちょうどいいですよ。

9・心配してもいい【場所・時間・量】を設定する

心配してもいい場所=デスク
心配してもいい時間=30分間

このように設定すると、布団で心配事を考えにくくなります。
タイマーをつけて、時間を区切りましょう。

文字に書き出すのも有効です。

考え込んでいい量=ノート3ページ分

これを超えると、感情を強めてしまうので、多くても3ページを目安に。

「これだけ考えたから、もう心配しなくていいや」
と、不安に区切りをつけましょう。

10・朝日を浴びる

人の体内時計は、朝日を浴びると毎日リセットされます。

14~16時間後に、睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌され、眠くなり始めます。

眠れなくても、早めに朝日を浴びましょう。
翌日の快眠に向けて、できる準備は、朝の行動から始まっています。

睡眠スイッチは、快感(報酬)と結び付ける練習

脳の睡眠スイッチをつくる10選。毎日コツコツ、行動することで、習慣化します。
実験のように楽しみながら、自分に合う対処法を模索してみてくださいね。

睡眠習慣も、犬のしつけや、イルカのショーの訓練と似ています。

繰り返し → 成功 → 快感!

行動と快感(報酬)が結びつくと、自然とできるようになります。

ベッドは気持ちいい。
早寝早起きは三文の徳。
意外と寝れるじゃん。

こんな快感を、積み重ねていきましょう。

眠りを改善する、2つの対処法
1、環境を整える
2、心を整える

今回は、「環境を整える」対処法を、できるだけ網羅しました。
それでも眠れない時の「心を整える」対処法は、次回、お伝えします。

それでも眠れないときは……

人にはいろいろの欲がありますが、仏教では代表的な欲を「五欲」と言われます。

・食欲
・財欲
・色欲
・名誉欲
・睡眠欲

睡眠欲は、「眠たい・楽がしたい・面倒なことはしたくない心」です。

食欲や睡眠欲がなくなれば、生きてはいけません。
財欲や名誉欲がなくなれば、腑抜けになってしまうでしょう。

ですが、一方で、欲のために振り回されて、苦しみ悩んでいるのではないでしょうか。

「楽がしたい」を追求して、コンビニやスマホを使い、運動もしなくなった結果、多くの人が眠れなくなった現代。
「睡眠欲」を完全に満たしきることはできないようです。

無限の欲を満たそうとすれば、死ぬまで不満は絶えず、苦しまなければならないことになります。

を代表とする「煩悩」は、文字通り、私たちを煩わせ、悩ませるもの。

ですが、そんな煩悩を、減らしも無くもしないままで体験できる、幸せが存在します。
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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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