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燃え尽き症候群かも?「もう、やめたい」と思ったら

【目次】

  1. 燃え尽き症候群から回復する方法1、本音に気づく
  2. 燃え尽き症候群から回復する方法2、疲れる労働を特定する
  3. 燃え尽き症候群から回復する方法3、無意識のメッセージを変える「因縁果の道理」
  4. 燃え尽き症候群から回復する方法4、無意識のメッセージを変える「歎異抄のことば」2選
  5. 燃え尽き症候群から回復する方法5、自分の人生観を見直す

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

燃え尽き症候群になりそうです。
忙しいのに休めません。
仕事をしばらくお休みすることになりました。
早く回復するためにできることはありますか?

「燃え尽き症候群」とは、「バーンアウト」とも言われ、「もう、やれない」「もう、ダメだ」となって動けなくなることを言います。

「燃え尽き」の症状には、次のようなものがあります。

「怒り」の症状

「自分だけが一生懸命やっている」
「こんなにやっているのに」
「誰も理解してくれない」
「あの人のせいで」

これらは、燃え尽き症候群の「症状」です。

「悲しみ」の症状

「私なんかいなくてもいいんじゃないか」
「やっても大して評価されない」
「誰も助けてくれない」
「どうせ」

これらは、燃え尽き症候群の「症状」です。

身体症状・病気の症状

「怒り」や「悲しみ」といった気持ちにフタをして「大丈夫と思おう」とします。
ところが、心に思うことは、フタをしても出てくるのが恐ろしいところ。

身体症状・病気

これらも、燃え尽き症候群の「症状」です。

自分の“本心”にフタはできません。

燃え尽き症候群になりそうな人も、症状がすでに出ている人も、早めに回復する方法を考えていきましょう。

燃え尽き症候群から回復する方法1、本音に気づく

燃え尽き症候群から早めに回復する方法は、あなたの「本音に気づく」ところからです。
燃え尽き症候群になる前の、対処の方法も同じです。

あなたの「本音に気づく」

「休みたいけど、休めない」

→(本音)休みをとりたくない

「断らなきゃと、わかっているけど、断れない」

→(本音)断りたくない

「休みは取りたいと思ってますよ?」

それは、そうだと思います。
同時に「休みをとりたくない」とも思っているから、休めないのです。

矛盾のように見えることでも、複数の欲求が同時に存在するのは、よくあることです。

なぜ、休みを取りたくないのでしょうか。
なぜ、断りたくないのでしょうか。

ずっと自分に言い続けている、無意識のメッセージがあるはずです。

「必要とされる人間にならなくてはいけない」

ほかにも…

「間違いがあってはならない」
「もっともっと成長しなくてはいけない」
「自分が正しいことを証明しなければならない」
「頼られたら、自分を犠牲にしてもやらねばならない」
「助けを求めている人がいたら、なんとしても助けねばならない」

これらの無意識のメッセージが、あなたに休みをとらせない、断らせない原因です。
あなたを縛る考え方なので、燃え尽きるまで働き続けてしまいます。

無意識のメッセージを理由に、あなたは「休みをとりたくない」「休みをとれない」と思っています。

「断れない」「断ってはいけない」とも思っているので、相手の押しが強いと引き受けてしまうのです。その結果「あの人のせいで……」と怒りにつながります。

あなたが休めないのは、環境が原因のこともありますが、それ以上に、あなたの心の中に原因があります。

なぜなら、心を縛る考え方をもたない人は、次のような行動ができるからです。

・必要な休みをとれる
・できないことは断れる
・あれもこれもと抱え込まない
・シンプルに考える
・他人の言うことを適度に流せる
・そもそも、劣悪な環境からは離れる

こういう人は、燃え尽き症候群にはなりにくいでしょう。

あなたの心の中に、燃え尽きるまであなたを突き動かす原因がある。

こう認めることが、燃え尽き症候群から早く回復する第一歩です。

燃え尽き症候群から回復する方法2、疲れる労働を特定する

燃え尽き症候群につながる原因となる、「疲れる労働」を特定しましょう。
労働には3種類あります。

肉体労働、頭脳労働、感情労働

肉体労働

肉体労働……体を使った作業労働

酷使すると、筋肉疲労で動けなくなりますから、分かりやすいですね。

頭脳労働

頭脳労働……頭を使った作業労働

頭を使いすぎると、頭が働かなくなります。
データやモノ相手なので、達成度は目に見えます。
疲労具合も、労働時間や量で分かります。

感情労働

感情労働……自分の感情を抑えてコントロールしながら、相手に感謝や安心の気持ちを起こさせる労働

人相手の仕事は、思ったほど相手が感謝しないこともあります。
「どれくらい安心感を与えたか」は、達成度もわかりにくいでしょう。

疲労具合が目に見えず、プライベートまで侵食しやすい労働です。
しかも疲れている時ほど、さらに感情が暴走して、休めなくなります。

提唱者であるアメリカの社会学者A・R・ホックシールドの定義では、3種類の労働どれに当てはまるか、「職種」によってほぼ決まります。

しかし、広く捉えると、上司や親や友人であっても、相手を助けるために、自分の感情を抑え、相手の態度にふり回されるのであれば、感情労働をしているようなものです。

職種に関係なく、感情労働をしていて、それがあなたにとって「疲れる労働」になっているかもしれません。

燃え尽き症候群から早く回復するためには、あなたが誰に・どんな感情労働をしているかに気づき、対処しなくてはいけません。

燃え尽き症候群から回復する方法3、無意識のメッセージを変える「因縁果の道理」

あなたは特定の誰かに、かなり消耗する感情労働をしているはずです。

燃え尽き症候群の前兆には、「自分があの人を助けなければ、ダメになってしまう!」という「のめりこみ」があります。

「自分があの人を助けなければ、ダメになってしまう!」

この考えは、燃え尽き症候群になるまであなたを突き動かします。

燃え尽き症候群を予防し、回復するには、無意識のメッセージを変えることが不可欠です。

無意識のメッセージを変えるヒント「因縁果の道理」

「すべての結果には、因と縁がある」

仏教には「因縁果の道理」が一貫して教えられています。

「因縁果の道理」では、相手がどうなるか(果)は、相手自身の行い(因)によって決まる、と説かれています。

「因縁果の道理」については、この記事をご覧ください。

あなたは、あくまで相手にとって1つの「縁」に過ぎません。

できるだけ「悪い縁」ではなく「よい縁」になりたいものですが、次のことを忘れないでください。

・本人の行い(因)によって、結果が変わります。
・相手にとっての「縁」は、あなた以外にも、たくさんあります。

この「因縁果の道理」がよく分かると、あなたにできること・できないことの区別がつきます。

「自分があの人を助けなければ、ダメになってしまう!」という考えは、行き過ぎていることがわかるでしょう。

あなたにできる、もっと大切なことがあります。それは、

あなた自身の「心の行い」(因)に気づき、無意識のメッセージを変えること。

仏教を聞けば、「心の行い」はどんなものか、が知らされます。

燃え尽き症候群から回復する方法4、無意識のメッセージを変える「歎異抄のことば」2選

自分への無意識のメッセージに、自分で気づく必要があります。

そして、気づいたらそのままにせず、メッセージを変えるのです。
メッセージを変えると、必ず、自分が変わります。

自分が変わると、周囲が変わってきます。
これまであんなに「あの人が、ああ言うから」と思っていたのが、周囲が変わったように見えるかもしれません。

自分を変えることで、よい変化が広がっていきます。

無意識のメッセージを変えるヒントを、仏教の有名な著書『歎異抄』から2つ、紹介しましょう。

「つくべき縁あれば伴い、離るべき縁あれば離る」
 歎異抄のことば

「自分のせいで、相手は来なくなってしまった」

と思うことはありませんか。

「自分があんなことを言ってしまったからだ」
「どうしてあのとき気づかなかったのだろう……」
「もっと声をかけていれば」

そんなふうに自分を責めていませんか。

そんなあなたに、仏教の「縁」という考え方を知っていただきたいと思います。

歎異抄には、このような言葉があります。

「つくべき縁あれば伴い、離るべき縁あれば離る」

連れ添う “縁” あれば同行するが、離れる “縁” あれば別れねばならぬ、ということです。

人の離合集散は、入り組んだ “因縁” によるもの。

あなたが最善を尽くしても、相手の心が離れていくことはあります。
「自分のせいだ」と責めるよりも、「離るべき縁がきたのだな」と見てはどうでしょうか。

「さるべき業縁の催せば、いかなる振舞もすべし」
 歎異抄のことば

「あの人は、なんであんな酷いことをするんだ」

と思うことはありませんか。

「なんであんなことを言うのか」
「あんな酷いことをするなんて信じられない」
「あの人が、こんなことをしたせいで……」

グルグルと頭の中を駆け巡り、怒りや悔しさが混じった感情から離れられないこともありますよね。

歎異抄には、このような言葉があります。

「さるべき業縁の催せば、いかなる振舞もすべし」

自分が過去にまいた種が、芽を出す縁がくれば、どんな行為でもするだろう。
とても深い意味の言葉です。

仏教を聞くと、人は「心」で、毎日毎日、一体どんな種をまいているか、「心の真実」が知らされます。

「一人一日のうちに八億四千の憶い(おもい)あり」

変わり通しの心の中に、「実際にやったとしたら恐ろしいこと」が次々と浮かんできます。心は無法地帯状態でしょう。

心の種まきを赤裸々にスクリーンに映し出したとしたら、「あんなことだけは絶対しない」と、言い切れるでしょうか。

「あいつは、なんであんな酷いことをするんだ」と相手を責めるのは、「私は、あんなことだけは絶対しない」と思っているからです。

私もあの人の立場なら、同じことを思い、やっているに違いない。
いや、もっと恐ろしいことをやるだろう。

自分には、いま、そういう “縁” がないだけなのです。

「あんな酷い悪人め」と思っている人と、私。

心の種まきを深く知らされれば、じつは驚くほど近いのかもしれません。

「 “縁” がくれば、どんなことでもしてしまう自分だ」と知らされれば、自分にも他人にも、「怒っても仕方のないことなのに、腹が立つのだなぁ」と明らかにみれるのです。

燃え尽き症候群から回復する方法5、自分の人生観を見直す

燃え尽き症候群になると、後悔や自分責めが次々と出てくるでしょう。

しかし、今のあなたは、さまざまな “因縁” がそろって、病気になりかけているだけなのです。

あなたのせいでもなく、環境のせいばかりでもありません。

今、あなたにできることは、自分を縛る「無意識のメッセージ」に気づき、ゆるめることです。

だれしも「あのときああしていればよかった」という後悔はあります。
でも、その瞬間に、ほかに取る方法があったでしょうか?

そのときできていたのなら、やっていたでしょう。
できなかったのは、何か理由があったはずです。

自分を縛る「無意識のメッセージ」をゆるめるには、大切な人に接するように、あなた自身に声をかけることです。

自分に対して、温かい目で、その理由を考えてみてください。

「自分の力だけで、なんとかしたかったんだな」
「すでに刺激過多で、頭が働かなかった」
「睡眠もうまくいかず、限界だったな」
「縁がくれば、誰でもそうなることはある」
「そうなってしまう因縁がそろってしまったのだな」

仕事の能力がないからとか、がんばりが足りないからでは決してありません。
できなかった本当の理由がわかれば、すこしは自分を許せるはずです。

みっともないこともあるでしょう。
後悔することもあるでしょう。
でもそれは、結果です。

あなたは精一杯やったはず。
そのときできる精一杯やった結果なのだから、もう責めなくていいのですよ。

失敗を通して、一回り二回り大きくなった今のあなたなら、できることも違ってくるでしょう。
最初から完璧にできる人なんていません。

それよりも、これからの人生であなたがやるべき大切なことがあります。

働くことの意味や、自分の人生観価値観ライフスタイルを見直さなければ、また燃え尽き症候群に突き動かされ、同じことを繰り返す危険があります。

なんのために、働いているのか。
なんのために、生きているのか。

そこに切り込んで考えるのが仏教です。

そして、「心の種まき」はどんなものか。
仏教を聞くと、ごまかしのきかない自分の心の実態と向き合うことになります。

「よもすがら 仏の道に入りぬれば わが心にぞ たずね入りぬる」

自分の見たくない醜い心、汚い心、弱い心。あるものはあるのです。
なかったことにはできません。
真の自己理解とはそういうことです。

心の実態は、あなただけではなく、すべての人に共通していることも知らされます。

「自分だけじゃなかった」

仏教を聞かなければ、わからないことが、たくさんあります。

すべての人が幸せになれる道を、解き明かされているのが仏教です。
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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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