生と死

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火災保険と自動車保険。あなたは選び方を知っていますか?

目次

  1. 損害保険にほとんどの人は加入しています。あなたは?
  2. 火災保険なんてムダ?――損害保険の4つのしくみ
  3. 損害保険の基本用語を知れば、どの保険会社がいいか選べます
  4. 保険金額を増やしても、全額はもらえないので注意しましょう!
  5. 保険金をもらっても、失った苦しみは癒せない。じゃあどうしたら?

はじめに

こんにちは、ファイナンシャル・プランナー(FP技能士)の月見草です。

前回までの2回は、生命保険会社で契約できる、主な保険についてわかりやすく解説しました。

保険に入るには、生命保険会社損害保険会社、どちらかと契約します。

「損害保険なんて、知らないなぁ?」

いえいえ、あなたも1つか2つは損害保険に入っているはずですよ。

今回は損害保険会社で契約できる「損害保険」について、わかりやすく解説します。

損害保険にほとんどの人は加入しています。あなたは?

保険には3つの分野があります。

第1分野;生命保険(終身、定期、養老、個人年金)
第2分野;損害保険(火災、自賠責、任意の自動車保険)
第3分野;医療保険(医療、介護、傷害)

今回お話しする損害保険は、火災保険、自賠責保険、任意の自動車保険などです。

「損害保険なんて、知らない」と思ったあなた。住んでいる家が賃貸でも持ち家でも、火災保険には入っているはずです。

「たしかに、アパートを借りるとき、火災保険に入った気がします!」

また、自動車を持っているなら、自賠責保険には全員強制加入です。

任意の自動車保険にも、きっと入っているのではないでしょうか。
「対人」「対物」「車両保険」などの言葉を聞いたことがあれば、それが任意の自動車保険です。

「気づかないうちに、損害保険に入っていたんですね」

そうですね。損害保険、少しは身近に感じられましたか?

火災保険なんてムダ?――損害保険の4つのしくみ

「火事なんてめったに起きないし、火災保険なんて損ですよね?」

たしかに、火事に遭わない人がほとんどかもしれません。

でもじつは「保険は損をしない」しくみがあります。

損害保険の4つのしくみを知れば、「保険は損をしない」ことが理解できると思います。

1、大数の法則

大数の法則…ひとつひとつの事故は「偶然」のように見えても、大きな数でみると、一定の法則がある。

「自分だけは事故に遭わない」とみんなが思っていますが、10万人、100万人という大数でデータを取ると、事故に遭う人の数は計算できてしまいます。

つまり、大数の法則を使えば、保険会社が1年間に支払う「保険金の総額」は、だいたい予想できるわけです。

「保険会社は、全体をみて計算しているのですね」

2、収支相等の原則

収支相等の原則…保険会社が得る収益と、支払う総額は、等しくなるようにしなければならない。

大数の法則を使って、保険会社が1年間に支払う「保険金の総額」の計算ができるので、それに経費を足した金額が、保険会社の支出になります。

支出額と同じ金額になるように、私たちが支払う保険料は決まります。(収支相当)

保険料は、必要な金額から割り出されているのです。

保険会社が儲かるようなしくみではないのですね」

3、給付・反対給付の原則

給付・反対給付の原則…リスクが大きい人や、事故発生率が高い業種は、高い保険料を負担する。

保険料の負担は、危険度に応じて高くしなければならない決まりがあります。

「私はめったに事故を起こさないから損してる、と思っていましたが、そんなことないんですね」

そうですね。リスクが少ない人は、保険料も安くなっています。

4、利得禁止の原則

利得禁止の原則…実際の損害以上の保険金を受け取ることはできない。

保険金で得をすることはできないしくみになっています。

「保険金をもらって一部の人が儲かるような、ズルはできないしくみなんですね」

損害保険の基本用語を知れば、どの保険会社がいいか選べます

自動車保険や火災保険の見直しをしたいです。これから契約するなら、どの保険会社がいいんですか?

あなたが損害保険の契約で失敗しないように、まずは基本用語を学びましょう。

◆基本用語

損害保険に特徴的な基本用語があります。

「保険の目的」;保険の対象のこと。建物、家財、自動車など。
「保険価額」;火事や事故で生じる、最大の損害(被害)額のこと。
「保険金額」;もらえる保険金の最高金額。
「時価」;いま売ったらいくらになるか?
「再調達価額」;同じものを購入するには、いくらかかるか?

「保険価額」「保険金額」は似ているので、区別してくださいね。

「時価」「再調達価額」も異なります。

たとえば、5000万円で購入した家が、20年後に壊れてしまったとしましょう。

購入したときと同じ家を再築すると、だいたい5000万円かかります。これが再調達価額です。

もし、5000万円で購入した家を、20年後に売ろうとしたら、5000万円で売れるでしょうか。

残念ながら、古くなっているので1000万円にしかなりませんでした。簡単に言うと、これが時価です。

保険金がいくらもらえるかは、再調達価額 or 時価、どちらで契約しているかによって大きく金額が異なるのでご注意を。

◆ムダなお金、払っていませんか?

基本用語を知っていると、あなたの希望に沿うか、判断できます。

「保険金がおりやすい」「顧客対応がいい(人件費=経費をかけている)」など、手厚く補償してくれる損害保険会社は、保険料は高くなりがちです。

「保険料が安くてお得!」と思う保険会社は、保険金がおりる基準が厳しかったり、経費を削減して対応がイマイチだったりします。

「安いなら安いなりの、高いなら高いなりの補償・サービス内容なんですね」

そうですね。でも、「損害保険会社はどこでもいい」というわけではありません。

「自分の希望に沿う契約ができるか?」
「必要のないものは削り、ほしいオプションがつけられるか?」
「必要な補償がされるか?」

こういった判断基準で、比較検討するのがよいでしょう。

「保険料の安さ」だけで決めると、必要なときに保険金がおりず、ムダになってしまいます。

あなたが「どんなときに、いくら保険金がおりたら納得か?」よく考えておきましょう。

損害保険内容を確認して、比較検討してくださいね。

保険金額を増やしても、全額はもらえないので注意しましょう!

地震や火災で被害が出たら、全額、補償されるようにしておきたいんですけど…

そういう方法もあります。

ただ、むやみに保険金額を増やしても、全額はもらえないので注意しましょう!

保険金は、「実損填補(てんぽ)」「比例填補」か、どちらかです。

「実損填補」;損害の全額がもらえる
「比例填補」;損害の何割かもらえる

たとえば5000万円の家に、6000万円の保険金を掛けていても、5000万円までしかもらえません。実損(実際にあった損害額)が限度額です。

さすがに実際以上のお金はもらえないんですね

では、こんな場合はどうでしょう。

5000万円の家に2000万円の保険金を掛けていたとします。購入したばかりなのに家が一部壊れて、損害額は500万円でした。

さて、いくら保険金がもらえると思いますか?

そりゃ、実際の損害額500万円がもらえますよね?

ブッブー、不正解です。

もらえるのは「250万円」です。

えーっ!?なんでですか?

これを「比例填補」と言って、被害の大きさに比例して、補償される金額も削減されるのです。

時価の何割、被害が出たかを考えると、だいたいの金額がわかります。

5000万円の家で、500万円の損害が出ました。時価の1割、被害ですね。

その場合、保険金2000万円の1割、200万円くらいがもらえると思っていたらいいでしょう。

(※実際は、保険価額の80%を分母にして、保険金額の割合に応じて保険金が支払われるので、計算すると250万円になります。)

「損害の全額がもらえるとはかぎらないってことですね」

保険金額が保険価額の80%以上なら、実損填補。
保険金額が保険価額の80%未満なら、比例填補になります。

「なんだか難しいですね…」

ここまでわからなくても、「保険金の全額がもらえるわけじゃない!」ということを覚えておくだけで、「えー!?これだけしかもらえないの?これから生活していくお金が足りない…」とガッカリしなくて済むと思います。

保険金をもらっても、失った苦しみは癒せない。じゃあどうしたら?

お気に入りのマグカップを落として割ってしまっても苦しいのに、これまで一生懸命に働いた給料を注ぎ込んで、やっと購入したマイホームを火災で失ったら…。

「これまでの人生、なんだったんだろう…」と思わずにいられないでしょう。

そんなときのための、火災保険ですが、どれだけ備えていても手元に返ってくるのは保険金だけ。

マイホームを立て直せるくらい、保険金がもらえたとしても、ひとつひとつ吟味して集めた家具や、服、慣れ親しんだ環境をすべて一度に失う苦しみは、想像もできません。

居心地のいい場所も、思い出のいっぱい詰まった家も、二度と戻ってはこないのです。

火事にはめったに遭わなくとも、病気に倒れたとき、老いてゆくとき、自分がこれまでたよりにしてきたものを、失ってゆくのです。

あなたはそんなときでも、幸せに生きていけますか?

そんな絶望は、回避できます。

その時になってから、あわてふためくより、

火事でも焼けない「本当の幸せ」
事故でも失わない「本当の幸せ」
病気に倒れても心が折れない「本当の幸せ」

を知っておきましょう。

     ↓↓↓

この記事を書いた人

ライター:月見 草

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