人間関係

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他者貢献ってどんな感覚?アドラーから学ぶ「苦しみから抜け出す方法」

【目次】

  1. 他者貢献って、どんな感覚?
  2. 「どうすれば苦しみから抜け出すことができる?」アドラーの答え
  3. 他人に貢献すると「自分を受け入れること」につながる
  4. 「他者貢献なんて、私にはできない」と思っているなら
  5. お金や能力がなくても、誰にでもできる他者貢献
  6. 他者貢献は「心」が大事、「実行」が大事

はじめに

こんにちは。ライターのゆうです。

ブッダとアドラー心理学に学ぶ、対人関係を良好にする健康なパーソナリティというテーマでお話ししております。

「パーソナリティとは何か?」については、次の記事をご覧ください。

健康なパーソナリティに重要な「共同体感覚」には、3つの側面があると言われています。

1、自己受容
2、他者信頼
3、他者貢献

今回は、3つ目の「他者貢献」についてお話しします。

他者貢献って、どんな感覚?

「自分は役に立つ」「他人の役に立つ」と感じている状態。

これが「他者に対する貢献感」が満ちている状態といえます。
あるいは、

「まわりの人の役に立ちたい」「貢献していきたい」

こういった気持ちも、他者に対する貢献感です。

前回、自己受容から始めることが大事、それが土台だと話をいたしました。

それが理想的ではありますが、自己受容がなかなかうまくいかないとき、もう一つ紹介したい方法があります。

「思い切って他者に対する貢献に踏み出していく」ことです。

とにかく、思い切って行動してみる。貢献してみる。

これも自信につながることがあります。

貢献感が持てますと、「こんな自分には価値がある」と思います。
それが自己受容につながるんですね。

自己受容ができますと、他の人を信頼して、ますます貢献するようになります。

「どうすれば苦しみから抜け出すことができる?」アドラーの答え

アドラーの時代、神経症で悩んでいる患者さんがいました。
その患者さんがアドラーに尋ねたそうです。

「どうすれば苦しみから抜け出すことができるでしょうか」

アドラーは、「1日○○をやりなさい」と答えました。
皆さんでしたら、1日何をすることを勧めるでしょうか。

不安障害やうつ病に有効なことは、いろいろあると思いますが、アドラーは1日1つ、良いことをやりなさいと伝えました。

「一日一善」をしなさいと、勧めたんですね。

正確には「他の人が喜ぶことをやりなさい」と勧めたそうです。

D・カーネギーは『道は開ける』の中で、アドラーの言葉を次のように紹介しています。

「自分がどうしたら人を喜ばせることができるのか。これを毎日考えるようにすれば、二週間で憂鬱症から回復するでしょう」

神経症だと、どうしても自分のことばかり考えて、なおさら苦しくなってしまうんです。

けれども、だからこそ、「人を喜ばせることを考えて実行していきましょう」と勧めたのですね。

実際に相手のために行動していくと、自分自身の抱えている苦しみがだんだん小さくなってくる。

こういった心理的な効果もあると言われます。

他人に貢献すると「自分を受け入れること」につながる

『劣等感と人間関係』(野田俊作著、創元社、2017年2月)では、「精神的に健康なパーソナリティになるコツ」をこのように言われていました。

私にできることは何かを、絶えず考え続けること。
人を変えようと思っている限り、相手は変わりません。

私が変わろうと思ったら変わる。
この世の中で変えることができる人間は、自分一人だけ。

自分のことばかり考えていると、苦しくなってきます。

「どうして自分は、こんなに不幸なのか」
「どうして、こんな目にあったのか」
「あいつが悪いんだ」

また、相手を変えようと思っても、相手は変わらないんです。
相手は相手で「あなたこそ変わりなさい」と思っていますから。

自分のことを考えるのではなくて、「相手のために私にできることは何か」を考えて行動するのです。

相手にも喜ばれ、自分自身の苦しみも癒されていきます。

他者に対する行動を考えて、実際に行動していくと、貢献感が持てます。
そうすると、自分を受け入れることにもつながると言われています。

「他者貢献なんて、私にはできない」と思っているなら

そう言われても、他人のために私ができることなんてありません。
私は他者貢献なんて、そんな大それたことはできません。

このように思われる方もいらっしゃると思います。

そこで紹介したいのが、元手なしで実行できる他者貢献です。

仏教の言葉では、「利他行」と言われます。
相手を幸せにする行いです。

仏教では、与えることの大切さが教えられています。

与えるとは、言葉を変えると「親切」です。
相手が喜ばれる行いがたくさん教えられています。

お釈迦様は、自分が本当の幸せになるための心がけとして、良いことの実践が教えられています。

人間関係を良くするために言われたわけではないんですけれども、実践していきますと、相手との関係も良くなっていくのは間違いありません。

仏教ではどのような利他行が教えられているのでしょう?

いろんな素晴らしい行いが教えられていますが、今日は「無財の七施」を、お話ししたいと思います。

お金や能力がなくても、誰にでもできる他者貢献

「無財の七施」は『雑宝蔵経』というお経に説かれています。

無財の七施は、財がなくてもできる7つの施しで、素晴らしい親切なのだよと言われます。

「施し」と聞くと、ふつうは、お金や財産、特別な能力がなければできないように思われますね。

そういったものがなくても、できる素晴らしい施しが7つあると言われます。
その「無財の七施」がこちらです。

・眼施
・和顔悦色施
・言辞施
・身施
・心施
・床座施
・房舎施

眼施(げんせ)

優しい温かいまなざしで、周囲の人を明るくすること。

最初の「眼施」とは、目を施すということです。
優しい温かい眼差しで人に接する親切です。

和顔悦色施(わげんえっしょくせ)

優しいほほえみをたたえた笑顔で人に接すること。

「和顔」和やかな顔。 「悦色」喜びの色、表情ということです。
笑顔で接する親切です。

言辞施(ごんじせ)

優しい温かい言葉をかけること。

「言辞施」言葉の施しということで、優しい言葉、気遣いの言葉をかける親切です。

身施(しんせ)

身体を使って、世のため、人のために働くこと。

「身施」とは体を施すということで、自分の体、肉体を使って、無償で、世のため、人のため、社会のために働くことです。

分かりやすいのはボランティア活動ですよね。
無償で社会のために働く。これは素晴らしい親切であります。

ボランティア活動も素晴らしいことなんですけれども、普段私たちが何気なく相手のためにサッとすることもいろいろあると思います。

相手のために重いものを持ってあげる。
散らかっていたら掃除する。
いろんな準備をする。

お金をもらってやっているわけではないですけれども、無償でできる親切です。
これも素晴らしい施しであります。

心施(しんせ)

心から感謝の言葉を述べること。

5つ目は心を施すと書いて、「心施」です。
心で相手の幸せを念じるということです。

私たちは、どうしても自分のことばかり考えてしまうんですけれども、相手の幸せを願うこと。
相手に幸せになってほしいと、心で思うことは、素晴らしい行いだと言われます。

また、人にしてもらったことに対して、心から感謝の言葉を述べること。
これも親切であります。

床座施(しょうざせ)

場所や席を譲ること。

「床」という字は、床、座るところを施すということで、場所や席を譲ること。
これを「床座施」と言われます。

房舎施(ぼうしゃせ)

一宿一飯を施すこと。

房舎施の「房舎」とは、家のことです。
家を一軒プレゼントする!ということではなくて、誰か訪ねてくる人があれば家に泊めてあげること。
昔はそういった親切がされましたので「房舎施」と言われます。

今日では、なかなかそのような親切はできないと思いますので、言葉を変えると「労をねぎらう」ことです。
苦労されている方に対して、その苦労をねぎらう。これが「房舎施」と言われます。

他者貢献は「心」が大事、「実行」が大事

「無財の七施」は、心がけが一番大事なんです。
心がけがあればできる、素晴らしい行い、親切だと言われます。

これは実行が大事だということです。

親切なんて初めて聞いた、そんな斬新なことが教えられていたのか!と思われる方は、おそらくなかったと思います。

心がけがあれば、誰でも、できるものなんですけれども、実行しなければ、知ってるだけでは意味がありません。

実行しますと、相手のためにもなりますが、自分のためになるんです。

巡り巡って自分自身が幸せになります。貢献感を持つことができます。
貢献感を持つことができれば、自己評価が高くなります。
自己評価が高くなれば、相手を信頼でき、また親切せずにおれなくなる。

そうして共同体感覚が高まっていく、ということなんですよね。

「思い切って行動することによって、貢献感が高まっていく」ということでご紹介しました。

「自己受容」と「他者に対する貢献」

どちらでもいいんですけれども、これは自分にとってできそうだというものを一つ選んで、ぜひ実行していただけたらと思います。

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この記事を書いた人

ライター:ゆ う

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