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専門家が教える 目標達成に最も役立つアドバイスとは?ゴール到達に必須なのは“条件型計画”

こんにちは、ライターのゆうです。

目標を立てたものの、その努力が長続きせずに挫折し、「自分は意志の弱いダメな人間だ」と思ったことはないでしょうか。

嫌な思いをすることなく、反対に目標をクリアして満ち足りた気分になり、自信が持てるようになるにはどうすればいいのか。

モチベーション研究の第一人者が教える、科学的な効果実証済みの、目標達成のためのアプローチ法をご紹介しています。

最後まであきらめることなく、粘り強く目標達成に向かうのに押さえておきたいのが、以下の3つの要素です。

  1. マインドセット
  2. 行動計画
  3. 環境

前回は、1つ目の要素であるマインドセット(物事への見方・考え方)についてお話ししました。

今回は2つ目の要素「行動計画」をご紹介します。

目標達成のプロが教える、最も役立つアドバイスとは?

計画の重要性について、先で触れたモチベーション研究の第一人者であるコロンビア大学の心理学博士 ハイディ・グラント・ハルバーソン氏は、著書『やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~』のなかでこう言っています。

もし本書(『やってのける』)のなかから、目標達成のためのアドバイスを一つだけ選べと言われれば、わたしは「いい計画をつくること」と答えます。

確かな理論にもとづいた目標達成のためのアドバイスが数多く書かれているなかで、ハルバーソン氏が一つだけ選べと言われて勧めるのは、「いい計画をつくる」という、非常にシンプルなものなのです。

「いい計画をつくるなんて、そんなのは当たり前ではないか」とも思われるかもしれませんが、数あるアドバイスのなかでハルバーソン氏が選び抜いた“いい計画”は、目標達成を強力に後押しする、軽視できないものです。

では計画のなかでも“いい”計画とは、どんな計画でしょうか。

仮に、「半年間で8キロ痩せる」という目標を決めて、

■ステップ1 食べる量を減らす

■ステップ2 運動する量を増やす

という計画を立てたとします。

これで目標は達成できそうでしょうか。

これはあまりにひどい計画であり、達成の可能性はゼロに等しいでしょう。

ご承知と思いますが、ひどい計画である理由は「具体性が皆無だから」ですね。

いい計画について、ハルバーソン氏はこう言っています。

効果的な計画とは「何を」「いつ」「どこで」「どのように」実行するかを具体的に示すものです。

先の計画でいえば、

■食べる量を減らす → 休日は外食はせずに、家で〇〇キロカロリー以内の食事をする

■運動する量を増やす → 水曜日は会社が終わった後はジムに行き、2時間ランニングとトレーニングを行う

などの具体的な行動計画が、効果的な計画なのですね。

このような計画は「条件型計画」「IF‐THEN プランニング」といわれています。

「〇〇ならば、~をする」という条件を設定することで、迷うことなくそれを実行できるのです。

「IF‐THEN プランニング」の効果を調べた実験では、禁断症状のある薬物中毒者を対象に、特定の日の午後5時までにエッセイを書くように指示を与えたところ、エッセイを書き上げられた人はゼロでした。

実は、指示を与えた薬物中毒者のグループはもう1つあり、そのグループへの指示も同じ日の午後5時までにエッセイを書くのは同じでしたが、具体的にいつ・どこの時点で書くのかも決めておくことにしました。

すると、そのグループの80%の人がエッセイを完成させていたのです。

条件付きの計画を立てるか、それをしないかで、実行結果に大差がつくことがわかります。

目標達成の鍵は、“意志力”の使い方

目標を達成するためには、いろいろな選択肢のなかから、目標達成のための行動を選び取っていかねばなりません。

さまざま誘惑による衝動に対して、「ノー」と言う力、満足を先延ばしにする力を「意志力」といわれます。

この意志力には限界があり、衝動に「ノー」と言う度に消費していくのです。

ゆえに目標達成のポイントは、意志力を無駄にすり減らすことなく、使うべきところで使って、望ましい行動を続けていくことといえますね。

そのために大事なことが、行動の選択肢を減らすことです。

選択肢が多いほど、「あれをしようかな?いや、こっちにしようかな」と迷ってしまい、意志力をどんどん無駄遣いしてしまいます。

ようやく選んだ行動の結果にも、「これとは違うことをしていれば、もっといい結果になっていたかもしれない」と反芻し、幸福感が下がってしまうのです。

条件型計画を立てておけば、行動の選択に迷うことはありません。

どうしても気が乗らずに先延ばしすることもあるかもしれませんが、無計画の場合と比べて、やるべきことに集中できる可能性は飛躍的に高まるでしょう。

「拒食症を乗り越えるための 12 のステップ」というプログラムのなかには、「シンプルにしておけ!この間抜け」(Keep It Simple,Stupid)という言葉の頭文字をとった「KISS」という単語が何度も出てくるそうです。

食事制限が必要な方であれば、

■スーパーやコンビニに買い物に行くときには、買うべきもののリストを決めておく

■高カロリーな外食を避けるために、昼食にはお弁当を持参する

など、簡単に決断を下せる工夫をしておくことで、意志力の乱用を防ぎ、衝動的な行動を回避できるのですね。

「時間ができたらやる」では、時間ができてもいろいろ迷った挙げ句、楽な道に流れる可能性が非常に高いでしょう。

「この時間になったら、これをやる」という条件型の、シンプルな計画をぜひ立ててみてください。

人生におけるあらゆる目標を達成できる方法

より効果的に計画を立てるためにまず必要なことを、自己啓発で有名なデール・カーネギーが語っています。

これをすれば「人生におけるあらゆる目標を達成できる」とまでいわれているのです。

それは、次のようなアドバイスです。

あなたが今どのように時間を使っているか、一覧表にして書き出してみましょう。

いいですか、一日二十四時間、必要な時間は与えられているのです。

毎日毎日、ジョン・D・ロックフェラーやヘンリー・フォードと同じ時間が与えられているわけです。

ですから、この世でいちばん大切なのは、その一時間一時間を今どのように使っているかそれを発見することにあるのです。

そのような一覧表をたとえ一週間でもつけてみれば、あなたはきっとその結果に唖然とされると思います。

計画を立てる際にまず始めるべきことは、自分の24時間がどう使われているかを書き出してみることなのですね。

現状把握が曖昧なまま計画を立てたところで、無理が生じ、破綻に終わることは目に見えています。

まず、1時間1時間、どのように時間を使っているか書き出して、現状を把握する。

そして、余計なことにかけている時間を削って、そこを目標達成のために使っていけば、ゴールへ向かって着実に進んでいき、あらゆる目標を達成することも可能になるでしょう。

「忙しくて、それをする時間がない」と言っている人ほど、実は非効率な時間の使い方をして、自分で自分を忙しくしているだけなのかもしれません。

「一覧表を書くなんて、めんどくさいな」と思われるかもしれませんが、私自身も最初は面倒だと思いつつやってみると、時間の使い方が劇的に変わり、早め早めに仕事を終わらせることができるようになり、気持ちにも余裕が出てきました。

「時間がない」と思われる人ほど、いまの時間の使い方を知る方法をぜひ試していただきたいです。

偉大な心理学者・お釈迦様が解き明かされた“心の実態”

仏教で説かれる人間の心の実態を知られると、ますます計画を立てることの重要性がわかります。

仏教を説かれたお釈迦様は、高名な神経科学者から「偉大な心理学者だった」と絶賛されるほど、人間の心の仕組みを詳細に教えられています。

その人間の心を、仏教では「機」といわれています。なぜ、機械の「機」の字で「心」が表されるのでしょうか。

それは、すべての機械は外からの働きかけがなければ動き出しません。

全自動の機械であっても、最初にスイッチをオンにしないと動き出しませんね。

ちょうどそのように、人間の心も、外からの作用によってどうにでも動き出すから「機」といわれているのです。

「絶対にこの目標を達成しよう」と、どれだけ固く決意をしようと、決意した瞬間から気持ちが緩んでくるのが人間ですね。

ダイエットであれば好物を見た途端に食べたい衝動に駆られますし、資格の勉強に集中しようと思っても、友人からメッセージ、SNSの閲覧、ネットサーフィンなどで簡単に集中力が奪われ、意志力がすり減ってしまいます。

まさに外からの作用でどうにでも動き出してしまうのですね。

そんな心の実態が知らされるほど、意志力を無駄遣いしないための対策、条件型計画を立てることの大切さを痛感します。

ぜひこの心の実態を見つめられた上で、「何を」「いつ」「どこで」「どのように」やるのかを決める、条件型計画を立ててみてください。

まとめ

■目標達成のために大事なのは、「いい計画をつくること」です。何を・いつ・どこで・どのように実行するか、具体的に決めることで、迷わずに実行できるようになります。

■行動の選択肢は少なめにしたほうが、あまり悩まずに済むので、やるべきことに集中できます。

■何に時間を使っているのかを一覧表にすることで、うまく時間を使っているかが分かり、効果的な計画を立てられます。

■周囲の人の言動で、決意が簡単に揺らいでしまうのが人間と知らされれば、いっそう計画を立てることの重要性がわかります。

参考文献:
『やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~』(ハイディ・グラント・ハルバーソン著 大和書房)
『実践版GRIT やり抜く力を手に入れる』(キャロライン・アダムス・ミラー著 すばる舎)
『こうすれば必ず人は動く』(デール・カーネギー著 きこ書房)

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この記事を書いた人

ライター:ゆ う

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