人間関係

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余計なお世話の心理学~お節介を引き寄せるトラブル体質3つの対処法

もしかしてあなたもお節介な人を引き寄せる「トラブル体質」かも

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

どうしたことか、余計なお世話を受けやすい。環境を変えても、お節介な人が近づいてくる。放っておいてほしい……。そんな風に感じることはありませんか。「いい加減、お節介はやめてください、余計なお世話です」と言いたくても言えず、ただじっと耐える。かつての私は、どうしたことか、お節介に巻き込まれることばかりでした。

「トラブル体質」という言葉があります。トラブルを巻き起こす人、トラブルに巻き込まれる人。なぜか周りに余計なお世話が頻繁に起きる場合、あなたもトラブル体質かもしれません。

「体質」と言うと、「自分はそういう体質だからあきらめるしかない(変えられない)」と思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。トラブル体質の特徴を理解すれば、対処し、変えていくことができます。

目次

【1】余計なお世話を引き寄せるトラブル体質の仕組み「トライアングル」
【2】トラブル体質から抜け出す3つの対処法とは?
【3】おわりに~自分を変えて、新しい関係を生きよう

余計なお世話を引き寄せるトラブル体質の仕組み「トライアングル」

私がトラブル体質を改善していくきっかけとなったのは、心理学の「トライアングル(3つの立場)」を知ったことでした。

不快なやりとりをする時、人は3つの立場(トライアングル)のいずれかをとっている、というものです。

  1. 「助けてよ」という立場(犠牲者)
  2. 「ちゃんとできてるの?」という立場(説教人)
  3. 「私が助けなくちゃ」という立場(お節介)

このトライアングルのどれかの立場をとるクセがある人は、トラブルに巻き込まれやすいのです。

1.「助けてよ」という立場(犠牲者)

「助けてよ」という立場をとっているときの心理状態は、次のようなものです。

  • 自分にはできないと感じる
  • 自分は人より劣っていると感じる
  • 人より一段下だと感じる
  • 自分はダメだと感じる
  • 具体的に使いやすい言葉はこちら。

    「私にはできません」
    「どうすればいいかわからないです」
    「私には無理です」
    「どうせ私は…」
    「私ってダメなんです」
    「(ダメで)ごめんなさい」
    「すみません、すみません」
    「みんなはいいですよね」

    すると、それに引き寄せられてくるのが、次の2つの立場です。

    2.「ちゃんとできてるの?」という立場(説教人)

  • 相手はできないと思っている
  • 自分は一段上だと思っている
  • 不完全を責める
  • だからダメなんだ、という言い方をする
  • 具体的に使いやすい言葉はこちら。

    「なんでできないの」
    「ちゃんとやりなさい」
    「何度言ってもダメだね」
    「早くやりなさい」
    「私ならこれくらいやってるよ」
    「私はこれまでやってきたよ」
    「私の時はもっと大変だったよ」
    「若いんだからもっとしなさいよ」
    「賢いんだからもっとできるでしょ」
    「あなたは自己主張できないね」
    「もっと気を配りなさいよ」
    「こうすればいいのよ」
    「私の言うとおりにしていればいいの」
    「あなたが悪いのよ」
    「あなたがちゃんとしてくれないから」

    3.「私が助けなくちゃ」という(お節介な人)

  • 相手はできないと思っている
  • 自分は一段上だから手を差し伸べなければいけない
  • 相手が自発的に行動する力を奪う
  • 具体的に使いやすい言葉はこちら。

    「あなたには無理よ」
    「(できないと)だから言ったでしょ」
    「私がやってあげる」
    「私がやったほうが早いわ」
    「あれはやった?準備した?」
    「忘れてることない?」
    「助けてあげようか」
    「はいはい、やってあげるから」

    自分が「助けてよ」の立場をとると、2つの立場(説教人、お節介な人)を引き寄せてしまいます。
    そのため、いつの間にか自分は犠牲者になってしまうのです。

    このトライアングルは、コロコロと入れ替わることがあります。犠牲者だったのが、相手のせいにして、説教人の立場になることもあります。

    お節介な人だったのが、いきなりキレて、説教人に変わることもあります。
    お節介な母親が、うまくいかないとヒステリックになったり、泣き出したりするなど、説教人や犠牲者に回ることもあります。

    この3つのトライアングルの立場をとっているうちは、不快なやりとり(心理ゲーム)から抜け出せません。

    トラブル体質から抜け出す3つの対処法とは?

    余計なお世話やお節介を引き寄せるトラブル体質から抜け出す、とても有効な対処法を、ここでは具体的に3つ挙げたいと思います。

    (1)いつもやってしまう不快なやりとり(心理ゲーム)に名前をつける。

    例えば、

  • 親が子供にお弁当箱のことでケンカになるなら「お弁当箱ゲーム」
  • 夫婦で食器洗いのことでイライラするなら「食器洗いゲーム」
  • 職場の後輩に、電話の対応の仕方でつい口出ししてしまうなら「電話対応ゲーム」
  • このように不快なやりとり(心理ゲーム)に名前をつけるだけで、客観視する働きになり、コントロールしやすくなります。

    (例)
    「またお弁当箱ゲームやっちゃったね」
    「せっかくやってくれてるのに、また食器洗いゲームにはまっちゃった」
    「いちいち口出ししてごめん、これじゃ電話対応ゲームだね」

    (2)意識して3つのトライアングルの立場から降りる

    次の対処法は、不快な時、3つの立場をとっていないか確認する。
    自覚したら、「自分OK」「あなたもOK」の立場に移る。
    つまり、「自分でもできる」「あなたも自分でできる」です。

    例)
    「ありがとう、大丈夫だよ」
    「助かるよ、でも自分でやってみたいの」
    「あなたはできてないと感じているみたいだけれど、けっこうちゃんとできてるよ」
    「私にもできないことはあるし、あなただって、できないことがあったっていいんだよ」
    「私の助けがなくても、じゅうぶんやっていける力をもっているよ」
    「どうしてもできない時だけ、声をかけてね。きっと大抵のことはあなたが自分でできるって信じてるよ」

    (3)不快なやりとり(心理ゲーム)を早送りして終わらせる

    3つめの方法は、頭の中で、やりとりを想定して結末までを早送りしてしまいましょう。

    (例1)
    お弁当箱ゲームなら、いつもは
    「早く持ってきなさい!」
    「え〜後でいいじゃん」
    「今すぐ持ってきて!」
    「やだ〜」
    「いい加減にして!忙しいのよ。だからあなたはいつもダメなのよ」
    「はーい…」
    と言ってお弁当箱をしぶしぶ娘が持ってきて、やっとケンカが終わるところを、母親が
    「お弁当箱とりだすね!」
    と言って出してしまう。意外と、
    「いいよ自分でやる!」
    とすぐ解決する。
    (例2)
    食器洗いゲームなら、
    「早く食器片付けろよ」
    「私だって疲れてるんだから食器くらい洗ってよ」
    「なんだよこっちだって疲れてるんだ」
    「だからあなたは私の気持ちがわからないのよ」
    「お前だって…」
    と言うところを、
    「今日は私は疲れているわ。もしやってくれるなら助かるけど、あなたも疲れているだろうから、置いておいてね。明日やるから」
    と言う。あわよくばやってくれるし、やってくれなくても、少なくとも文句を言われることは激減する。

    余計なお世話をされやすい、お節介を受けやすいのならば、「助けてよ」の立場を取らないことが大切です。

    それでも、誰だって「助けてほしい」「こんなに頑張ってるのに助けてくれない」と思うことはあります。それだけ頑張っているのですから。

    そういう場合、カウンセラーや信頼できる人など、安全な場所以外では、むやみに自分の苦しみを打ち明けない。
    「誰に」「どこまで」話すかを自分で調整する。相手と場所とタイミングを考えることが、不快なやりとりを減らすことになります。

    苦しみに共感してもらうと、気持ちが楽になります。しかし、相手が共感するスキルや余裕をもっていなければ、善かれと思って言ってくれたことが、トライアングルの負のスパイラルにハマることになり、かえってモヤモヤが増幅します。

    おわりに~自分を変えて、新しい関係を生きよう

    わが身に起きるすべてのことは、自分のまいた種。
    人は変えられないけれど、自分は変えられます。自分を変えられるから、「関係」は変えられます。これを教えてくれるのが仏教の「因縁果の法則」です。すべての結果は、因(自分の行い)と縁(他人や環境など)が結びついて生み出される。自分を変えれば、必ず周囲の反応も変わり、ステキな人たちに囲まれて、どんどん生きやすくなっていきます。

    余計なお世話を引き寄せるトラブル体質の特徴と対処法(まとめ)

    トラブル体質は変えることができる。

    1. 「助けてよ」という立場(犠牲者)
    2. 「ちゃんとできてるの?」という立場(説教人)
    3. 「私が助けなくちゃ」という立場(お節介)

    の3つの立場をとっている人は、トラブルに巻き込まれやすい。

    余計なお世話から抜け出す、3つの対処法

    1. いつもやってしまう不快な心理ゲームに名前をつける
    2. 意識して3つのトライアングルの立場から降りる
    3. 不快な心理ゲームを早送りして終わらせる

    人は変えられないが自分は変えられる。自分を変えられるから「関係」は変えられる。


    どんな人も、一生懸命、生きています。そして善い行いをすれば必ず幸せになれる。それは間違いありません。

    ところが、善いと思って一生懸命やっていたことが、実は苦しみを生み出す行為だったということがあります。もし、頑張っているのに裏目に出ることが多いと感じたら、あなたが思っている「善いこと」が本当に幸せになれる「善いこと」かどうか、一度立ち止まって考えてみるのもよいかもしれません。

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    この記事を書いた人

    ライター:月見 草

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