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ストレスを感じるほど幸福感も高い?常識を覆す驚くべき研究からわかった、ストレスへの最善の対処法

こんにちは、ライターのゆうです。

あなたは「ストレス」と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか。

重苦しいイメージが先行し、私達を苦しめるもの、精神的な病をもたらし、身体も蝕ませるものと思われるでしょう。

今年は新型コロナウイルス流行の影響で、特に慢性的にストレスを抱えられている方が多いと思います。

確かにストレスには有害な面もあります。

しかし実は、決して悪いだけのものではなく、私達の考え方・マインドセット次第で、ストレスからむしろ恩恵を得ることさえできるのです。

スタンフォード大学の心理学者 ケリー・マクゴニガル教授は、ストレスに関するさまざま実験・研究を背景に、ストレスについての考え方を見直すことで、

・勇気や思いやりを持つことができる
・もっと健康で幸せになれる
・仕事にやりがいを感じ、将来に希望が持てるようになる

と言っています。

ストレスに対してどのような考えを持てば、ストレスにうまく対処し、それを力に変えることができるのかを紹介していきます。

ストレスへの常識を変えた、驚くべき調査

ストレスからは実は良い影響を受けられる、と提唱しているマクゴニガル教授も、ある時期までは当然のように「ストレスは有害だ」と述べてきたそうです。

「ストレスは病気のもとであり、さまざまな深刻な病気のリスクを高める」、「ストレスは脳細胞を殺し、老化を促進させてしまう」ことを強調し、ストレスを緩和するリラクゼーションの方法を教えていました。

ところがマクゴニガル教授はある時、ストレスの常識を覆す驚くべき研究結果を目にしたのです。

それは、1998年に行われたアメリカの3万人の成人を対象にした調査でした。

その調査では、参加者に対してストレスに関する、以下の2つの質問が行われました。

・この1年間でどれくらいのストレスを感じましたか?
・ストレスは健康に悪いと思いますか?

調査によって、強度のストレスがある場合には死亡リスクが43パーセント高まっていたとわかりました。

この結果だけ見れば、やはりストレスにはリスクがあるのだなと思いますよね。

しかし実は、死亡リスクが高まっていたのは、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけでした。

「ストレスには悪い面だけではなく、良い面もある」と思っていた人たちは、強度のストレスを受けていても死亡リスクの上昇は見られませんでした。

それどころかこのグループは、強度のストレスを受けているにもかかわらず、参加者中でもっとも死亡リスクが低かったのです。

この調査では、人はストレスだけで死ぬのではなく、ストレスを受け、さらに「ストレスは健康に悪い」と考えていると、死亡リスクが高まると結論づけられていました。

多くの研究から導き出された、ストレスへの最善の対処法

この研究結果を見て、マクゴニガル教授ははじめ、愕然としたそうです。

何しろ「ストレスそのものが悪いものであり、避けるべきだ」というこれまでの主張に反することが書かれてあったから、無理もありませんね。

一時は「見なかったことにしよう」とまで思ったそうですが、自らが教えてきたストレスマネジメントへの確信が揺らいでいき、やがて過去30年間の科学的研究・調査の内容を詳しく調べ、新世代のストレス研究者たちの意見も聞いていったそうです。

そうしたところ、マクゴニガル教授のストレスへの考え方はガラッと変わり、ストレスへの対処法も刷新しました。

ストレスに対処するための最善の方法は、「ストレスを悪いものと考え、減らそう、避けようとする」ことではありません。

ストレスをとにかく減らそう、逃げようとすれば、ストレスを紛らわせるために嗜好品に依存し、心身の健康を害することさえあります。

そうではなく、ストレスについての考え方(=ストレスマインドセット)を改めて、ストレスを受け入れることが最善の方法である、と述べています。

ストレスを受け入れることができれば、冒頭でご紹介したように、勇気や思いやりを持てたり、より健康になって人生への満足感も得られたり、仕事へのやりがいも感じられたりするのです。

そのストレスを力に変えるためのマインドセット、ストレスを受け入れる具体的な方法のうち、今回は「ストレスに価値を見出す」方法をご紹介します。

ストレスを感じるほど幸福感も高い?ストレスの新事実「ストレス・パラドックス」

ストレスの常識を覆す研究結果は、先で紹介した「ストレスに良い面があると考えていた人は、強いストレスを受けていても死亡リスクの上昇は見られなかった」というものだけではありません。

アメリカのコンサルティング会社「ギャラップ」の世論調査からも、ストレスに関する新たな事実が浮かび上がりました。

2005年から2006年にかけて、121カ国、12万5000名の15歳以上の人びとに、

「あなたは昨日、大きなストレスを感じましたか?」

という1つの質問を行い、各国において、何パーセントの人びとが大きなストレスを感じたと回答したのか、が出されました。

各国の平均は33%であり、アメリカが43パーセント、最も高かったのはフィリピンの67パーセント、そして最も低かったのはモーリタニアの5パーセントでした。

これだけ見ると、ストレス度指数の低いモーリタニアが最も幸福な国だと思われるかもしれません。

ところがストレス度指数の高い国ほど、国民の幸福度や人生に対する満足度も高いことがわかり、平均寿命も高かったのです。

反対に、ストレス度指数の最も高かったモーリタニアは、貧困や飢餓が蔓延し、汚職や暴力が横行している国であり、その国の人々が抱いていたのはストレスを通り越した諦めの気持ち・無力感でした。

ストレス度指数の高い国は、ストレスを多く感じる一方で、より多くの喜びや愛情を感じていたのです。

このように、

・ストレスのない生活が幸せとは限らない
・ストレスを多く感じるほど、幸せや喜びを感じ、人生への満足度が高くなる

ことは「ストレス・パラドックス」といわれています。

なぜこのような現象が起こるのでしょうか。

ストレスは、自分にとって大事な活動にどれだけ熱心に取り組んでいるかのバロメーター

それは人生に大きな意義を感じているほど、ストレスも避けることができないからです。

意欲的に仕事に取り組んでいるほど、プロジェクトを成功させることができるかどうか、という重圧が大きくなります。

子どもを大切に思い、無事に育ってほしいと愛情がかかっているからこそ、育児への負担も増えるでしょう。

豊かな人間関係を築いている人ほど、さまざまなことが気がかりになりますね。

使命感に燃え、目標に向かって努力すれば、ストレスは避けられません。

しかし同時に人生への意義を感じ、それだけ充実しているともいえますね。

感じるストレスは、人生がうまくいっていない印ではなく、自分にとって大事な活動や人間関係にどれだけ熱心に取り組んでいるかを示すバロメーターである、といわれています。

ストレスを抱えているということは、それだけ自分にとって意味のあることに取り組めていると考え、ストレスを受け入れることで、ストレスを物事に取り組む活力へと変えることができるのです。

反対にストレスを避けると、思わぬ代償を払わされることもある、といわれています。

アメリカで行われた、1000名以上もの成人を10年にわたって追跡した調査によると、「ストレスはできるだけ避ける」と答えた人たちは、その後の10年間でうつ病になった確率が高いことがわかりました。

また、職場や家庭での争いごとも増え、失業や離婚などのつらい経験をした確率が高かったのです。

ストレスを避けようとすると、皮肉な結果を招いてしまうのですね。

ストレスを力に変えるエクササイズ「自分にとって最も大切な役割、活動を書き出す」

では、日々の活動のストレスを力に変えるには、具体的にどうすればいいのでしょうか。

以下のエクササイズが勧められています。

  1. 少し時間を取って、あなたにとって最も大切な役割や、人間関係や、活動や、目標をリストに書き出してみましょう
  2. 「このなかでときどき、もしくは頻繁に、ストレスを感じるものはあるか」問いかけてみましょう

ストレスが、大切な役割や大事な活動から来ているとわかれば、それは熱心に活動に取り組んでいる証ということがわかり、それらのストレスを前向きに受け入れることができるでしょう。

「ストレスは意味のあるもの」と認識することができれば、重圧が和らぎ、恐れが勇気へと変わり、自制心が高まって最も適切な行動が取れるようになります。

「このストレスはどこから来ているのか」「なぜストレスを感じるのか」を、ぜひ振り返っていただければと思います。

大事な使命があると分かれば、困難やトラブルを乗り越えられる

自分にとっての使命、大事な目標に向かっていけば、ストレスを避けることはできませんが、それは熱心に取り組んでいるバロメーターです。

ゆえにストレスを避けようとするのではなく、「自分ががんばっている証拠だ」と認識し、ストレスを受け入れることが大切であるとお話ししました。

仏教には、私達人間には、これ1つ果たすべき大切な使命がある、人生の目的があると教えられています。

自分には大事な使命があると分かれば、困難やトラブルにぶつかり、ストレスにさいなまれても、「この目的を果たすための苦労であり、それだけ前進できているんだ」と受け止められ、さらなる意欲が湧いてくるでしょう。

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参考文献:
『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(ケリー・マクゴニガル著 大和書房)

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この記事を書いた人

ライター:ゆ う

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