幸せとは

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ダ・ヴィンチ×仏教 AI時代に求められる本当の幸せにいたる道(第2回)

こんにちは、齋藤勇磨です。

今回は、年末特集として、今話題の、2名の著者との対談を連続でお送りしています。

(前回の記事はこちらからごらんください)

1人は、レオナルド・ダ・ヴィンチの研究者である「桜川Daヴィんち」さん。ダ・ヴィンチ没後500年の今年、ルーヴル美術館をはじめ、様々な美術館でダ・ヴィンチの特別展が組まれました。そんな中、桜川さんは今年9月に『超訳 ダ・ヴィンチ・ノート』(飛鳥新社)を出版し、ラジオやネット記事などでも、最近ダ・ヴィンチと桜川さんの名前をよく見かけるようになりました。

もう1人は、アマゾン30部門で1位・人気度ランキング1位のベストセラーとなった『人生を変える 第3の幸せ』の著者、筬島正夫(おさじま・まさお)さん。「本当の幸せ」で検索1位の記事を書き、人呼んで「幸福の専門家」と言われています。

3回連続の特集、第2回は、7つのダ・ヴィンチ力の中の「没頭力」「洞察力」の謎に迫ってみたいと思います。

膨大なメモが創造力のもと~没頭力

齋藤:7つのダ・ヴィンチ力の次に挙げられているのが、「没頭力」ですね。

桜川:はい。ダ・ヴィンチは、ものごとをやると決めたら1ミリも悔いを残さないように、徹底してやり切る性格でした。例えば、ダ・ヴィンチは芸術家として有名ですが、真筆と認められる絵画は十数点しか残っていません。その代わり、いろんなスケッチや発明のアイディア、研究の考察など、膨大な下書きがノートに残されているのです。当時は20000ページあったと想定されていますが、現存しているものでも、8000ページほどあるんですよ。

おさじま:すごい量!メモ魔だったんですね!

桜川:そうなんです。そのメモが面白いんです。例えば、騎馬像の設計のために描いた馬のスケッチが、ノートにはあふれています。それはもう、あらゆる角度から描かれていて、正面、横、斜め、真後ろから見たおしりさえも描く徹底ぶりでした。

齋藤:おしりまで!もはや、馬マニアレベルです。

桜川「好きこそものの上手なれ」と言われますが、よほど、「好き」に突き動かされる人だったのですね。また、有名な「解剖手稿」には、人体の構造について徹底してイラストで描写しています。絵を正しく描くためには、筋肉や骨格の構造まで知り抜かなくてはならない、という強い信念を持っていました。

齋藤:これからのAI時代、「人間だからできること」への関心が高まっています。新しいことを生み出す「創造力」もその1つですが、このような膨大なメモが、ダ・ヴィンチの創造力のもととなったのですね。

とにかく没頭すればいいの?

齋藤:ちょっと質問があるんですが。とにかく、何にでも没頭しさえすれば、満足のいく人生になるものなんでしょうか?

桜川:確かに、それは大事な問題ですね。

学問のことなら、今の世の中だと、iPS細胞の研究のように期待されている分野がある一方で、実学とは無関係な知識を追求する分野も多いです。

宇宙なんかもそうですけど、重力波が観測されたからどうなの?それで宇宙の姿の見え方が違ってくるっていうけどそれがどうしたの?何か人間の役に立つの?われわれの生活に役立つの?って言われると、絶対に役立つとは言えません。

ただ、それは人間の好奇心を満たすためのひとつの努力と言ってもいいと思うんです。その努力をやめちゃうと人間じゃなくなっちゃうんじゃないでしょうか。

ダ・ヴィンチは、利便性を向上させる乗り物や日用品、いろんな発明を通して、実益にも貢献しようとした人物ですが、好奇心のおもむくままに追究していった人、つまり純粋に真理を探究した人でもありました。

ダ・ヴィンチ・ノートをひも解いてみると、人生に対する多くの格言が見つかります。私たちの人生は一度しかありませんので、何に没頭するかが大事になってきますね。

おさじま:そうですよね。言い古されたことかもしれませんが、全世界33カ国語に翻訳されたビジネス書の古典『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)に、「もし、はしごを掛け違えていれば一段ずつ昇るごとに間違った場所により早く近づくだけである」という言葉があります。

その時に没頭しても、後悔してしまうことがある。でも、人生は、一度きりです。だから、「Begin with the end in mind.(最終目的をハッキリさせてから始めよ)」とコヴィー氏は言っています。

私たちは日々、黙々と目の前のToDoリストに取り組んでいます。それは大切な姿勢ですが、目先の課題に一生懸命になるが故に、最終的な目的を見失う危険があります。

桜川:ダ・ヴィンチ力では、「没頭力」の次に、物事の本質を見極める「洞察力」を挙げています。「よくよく終わりを考えよ。終わる前に気を配れ」とダ・ヴィンチも、言っています。本質を見極めて、そこに没頭することが大事なんでしょうね。

死を念頭にして生きろ~洞察力


齋藤:桜川さんは、ダ・ヴィンチ力の「洞察力」の章の中で、「死を念頭にして生きろ」と書いていますね。

桜川:はい。ダ・ヴィンチは、真面目に「生」と「死」を見つめていたことが、手稿からはうかがえます。

本の中にも書きましたが、スティーブ・ジョブズが、毎朝自分に問いかけていた有名な質問があるんです。

「もし今日が人生最後の日だったら、僕は今からすることをしたいと思うだろうか?その質問に対して、あまりにもノーが続く毎日なら、それは何かを変えないといけない証拠だ」と。

人生を有限ととらえる姿勢が、マルチな活躍の原動力なのだと思います。

おさじま:私は、仏典の次の言葉を思い出すんです。

人間が生きていることは、結局何かを求めていることにほかならない。

しかし、誤ったものを求めることと、正しいものを求めることの二つある。

「誤ったものを求める」というのは、自分が老いと病と死とを免れることを得ない者でありながら、老いず病まず死なないことを求めていることである。

「正しいものを求める」というのは、この誤りをさとって、老いと病と死を超えた、人間の苦悩のすべてを離れた境地を求めることである。(ブッダ)

おさじまそれが本当に求めるべき幸せかどうか。幸せの本質を見極める基準が、ここにあると教えられるのです。

一見輝かしく見える幸せも、老いと病と死から見ればどうでしょう。それは本当の幸せといえるでしょうか。考えてみなければなりません。

桜川:自分にとって本当に後悔しない人生とは何か。人はなぜ生きるのか。究極のテーマですね。

おさじま:この前、放映された日本テレビ系の水曜ドラマ『同期のサクラ』の中で、生きる意味についてAIに尋ねるシーンが出てきました。

自身の故郷と本土との間に橋を架けるという夢を果たすために上京し、大手ゼネコンに入社した新人女性社員・北野サクラを、高畑充希が演じています。

「ねえAI、人は一体なんのために生きてるの?」と聞くサクラに、 AIは、「乃木坂46は『はかない一瞬一瞬が生きている意味』と歌っています。アンパンマンは『みんなの夢、守るため』と言っています」と答えています。

すると、サクラがつぶやくのです。

「そんなのムリだよ自分には。なんで人生はこんなにつらいの? 私たちには素晴らしい未来がまっていると思ってた。夢や希望にあふれていると思っていた。なのに実際は、そんなものは何もない。だったら、私みたいなのは、やっぱり死んだ方がいいのかな」

この悩みに、AIの答えは、「それには答えたくありません」

現代の悩みをはっきり言葉にしていると感じました。

齋藤:ドラマも人気だったようですね。共感する人が多いのだと思います。

第2回のまとめ

第2回はいかがでしたか?

最終回は、いよいよ、ダ・ヴィンチ力の7つ目の力、幸福力に迫ります。

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次回も、乞うご期待!

この記事を書いた人

ライター:齋藤 勇磨

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