周りとの関係、うまくできていますか?
こんにちは、優紀です。
首都圏でセミナーを開いたり、カフェで20代の社会人や学生と話をする機会がよくあります。皆さん、とても真面目で個性あふれる夢を胸に抱いている人もあり、元気をもらってばかりの毎日です。参加される皆さん、口々にご自身の今までの経歴、これからの展望、夢を語ってくださいます。
そして職場や友達関係、家庭をお持ちの方は家庭についての悩みを相談してこられたりします。
そこで知らされるのは、多くの方の心に耳を傾けるほど、皆さん、人との関わりあいに苦しんでいらっしゃるということです。
コミュニケーションに恐れを抱き、距離を置いてしまう
最近、知り合いの紹介でお会いしたNさんも、人間関係について悩みを抱えられている方でした。
Nさんは地方出身の男性で、大学から東京に上京。理学、工学に関心があり、体格も良く真面目で学業優秀な大学生ですが、高校は男子校の進学校出身で勉強一筋であったためか、人との関わりがうまくできず、積極的に会話に入ることもできずに悩んでいました。
特に会話をすることが嫌いということではなく、むしろ会話を通して深い関係を築きたい気持ちは強いのですが、相手からどう思われるか、嫌われてしまうのではなかろうか、という恐れが先行して会話に入れない、自分の内面を出すことができないそうです。
私が会話をしている中では、気になることはあまり見受けられませんでしたが、Nさんとの会話を通して、Nさん自身の心の中に、人とのコミュニケーションについて大きなハードルがあるのだと分かりました。
人との関わりに怖れを抱く「触れ合い恐怖症候群」という言葉を最近耳にします。LINEやTwitter等のSNSでは気軽に会話できても、実際に会って深い会話をすることができない。仕事上の会話はできるが、雑談や気軽に食事に行くことができない人が増えているそうです。
良好な人間関係を築き、積み重ねていくうえでの大事な心がけ
インターネットの普及により、一人で過ごす時間が増え、友達と仲良くなったり、悩みを打ち明け合ったり、喧嘩をしたりすることが少なくなったことが原因の一つとも言われますが、そのような人に限らず、そもそも誰も人間関係が得意な人はないと思います。
誰とでも仲良くなれる人はほとんどいませんし、明るく周りと良い関係を築いている人であっても、人知れず苦悩しています。
では、心を通わせる深い人間関係を築くには、どのような心がけが必要なのでしょうか?
好感を持たれ、信頼される人には実は共通点があると言われます。それは「相手の心を察している」ということです。
仏教に、「自利利他(じりりた)」という精神があります。利とは「利益(りやく)」ということですが、仏教で利益とは「幸せ」のことです。
まず「利他」とは、他人を幸せにすることをいいます。私たちは、ややもすれば朝起きてから夜、布団に入るまで、食べたい、飲みたい、楽がしたい、少しでも儲けたい、認めてもらいたい、と欲に追い回され、自分のことばかり考えがちです。今、どうすることが自分にとって都合がよいか、心地よいか、で頭は一杯です。
しかし「利他」とは、自分の都合ではなく、相手の立場に立って、相手が何を求め、期待しているのかを知り、応えていくこと。相手の気持ちを察し、自分を省みず、相手を思いやり、尊重することです。
それは「言うは易く行うは難し」と言われるように簡単なことではありません。しかし、心がけて利他を言動に移し続けていったならば、相手は必ず私の気持ちを察し、思いやり、そしてお互いに尊重し合える深い関係となれます。
自分のために、こんなにも尽くしてくれた、よくしてくれた、尊重してくれたと、好意と尊敬を寄せることは間違いありません。利他に徹すれば、相手も幸せに、自らも幸せになる(自利)。この「自利利他」の精神で貫かれているのが仏教です。
察する心がけで、周りが笑顔に、自分に寄ってくる
心がけが変われば、言動が変わる、言動が変わると習慣が変わり、周りの心も変わってくる。カフェでNさんから、人との関わりに対する悩みを一通り聞き終わったあと、私は彼に自利利他についての話をしました。真面目で実直なNさんは、一言一言にうなずき、時にはメモを取りながら聞いていました。
数日後、彼は私にメールをくれ、自身の言動の修正について教えてくれました。
Nさんは利他を心がけ、相手の気持ちを察して言動を変えていったそうです。朝は明るく挨拶をするようにし、クラスの友達が話をする時はできるだけ親身にうなずいて聞く。何か依頼を受けたり、心配事を持っていると感じた時は、できる精一杯、努力をして応えるようにする。今の自分にできるのはこれくらいです、と言っていましたが、以前とまるっきり違う、明るいNさんの表情には驚くばかりでした。
「友達と仲良くなれました。信頼を築くとはこういうことなんですね!」
見違えるような彼の姿から、心の通った関係を周りと築き始めていることが、よく分かりました。日々、何に心がけ生活するのかによって人生は大きく変わります。皆さんも、ぜひ実践してみていただきたいと思います。
(「察する力」実践編はこちら)
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