幸せとは

幸せとは

「むなしい、誰か助けてくれ!」夜通し街で遊びながら、心は叫んでいた

こんにちは、由紀です。

兵庫県・阪神西宮駅から徒歩3分の目抜き通りに、昨年12月オープンした理容店「髪処 ZEN」。その店長が、今回取材に応じてくださった吉原豊昭さん(39=写真)です。「店名の『ZEN』は、『善』に『全』力で『前』進しよう!その時、常に『禅』定(ぜんじょう=反省)を胸に!という意味を込めてつけました」。キラキラとした笑顔で語る吉原さんですが、そのかげには「悪の道に走らずにいられなかった」ほど、つらい過去があったそうです。吉原さんの壮絶な半生と、人生を一変させた仏教との出会いをインタビューしました。

やりたい放題しても、むなしかった

――過去にあったつらいこととは、どんなことですか。

父は、ギャンブル漬けで、ほとんど帰宅せず、家は貧乏のどん底やったんです。「財布に200円しかないの。お父さん、帰ってきて」。受話器を持って泣く母の姿が、幼い私の最初の記憶です。毎日、ケンカが絶えなくて……、まさに修羅場やったね。そんな家が嫌になって、中学生になると仲間の家を渡り歩き、やがて悪の道へと入っていったんです。

タバコを吸い、暴走族に入り、ケンカや万引きを繰り返し、パチンコ、競馬、麻雀とギャンブルにものめり込みました。何度も停学になって、父に殴られ、母には泣かれましたが、「俺がこうなったのは、家が貧乏やからだ。悪いのは親じゃ」と少しも聞く耳は持ちませんでした。高校卒業後も、繁華街で夜通し遊ぶ毎日で。でも、むなしい心は少しも満たされなかったんです。

――毎日、遊んでいても、むなしかったんですね。

はい。やりたい放題してたはずなのに、心は、むなしい、むなしいと叫んでいました。心の渇きを癒やすように結婚し、2人の子供も生まれました。でも、ギャンブルの借金が原因で離婚することになり、子供の顔も見ることができなくなってしまって……。大反対を押し切ってした2度目の結婚も、半年も続きませんでした。

むなしい心の救いを宗教に求めたものの「探した自分がアホやった」

進むべき道が分からず、真っ暗闇の中を、もがき苦しんでいた時、声をかけてきた、宗教団体がありました。「すべての願いがかなうから」と言われ、入信してみたものの、苦しみは増すばかりでした。でも「やめたら、呪いをかけてやる」と言われ、やめることもできなくて。
どこかに、真っ当な教えはないのか。両手の指で足らんほど様々な宗教に救いの道を求めましたが、どこも体験談や教祖の自慢話ばかりで、納得できるような教えが説かれている所はありませんでした。

有名な宗派の本山にも行って、「呪いをかけると言われて困っているのですが……」と相談すると、高額な護摩(ごま)を勧められました。
「こんなものが宗教か、どこにも教えなんてない、探した自分がアホやった……」と思いました。

――絶望的な状況です。その状況が変わったのは……?

再び、深夜の町を快楽求めてさまよい歩く私に、ネットの友人から「楽しい仲間が集まって、わきあいあい、仏教を学んでいます」という1通のメールが届いたのです。半信半疑で参加したのが、社会人向けの仏教講座でした。

テーマは、運命の仕組みを解き明かされた、仏教の「因果の道理」。衝撃でした。今までの苦しみは、すべて自分のまいた種の結果だと言われるではないですか。だが聞けば聞くほど納得せざるをえない。それまで聞いてきた宗教の話とは、雲泥の差でした。目からウロコが落ちるとはこのことかと、初めて触れる深い教え、真っ暗闇の心に一筋の光がさし込んだ瞬間でした。それから、いろいろかかわっていた宗教からはすべて手をひき、仏教の教えを聞くことにしたのです。

むなしい心が一変、充実の毎日に

仏法を聞くようになって、毎朝決まった時間に起きるようになり、休みの日には、仏教講座の会場へ足を運ぶ。うれしくて、友達にも話さずにいられなくなりました。20年間吸い続けてきたタバコも、やめたんですよ。

――ものすごい変わりようですね。さきほどの「因果の道理」や、仏教講座で学ばれたことがその原動力になっているのでしょうか。

そうです。刑務所にいてもおかしくない私が、今は自信を持って、まっしぐらに幸せな道を進ませていただくようになったんです。
私のあまりの変わりように驚いた職場の同僚が、仏教の書籍を手に取るようになったんですよ。

――すばらしいですね。今、望んでいるのは、どんなことでしょうか。

かつての私のように、遊び歩いている若者もみんな、その心は、底の知れないむなしさを抱え、進むべき道を探していると感じるんです。だから、そんな青年たちに、「このオレが、こんなに変われたんやで。仏教、いっぺん聞いてみいへんか」って、声をかけたいですね。

――ありがとうございました。

吉原さんは昨年11月、店長として雇われていた店を辞し、12月、冒頭で紹介した自分の店「髪処 ZEN」をオープンしました。

吉原さんの腕を見込んで、前の店で指名していた高齢の紳士や高校生も、わざわざ電車に乗って早速、訪れているそうです。

「オレみたいな人間でも、一国一城の主になって、頑張らせてもらえるんや!
 絶対に折れないような、本当に強いお店と自分になりたい」

むなしい心にもがき苦しんだ「遊び人」人生が、仏教によって一変し、善に全力で前進しようとしている吉原さんの笑顔は、輝いていました。

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この記事を書いた人

編集者&ライター:由 紀

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