パートナーに感謝の心を持たなきゃと思うのに、不満が出てきてしまっていませんか。
それは、頭では分かっていても、感情がどうにもならないから解消できない悩みです。
感情を動かし、自然と感謝の気持ちが湧いてくる方法をお伝えします。
頭では分かっていても、感情がどうにもならない
ずばりポイントを書きますと、この2つです。
●それでも感情(こうしたい)がどうにもならない
人に相談したいと思うときは、
と思って、話していることが多いです。
逆に、誰かの相談に乗るときは、このことを頭の片隅に置いておくと、相手が求めていることに応えやすくなります。
よく使ってしまいがちな正論の言葉
ところが現実は、感情よりも、正論で納得しようとするのを、職場でも、毎日のように見聞きします。
ケンカはしないほうがいい。
分かってるのに、また夫婦ゲンカになってしまった。人に相談すると、
「感謝の気持ちを持たなきゃいけないよ」
「もう少し我慢したら」
「それはあなたも悪いよ」
「もう別れちゃえば」
と言われる。
「そうだよね。だけど・・・」
という気持ちが出てくる。
こうしなきゃ
こうすべき
こうしたら?
これらの言葉はどれも、いわゆる正論です。
よく使ってしまいがちですが、実は、感情を動かすほどの力は、あまりありません。
「ケンカするほど仲がいい」と気休めに言ってみても、できれば平和に穏便に、仲良く過ごしたい。それが夫婦とも、心の底では願っていることではないでしょうか。
感情を動かす方法は2つ
じゃあどうしたらいいの? そこが知りたいところだと思います。
感情を動かすには2つの方法があるといわれます。
2.映画やドラマ、歌詞、小説など、物語を観る
涙を流したり、笑ったりすることで、心にたまった感情を動かし、解放することができます。
おすすめなのは、2つ目の「物語を通した体験」です。
なぜなら、物語は感情を動かすために書かれているからです。
また、多くの人に共通する感情を描かれているので、共感できることが多いと思います。
そこで、私が感動したストーリーを1つ、お話ししたいと思います。
ドラマ『空飛ぶ広報室』の名スピーチ
『空飛ぶ広報室』というドラマがありました。
新垣結衣さんと綾野剛さんが演じる感動のラブストーリーです。
『空飛ぶ広報室』の一場面に、同僚の自衛官の結婚式があります。
スピーチの言葉に、私は心動かされました。
自衛官という職業は、いつ何が起こってもおかしくない仕事です。
その時、決して心残りの無いように、とびきりの笑顔で送り出してあげてください」
ここで終わるかと思いきや、続きがありました。
どんな職業でも、どんなご夫婦でも、そして送り出すほうだけではなく送られるほうも、必ず奥様に笑顔を返してあげてください」
実は、スピーチをした広報室長は、奥さんに病気で先立たれていました。
自衛隊員である自分の身に、いつ何が起きるかわからない、今日が最後の日かもしれない。そう思っていたからこそ、いつでも、とびきりの笑顔で、奥さんと
「いってらっしゃい」
「いってきます」
と交わしていました。
そして、奥さんと最後に交わした言葉も、とびきりの笑顔で、
「いってらっしゃい」
「いってきます」
でした。
ドラマを見て、パートナーが1日仕事に行って、稼いできてくれる、そばにいてくれる、話ができる、当たり前のように思ってしまいますが、本当は当たり前のことではないのだな、と気がつきました。
無常を見つめると、1日1日の時間の重みが、まるで違ったものに
頭で「感謝しなきゃ」と思っているときは、裏を返せば「でも、できない」という気持ちを持っています。
そんなときは、感情を動かす2つの方法、
2.映画やドラマ、歌詞、小説など、物語を観る
を、皆さんもぜひ試してみてくださいね。
そのうえでもう1つ、付け加えたいことがあります。
どれだけドラマや小説で感情を動かしたとしても、気がつけばまた、当たり前になっていってしまいます。それは自然なことです。
仏教には「無常観」が説かれています。
無常とは、常が無い、続かないということ。「無常観」とは、その無常を見つめることをいいます。
ずっと今のままでいられる、ということは、決してありません。
実は、「幸せだな」「感謝だな」と思う気持ちも、無常です。残念ながら、ずっと続くわけではないのです。感謝の気持ちを持っても、ずっとは続かない。思い出してはまた忘れる。そんな無常の心を知り、見つめることが大切です。
そして、人生で最大の無常は、誰でもみな、人生最後の日がやってくる、ということです。
しかもそれは、今日かもしれない。明日かもしれない。いつやってくるか分からないのが、無常です。だから「無常の風」とも言われます。
昔の人は、人の命を、ふっと吹いてきた風に、ろうそくの灯が消されるような儚いものと例えました。
あっという間に過ぎゆく日々、少し立ち止まって、無常を見つめてみませんか。
きっと、1日1日の時間の重みが、まるで違ったものになるはずです。
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