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学校では学べない「生きる」を学ぶ|人生をレストランに例えると?

こんにちは、齋藤勇磨です。

「お父さん、何のために生きているのかな?」って聞いたら、ごまかされたり、心配されたりしちゃうかもしれません。

友だち同士でも、こんな話題は、なかなか話しにくいですよね。

しかし、いい加減なままにしておける問題でも、ないように思います。

数学や英語、資格の勉強であれば、オンライン動画で学べますが、「生きる」ことについては、まだまだ、マジメに学べる場が、少ないのではないでしょうか。

この記事では、改めて、何のために勉強して、働いて、生きていくのか、掘り下げたいと思います。

どんな行動にも目的がある

どんな行動にも、目的があります。

例えば、歩いている人に、「何のために歩いていますか」と尋ねると、学校や会社に行くため、などと答えるでしょう。

走っている人に「何のために走っているんですか」と聞いたなら、ダイエットのためです、などと答えます。

タクシーに乗った時も、「〇〇駅まで行ってください」など、まず目的地を告げます。

目的地を言わなければ、運転手さんは困ってしまうでしょう。

私たちが勉強するのも、一つの行動です。

では、私たちは、何のために勉強するのでしょうか。

回答はいろいろでしょうが、「将来の仕事のため」と答える人が多いでしょう。

勉強すると知識が増えて、より多くのことがわかるようになり、自由な考え方ができるようになります。

そうやって自分の可能性を広げることで、いろいろな仕事で活躍できます。

では、勉強するのが仕事のためなら、働いているお父さんに、「何のために仕事するの?」と聞いてみると、どんな答えが返ってくるでしょうか。

仕事にやりがいはあってほしいですが、給料なしで働くかと問われれば、躊躇してしまいます。

やはり「お金を稼ぐため」となるでしょう。

「じゃあ、何のためにお金を稼ぐの?」の問いには、どう答えるでしょう。

「働かざる者食うべからず」とも言われますから、「そりゃ、食べていくためでしょ」と答える。

「何のために食べていくの?」と聞けば、「生きるため」となります。

そうやって、突き詰めて考えていくと、「勉強し、働いて、生きていくのはそもそも何のため?」という問題に突き当たるのです。

人生をレストランに例えると?

「生きる目的」とは何か。

人生において、「目的を果たす」とは、どういうことか?

今回は、レストランの例えから考えてみたいと思います。

イメージしてみてください。

今日のディナーは、待ちに待った外食。

お腹は、本当にペコペコな状態で、レストランに到着しました。

席に案内されると、真っ先に注文します。

「ハンバーグ定食下さい」

ところが、間違いなく注文したはずなのに、料理がなかなか出てこない。

「おかしいな」と心配したり、ちょっとイライラしてしまったり。

1時間経っても出てこないので、さすがに店員さんを呼びました。

《ピンポ~ン♪》

店の奥からようやく出て来た店員が、ぶっきらぼうに言った。

「お客様、申し訳ありませんが、今日は、もう閉店時間ですので、お帰りください」

納得できるでしょうか。

誰でも、「え~、食べてないんですけど」と不満が残り、納得して店を出られないでしょう。

おそらく、炎上案件です。

一方、これならどうでしょう。

メニューを注文して10分後に、「お待たせしました」とハンバーグ定食が運ばれてきました。

焼きたての香ばしい匂いが、まず鼻に飛び込んできます。

外はサクッとしていて中はとてもジューシー!

一口かじると、口の中に肉汁がじゅわっと広がります。

ソースは、肉の旨味が凝縮された、深みのある味わいです。

ご飯はふっくらと炊き上がり、ハンバーグのソースを絡めて食べるとよく合います。

味のバランスが絶妙で、飽きることなく最後まで楽しめ、心も体も満たされる一食となりました。

さて、食べ終わった頃に、店員さんが来て、申し訳なさそうに言いました。

「お客様、申し訳ありませんが、本日は、早めに閉店させていただきたいのですが、よろしいでしょうか」

今度は、いかがですか?

おそらく、さっきのように、不満にはならないでしょう。

「ええ、いいですよ」と、納得してお店を出て行けると思います。

さて、1つ目と2つ目の例の違いは何でしょうか?

それは、「料理を食べたかどうか」です。

人生レストランを満足して出るためのカギ

今の話を、人生に置き換えてみましょう。

「レストランに入る」のは、「生まれた」ことに当たります。

「レストランから出ていく」のは「人生を終える」ということです。

「料理を食べれば、満足して店を出られる」とは、「目的」を果たせば、満足して人生を終えられる、ということになります。

満足してレストランを出られるかどうかは、滞在時間によって決まるわけではないように、長生きできたから満足とは限りません。

大事なのは、美味しい料理を食べたかどうか、つまり、目的を果たせたかどうかです。

私たちは、この「人生レストラン」から、必ず出ていかねばなりません。

では、何を果たせば、満足してレストランを出られるのか。

人生における「目的」とは、何なのでしょうか。

私たちは、大学合格、友達づくり、恋愛成就、仲良し家族、マイホーム、など、これが「目的」ではないか、と考えています。

しかし、本当に、それを果たしたら、人生というレストランを満足して出られるか、考えてみると、どうでしょう。

大学に合格しても、もう満足、死んで悔いなし、とまではならないでしょう。

恋人ができたら嬉しいでしょうが、一緒に休日を過ごしたり、遊びに行ったりしたいですよね。

子どもが生まれたことは、大きな喜びだと思いますが、その後の成長を見ずして、死ぬわけにはいかないと思うでしょう。

マイホームが建ったなら、死んでも悔いなし、でしょうか。

せっかく建てたのだから、今度は住みたいと思うでしょう。

これらのものを果たせば、大満足の、悔いない人生となるかといえば、そんな単純な問題ではない、ということになります。

スティーブ・ジョブズ最後の言葉

世界的IT企業となったAppleの創業者、スティーブ・ジョブズは、膵臓がんで56歳の若さで亡くなりました。

晩年に彼は、次のように言っています。

私は、ビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。
他の人の目には、私の人生は、成功の典型的な縮図に見えるだろう。
しかし、仕事を除くと喜びが少ない人生だった。
人生の終わりには、富など、私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。
私がずっとプライドを持っていたこと、名誉や富は、迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。

地位や名声などを得たとしても、それで幸せになれる、と言えるほど、人生は単純ではないことを、スティーブ・ジョブズの言葉は教えてくれます。

『日本経済新聞』夕刊連載「あすへの話題」でも、哲学者で早稲田大学教授の森岡正博氏が、次のように書いていました。

たとえば人生の意味とは、社会に何かの貢献をすることだろうか。
もちろんそのように考える経営者や政治家はいるだろう。
しかしそのような貢献をした人物が、「たしかに自分は社会貢献をしたが、だからどうしたというのだ? 自分は人生を仕事にばかり捧(ささ)げてしまい、ほんとうに大事なことを何もできなかったのではないか」と悩むことはありうる。
自分の人生にとってほんとうに大事なこととは、いったい何なのか?
そこに冷徹な哲学のメスを入れていくのが、人生の意味の哲学なのである。
(2024年1月4日付)

哲学者も、答えられない?

森岡正博氏は同じコラムで、「最近、『人生の意味とは何か』を正面から考えようという動きが、世界の哲学界で起き始めている」と書いています(2024年1月4日付)。

「え?哲学って何のために生きるのか、生きる意味を考えること、ではないのですか」

そう思いますが、執筆者によると、実際に大学で哲学の講義を受けても、そのようなことは教えられていない、と言います。

大学の教員は、過去の哲学書を丹念に読んだり、外国の哲学者を研究したり、異様な思考実験に熱中していたりすることが多いそうです。

続く連載には、次のようにも書かれていました。

「そもそも人生が存在する意味は何か」であるが、これは深刻な問いを含む。
若者と話をしていると、「いつか死んでしまうのに、どうして生きないといけないのですか?」と聞かれることがある。
あるいは、「そもそも人生には意味なんてないし、宇宙が存在することにも意味はない」と言ってくる人もいる。
現在のプロの哲学者による研究の多くは、この問いに正面から答えているとは思えない。
(2024年2月1日付)

「何のために生きるのか」という問いに、深く取り組んでいると思っていた哲学者から、「正面から答えているとは思えない」と言われてしまったら、何だか拍子抜けしてしまいます。

では、この大事な問いに、誰が取り組み、誰が答えを見出しているのでしょうか。

生きる目的を示す、いにしえの叡智

「人間の奥底には生きる意味を死に物狂いで知りたがる願望が激しく鳴り響いている」とフランスの哲学者・アルベール・カミュは言いました。

どうしても、生きる意味を知りたい!いや知らなかったら生きていけないのが人間です。

そんな中、どんな人にも共通してあなたの命には尊い価値があるのだよと訴えられているのが、約2600年前、インドで説かれたブッダの教えです。

生きる意味が明らかにされたブッダの叡智とは、一体何なのでしょうか。

詳しく知りたいと思われる方は、ぜひ、こちらの記事をごらんください。

この記事を書いた人

ライター:齋藤 勇磨

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