人間関係

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嫌だなと感じる人との接し方。どうやって接すればいい?

目次

  1. 嫌だなと感じる「Win-Lose」の人と接する時こそ、Win-Winの精神が試される
  2. 嫌だなと感じる度合いが強すぎるときは、No-Dealの選択肢があることも忘れずに
  3. 嫌な人ともうまく接するコツ。「布施」の心で接してみよう
  4. 嫌いな人は「田んぼ」に過ぎない。あなたが幸せの種をまこう
  5. 注意!親切をする「相手」を間違えたら大変なことになる!

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

嫌だなと感じる人と、どうやって接すればいいでしょうか?
笑顔や、親切に心がけているつもりですが、冷たくされたり、嫌な顔をされたりすると、心が折れそうです…

嫌だと感じる人に対しても、笑顔や親切に心がけていらっしゃるんですね。
なかなかできることではありません。
とても素晴らしいと思います。

『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著、1996初版、キングベアー出版)を通して「Win-Winの人間関係をめざそう」とお話ししていますが、Win-Winは達成しやすいものではありません。

Win-Winとは…
それぞれが欲しい結果を得ること。

この世で最も親密な関係である、夫婦や親子でさえも、難しいものです。

まして、嫌だなと感じる人と、お互いが幸せなWin-Winになるには、大変な苦労が要ります。

もしあなたが、嫌だと感じる人とWin-Winになれたら。
あなたは無敵ですね。

「嫌だなと感じる人ともWin-Winの関係を築けた!」というイメージをふくらませて、あなたらしさを見失わないように注意しながら、「嫌だなと感じる人との接し方」を一緒に考えていきましょう。

嫌だなと感じる「Win-Lose」の人と接する時こそ、Win-Winの精神が試される

Win-Loseの人とは、簡単に言うと、

「私の言うとおりにせよ」

という態度の人のことです。

Win-Loseの人と接する時こそ、Win-Winの精神が試されます。
たとえば…

例1)言うことを聞かない子ども

「おやつは後にしようね」と優しく言っても、「いま食べたい!」と言い張る
親が堪え切れなくなって、叱りつけると、「お母さんがいじわるする!」と大泣きしてしまった。

例2)やる気のない部下

「もう少し、完成してから持ってきてくれないか」と言っても、「教えてもらわなければ、わかりません」とやる気のない様子
手取り足取り、教えなければいけないものだろうか…。

例3)譲らない上司

何度も打ち合わせを重ねて決めた方針なのに、大どんでん返しを食らった。
さすがに耐えられず、「チームで長い時間をかけて、話し合って決めたのです」と抗議しに行ったが、「とにかくダメなもんはダメ」と突き返されてしまった。
———————

今までのあなたのやり方では、相手がWin-Loseの態度で来た場合、どうしてもLose-Winの反応になってしまうでしょう。

Lose-Winとは、簡単に言うと、

「自分がガマンするしかない」

という姿勢です。

「Win-Winを考える」とき、自分の心を深く見つめれば、「脚本」「今までの習慣」は乗り越えられます。

脚本とは…
ドラマの台本・映画のシナリオのように、
人生で「こう動く」と無意識に決めてしまう、嫌な行動のパターン

Win-Winは達成しやすいものではありません。

そんなとき、どうすればよいと思いますか?

集中すべきは、信頼残高を増やす「関係づくり」

「関係づくり」とは…
誠意をこめて礼儀を尽くし、“相手”と“その意見”に敬意を示す。
・大きな勇気をもって、自分の立場を表現する。

嫌だなと感じている人に対して、このように努めるのは、とても大変なことですが、必ずあなた自身に「幸せな結果」がやってきます。

あなたは、どんな「幸せな結果」を得たいでしょうか。
「嫌だなと感じる人ともWin-Winの関係を築けた!」というイメージをふくらませてみましょう。

そして、「本当におたがいを満足させる案を真剣に望んでいる」ということが、相手に伝わるまで、「関係づくり」のプロセスを続けていきましょう。

嫌だなと感じる度合いが強すぎるときは、No-Dealの選択肢があることも忘れずに

Win-Winは、原則なので、日々の生活実証することができます。

ただし、Win-Loseの脚本が強すぎる相手には、No-Dealの選択肢があることを忘れてはなりません。

No-Deal(取引しない)とは…
「誰かを犠牲にしながら、一部の人だけが楽しむ」ことはしない、ということ。

Win-Winの結果でなければ、どちらもLose-Loseになってしまいます。

Lose-Loseの結果とは…
・あなたらしさを見失うかもしれません。
・相手の脚本をますます強め、ほかの人にも犠牲が拡大するかもしれません。

あなたが誠意を尽くし、敬意を表現し続けても、まったく相手がWin-Loseの脚本から抜け出さない場合、それは相手の問題ですから、仕方のないことです。

あなたの今の力量と、相手の脚本の強さが、合っていない場合。
お互いのためにならない、Lose-Loseになりがちです。
そういう時は、No-Dealの選択を意識しましょう。

No-Dealの選択肢とは
・一旦、白紙に戻す。
・ゼロから考え直す。
・関わるのをやめる、など。

No-Dealをしたくても、時間的に難しかったり、相手との関係上できない場合は、

・一旦、妥協する。
「自分で決めた」と覚悟の上で、相手の意見をのむ。

これは、Win-Winの低い次元ではありますが、あなたが受ける被害を最小限にするための方法です。

・Lose-Winで、相手の言いなりになる。
・Lose-Loseで、ケンカが長引く。

こういった結果になるよりは、あなたにとって、マシな結果を得られるでしょう。
低い次元であっても、Win-Winには変わりありません。

嫌な人ともうまく接するコツ。「布施」の心で接してみよう

どうすれば、Win-Winの人間関係を築けるでしょうか。
仏教のことばを学ぶと、そのヒントになるかもしれません。

仏教では、人に親切することを「布施」といいます。

「布施」という漢字は、「ひろく(布)ほどこす(施)」という意味です。
「お布施」と聞くと、僧侶に渡すお礼のお金だと思われがちですが、相手は僧侶に限りません。
相手になにかを与えることは、僧侶以外の相手であっても、布施です。

また、お金やモノに限らず、

やさしい言葉をかける。
感謝の気持ちを伝える。
・ボランティア活動をする。
・席を譲る。
笑顔温かいまなざしで接する。
・困っている人を助ける

こういった目に見えないモノを相手に「ほどこす」ことも、すべて「布施」です。

「布施」は、もともとサンスクリット語の「ダーナ」が語源。
「ダーナ」から、
英語では「ドナー」
日本語では「旦那」
という言葉になったといわれます。

【ドナー】
寄付者。提供者。与える人。ほどこす人。
【旦那】
施しをする人。成人男性に対する敬称。

布施は、お釈迦様が挙げられた6つの善(六度万行)の中で、やりやすい善として最初に挙げられています。

善をすれば、やった人に幸せな結果が現れます。

善因善果…善い因(行い)は、善い果(幸福や楽しみ)を生み出す。
悪因悪果…悪い因(行い)は、悪い果(不幸や苦しみ)を生み出す。
自因自果…自分に現れる善果も悪果も、すべて自分のまいた因(行い)による。

相手がたとえ嫌な反応であったとしても、
善に心がけたあなた自身に、善果が現れるのです。

嫌いな人は「田んぼ」に過ぎない。あなたが幸せの種をまこう

お釈迦様は、「布施をした人ほど幸せになれる」と教えられます。

仏教では、布施の相手を「田んぼ」に例えて、「福田(ふくでん)」と言われます。

なぜ、布施の相手を「田んぼ」に例えられたのかというと、
種をまいた本人が、幸せという結果を手に入れるからです。

相手は、幸福という作物を育てる「田んぼ」に過ぎません。

田んぼに、種をまいている人を見て「バカだなぁ、田んぼに種を捨てている」と思う人はいないでしょう。
田んぼが種を食べてしまうことも、ないですよね。

やがて収穫したものは、すべて種をまいた人のものになります。

同じように、布施も、善を心がけて行動した本人に、必ず幸せが現れるのです。

「親切をしたけれど、損をした」
「親切しないほうがいい」

こういうことは、ありません。

人に施せば、一時的に、自分が損をするように感じることもあります。

・親切をしたのに、感謝されなかった。
・笑顔であいさつをしたのに、返してもらえなかった。
・モノを分け与えたら、自分の手元からは無くなってしまった。

がっかりして、「やらなきゃよかった」と思うことも、あるかもしれません。
ですが、布施をして、損をすることは決してありません。

「善因善果、悪因悪果、自因自果」の因果の道理は、いつでもどこでも変わらない法則です。法則は、人が曲げられるものではありません。

ほどこす人は、一時的に損をしたように見えても、めぐりめぐって人から好かれ、頼りにされ、恵まれるのです。

注意!親切をする「相手」を間違えたら大変なことになる!

ただし、注意点があります。
誰にでも施せばよいものではないという点です。

・泥棒を手助けしたら、犯罪に加担することになります。
・ギャンブルや酒にのめりこむ人にお金を渡したら、ますます散財するだけです。
・お金やモノをねだる子供に、言われるがまま渡したら、子供をダメにしてしまいます。

お釈迦様は、布施をするときは、相手を選びなさいと教えられています。

布施をする相手(福田)に3つあり、「三福田」とか「三田(さんでん)」と言われます。

【三福田・三田】
・敬田(きょうでん)
・恩田(おんでん)
・悲田(ひでん)

敬田(きょうでん)
尊敬する人。敬うべき徳を備えられた方。
恩田(おんでん)
恩を受けた人。親の恩、恩師など。
悲田(ひでん)
かわいそうな人。災害、貧困などで苦しんでいる人。

あなたがもし、親切をしても報われない、苦しいと感じているのなら、布施をする相手が「三田」ではないからかもしれません。

・尊敬できる上司だと思っていたけれど、敬うべき徳を備えた人ではなかった。
・恩を受けたことを感謝していたけれど、それを悪用する人だった。
・困って苦しんでいる人だと思って親切にしたけれど、悪意があった。

あなたが苦しくなる一方ならば、布施をする相手を変えましょう。

あなたにとって、「敬田・恩田・悲田」にあたる人は、誰ですか。

おわりに

相手を間違えていなければ、
布施をした本人が、幸せになります。
布施を受けた人も、幸せになります。

すべての人が幸せになる方法を、仏教には教えられています。


布施は、大きく分けると「法施」「財施」の2つがあります。

【財施】
・お金やモノを施す「財施」
・お金やモノが無くても、笑顔や感謝の言葉、ボランティアなどを施す「無財の七施」
【法施】
法(仏法、仏教)を伝えること。
法とは、どんなことがあっても変わらない幸せが教えられている、仏教のことです。
法を施すとは、「本当の幸せを人に伝える」ことになります。

仏教を聞いた人も、伝えた人も、幸せになります。

自分が持たないものは、人に施すこともできません。
まず自分が仏教をよく聞くことで、あなたのものになります。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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