目次
- 怒ることができるあなたの良さを発見しよう
(1)まじめで配慮ができる
(2)努力家
(3)大切なものを知っている - 怒りのエネルギーをうまく活用して、望んでいるものをGETしよう
- 怒るとなぜ、後味が悪くて苦しくなるの?
- 怒る必要はない理由。「因果の道理」は誰にも曲げられない
- 怒りの心がさわりにならない幸せになろう
はじめに
今日は「怒り」に関するお悩みについてです。
怒ってしまった後は、後味が悪いですよね。
「どうして怒ってしまうんだろう…」
後悔して自分を責めてしまうあなたに、お伝えしたいことがあります。
怒りは、“大きなエネルギー”です。
その大きなエネルギーを、上手に活かすこともできます。
怒ってしまう自分を責めるより、まずあなたの良さを発見しましょう。
怒ることができるあなたは、こんな素晴らしい性質をもっているのではないでしょうか。
(2)努力家
(3)大切なものを知っている
怒りに飲み込まれるのではなく、“怒りのエネルギー”をうまく活用して、あなたが望んでいるものをGETしちゃいましょう!
怒ることができるあなたの良さを発見しよう
怒ることができるあなたは、こんな素晴らしい性質をもっているのではないでしょうか。
(1)まじめで配慮ができる
怒りに悩むあなたは、「こうあるべき」という模範的な行動を守ろうとする、まじめな人なのではありませんか。
「こうあるべき」という規範を気にしない人は、何をやってもOK。怒る気もそれほど起きないでしょう。
では、自分の好き勝手に行動している人が正解なのでしょうか。
人は、社会で快適に過ごせるように、憲法や法律をつくり、やっていいこと・わるいことを区別してきました。
法律に触れなくとも、倫理的、道徳的に、人としてやっていいこと・わるいことを区別しています。
「個人の尊重」が憲法で守られている一方で、みんなが何をやってもいいとなったら、ぶつかり合ってしまいます。その衝突を調整するために、個人の尊重は「公共の福祉に反しないかぎり」という制限付きで守られます。
公共の福祉とは、簡単に言えば「自分の自由だけ考えるのではなく、ほかの人の権利を侵害しない」ということ。
怒ってしまうあなたは、ほかの人の権利を侵害しないように、人一倍、ルールやマナーに気をつけているまじめな人なのではないでしょうか。
みんなが快適にすごせるようにするにはどうすればいいか、配慮できることに誇りをもちましょう。
同時に、あなたの怒りが、誰かの権利を侵害していないかどうか、考えることも必要です。
(2)努力家
あなたが誰よりも努力家で、「怠けてはいけない」「一生懸命やらなくちゃ」と思っているからこそ、怠けている人を見て「なんで怠けてるの!」と怒りが湧いてくるのではないでしょうか。
あなたのがんばりは、もっとじゅうぶんに認められていいはずです。
努力は、すぐに認められないこともありますが、必ずあなたの幸せにつながります。
(理由は後ほど「因果の道理」で説明します)
怠けている人は、一時的に得をしているように見えても、損をしています。
あなたが怒る必要はないのです。
あなたの努力は必ず実ります。努力家である自分に誇りをもって、堂々と生きましょう。
(3)大切なものを知っている
心理学では、怒りの感情は「防衛感情」とも言われ、「自分の身や、大切なものを壊されそうになったときに起きる感情」だと言われます。
怒れない人は、自分の身や、大切なものを守ることができません。
大切ななにかを守ろうとしているから、あなたは怒っているのです。
あなたが守ろうとしているものは何ですか。
無意識かもしれませんが、あなたは自分にとって大切なものを知っているはずです。
大切なものをしっかり守るためにも、怒りの感情を上手に活用しましょう。
怒りのエネルギーをうまく活用して、望んでいるものをGETしよう
怒りは大きなエネルギーで、上手に活かせば望んでいるものをGETできます。
しかし、怒りにまかせて言いたいことを言ってしまっては、望んでいるものを手に入れることはできません。
怒りに飲み込まれるのではなく、“怒りのエネルギー”をうまく活用して、あなたが望んでいるものをGETしちゃいましょう!
望んでいるものを手に入れたいなら、自分の気持ちを「一次感情」で伝えることです。
欲、望みなど
怒り、罪悪感、皮肉、絶望など
二次感情は、必ず「一次感情」のあとに出てきます。
あなたの気持ちを相手に伝えるときは、「一次感情」で伝えるとシンプルになります。
まずは自分で「一次感情」をキャッチできるように練習しましょう。
そして一次感情のまま、表現してみましょう。
「私は、○○してほしい」
「私は、○○したい」
あなたの心の中で起きていることは、親しい相手であっても、他人には分かりません。
どんなに親しい間柄でも、きちんと言葉にすることが大切です。
一次感情をすっ飛ばして、いきなり二次感情をぶつけると、あなたの望みは伝わらず、望んでいるものを手に入れることもできません。
怒りが出たときは、望んでいるものを手に入れるチャンスなのです。
怒るとなぜ、後味が悪くて苦しくなるの?
怒りは、恐ろしいものです。
身近な、あなたにとっていちばん大切な人を、あっという間に深く傷つけ、コツコツ築き上げた信頼関係を崩してしまいます。
知らない人に向けた怒りであっても、ブーメランのように、あなたのもとに返ってくるのです。
仏教では、あなたをもっとも苦しませるものは「欲」「怒り」「愚痴」の3つだと言われます。
苦しみの親玉なので、「三毒の煩悩」と呼ばれます。
この3つの関係は、
怒りは、欲が妨げられたときに出てきます。
怒っているということは、あなたの欲が隠れているはずです。
あなたは、何をして欲しかったのですか。
「私は○○したかった」
自分の本心をごまかさずに、まずは自分が認めてあげましょう。
その上で、もう一つ知ってほしいことがあります。
一見、無害にみえる「欲」も、あなたをもっとも苦しませる「三毒」のひとつです。
なぜでしょうか。
「欲」は、「もっと、もっと、もっと……」と際限なく広がり、どこまでいっても満たされることがありません。キリがないのです。
大好きな人と結婚できても、「もっと私を愛してほしい、認めてほしい」と不満に思ったり、はじめは「この人のためなら何でもしたい」と張りきっていた家事も「もっとあなたも家事をしてよ!」と怒りをぶつけたりします。
可愛いわが子を抱いた時には、「健康でさえあってくれればいい」と慈悲深く願っていたはずが、やがて「もっと成績をあげて」「もっとしっかりした子になってくれないと親のメンツがつぶれる」などと、次々に欲が出てきて、鬼の形相になってしまいます。
一体、どこまで「○○してほしい」と要求すれば、気持ちが落ちつくのでしょうか。
「私は○○したかった」
この欲の本性は、「我利我利(がりがり)」といって、自分の利(都合)を最優先にする自己中心的な心だと言われます。
あなたが相手に求めていることは、相手の幸せを願うものではなく、自分の都合が最優先になってはいませんか。
度が過ぎていないか反省してみましょう。
自己中心的な「欲」が妨げられて、「怒り」になる。
怒ると、後味が悪くて苦しくなるのも、なんとなくわかる気がしませんか。
怒る必要はない理由。「因果の道理」は誰にも曲げられない
すべてのことは、因果の関係で成り立っています。
詳しく言うと、因縁果の道理(法則)です。
今回は、あなたの行いと、その結果の関係をお話ししましょう。
悪因悪果(わるい行いは、不幸や苦しみを生み出す)
自因自果(自分に現れる幸せも苦しみも、自分のやった行いによる)
あなたのすべての行いが、あなたの幸せや苦しみを作り出しています。
シンプルな法則ですが、とても奥が深いものです。
その例を少しだけ挙げますと…
因(行い)によって生じた結果は、わかりにくい形で現れることもある。(むしろそのほうが多い)
わかりにくい形で現れる、というのは、
「悪口を言ったら、悪口を言われた」というのならわかりやすいですが、「悪口を言っていたら、病気になった」など、想定していない形で結果が現れることがある、ということです。
「努力をしても、認められない」と感じるときは、「努力しているから、健康でいられる」とか「努力をしているから、素敵な友達と意気投合した」など、意図した形ではないけれど、すでにあなたの幸せにつながっているかもしれません。
行いをしてから、結果になるまで、時間がかかることがある。
努力は、すぐに結果が出ないものもあります。
でも大丈夫。
まいたタネ(因)は、必ず生える。
植物のタネなら、芽が出ないこともありますが、あなたの「行い」というタネは、消えることはありません。これを「業力不滅」といいます。
業(行い)の力は、絶対に消えないということです。
努力や感謝、礼儀正しくするなど、よい行いをすれば、必ずあなたに幸せが返ってきます。
怠けている人は、一時的に得をしているように見えても、損をしています。
あなたが怒る必要はないのです。
「因果の道理」は、いつの時代も、どこに行っても変わらない法則ですから、誰にも曲げられません。
あなたは、あなたの幸せのタネまきに集中しましょう。
怒りの心がさわりにならない幸せになろう
イギリスの哲学者バートランド・ラッセルは
「自己欺瞞をなくすことこそが、確実で長く続く幸せを手に入れるための絶対条件である」
と言っています。
「自己欺瞞をなくす」とは、「自分にウソをつくことをなくす」という意味で、
ということです。
悪いところも、自分のすべてを受け入れることができれば、どれほど深い安心感を得られるでしょう。
ところが、まじめに自分の心を見つめる人ほど、欲の心はかぎりなく、怒りの心はなくならないことが、切実に知らされてくるのではないでしょうか。
そんな嫌な自分でありながら、自分をごまかさずに受け入れ、確実で長く続く幸せになれるのでしょうか。
結論からいえば、あなたは、欲や怒りが、まったくさわりにならない永続する幸せになれます。
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