人間関係

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信頼関係を築く方法。心理カウンセラーが教える「傾聴」スキル

目次

  1. 「傾聴」基本9か条――まずは基本を身につけよう!
  2. 傾聴で重要なこと――台無しにする要因を取り除く
  3. 傾聴の応用編――「信頼」と「信用」のちがい
  4. 傾聴を深めるなら、人間心理を知ろう

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回は「信頼関係を築きたい」というお悩みについてです。

信頼関係を築きたいのですが、どうすればいいかよくわかりません。

信頼関係を築くには、「傾聴」スキルを身につけるのが一番です。

カウンセラーを目指す人は、必ず「傾聴」を学び、練習します。

私は傾聴を知らなかった頃、知らないうちに相手を傷つけたり、“よかれと思って”言ったことが相手の負担になったりしていました。

カウンセラーを目指さなくても、「傾聴」ができる人は、まちがいなく信頼されます。

上司が部下に対して「傾聴」すると…
部下は仕事のモチベーションがアップするでしょう。
先生が生徒に対して「傾聴」すると…
子供同士の喧嘩を鎮めることができるでしょう。
親が子供に対して「傾聴」すると…
隠し事をせずに話してくれるようになるでしょう。
夫が妻に対して「傾聴」すると…
妻の怒りが爆発することはなくなるでしょう。
友達同士で「傾聴」すると…
あなたに会えるのを楽しみにしてもらえるでしょう。
恋人同士で「傾聴」すると…
すれ違いが起きなくなり、心穏やかに過ごせるでしょう。

では、「傾聴」について学んでみましょう!

「傾聴」基本9か条――まずは基本を身につけよう!

「傾聴」の基本を、9か条にまとめました。

「できているつもり」でも、実はできていないことがほとんどです。

身近な人に、あなたはできているか尋ねてみましょう。

1、否定しない

信頼関係を築くときにまず重要なのは「否定しない」こと!

人はそれぞれ価値観がちがいますから、「私は、この人の言うようには思わない」と感じる瞬間が多々あるでしょう。

しかし、それはあくまで「価値観がちがうだけ」です。

あなたの思うことも正しいですが、相手の思うことも正しいのです。

「思いを否定された」と感じたら、また次も相談しようとは思いません。

相手を否定するのは、「私を嫌いになってください」と宣言しているようなものです。

2、アドバイスしない

「アドバイスをするのは良いことだ」と勘違いしている人が多いのですが、アドバイスはしないようにしましょう。

アドバイスは、たいてい「正論」

「正論」とは、頭だけで考えて「~すべき」と思う理屈です。

たいていの正論は、本人もわかっています。

「わかっているけど、できない」のが人間というもの。

アドバイスすることは、相手を追い詰める危険性があることを知っておきましょう。

3、話をさえぎらない

簡単なようで、なかなかできないことです。相手が話したり考えたりしている時に、口をはさまないようにしましょう。

話の途中で結論が見えたり、自分の考えを言いたくなったりするかもしれません。

話している人は「話をさえぎらずに聞いてもらいたい」

話をさえぎるのは、「あなたの話は聞きたくない」というメッセージになりかねません。

4、目を見る

どんなに忙しくても、スマホを見ながら、パソコンを打ちながら、腕組みして目をつぶったまま、話を聞くことがないようにしましょう。

メラビアンの法則を知っていますか。

メッセージを伝えるものは…
態度55%
声の調子38%
言葉7%

「○○しながら」話を聞くことは、「あなたの話は聞きたくない」と態度で伝えているようなものです。

5、あいづちを打つ

相手の話にあいづちを打ちましょう。

人は話しながら、相手の反応を見ています。

あいづちがないと、銅像に向かって話しているようなもの。いえ、それよりも質が悪いかもしれません。

あいづちを打ってもらえるはずだと期待しているのに、その期待を裏切られるのですから、ガッカリします。

意外と、あいづちを打っている「つもり」になっているだけの人がいます。

「私の耳に入っているから、聞いている」と思っていたら間違い

しっかりあいづちを打たなければ、「話をちゃんと聞いてもらえなかった」と思われてしまうでしょう。

月見草のワンポイントアドバイス

忙しくて手が離せないのなら「ごめん、今は手が離せないんだ。15分後でもいいかな」と伝えましょう。

6、「気持ち」を理解する

「気持ちを理解する」とは、相手が大変だと感じていることを「すごく大変なんだね」と受け止めることです。

あなたがもし「その程度のことで…」と思ったとしても、相手にとっては「大きな問題」だから、困っているのです。

当事者にならなければ「他人事」であり、冷静でいられるのは当たり前

自分の身の上に起きてはじめて、「こんなにつらいことだったのか…」と思うものです。

「あなたの立場なら、私も同じように感じると思う」と伝えてこそ、寄り添って話を聞いていることになります。

「その程度のことで…」と思うときは、「自分の想像力が足りていないのかもしれない」と謙虚に再考してみてください。

あなたの想像力を発揮して、相手の「気持ち」をくみ取りましょう。

7、「あなたはそう感じるんだね」と相手の言葉を復唱する

あなたと、相手の感じ方が違うのは当然のこと

まったく同じように感じる人間などいません。

それでも、人は「同じように感じている」と思うと安心するのです。

ただ、「同じように感じるよ」と言うのは嘘になるので、お勧めしません。

「あなたは○○と感じたんだね」と、相手の言葉を復唱するのが良いでしょう。これが基本の復唱です。

慣れてきたら、復唱の応用にチャレンジしてみましょう。信頼関係をもっと深めることができます。

たとえば…

【基本の復唱】
「今日は、隣の奥さんにマウンティングされたの!ムカつく!」

あなた「そっかぁ。隣の奥さんに、マウンティングされたと感じたんだね。それはムカつくよね

応用は、同義語・類義語を使って「相手の気持ちを、本人よりも正確に」いろいろな表現をします。

さらに「感謝のことば」を伝えられたら、あなたは傾聴のベテランです!

【復唱の応用】
「今日は、隣の奥さんにマウンティングされたの!ムカつく!」

あなた「そっかぁ。隣の奥さんに自慢されて、腹が立ったんだね。すごく嫌な気持ちになったでしょ。奥さん同士の付き合いは苦労が多いよね。いつも家族のためにご近所付き合いをしてくれてありがとう

言葉を復唱してもらうだけで「わかってもらえた!」と感じるものです。

逆に、復唱しなければ「本当にわかってもらえたのだろうか」と不安を残すことになります。

8、「事実」より、「その人にとっての現実」を大事にする

「事実」は、その人の話を聞くだけではわからないことがある

しかし、

「その人にとっての現実」は、話を聞けばわかる

認知症の人が「サイフを盗まれた!」と騒ぐとき、「事実」ではないかもしれません。

でも、本人が見ている世界では、サイフを盗まれたと“感じる”のが「その人にとっての現実」なのです。

事実だけを伝えようとすると、その人にとっての現実を否定することになります。

月見草のワンポイントアドバイス

「サイフを盗まれたかどうかは、私は判らないのだけれど、サイフを盗まれたと感じるなら不安だし、つらいよね」と、相手の“気持ち”を代弁して、伝えてみましょう。

9、解釈しない

恋人に遅刻されたとき、あなたは心の中でこんなことをつぶやくのではないでしょうか。

「約束を忘れていたの?」
「一体どういうつもり!?」
「私のことが大事じゃないの?」
「そんなに楽しみにしてなかったんだ」
「約束を守るのは大人として最低限のマナーでしょ」

これらはすべて、あなたの「解釈」です。

憶測や決めつけであって、事実ではありません。

信頼関係を築きたいのなら、解釈は不要

「事実」と「あなたが感じたこと」を伝えるだけでじゅうぶんです。

「事実」とは、実際に見聞きしたこと、数値で表せることです。

数値で表せる「事実」
「10分、遅れたね」
「15時に約束していたよね」
「遅刻するのはこれで2度目だね」
「あなたが感じたこと」
「事故に遭ったんじゃないかと、不安だったの」
「忘れられたのかなと考えちゃって、悲しかった」

傾聴で重要なこと――台無しにする要因を取り除く

一気に距離を近づけようとすると、相手は逃げたくなるものです。

人間関係は「距離を近づけようとする」よりも「不信をつくらないこと」のほうが重要

信頼関係は、カンタンに築けるものではありません。

相手の気持ちよりも自分の思いを優先して無理をすると、積み上げた信頼関係を台無しにするリスクがあります。

じっくりと「傾聴の基本9か条」を守ってやりとりを続け、「この人は私を否定しない」という安心感をつくるほうが効果的です。

「不信をつくらないこと」に集中しましょう。

傾聴の応用編――「信頼」と「信用」のちがい

「信頼しても、信用するな」という言葉があります。

信頼は、無条件
信用は、過去の実績に基づき、条件付きで信じること

仕事で「信用する」と言うとき、「この人は今まで実績があるから、うまくやるだろう」というニュアンスがあります。

しかし、信用とは、ある意味「任せきりにする」「表面的な、その人の言葉を信じる」ことでもあります。

「信用していたのに」というのは、その人に任せきりにしておいて、結果だけを期待していたけれど、結果が出なかったから「がっかりした」ということです。

信頼するとは…
その人にすばらしい未来があることを、心から思い描くこと

人間はだれでも、可能性があり、力が備わっています。

信頼とは、その人には力が備わっているのだから「備わっている力を最大限、引き出せるようにサポートする」ということです。

任せきりにする「信用」と、サポートする「信頼」

言葉は似ていても、意味は真逆ですね。

信頼という言葉は、たいてい「信頼関係」と使います。
信頼関係は、相手に任せきりにするのではなく、お互いに築くものです。

メンタルヘルスにおいても、「信頼しても信用するな」という考え方は重要です。

体調を崩し始めていても「大丈夫です」と言う人はたくさんいます。

その表面的な言葉を鵜呑みにし、“信用”して本人に任せていたらどうなるでしょうか。
誰からのサポートも無いまま、悪化し、取り返しのつかないことになりかねません。

サポートしながら「その人には回復の力がある」と“信頼”したらどうでしょうか。

「大丈夫と言ってはいるけれど、本人も気づいていないだけで、かなり疲労が蓄積しているかもしれない」と考え、表面的な言葉を“信用はしない”のです。

サポートがあれば、回復しやすくなります。

人の表面的な言動だけを見るのではなく、心の動きを見るようにしましょう。

傾聴を深めるなら、人間心理を知ろう

傾聴を深めるなら、人間心理を学びましょう。

たとえば仏教には、人の心を深く洞察した言葉がたくさんあります。

1つ例を挙げますと…

心口各異 言念無実

「心で思っていることと、口で言っていることは、それぞれ異なって、真実でない」という意味です。

「信頼しても信用するな」とお伝えしたのも、心と口が異なるからです。

「心口各異 言念無実」とは、意識して本心を隠す時だけではありません。

本人も気づいていない心です。

あなた自身も気づいていない心があります。

あなたはまだ知らない「すべての人に共通している人間心理」があるのです。

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ぜひご覧ください。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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