毎日子育てをしていると、子供にイラッとしてしまうことはありませんか?
私はしょっちゅうあります(笑)
穏やかな心で子供に接したいと思いながらも、ついつい腹が立ち、声を荒らげたりすることもあります。
そんな時、ハッとさせられるお釈迦さまの教えを紹介したいと思います。
どうして腹が立つのか?
子供がまだ0歳のころ、私が特にイライラしていたのは、子供の食事時間でした。
離乳食が始まってしばらくすると、子供が食べ物で遊ぶようになったからです。
離乳食を一から作るのはとても大変です。
まず、食べてもよい食材選びから始まり、時間をかけて柔らかく煮込み、その子に合わせてすりつぶしたり刻んだり、とても手間がかかります。
そうやって苦労して作ったものを、手づかみでポイっと床に投げられたりすると、本当に腹が立ってしまいます。
まだ言葉も分からない子供に「なんでそんなことするの!」と怒ってしまい、いつも後から後悔していました。
そんな時に思い出していたのは、
「腹が立つ原因は、自分の欲が妨げられるから」
という仏教の教えでした。
つまり、「一生懸命作ったのだから、美味しく食べてほしい」という私の欲が邪魔されるから腹が立つ。
「食べ物を投げると片付けが大変だから、きれいに食べてほしい」という私の欲が邪魔されるから腹が立つ。
「お行儀の良い子に育ってほしい」という私の欲が邪魔されるから腹が立つ。
よくよく考えてみると、腹が立つ原因は子供にあるのではなく、私の勝手な欲が満たされないことにあると気づくのです。
本当は叱らなくてもいいことで子供を叱る前に、一度自分が怒っている原因を振り返ってみると、もっと穏やかに子育てができるかもしれません。
お互いに笑顔でいられる方法を探す
子育てママの先輩から一番よく聞くアドバイスが「上手に手抜きをすること!」。
私も子供が生まれてすぐの時は、いい母親になろうと頑張りすぎていました。
掃除、洗濯、食事、授乳、お風呂、子供との遊び時間、子供の寝る時間まで完璧にこなそうと一日中気持ちが張りつめていました。
しかし、頑張りすぎは必ずどこかで糸が切れてしまいます。
子育てを楽しいと思えず、睡眠不足も重なっていつもイライラし、夫や子供にあたるようになっていました。
お釈迦さまは、無理をしすぎない「中道(ちゅうどう)」の大切さを教えられています。
なまけすぎて楽な道に流されることも、極端に頑張りすぎることも、どちらも戒められ、ちょうどよい「中道」を進むことが、幸せに生きる方法だと言われます。
「一日三食のうち、お昼ごはんはレトルトにする」
「掃除は一週間に一回でよしとする」
「子供を無理に寝かしつけない」
など、自分が疲れない程度に手を抜くことも必要です。
できない時はまわりの人に助けを求めるなど、親子がお互いに笑顔でいられる方法を少しずつ探していくとよいのではないでしょうか。
大人と子供では見えている世界が違う
私は、夫や子供に「なんで分かってくれないの~!」と腹が立つときは、ある言葉を思い出すようにしています。
「一水四見(いっすいしけん)」という仏教のたとえです。
同じ「水」を見ても、
畜生界の魚は住処と見る
餓鬼界の者は炎と見る
天人はルリと見る
同じものでも一人一人私たちが見えている世界は違うということを言われています。
同じ屋根の下で暮らし、血のつながりのある親子でさえも、それぞれ自分の心が作り出した別々の世界を生きているのです。
たしかに、生まれてきた時代も違えば、経験も違う、感じることも皆違うのですから、家族でもお互いに分かり合えないのは当然かもしれません。
子供が食べ物で遊んでいたら、
「私には食べ物に見えても、子供にはきっと新しいおもちゃに見えているんだ!」
子供が泥だらけになって遊び始めたら、
「私には汚い石ころにしか見えなくても、子供にはキラキラ光るダイアモンドみたいに見えるのかも!」
そうやって、自分には見えていない、子供にしか見えない世界を想像してみると、怒りはどこかへ消えて、なんだかワクワク楽しくなってきます。
かけがえのない子供との時間を、いつも怒って過ごすのはとてももったいないことです。
子供には子供の世界があることを知り、その世界を少しでも共有できたときには一緒に思いっきり喜べる時間が増えていくと、もっと楽しい子育てになるのかもしれません。
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