幸せとは

幸せとは

主婦が存在意義に悩みがちな理由。趣味も友達も少ない、主婦の存在意味ってなに?

【目次】

  1. 主婦が存在意義に悩む理由1、家事の無意味な感覚
  2. 主婦が存在意義に悩む理由2、夫と対等に意見を言えない
  3. 主婦が存在意義に悩む理由3、夫と不平等な感じ
  4. 主婦が存在意義に悩む理由4、経済的に自立していない感覚
  5. 主婦が存在意義に悩む理由5、縁のない土地、転勤
  6. 主婦が存在意義に悩む理由6、「やって当たり前」の違和感
  7. 主婦が存在意義に悩む理由7、仕事と家事の両立の難しさ
  8. 主婦が存在意義に悩む理由8、不完全燃焼な感覚
  9. 主婦の存在意義の悩みを解消する方法

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

友達がおらず、休みの日はほとんど家にいます。
趣味もなく、やる事がありません。

仕事はしていますが、資格もなく、不安でたまりません。
主婦としての自分に価値を見い出せません。

このようなお悩みは、決して少なくありません。

今回は「主婦が存在意義に悩みがちな理由」をまとめました。
働いている女性、パート勤務の主婦、専業主婦の方の声を集めています。
きっと共感する内容があると思います。

その後、存在意義の悩みを解消する方法はあるのかどうか、考えてみましょう。
どうぞ最後までお読みください。

主婦が存在意義に悩む理由1、家事の無意味な感覚

・家事は、やっても何も残らない。
・仕事はゼロからプラスにする、家事はマイナスをゼロに戻すだけ。
・生産性のない自分が好きになれない。
・せめて家事は完璧にしなきゃと思うけれど、やる気が起きない。

家事はやらなきゃ溜まっていきます。
かといって、やってもやってもマイナスをゼロに戻すだけに感じる。
だからモチベーションが上がらない…

このような感覚、主婦ならきっとわかりますよね。

労働には、ペイドワーク(有償労働)アンペイドワーク(無償労働)があります。

ペイドワーク(有償労働)……物の生産やサービス提供の対価として、賃金が支払われる労働
アンペイドワーク(無償労働)……家事、育児、介護といった「家事労働」や、自営業・農作業、家族を手伝う「家族労働」、ボランティア

主婦は、アンペイドワークの割合が大きいだけで、労働には違いありません。

仏教の根幹である「因果の道理」からいえば、まいたタネは必ず生えます。
行動した分だけ、必ず自分に結果が現れるのです。

お金(給料)という形でなくとも、目に見えない力となって残ります。

主婦が存在意義に悩む理由2、夫と対等に意見を言えない

・経済的自立ができず、夫と対等に意見が言えない。
・仕事をして稼いでいる夫が偉いように感じる。
・「オレが稼いでいるから生活できるんだろ」と言われる。
・男性には、体格や力では適わない。無意識に意見を飲み込んでしまう。

男尊女卑の文化が、心の底に根付いているのでしょうか。

「男性優位、女性劣位」という男女格差の価値観は、今はあまり露骨には表現されませんが、マスメディアや日常会話でも、チラホラと見え隠れするように感じます。

歴史的に言うと、今から約100年前、1925年に普通選挙法が制定されるまでは、一定額以上、納税した者しか選挙に参加できませんでした。まして女性は、1945年まで選挙権はありません。

つまり、「収入の低い人」と「女性」は、自分の意見を表明できなかったのです。

「女性も政治的な意見を言っていい」と法律で決まったのは、わずか80年前。
法律が定まっても、人々の意識はそう簡単に変わりませんから、「女が意見を言うなんて……」と思われてきたことでしょう。

女性や、収入の低い人が対等に意見を言いづらいのは、歴史的な背景もあると思います。

主婦が存在意義に悩む理由3、夫と不平等な感じ

・夫のやる家事はお手伝い感覚。ふたりの主戦力ではない。
・子どもを産むのも女、育てるのも女。それなのに家事も仕事も。
・夫と同じように働いているのに、家事は依然として妻のほうが多い。

内閣府男女共同参画局は「男性の暮らし方・意識が変われば日本も変わる」「日本人男性も世界レベルの家事メンに」と謳ったポスターを掲げました。

世界の各国と比較すると、一日あたりの家事・育児時間は、日本の女性がダントツに多く、日本の男性はかなり少なくなっています。たとえば、

スウェーデン 男性 201分 女性 329分
アメリカ   男性 190分 女性 340分
ドイツ    男性 180分 女性 371分
日本     男性  83分 女性 454分
(内閣府男女共同参画局、2018年内閣府男性家事育児参画ポスターより)

どの国でも、男性のほうが家事・育児時間は少なくなっていますが、日本人男性はさらに他の国の【半分以下】です!

これは、日本人男性が働きすぎで、家事までやる気力がない……というのも一つの要因だとは思いますが、意識改革が必要なのは確かです。

男性が家族のために使う時間を増やすと、男性にも幸福ホルモンである「オキシトシン」が分泌され、幸せを感じやすくなりますよ。

主婦が存在意義に悩む理由4、経済的に自立していない感覚

・欲しい物を買ったり、好きな事をしたりするのに、罪悪感がある。
・趣味をやろうにも、自分で稼いだお金じゃないので、遠慮してしまう。
・ボーナスもなく、時給も低いので「小遣い稼ぎ」としか思われていない。
・パートは大した稼ぎにならない。夫が主に稼いでいるから引け目を感じる。
・夫の庇護下、半人前、扶養されている。一人の人間として、自信がもてない。
・働いていても、夫から「正社員と違って、お遊びみたいなもんだ」と言われる。
・稼がない主婦は、世の中にとって「無意味な存在」なのですか?

「収入が低い」=「生きてる価値が低い」と塞ぎがちなのは、「稼ぐ能力」=「市場価値」となっている資本主義社会の弊害でしょう。

決して、いくら収入があるかが、人間の価値ではありません。

もし、収入=存在価値ならば、さまざまな「おかしな」理屈がまかり通ってしまいます。

・稼ぐ能力の低い、女性、子ども、老人は存在価値が低い。
・退職したり無職になったりしたら、生きる意味がなくなる。
・事故に遭って障がい者になったら、生きる価値がなくなる。

こんなおかしな話はないのですが、実際はこういった考えが、無意識の中に根付いている意見を耳にします。

仏教には、老いも若きも、男も女も、健常者も障がい者も、一切の差別なく、等しく生きる価値があり、生命の尊厳があると教えられています。

収入や仕事とは別の、もっと重大な「生きる意味」があるからです。

主婦が存在意義に悩む理由5、縁のない土地、転勤

・結婚して、夫の仕事に近い土地に引っ越したので、地元の友達もいない。
・親とも離れている。味方が誰もいない。逃げ場もない。
・夫の仕事の都合で転居を繰り返して、新しい仕事を探すのも嫌になってしまった。
・孤独は嫌だけど、新たな人間関係をつくる元気もない。

ストレスチェック法に、ライフイベント(生活の変化)を点数化する方法があります。
ライフイベントが重なると、人はストレスを感じ、1年間の合計点数が一定を超えると、心身疾患に罹患するリスクが高まります。

変化は、【良いものも悪いものも】刺激であり、ストレスになります。

結婚、寿退社、引っ越し、産休、出産、育休、育児、仕事復帰、退職……。

女性には、ライフスタイルを変えねばならない転機が何度もあります。
これまで築いてきたものを手放すのは、苦しいですよね。

20年、30年と住み慣れた環境を離れて、1から開拓するのは、労力が要ります。

・慣れない道、駅、店。
・見知らぬ人、方言。
・新たな住居、生活環境。
・職場が変わる。

新天地では一度に多くの変化があり、思った以上にストレスが溜まっているかもしれません。
特に女性は、人とのつながりを重視する傾向が強いため、新しい環境になじむのは大変なことだと感じます。

孤独感や、むなしい気持ちが出てくるのも、無理はありません。

主婦が存在意義に悩む理由6、「やって当たり前」の違和感

・町内の付き合いなども、妻がやって当たり前、やれて当たり前という感じ。
・子どもがおらず、仕事はパートなので、家事くらいやれと言われてしまう。
・「母親だから」「妻だから」子育て、家事、介護は女性が担うものだと思われがち。
・苦手な料理、苦手な掃除洗濯。鬱々とした毎日なのに、誰も分かってくれない。
・「働いていいけど、家事をちゃんとやるなら」と決めつけられる。

「家事」と一言でいっても、数々の作業の総称です。
「できて当たり前」なんてことは、ないと思います。

ロボットが家事をするのは、極めて難しいのだそうです。
たとえば、弁当の盛り付け。最新のロボット技術を使っても、複雑で繊細な人の動きを再現するのが難しく、企業における開発も苦戦しています。

ましてや、家事全体は複雑多岐にわたり、臨機応変な対応も求められます。
部分的な掃除などは可能でも、家事全体をロボット化するのは、まだまだ先になりそうです。

「家事くらい……」と思わず、主婦業に誇りをもちたいですね。

◆感謝されない

・食事なんて外食か総菜でいいから、イライラするくらいなら無理してやるなと言われる。
・せっかく食事を用意していても、急な用事で「いらない」と言われる。仕事が理由だから何も言えない。

食事の要・不要の問題というより、気持ちをくんでもらいたいものですね。

主婦が存在意義に悩む理由7、仕事と家事の両立の難しさ

・家事の負担がなければ、もっと働き、一人前に経済的自立ができるのにと思う。
・仕事もしているのに、家事や育児もやるなんて無理!
・女性も社会進出して、働けと言われる。
・専業主婦の割合はどんどん減り、「働いて当たり前」の周囲の無言の圧力を感じる。
・出産・育児のために、仕事を断念した。女性だから失ったことが、あまりにも大きい。

1950年代は「夫は仕事、妻は家事」という、性別役割分業がなされていました。

転機となったのは、1999年「男女共同参画社会基本法」が制定されたこと。
性別役割分業があると、対等に働けないよね、だから家事、育児、介護などは男女で協力しあおう!という内容が盛り込まれています。

性別を問わず、対等に仕事をして、個性と能力を発揮できるようにするための法律ですが、現状はどうなっているでしょう。

夫は「仕事」、妻は「家庭と仕事」の二重負担で、さらに出産・育児が加われば三重負担、女性ならではのホルモンバランスの乱れも加味して四重負担、ではないでしょうか。

中国では、産後は女性が一生のうちで一番大事にしてもらえる時期で、家事は一切やらないのが当たり前だそうです。
日本では、産後一週間も経たないうちに、家事や仕事に復帰する人が多くいます。

・女性にしかできない出産。
・性別役割分業で女性が家事を担ってきたこと。
・生物的な性差、ホルモンバランス。

その上に「女性も対等に社会に出て働いていいよ」と言われても、難しいでしょう。

主婦が存在意義に悩む理由8、不完全燃焼な感覚

・人からは「専業主婦で羨ましい」と言わるけれど、自分の人生に納得できない。
・「旦那さんが稼ぎがあるのに、なんで働くの?」と言われてしまう。
・夫は私の仕事への理解がなく、働かせてもらえない。
・「働いていないなら、日中なにしてるの?」と言われてしまう。
・毎日、同じことの繰り返し。動物園のクマみたいに、同じところを行ったり来たりしてるだけ。

「働かなくていいんだよ」というのは、イヤイヤでも働かざるを得ない人からすれば、善かれと思って言っているのかもしれません。

ですが、仕事はお金のためだけではありません。
達成感や、自己有用感を得る効果もあります。

自己有用感……自分が誰かの役に立っている、貢献している、他人から必要とされている感覚

かといって、家事負担を考えると、ほどほどに働ける環境が見つかるとも限らず、働き始めるのはハードルが高いこともあるでしょう。

◆結婚の不自由さ

・結婚しないほうが自由でよかった。

離婚は、結婚の何倍も労力がかかるといわれます。

周囲の反対
手続きの大変さ
混ざり合った財産の分与
子どもがいれば親権の問題
お互いの「家」のつながり
年金の分割
旧姓に戻すかどうか
夫婦で離婚に対する温度差
協議や裁判となればお金も時間もかかる……

結婚を望んでもできない苦しみ以上に、離婚したくてもできない苦痛は激しいかもしれません。

主婦の存在意義の悩みを解消する方法

「主婦が存在意義に悩みがちな理由」をまとめましたが、書ききれないほどでした。

主婦は存在意義に悩みやすいと言えましょう。
存在意義の悩みを解消する方法はあるのでしょうか。

そのヒントに、仏教の話をしましょう。

仏教を説かれたお釈迦様のことばは、7000巻以上のお経となって書き残されています。

こんなに膨大な数のお経となったのは、「対機説法」といって、ひとりひとりの悩みに応じて法を説かれたからだと言われます。

お釈迦様は、お経の中に、夫は、妻に対してこうしなさいと教えられています。

「出でても入りても当に婦を敬すべし」
(夫は、外出するときも帰宅したときにも、妻を敬わねばならない。)

素敵なことですね。

妻については、お釈迦様は「世の中には、七通りの妻がいる」と “ 七婦人 ” を教えられました。

  1. 母の如し………母親が子供を育てるように、愛情をもって夫と接する妻
  2. 妹の如し………妹が兄を慕うように、夫に仕える妻
  3. 善知識の如し……人々を真実の幸福に導く仏教の先生のように、常に夫を善いほうへ導き、成功に至らしめる賢き妻
  4. 婦の如し………夫婦ゲンカをしたり、仲良くなったり。夫と対等の普通の妻
  5. 婢の如し………召し使いのように、自己主張をせず、何事も黙々と服従する妻
  6. 怨家の如し……夫に恨みを持ち、「こんな男と結婚したから……」と恨み続ける妻
  7. 奪命の如し……日々「死んでくれ」と夫を憎み、夫の命を奪ってしまう恐ろしい妻

あなたは、七婦人のうち、どれに当てはまりましたか?
正直に、現在の自分を見つめることは、大切なことです。

今あなたが悩んでいる「主婦の存在意義」は、あなたが別の役割に変わることで、解消できるかもしれません。

夫や子どもを善いほうへ(幸せに)導く役割は、とてもすばらしい妻の役割ではないでしょうか。
人を幸せに導くには、まず自分が本当の幸せを知り、幸せにならなければできません。

仏教には、本当の幸せ(心の幸せ)が説かれています。
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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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