村上春樹ノーベル賞(2017文学賞)受賞のがす。カズオ・イシグロが受賞
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カズオ・イシグロ(石黒 一雄)氏は、長崎県出身の日系イギリス人作家です。
1989年に長編小説『日の名残り』でイギリス最高の文学賞ブッカー賞を受賞し、『わたしを離さないで』も、2005年のブッカー賞の最終候補に選ばれています。
この作品は映画化され、大きな反響を呼びました。
受賞理由は、イシグロ氏が、「世界とつながっているという錯覚の根底に潜む底知れぬ深い穴(the abyss beneath our illusory sense of connection with the world)」をあらわにしたからとのことです。
イシグロ氏はイギリスBBCの取材に「最高の栄誉です。偉大なる作家たちの足跡に私が続くことを意味するからこそ、素晴らしい表彰です」とコメントしたそうです。
今日は代表作の『わたしを離さないで』について、お話しいたしましょう。
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。
共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。
キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。
彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく――英米で絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』を凌駕する評されたイシグロ文学の最高到達点。解説/柴田元幸。
内容紹介より
著者のどの作品をも超えた鬼気迫る凄みをこの小説は獲得している。現時点での、イシグロの最高傑作だと思う
–柴田元幸(本書解説より)
英米でベストセラーとなったカズオ・イシグロの最新長篇『わたしを離さないで』は、発売後ただちに《タイム》誌のオールタイムベスト
100(1923~2005年発表の作品が対象)に選ばれる快挙を成し遂げただけでなく、《ニューヨーク・タイムズ》《パプリッシャーズ・ウィークリ ー》《シアトル・タイムズ》《グローブ・アンド・メール》の主要紙誌においても2005年のベストブックの一冊に選定された。
また、ヤングアダルトの読 者に読ませたい成人図書に与えられるアレックス賞を受賞したほか、ブッカー賞、全米批評家協会賞、コモンウェルス賞、BBCブッククラブ賞の最終候補に もなるなど、2005年に発売された英語圏の小説でもっとも話題になった一冊だ。
この作品は、人間とは何か、命とは何か、生きるとは何か、人生の短さについて、など深いテーマを感じさせます。
「提供者」と呼ばれ、「特別な存在」とされる主人公ですが、「本質的には、普通の人間と変わらないのだ」という諦観ともいうべきものの見方をしています。
人は誰でも(提供者もそうでない人も)、生きて、年を重ね、死んでいく。
そういう視点でいえば変わらない。
「提供者」は、はかない命を意識し、その中で精一杯生きていくのです。
私たちもまた、限られた命の中で、何のために生きていくのかを考えることが大事だと教えてくれる作品だと思います。
ダイナマイトの発明によって富を得たアルフレッド・ベルンハルド・ノーベルが遺贈した基金から,毎年 4機関によって授与される賞。最初の授与は,ノーベルの 5回目の命日にあたる 1901年12月10日に行なわれた。ノーベルの遺言に従って,毎年,物理学,化学,生理学・医学,文学,および平和の 5分野において「過去 1年間に人類に対して最大の貢献をした者」に授与される。
ブリタニカ国際大百科事典より
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