こころ

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前向きになれない。無理にポジティブにならなくていい理由。

【目次】

はじめに 「ポジハラ」とは?無理にポジティブにならなくていい

  1. 変わらない理由――少ないサンプルで決めつけているから
  2. 変わらない理由――変わるまで行動していないから
  3. 変わらなかったと感じても、絶対にムダにはならない
  4. 変わる気力がない。因縁が揃うまでは準備期間
  5. 動けなくても、変われる秘密
  6. 変わらないのは心が悪いから?やっぱりポジティブ思考のススメ?

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

ネガティブな自分は嫌ですけど、「ポジティブにいこう」と言われると、プレッシャーを感じます。

行動しても、変わらなかったです。前向きになれません。

「ポジハラ」(ポジティブ・ハラスメント)という言葉があるくらい、ポジティブの強要は、圧力を感じて離れたくなりますよね。

心理学的には、ネガティブなことにも理由があると考えます。

無理にポジティブを目指すのは、かえって問題が生じる「ポリアンナ症候群」もあります。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。

「前向きになれない」「ポジティブにならなきゃ」と自分をいじめる必要はありません。

ネガティブな自分は嫌、という気持ちも持っていらっしゃるようですから、そのネガティブが緩和されるくらいを目指して、今回は考えてみましょう。

性格を変えたいのに、変わらない理由7つ
(1)「性格は変わらない」と思い込んでいるから
(2)変えられる部分と、変えられない部分を区別していないから
(3)変わりたい理由が曖昧だから
(4)今あるものを活かさずに、ないものねだりしているから
(5)本音では「変わらなくてもいい」と思っているから
(6)少ないサンプルで決めつけているから
(7)変わるまで行動していないから

最初の5つはお話ししました。
今回は、最後の2つについて、お話しします。

(6)少ないサンプルで決めつけているから
(7)変わるまで行動していないから

変わらない理由――少ないサンプルで決めつけているから

4、5人にフラれて「私は誰ともお付き合いできないんだ」と思った。
3回転職して「どこに行ってもやっていけない」と思う。
2人から「あなたってネガティブだよね」と言われた。

統計学には「大数の法則」があります。
コインが5回連続で「裏」が出ていても、500回、1000回と投げる回数を増やすほど、裏が出る確率は50%に近づいていきます。

「私ってどんな人?」と質問したとして、たった2人の意見をうのみにするのではなく、100人の意見を聞けば、良い意見も同じくらいは出るはずです。

少ないサンプルで決めつけていませんか。

前向きになれないときも、大丈夫。
無理にポジティブに考えようとしなくても、サンプルを増やせば、自然と印象は変わるはずです。

ポジティブでもネガティブでもなく、より「現実的な」考えに近づくでしょう。

なかなかうまくいかないときも、ただ回数を増やすだけで、成功確率は上がります。

転職も恋愛も、たった1回、成功すればいいのです。

研究・工夫をすれば、たしかに早く成功するかもしれません。
ですが、それ以上に、ただ単にサンプル(行動した回数)が少ないだけかもしれません。

無理に「ポジティブ」になる必要はありません。
行動の回数を増やすだけでいいのです。

淡々と、回数をこなしていきましょう。

変わらない理由――変わるまで行動していないから

「変わるまで行動しなさい」と、無理に勧めるわけではありません。
行動しようとしても、どうしてもできないこともあります。

「がんばったのに結果が出ません」
「行動しても、変わらなかった」

そう思われることも、あるでしょう。

実際、やってもやっても結果が出ないことはあります。
前向きになれないのも、当然です。

しかし、行動したその因が、消えてしまうことはありません。

あなたが幸せになるか、不幸になるか。
運命の因果関係を、端的にあらわされたのが「因果の道理」です。

よい行いをすれば、幸福や楽しみを生み出す。
悪い行いをすれば、不幸や苦しみを引き起こす。
自分に現れるすべてのものは、自分のやった行いによる。

因果の道理は、いつでもどこでも変わらない普遍的な法則です。
国や時代によって変わるとか、これだけは例外、ということは絶対にありません。
「道理」には、例外はないのです。

原因があれば、必ず結果が生じます。
原因なくして起きる結果は、万に一つ、億に一つもありません。

わかりやすく言うと、

まかぬ種は、生えぬ。
まいた種は、必ず生える。

「種をまく」とは、「行動する」ということです。
行動を起こして、結果はない、ということはあり得ません。

変わらなかったと感じても、絶対にムダにはならない

「かなりの量、行動しても、ダメだったのですが」

相当、努力したのに、結実しなかった……ということもありますよね。
前向きに頑張ってきたけれど、もうダメだ。前向きになれない。
そういう時もあるでしょう。

もしかしたら、それはまだ、実る時期が来ていないだけかもしれません。

桃栗三年、柿八年、枇杷は早くて十三年
梅は酸い酸い十三年、梨はゆるゆる十五年
柚子の大馬鹿十八年、蜜柑のまぬけは二十年
林檎にこにこ二十五年、銀杏のきちがい三十年

表現には諸説ありますが、同じように種をまいても、果実という結果になるまで、時間に差があるということでしょう。

3年で実る桃や栗は、結果がわりとすぐ現れるので、わかりやすいですね。
しかし、柚子、蜜柑、銀杏などは、種をまき、芽が出て、木になり、実るまで、かなり時間がかかるため、大馬鹿、まぬけ、きちがいと言いたくもなるのでしょう。

仏教でも、行い(因)と縁が結びついて結果を生む時期には、早い遅いの違いがあることを、こう教示されています。

順現業……現在世の行いの結果が、現在世ですぐに現れるもの
順次業……現在世の行いの結果が、次の生で現れるもの
順後業……現在世の行いの結果が、さらに後の生で現れるもの

このように、因果の道理は、現在世だけで完結せず、三世を貫く「三世因果」と言われます。

三世……過去世、現在世、未来世
過去世……生まれる前
現在世……生まれてから死ぬまで
未来世……死後

スケールが大きくて、ピンとこないかもしれません。
しかし、種をまけば、必ず結果は現れます。

いつ結果が現れるかは、わかりませんが、100%結果が現れるのです。

私はよく「苦手なことを避けても、未来に、持ち越すだけ。いつか必ず壁にぶち当たる。今、克服してしまおう」と思っています。

年老いてから、同じ問題にぶち当たったら、もっと苦労するかもしれません。
現在世で逃げ切れても、未来世に持ち越すだけかもしれません。

「がんばったのに結果が出ません」
「行動しても、変わらなかった」

そう感じたとしても、それは、短いスパンで、近視眼的に捉えているだけ。
あなたの行動は、絶対にムダにはならないのです。

変わる気力がない。因縁が揃うまでは準備期間

行動したほうがいいのは、頭ではわかりました。
でも疲れていて、そこまでの気力が起きません。

今はまだ、いろいろなものが揃わないこともあります。
前向きになれないのは、「気力」や「条件」が揃っていないのでしょう。

仏教の言葉でいうと「機が熟していない」「因縁が揃わない」ということです。

「二千年蓮」を知っていますか。
千葉県検見川遺跡の二千年前の地層から、蓮の種が発掘され、開花したのです。

ふつう、蓮の芽が出て開花するまで、たった20日ほどです。
それなのに、土の状態や湿度、温度、日光……といった因縁が揃わず、二千年も種のままでした。
二千年も経ってから因縁が揃って、開花したのですね。

植物の種なら腐ってしまうこともありますが、行い(因)は絶対に消えないとお釈迦様は言われます。

体調や、環境、仕事、まわりの人など、因縁が揃わず、なかなか芽が出ないこともあります。

無理をして体を壊してしまっては、遠回りになることもあるので、因縁が揃うまでは準備期間です。焦らず、でもあきらめず、今できる行動でいいから、行動を続けたいものです。

行いの種は消えないので、「やってもどうせ無駄だ」「自分はダメだ」と思って不貞腐れることはありません。

動けなくても、変われる秘密

どうしても、体調や家族の都合で、思うように行動を起こせないのですが……

大変な中、よく頑張っていらっしゃいますね。
そういう時も、大丈夫です。

行いにも、3つあります。
心・口・体の行いです。

なかでも「心」の行いがもっとも重いと言われます。
口や体を動かしているのは「心」だからです。
口や体は、心の表現です。

さまざまな事情で、思うように行動を起こせないときもありますよね。

事故で体が動かせなくなった。
病気で入院し、自由に出歩けない。
介護で、時間もとれない。
年老いて、思うように動けなくなった。

そういう時でも、心の行いは、思い立った時、変えられます。

ほとんどの人が知らない「動けなくても、変われる秘密」。
それは、行いには「心」も含まれることです。

心の行いも、すべてあなたの行動のひとつであり、結果につながってゆきます。

変わらないのは心が悪いから?やっぱりポジティブ思考のススメ?

やっぱりポジティブになれ、ということですか?

もちろん、「心」でどんな行いをしたかによって、結果は変わります。

しかし同時に「人間は、欲・怒り・愚痴の心いっぱいの、煩悩具足の凡夫」と仏教では言われます。

行動すればいいと分かっていても、行動できない。
善いことをすれば善い結果が返ってくると、頭では分かっていても、なかなか善い行いができない。

そういうことも、あるでしょう。

「心」の行いを、よくよく見つめると、弱音、愚痴、怯え、不安、身勝手、怠け、怒り、他人なんてどうでもいい、面倒くさい、自分さえよければいい……。悪い行いの、いかに多いことでしょう。

「ダメな自分から抜け出せない」

そう感じているのは、あなただけではないと思います。
すべての人は煩悩具足、と言われます。

有名な『歎異抄』には、そんな煩悩具足の「悪人」のために説かれたのが仏教だと書かれています。
これを「悪人正機」と言われます。

悪人正機とは、やりたい放題、悪いことをする人のことではありません。

「悪いことをしてもいいんだ」とまちがえると、因果の道理「悪因悪果、自因自果」で、必ず悪い結果があなたに現れます。

「善いことをしよう」と心がけて初めて、「悪い心がうごめいている」「悪いことばかりしてしまう」自己の姿が見えてくるのです。

「ダメでいいのさ~」と開き直っていたり、
「こんなにできているから」と自惚れたり。

そういう人は、悪い心をもつ自己の姿に、なかなか気がつかないかもしれません。
ポジティブになればいいというわけでもないのです。

「ダメな自分から抜け出せない」
「変わろうとしたけど、変わらなかった。ダメだった」
「ネガティブな自分を何とかしたいけど、どうしたらいいか分からない」

前向きになれなくても大丈夫。
そんなあなたのための、仏教です。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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