人間関係

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めんどくさい人の対処法。【心理学版】めんどくさい人の特徴とは

【目次】

  1. めんどくさい人と付き合うときの「大前提」
  2. めんどくさい人の「重さ」を借金に例えてみると……
  3. めんどくさい人の「心理」を知ることからスタート
  4. めんどくさい人の特徴【心理学版】
  5. めんどくさい人の心理【具体例】
  6. めんどくさい人と接しているときの、あなたの心理
  7. めんどくさい人への最大の対処法
  8. めんどくさい人と、同じ心が自分にもある

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

攻撃的だったり、愚痴ったりする人との関わり方で悩んでいます。
最初は冷静に話すのですが、だんだんと疲れ果ててしまいます。

めんどくさい人、手ごわい相手に、関わろうとしていること自体、本当によく頑張っていらっしゃると思います。

そうかなぁ~。そんなに頑張れているとは思えないけど……

そう思うなら、これまでよほど、めんどくさい人も邪険に扱わず、手ごわい相手にも合わせてきた証拠でしょう。

あなたの優しさ・善意・気づかいは、絶対にムダにはなりません。

仏教には「因果の道理」を教えられています。

善因善果……善い因(行い)は、善い果(幸福や楽しみ)を生み出す。
悪因悪果……悪い因(行い)は、悪い果(不幸や苦しみ)を生み出す。
自因自果……自分に現れる善果も悪果も、すべて自分のまいた因(行い)による。

これは、だれにも曲げられない道理(真理)だからです。

優しさ・善意・気づかいは、善い行いですから、あなたに善い結果が現れます。

しかし一方で、めんどくさい人の対処法を身につけていないと、どこまでも巻き込まれ、あなたの心が蝕まれます。

あなたが燃え尽きてしまわないように、対処法を身につけましょう。

めんどくさい人と付き合うときの「大前提」

簡単には降ろせない「荷物」を、どこまで「背負う」ことができますか。
あくまで、背負える範囲内で。

意外に思われるかもしれませんが、これが「大前提」です。

この「大前提」をお話しした上で、境界線やリフレーミングといったスキルを伝えているのですが、しばらくすると、このようなお悩み相談がきます。

境界線を引こうとしましたが、できませんでした。
まだまだ境界線スキルがたりません。
めんどうな人の対処法をせっかく教えてもらったのに、やっぱりできませんでした。体調を崩しています。

こういうあなたは、ものすごく頑張っていると思います。
背中にも、両手にも、抱えきれないほどの「荷物」を引き受けて、どれも降ろせない状態ではありませんか?

つまり、「大前提」を無視してしまったのです。
めんどくさい人に巻き込まれるのは、自分には無理な量の「荷物」を背負ったからです。

誰かの支えになることは、素晴らしいことです。
同時に、自分の命を削っていることを、思い出してください。

自分の命と引き換えにしてでも、背負うべき荷物ですか?
あなたが背負える重さですか?

体調を崩すのは、「荷物」の重さを見誤ったか、自分の力量を見誤ったか、どちらかです。

めんどくさい人の「重さ」を借金に例えてみると……

攻撃的だったり、愚痴ったりする人は、苦しんでいる人です。
めんどくさい人の抱えている「荷物」(=苦しみ)を、あなたも一緒に背負おうとしています。

苦しみを助けてあげたい。
その気持ちは尊いことですが、うかつに手を出してはいけません。

・「荷物」の重さ
・自分の力量

この2つを見極めてからにしましょう。

「荷物」の重さ

「荷物」の重さ……相手の苦しみの程度です。
根っこが深い苦しみほど、かなりの重さがあります。

その苦しみを癒すのにかかる「時間」「労力」はどれくらいですか。

眺めているときよりも、いざ背負ってみると「荷物」はもっと重いものです。
しかも一度、背負ったら、そう簡単には降ろせません。

本当にあなたが背負える重さですか?
背負うとしても、あなたが余裕をもって動ける程度にしましょう。

自分の力量

自分の力量……あなたが持っている「時間」「労力」です。

人は自惚れやすく、自分の力量を大きく見積もりがちです。
自分に合わない重量の「荷物」を背負ったら、ケガをします。
自分の力量を、正しく見ましょう。

「重さ」を借金に例えてみると……

とはいえ、めんどくさい人の「苦しみの重さ」は、心のことなので、外からは見えません。

数値化して考えてみましょう。

借金に例えると……
借金で苦しんでいる人を、助けるには、自分がそれ以上のお金を持っていなければなりません。

Aさんは100万円の借金で苦しんでいます。
あなたが500万円、持っていれば、肩代わりすることはできます。
あなたの財布も少し苦しくなります。
Bさんは800万円の借金で苦しんでいます。
あなたは500万円しか持っていないのに、助けようとしています。
あなたも借金を背負ってしまいます。

お金ならば、「負担が大きいな」「自分には無理だな」と分かりやすいと思います。
相手から借金を押し付けられそうになっても「無理無理!」と断るでしょう。

貯金が日に日に減っていったら、焦ってすぐ対処するのに、「時間」「労力」が日に日に減っても、「なんとかなるだろう…」と放置しがちです。

あなたの有限の「時間」「労力」は、本来、貯金よりもっと大切なものなのです。

あなたに与えられた時間=「命」

命は、貯金と異なる点があります。それはもう二度と増えないこと。

命は、減る一方です。

そんな貴重なものを、攻撃的な人、愚痴っぽい人は、無自覚に奪っていきます。しかも、あなたが断らないかぎり、“際限なく” 奪っていきます。

あなたの大切な時間を、あなた自身が守らねばなりません。

めんどくさい人の「心理」を知ることからスタート

あくまで「大前提」を忘れないこと。

攻撃や、愚痴が始まったら、受け流すこと。
それでもまだ押し付けてくるようなら、しっかり断ること。
めんどくさい人とは距離を置くことも大切です。

断るのが大切だと、わかってはいるのですが……、断るのが苦手です。

では、どうすれば断れるようになるのか?

どうしても付き合わねばならない関係なら、どう対処すればいいのか?

これを考えるには、まず相手を知る必要があります。
めんどくさい人の「心理」を知ることからスタートしましょう。

めんどくさい人の特徴【心理学版】

めんどくさい人の特徴は、心理学的に言うと、【自己防衛機制】が働きすぎている人です。
「防衛機制」とは、自分の心を守るために、無意識に使う心の動きです。

自己防衛機制・防衛機制(defence mechanism)
・受け入れがたい記憶
・認めたくない感情
これらを意識にのぼらないようにする心のメカニズム

ごくごく簡単に説明すると、このようなものがあります。

抑圧……欲求・記憶を抑えこむ
否認……現実を受け入れない
合理化……こじつけでも理由をつけて納得させる
知性化……知識で処理しようとする
同一化……理想の人物になったように振る舞う
最小化……「たいしたことない」と思おうとする
投影……自分の認めたくない感情を、相手が持つと考えて非難する
非難……感情・事実に直面するのを避け、相手を責める
反動形成……本心と反対のことをする
逃避……現実に背を向ける
非競争……競争に気づかぬふりをする
退行……子供っぽくなる
誇張……てっとり早く満足感を得る
置き換え……別のもので満足しようとする
補償……劣等感・痛みをほかのもので埋める
がんばりすぎ……どこまでも満足できない

めんどくさい人は、必ずどこかで、つらい思いをしてきた背景があります。
本人も無意識に「心を守る」ために、いろいろな防衛機制を使って、いままで生きてきたのです。

防衛機制が悪いわけではありません。
そうやって心が壊れるのを防ぎ、守ってきたのですから。

ところが、防衛機制がクセになると、めんどくさい人になってしまうので、周りの人が離れていきます。

心の奥底で「自分には価値がないのでは……」という不安が生じます。
不安で心が壊れてしまうのを防ぐために、また防衛機制を使ってしまう、という悪循環に陥るのが、めんどくさい人の特徴です。

防衛機制は、本人がどこかで向き合わなければなりません。
心の動きは、本人にしか、扱うことはできないのです。

周りの人ができることは、あたたかい言葉や態度で、防衛機制を使わなくても済むように接すること。
そして、防衛機制に巻き込まれないようにすること!!

巻き込まれると、あなたは疲弊し、相手はさらに防衛機制を強化するだけで、お互いにメリットがありません。

あなたが身につけるべきことは、対処法です。
対処法の8割は、たった2つです。

・相手の防衛機制に気がつくこと!
「巻き込まれると、相手のためにもならない」と知ること。

そのうえで、残りの2割は、

・自分の「不快な思い」(本心)に嘘をつかないこと。
・めんどくさい人との距離感を保ち、対応の仕方を身につけること。

順番にみていきましょう。

めんどくさい人の心理【具体例】

めんどくさい人の心理(防衛機制)の具体例は、専門的な言葉を使わずに、いろいろな記事で紹介しています。

今日は、具体的な会話の例を見てみましょう。
(あなた=Aさん、めんどくさい人=Mさん)
———————
A「最近どう?」
「べつに。なにも問題ないです」(最小化)
A「この前も、資格試験がんばっていたね」
「仕事がつまんなすぎるんで」(逃避)
A「まぁ、資格をとれば、できる仕事も増えるしね」
M「資格は落ちました。でも最初から本気出してないんで(非競争)
A「直前に体調も崩してたもんね。また次回があるよ」
M「次回?さっさとこの仕事辞めたいです(否認)
A「どうすれば楽になるかな?」
「部長もみんなも、僕のこと嫌ってますよね」(投影)
A「そんなことないと思うけどな」
「僕の仕事のレベルが高すぎて理解できないんですよ」(誇張)
A「うーん……」
「それより、子供の写真を机に置いてる人、ムカつきます」(非難)
A「あなたも、結婚して子供も欲しいって思ってるの?」
「べつに。独身はかっこいいと思ってるんで」(合理化)
A「じゃあ、べつにいいんじゃない」
「いや、結婚と育児経験者は満足度が高いんですよ」(知性化)
A「たしかに、私も子供は欲しいけど、とりあえず仕事かな」
「それはお気の毒に。そんなんで間に合うんですか?」(非難)
A「まぁ、今はね…」
「僕は俳優Bと同じように、独身にプライドもってるんで」(同一化)
A「あ、そう」
「この前、ローン組んで俳優Bと同じ高級時計買ったし」(補償)
A「大丈夫なの?」
M「副業もしてるんで」
A「資格だけじゃなくて副業も?がんばってるじゃん」
「これぐらい普通じゃないですか」(がんばりすぎ)
A「そう……。無理しすぎないでね」
(会話の後、強い疲労を感じる)
———————

わかりやすいように、単純化していますので、一概にこの防衛機制とはかぎりません。
複数の防衛機制に当てはまることもありますし、実際はわかりにくいものも多いです。

特徴は相手の「素直な気持ち」が出てこないこと。

「どうもスムーズな会話ができないな」と違和感をもったり、会話の後に強い疲労感を覚えたりします。

めんどくさい人と接しているときの、あなたの心理

めんどくさい人も邪険に扱わない。

これは、あなた自身の防衛機制(反動形成)です。

防衛機制がすべて悪いわけではありませんが、あなた自身が本心にきちんと気づき、認める必要はあります。

これだけめんどくさい人と関わって、頑張っているのに、

そうかなぁ~。そんなに頑張れているとは思えないけど……

と思うのは、防衛機制で自分の気持ちを抑圧しているから、本心が意識に上ってこないのです。

本音は、相手に何と言いたかったのか。
思い出して不快になったり、「自分が悪かったのだろうか……」と一人反省会をするくらいなら、あなたの本心を意識化してみましょう。

もう!めんどくさかった!
本当は「いちいち反論しないで、少しは素直に受け止めたら?」って言いたかった。

“本心”では、こう思っていて、相手にこう言っていてもおかしくなかったのです。それを、

・こんなことを思ってはいけない(心)
・言ってはいけない(口)
・態度に出してはいけない(体)

と、無意識に押さえつけています。

たしかに、相手との関係を考えたら、口や体の行いは慎む必要はあります。
しかし、心で思うことは、思わないようにしても止められません。

心で思うことは、押さえれば押さえるほど、噴き上がってきます。

自分の “本心” が、ふと顔を覗かせたときに、その “本心” を叩きのめし、蹴り飛ばし、「出てくるな!」といじめていませんか。

“本心” は、どんなに汚いもの、醜いもの、あるべき姿ではないものであっても、あなた自身がその存在を認めないかぎり、行き場がありません。

いつか、身体症状や病気となって出てきてしまいます。

“本心” の存在に気づき、「たしかに、そう思うよね」と認めてあげましょう。

めんどくさい人への最大の対処法

めんどくさい人に、適切に接する最大の対処法は、あなたの “本心” を認めることです。

相手が防衛機制を使っていると気づくこと。
そして、距離を置くこと。

これができれば良いですが、できなかったとしても、あなたが “本心” と向き合うことが増え、会話の途中でも“本心”に気づけるくらいになると、自然と、断わることもできるようになります。

どうしても付き合わねばならない関係であっても、あなたが “本心” を無視せず、断れるようになると、相手はこう感じるようになります。

この人に攻撃は効かないな。
この人に愚痴を言っても、どうせ聞いてもらえないな。

その結果、攻撃や愚痴を直接ぶつけてくる回数は減ってきます。
たまにはもちろんあるでしょうが、あなたが体調を崩すほどにはならないはずです。

あなた自身も “本心” と向き合った上で話せば、相手にも「自分で向き合わねばならないのだな」と気づいてもらいやすくなります。

相手を支えながらも、共倒れになることなく、それぞれが自分で「荷物」をどうすればいいのか、考えるようになります。

めんどくさい人と、同じ心が自分にもある

“本心” の存在を知ると、自分の心にも、相手と同じような心があると知らされます。

「同病、相哀れむ」

自分も同じ病にかかると、相手の苦しみも想像することができ、相手をいたわることもできるということです。

自分にも “本心” には、同じ心があると知れば、相手を憎んだり嫌ったり、いきなり関係を断ったりせず、温かい目で見ることもできるようになります。

仏教には、心の動きについて、とても詳しく教えられています。

一人、一日のうちに、八億四千のおもいあり。

これほどまでに、心の奥深くまで “本心” を見ていくのは、仏教しかありません。

仏教には、すべての人に共通する心を教えられているので、仏教を聞けば、自分の心の中にも、相手と同じがあると分かります。

すべての人が共通して抱える最大の「荷物」は、「無明の闇」だと仏教では断言されています。
この「無明の闇」が、苦しみの根本原因と言われます。

最大の荷物を取り除かないかぎり、大小さまざまな苦しみは、いつまでも出てきます。

この「無明の闇」という荷物は、心理学では取り除くことはできません。
自分で心を見つめたり、他のことで解決しようとしたりしてもできません。

この荷物を、完全に取り除くことが、仏教の目的

仏教は「抜苦与楽」と言われます。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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