なぜ「桃李」なのか、由来をご存じでしょうか
こんにちは、ひろです。
「てん、わろうてくれて、ありがとう。これからも、ずっと、わろてんか」
NHK連続テレビ小説『わろてんか』97話【藤吉、死す「てん わろうてくれてありがとう」】で、北村笑店の創業者、北村藤吉は42歳で脳卒中で亡くなりました。
北村藤吉は吉本興業の創業者、吉本吉兵衛(よしもときちべえ、本名・吉本吉次郎、享年39)がモデルになっているといわれますが、その北村藤吉を演じた、松坂桃李さんの「桃李」の名前の由来にも、並々ならぬ親心が込められているようです。
今回は、桃李さんの名前の由来に、スポットを当ててみました。
「桃李」さんの名前の由来
松坂さんのお父さんが「桃李」に込めた心は、中国の『史記』の、
桃李もの言わざれど、下自ら蹊を成す(桃李不言 下自成蹊)
「とうりものいわざれとも、したおのずからこみちをなす」
の一節に由来しているそうです。意味は、
「桃」と「李(すもも)」を人徳の象徴とし、人格者にはその徳を慕い、人が集まることから、桃や李を、徳の備わった人格者に例えられています。
「徳のある、誰からも慕われる人になってほしい」
という願いが、「桃李」という名前に込められているといわれます。
またお母さんが「桃李」に込めたのは、日本三大説話集『古今著聞集』(こきんちょもんしゅう)の
春は桜梅桃李(おうばいとうり)の花あり、秋は紅蘭紫菊(こうらんしぎく)の花あり、皆これ錦繍(きんしゅう)の色、酷烈(こくれつ)の匂(におい)なり。
にある、桃李からきているようです。意味は、
各々が、ありのままの姿で、人生の花を咲かせ、実を結ぶことができることを、四季折々の花になぞらえているといわれます。
「桃李」には、「自分らしさを大切に、幸せになってほしい」という願いを込めて、とのことでした。ひとかたならぬ親心が伝わってきます。
「桃李」のような魅力的な人になるにはどうすればよいのでしょうか
私たちも、「桃李」のような魅力的な人になりたいものですが、それにはどうすればよいでしょうか。
京セラ創業者であり、経営危機に陥った日本航空(JAL)をわずか2年半で再上場させたことで知られる稲盛和夫さんも勧める「六度万行(ろくどまんぎょう)」を実行していけば、きっと魅力的な人間になれるでしょう。
六度万行とはブッダの教えであり、『稲盛和夫の哲学』には、こう書かれてあります。
六度万行は普通の人間が生きるための知恵として、ぜひ取り入れるべきだと私は信じます。
(稲盛和夫『稲盛和夫の哲学』)
六度万行の「万行(まんぎょう)」とは「よろずの善い行い」のことです。たくさんの善いことを、万行といわれています。
その万行をブッダは6つにまとめて、すばらしい善い行いだからやりなさいよと教えています。
- 布施(ふせ)…親切すること
- 持戒(じかい)…言行一致させること
- 忍辱(にんにく)…忍耐をすること
- 精進(しょうじん)…努力すること
- 禅定(ぜんじょう)…反省すること
- 智慧(ちえ)…修養すること
世間でも身の修養に努めるといいますが、修養とは「人格を磨いていくこと」といわれます。人格を磨いていくとは、前の5つの善を実行すればするほど人格が形成され、磨かれていくといわれます。
六度万行の最大の特徴は、6つの中で、自分のやりやすいものを、どれか一つ実行すれば、あとの5つも実践することになるというところが、最も素晴らしいところだといわれます。だから6つのうち、どれか1つを自分のテーマにすればいいのですね。
この六度万行を実践していけば、人間関係の様々な問題が解決し、明るい未来が開けてくるに違いありません。
例えば「笑い、笑顔」は、1番目の「布施」の1つです。
これを「和顔愛語(わげんあいご)」とブッダは教えられました。
・愛語……やさしい言葉をかけること
笑顔で優しい言葉をかけることを、和顔愛語といいます。
数日前、電車を下り改札口を出て、階段を下ると、居酒屋の呼び込みをしている人がありました。「お仕事お疲れさまでした。よろしければお食事していかれませんか」と笑顔で声をかけてきました。「ありがとうございます」と言ってお断りしましたが、その笑顔がとても自然で、優しいいたわりの言葉に、こちらも「ありがとう」が出てきたのだと思います。寒空のもとで、とても心がほっこりしました。
優しい言葉と笑顔は、人を幸せにするのだと知らされます。
笑顔は周囲を明るくし、良い印象を与えて、その人の魅力を2倍にも3倍にも割り増しするといわれます。
人類初の宇宙飛行士を決める最終選考で、体重が重く不利であったガガーリンが選ばれたのは、その笑顔だったといわれています。選考責任者から「素晴らしい君の笑顔は、いつも心が安定している証拠だ」と評価され、「地球は青かった」の名言を生んだといわれます。
私たちも「桃李」のように香り高き人を目指し、和顔愛語に心がけ、とびきりの笑顔で「これからも、ずっと、わろてんか」。
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