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ハーバード大学 人気講師が教える!目標へのやる気を格段にアップさせる“Xスポット”の作り方

こんにちは、ライターのゆうです。

今後身につけたいと思っていることがあっても、「モチベーションが上がらない…」「やる前からダメだとあきらめてしまい、行動できない…」という思いを抱えてはいないでしょうか。

そんなときにぜひ知っていただきたいのが、「PQ」「Xスポット」です。

あなたは「PQ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

「IQやEQは聞いたことがあるが、PQなんて知らない」という方が多いと思います。

PQは「Positive Intelligence Quotient」を省略したもので、「ポジティブ才能」を意味しています。

PQという概念を提唱したのが、ハーバード大学でポジティブ心理学の講師をつとめる、心理学者のショーン・エイカー氏です。

ポジティブ心理学というのは、心理学の比較的新しい分野です。

これまでの心理学が、心理的な障害のメカニズムを解明し、精神疾患からいかに回復するかに対して焦点が当てられていたのに対し、ポジティブ心理学では「幸福」に焦点が当てられています。

幸福とはどんな状態か、幸福になることでどんな効果が生み出されるか、幸福になるにはどうすればいいか、ということが研究されている分野です。

今よりも幸福になる、ポジティブな感情が高まることで、自分の力が最大限発揮され、高いパフォーマンスができるとともに、自己成長も促されることがわかっています。

これを「幸福優位性(ハピネス・アドバンテージ)」ともいわれています。

その幸福優位性の恩恵を受けるときに必要なのが「PQ」です。

PQとは詳しくはどういうものか?

PQを発揮したいときに、その助けとなる「Xスポット」とはどんなものか?

「Xスポット」を利用して、やる気を上げる方法とは?

ということについて、ご紹介していきます。

IQでもEQでもない!それらを最大限発揮させる“PQ”

幸福になってこそ、あらゆる能力が引き出され、成功へとつながる。これがポジティブ心理学の研究によって明らかになったことですが、そこからさらにショーン・エイカー氏は「何か重要な見落としがあることに気づいた」といわれています。

それは成功と幸福の前にくるもの――「自分の世界をどう認識するか」――がある、ということです。

人によって自分の世界の認識の仕方が異なり、同じ状況であっても受け止め方が異なります。

たとえば、会社の業績不振や不景気の影響で、今年はボーナスが出ないことがわかったら、どう感じるでしょうか?

ほとんどの人はすっかり気力を失い、がっかりするでしょう。

ところがなかには、さらにやる気を出してがんばるリーダーもいるのです。

あるいは、身体の機能に障害が生じる多発性硬化症と診断された患者さんのなかには、「満足な人生を送ることはできない」とふさぎ込んでしまう人もいます。

しかしなかには、マラソンのトレーニングを始める人もいるのです。

同じような状況であっても、自分の世界の認識の仕方が異なるから、その後の行動もまるっきり異なってくるのですね。

どんなに能力の優れた人でも、「自分には不可能だ」と思い込んでいる人が、幸福になって成功を勝ち取ることはできません。

幸福になって成功を手にするには、「そもそもそれは可能なんだ」という認識が必要です。

ボーナスの出ないなかでもやる気を出すリーダーや、多発性硬化症と診断されながらもマラソンを始める人のように、常に「自分は幸福になり、成功できる」という認識を持つ能力がPQなのです。

ここで注意をしたいのは、PQというのは、現実逃避や空想、目の前の事実を欺くこととは違います。

望めば何もせずとも大金が手に入ったり、イメージすれば病気が完治したりすることは、当然できませんよね。

PQの発揮とは、現実をしっかりと把握したうえで、「自分はできる」と認識し、持ちうるあらゆる能力が最大限引き出されることなのです。

PQは、前向きな思考の説明でよく使われる「コップの水が『半分しかない』ではなく、『半分もある』ように見よう」ということとは違う、とエイカー氏は言っています。

PQを発揮した見方とは、どんな見方だと思いますか?

コップの水で例えるなら、「コップの横に水差しが置いてあり、コップに水を注ぎ足すことができるという現実に気づく」ことだといわれているのです。

ポジティブな変化を起こせる現実に気づき、そのために力が発揮されるのが、PQなのですね。

ではそのPQを発揮するにはどうすればいいのでしょうか?

その戦略の1つが「“Xスポット”を見つける」ことです。

どこにこんな力があったのか?ゴール直前に力がみなぎる脳のメカニズム

学生のころ、憂うつな気持ちになる行事といえば、マラソン大会だと思います。

マラソンでは、ペース配分を乱してしまい、終盤になるとヘトヘト。「もうこれ以上は走れない」とくじけそうになったこともあるかもしれません。

しかしフィニシュラインが見えた途端、体が軽くなり、力がみなぎってきた! どこにそんな力が残っていたんだろうと不思議に思う位、最後の瞬間を猛スピードで走り抜いた、という経験をされた方もいるでしょう。

42.195kmのマラソンでいえば、42km地点のことを「Xスポット」といわれています。一番力が出るスポットのことだそうです。

42km地点、フィニッシュラインが見えることによって、脳が「成功が可能なばかりか、おそらく成功する」と判断したことで、エンドルフィンなどの化学物質が放出され、エネルギーや集中力が増大します。

この作用によって、どこからか力が湧いてきたように感じるのですね(ただ、最も死亡事故が起こるのも42km地点といわれています。マラソンをする際は、くれぐれも無理をされないようにしてください)。

このような現象はスポーツに限らず、仕事やダイエットなどでも、脳ではまったく同じことが起こるといわれています。

重要なプロジェクトの完成が感じられたときや、目標としていた10キロの減量に手が届きそうになったとき、俄然やる気がアップし、集中力が発揮されるのですね。

ポイントは、脳が「ゴールを達成できそうだ」と認めるかどうかにあるのです。

それでは、このXスポットの効能を具体的にどう生かし、PQを発揮することにつなげればいいのでしょうか。

Xスポットの効能を生かすスキルのわかる、興味深い実験があります。

コーヒーショップの実験でわかった、Xスポットを最大限生かすヒント


それは、コロンビア大学ビジネス大学院の研究者たちが、地元のコーヒーショップで行った実験です。

研究者たちは店の協力を得て、コーヒー1杯ごとにスタンプを押し、スタンプが10個になると1杯がタダになる「お客様感謝プログラム」を実施しました。

これによって「無料コーヒー」が近づくにつれ、客は頻繁にコーヒーを飲みに来るようになることがわかりました。

しかしここまでのことは想定済みです。

最初の出だしは遅くとも、徐々にゴールが見えてくることで、歩みを早めるようになるのは感覚的にもわかりますよね。

興味深いのは、この後の調査です。

客の半数に通常のスタンプカード、もう半数に通常とは異なるスタンプカードを渡したところ、通常とは異なるスタンプカードのグループは、はるかに早くゴールに辿り着いたのです。

通常とは異なるものとは、どんなスタンプカードだと思いますか?

※「10回行けばコーヒー1杯が無料」という条件は同じです。「コーヒー1杯」が無料以外の特典もありません





渡されたのは、以下のようなカードでした。

「10回行けばコーヒー1杯が無料」という条件は同じですね。

異なるのは、ゴールまでが12回となり、飲む前から2つのスタンプが押されていること。その日にもう1つ押してもらうと、スタンプは3つになります。

通常のスタンプカードでは、最初のスタンプを押してもらうと、1/10進みます。

ところが通常とは異なるスタンプカードの場合は、はじめから1/6進んでおり、最初のスタンプを押してもらえば、1/4進むことになるのです。

客に「有利なスタートを切った。自分はゴールに向かって大きく前進している。ゴールまではそこまで遠くない」と思ってもらうことで、脳から化学物質が出され、次の行動を取りやすくなるのですね。

やる気が大きくアップ!「有利なスタート」「ゴールに向かって大きく前進」を生み出す工夫

上記の実験で得られたことは、チームや個人の目標達成にも重要な意味を持ちます。

たとえば、月間10名の契約を目標としていたのを、前月の目標を上回った3名からはじめて月間目標を13名にする。

すると、10名という数は変わりませんが、すでに3名と契約していると思うことで余計なプレッシャー、焦りを感じずに、思いきった仕事ができるでしょう。

個人の場合、ToDoリストでタスク管理をされているなら、すでにやったことも書き込んで、すぐにチェックマークを入れる。

すると、それだけで充実感が得られ、次の行動への弾みがつきます。

このように「有利なスタートを切った」と脳が認識することで、モチベーションがアップするのですね。

また、目標を細分化することも有効です。目標があまりに高すぎると、効力感が得られず、やる気も減退していきます。

そこで大目標を小さなゴールを持つステップに分割してみましょう。

先の契約の目標でいえば、「月間10名目標」を「半月で5名」とすると、「半月で5名ならやれそうだ」と認識し、より力が入るかもしれません。

本を読むことでいえば、「この本をできる限り早く読む」ではなく、「1日20ページは読む」とすると、積ん読解消に効くかもしれません。

「有利なスタートを切った」「ゴールに向かって大きく前進している」と感じさせる工夫を、ぜひ日常で取り入れてみてください。

2600年前にすでに明かされていた心と言動のメカニズム

能力が引き出され、高パフォーマンスを発揮するには、変化を起こせると認識することが鍵とお話ししてきました。

この事実はポジティブ心理学研究で広く知られるようになりましたが、実は仏教では2600年も前に心の重要性が明らかにされています。

仏教に「三業(さんごう)」という言葉があります。

三業とは、人間の行為(=業)には3種類あることを教えた言葉です。

3つの行為とは、

  • 身業(身体の行い)
  • 口業(口の行い、しゃべること)
  • 意業(心の行い、心でいろいろなことを思うこと)

をいいます。

この三業の中で、仏教では「意業」が最も重視されているのです。

一般には、身体の行いが最も重視され、次いで口で何を言ったかが注目され、心で何を思っているかは軽視されがちでしょう。

心で何を思っていようと、他者にはわからないからです。

それではなぜ仏教では心が重く見られるのでしょうか。

それは、心で思うことを口にし、心で思う通りに私たちは行動しているからです。

身体や口に指示を出しているのは心であり、心が元なのですね。

心で「自分は良い変化を起こせる」と思えば、言動も自ずと前向きになり、善い結果へとつながります。

反対に「自分にはダメだ」と思ったなら、言動も後ろ向きになり、せっかくの能力も発揮されず、結果はネガティブなものになるでしょう。

普段、放置しがちだからこそ、心の状態にぜひ注目してみてください。

参考文献:『成功が約束される選択の法則』(ショーン・エイカー著 徳間書店)

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この記事を書いた人

ライター:ゆ う

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