人間関係

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人付き合いが苦手で孤立、寂しい。どうすれば?(悩み相談・30代男性)

自分に自信が持てず、人付き合いが苦手な人は負の循環に陥りがち

こんにちは、ゆうきです。
首都圏で仏教講師として講座を開催しています。仏教の講座というと参加者も年配の方ばかりと思われるかもしれませんが、実は20代、30代の方の参加が意外に多いんです。

今回は、30代の男性Bさんから、講座のあとに受けた悩み相談を通して、お話ししたいと思います。皆さんも、心のどこかでその解決を求めている悩みかもしれません。

【Bさんの悩み】
人付き合いが苦手で、人を避けてしまう傾向があります。そのため他人にも距離を置かれ、孤立する悪循環です。自信をもった明るい自分になるには、どうしたらいいでしょうか。(30代男性・会社員)

「自分に自信がもてない」と感じている日本人は、7割以上ともいわれます。

海外から来た留学生を見て、どうしてこんなに自信一杯、明るく振る舞うことができるのだろうと感じたことのある方も多いのではないでしょうか?

実際、日本を含む7カ国の若者を対象にした意識調査では「自己を肯定的にとらえている」人の割合は、日本が45.8%に対して、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、スウェーデンなどは70%以上と、日本人の低さは顕著に表れています。
(※参照:今を生きる若者の意識 ~国際比較からみえてくるもの~|平成26年版子ども・若者白書(概要版)- 内閣府 https://yamazakitakashi.net/low-self-esteem/)

日常的に自信をもてない人は、仕事や恋愛でも積極的に行動することができず、不安なことばかり想像して時間がたち、また自信をなくす、という負の循環になりがちです。

人付き合いが苦手、苦痛と感じているのはみな同じ

しかし実は、自分に自信がもてないという悩みを持っているのは、みな同じ、なのです。

人との接点を避け、一歩距離を置く。心を通わせる会話ができず、純粋に笑うことができなくなる。そんな若者が現在、非常に多くなっています。

それは、ネットやスマホの普及、都市化による人と人との結びつきの希薄化など、様々な要因が挙げられていますが、私が多くの20代、30代の方と話をして感じるのは、明るく、友達の多い人、寂しさを感じているようにはとても思えない人であっても、自分に自信をもてず、人と接することに不安を感じているということです。

ですからまず、自分一人が自信が持てずに寂しい思いをしている、と思うのは間違いであることを知ってください。

現代の若者は、お互いにみな寂しさを抱え、相手の心を探って、傷つかないように振る舞っているのです。

ところがその心と行動が、さらに、あなたを孤立させ、苦痛や寂しい思いから抜け出せなくさせていることも、知っていただきたいと思います。
どういうことでしょうか。

あなたを孤立させ、「寂しい」から抜け出せない心と行動とは?

実は、みんなが、自分が傷つかないように、自分が傷つかないように、と人の目を恐れ、一歩引いている状態は、心の向きが「我利我利(がりがり)」です。

「我利」とは、私(我)の幸せ(利)ということですから、自分のことを中心に考えている状態です。

みんなが自分のことを守るように振る舞っていると、相手にどう思われるのかが怖いですから、積極的な会話はできないでしょう。

また、そんな状態では信頼関係がないということですから、心が打ち解けあった会話も相談も笑いも、生まれないでしょう。

みんなが自己中心的な状態では、いつまでたっても、孤立した状態は打開できません。

人付き合いが苦手な私が「寂しい」孤立を変えるには?

ではどうすれば、人付き合いが苦手な私が、孤立した「寂しい」状態を変えることができるのでしょうか。
「自信をもった明るい自分」になれるのでしょうか。

ひと言でいえば、心の向きを「我利我利」から「利他」に転換することです。

「利他」とは、他人(他)を幸せ(利)にすること。

考えてみてください。
例えば、お互いが距離を置いている中に、明るく元気な人が入ってきたらどうでしょうか?

寂しい空気など物ともせず、明るく笑い、皆を引っ張ってくれる人が現れたら、ちょうど春風が入ってきたように、皆の心も、なごやかになるでしょう。

これが「利他(りた)」です。

相手の気持ちに寄り添って、与えることに徹すること。明るく振る舞い、相手に接することは「利他」に当たります。

自分中心なのは「我利我利」ですが、相手の立場に立って、与えることに徹するのは「利他」です。

みんながみんなを恐れ、距離を置いているのは「我利我利」の状態。

しかし、そうではなく、そんな中で一人の人が明るく接していけば、その空気は春風のように周りの心をほぐし、次第に温かい輪ができるはずです。

これを「自利利他(じりりた)」と仏教でいわれます。

相手の立場に立って、与えることに徹したならば、みんなの心をなごやかに温め、そのまま自分の心も温め、幸せにすることができるのです。

「人付き合いが苦手で寂しい」から「自信をもった明るい自分」になる入り口

周りの目を気にせず、明るく接することができれば、皆がなごやかになれることは分かっても、問題は、なかなかそうできないところにあると思われるでしょう。

しかし、心配いりません。シンプルで即効性のある方法が1つあります。

それが「挨拶」です。

私もBさんにまず、挨拶を勧めました。
誰かと会ったときに、1日1回、必ず挨拶をする、ということです。

そしてそれに、以下の3条件を加えました。

  1. 「先手」であること。
  2. 縁の深い、比較的仲のいい人に対しては、挨拶のあとに「元気?」「今日は暖かいね」「この前の~良かったね」など一言加えること。
  3. あまり縁のない方であれば「○○さん、おはようございます」など、その方の名前を加えること。

じつは先に挨拶をすると、人間関係的に、心もち優位に立つことができます。
上司であれば、信頼を寄せる相手となりやすいです。
続けていけば、自信がつき、対人関係や、人格まで変わっていきます。

次に、一言加えるように意識すると、挨拶の仕方も変わってきます。
形だけの挨拶ではなく、相手に伝わる「心」があります。
必ず良い関係を築くことができます。

また、自分とあまり縁のない人である場合、挨拶をしても、あまり認識されない、受け取ってもらえない場合が多いです。
しかし、相手の名前を加えた場合、自分に対して言ってくれているのだと分かりますし、相手は自分という存在を認めてくれていると感じますから、挨拶をした自分に対して、真っすぐに向き合ってくれます。

1日に1回の挨拶ではありますが、するか、しないか、どのような心がけで、どのようにするかによって、日々の言動や心がけ、人間関係が大きく変わってきます。

1日1回の挨拶が、Bさんをどんどん変えた

Bさんは真面目に受け止めて、数日後、メールをくれました。

結果的に、初めは、1項目めしか、できなかったそうです。
しかし、先手の挨拶を続けていくことで、少しずつ自信がついてきたのか、2項目め、3項目めも、できるようになってきている、ということでした。

後日、講座に参加されたときには、笑顔で参加者の皆さんに挨拶され、順調に悩みの克服に向かわれていることが分かりました。

挨拶一つで、自信はつけられます。

挨拶は、縁のない人でも、その集まりの中ならば誰にでもできますので、大変便利なものです。しかも、その効果は絶大です。

なーんだ、そんなことか、と思った人も、だまされたと思って実践してみてください。

もし同じような悩みを抱えている方があれば、「自利利他」の精神で、まずは1日1回の挨拶から。

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この記事を書いた人

仏教講師・ライター:優 紀

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