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今回はこんなお悩みについてです。
怒りの感情って厄介ですよね。
怒っている本人には、身体に悪影響を及ぼし、さまざまな病気の種になります。血圧が上がり、呼吸は浅くなり、血がドロドロになるなど。
気分も、けっして良いものではありませんね。
怒られた側の人は、うれしい気持ちにはなりません。
傷つき、恨みの気持ちをもつこともあります。
さらに怒りは、周囲にも伝播します。
ストレスを感じている人を見ただけで、4人に1人がコルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが高まると言われます。
怒りは、これだけ害が大きいのに、なぜ止まないのでしょうか。
怒りをどうしたらいいか、一緒に考えていきましょう。

怒りは、生存に必要な感情といわれます。
怒りは、誰にでも備わっている感情です。
もし「私は怒ったことはない」という人がいたら、それは嘘でしょう。
「自分が怒りの感情をもっている」と認めることができていないだけです。
これも怒りの一種です。
口に出さなくとも、心で怒っているので、表面ににじみ出ています。
本人は自覚がなかったとしても、怒っているのです。
このようになる原因は、
など。
怒りの感情は、すべての人がもっています。
怒りを完全になくすことは不可能なので、“ どう扱うか ” が問題になってきます。
怒りの感情を認められる人は、ある意味、成熟しています。
「ではその怒りをどうすればいいか?」という次のステップに進めるからです。
「怒りが湧いてくるので困っています。」と言えるあなたは、その一歩を踏み出しています。

怒りについては、多くの誤解があります。
怒りは、喜怒哀楽の一つの感情です。勝ち負けはありません。
怒りを “ 適切に ” “ 無害な形で ” 表現することが大切です。
怒りの感情は、一つのサインです。
サインを無視するのではなく、扱う必要があります。
怒りについて、こんなふうに考えていませんか?
こういう考え方をしていると、
・相手に適切な対応ができません。
(未熟な人だとレッテルを貼ってしまう、相手の言葉に耳を傾けなくなる、など)
・自分にも悪影響を及ぼします。
(抑圧して不満が蓄積する、怒りをもつ自分を責めて落ち込む、など)
たしかに、人から怒りを向けられて “ 私が困る ” ことはあります。
そういうときは、その人と距離を置いたほうがいいこともあります。
ですが、それはある意味、怒りを受け取る側のキャパシティやスキルの問題でもあります。
このように理解して、「申し訳ないけれど、これ以上はつらい」と伝えたり、相談したりするのがよいでしょう。
相手を「未熟だ、恥ずかしい、厄介で嫌な人」だと決めつけるのはリスクがあります。
それが「怒りと向き合う」ということです。

こう聞くと、まず思い浮かべるのはこんなことです。
ここまで理由を探して、終わっている人が多いようです。
これでは怒りは収まりません。
かえって怒りを膨らませてしまうこともあるかもしれません。
ここからもう一歩、二歩、三歩、探ることが重要。
→「どうして私はこの会社を選んだのか?」
いい会社だと思ったから、理念に惹かれたから、ここしか採用されなかったから。
→「どんなところがいい会社だと思ったの?」
給料がいい、福利厚生がいい、やりたいことができそう、自分にもできそうだと思った。
→「それが今は、どうしてしんどくなっているの?」
ノルマをこなす意味が感じられない、自分のペースでやれない。
ここまで探って初めて、次のステップに進むことができます。
→「どんな気持ちを認めてもらいたかったんだろう?」
褒めてもらいたかった、なぐさめてほしかった、理解してほしかった。
→「どうして褒めてもらいたかったんだろう?」
褒められないと価値が無いと思ったたから、成績こそ自分の価値だと思い込んでいたから。
→「なぜ、成績こそ自分の価値だと思い込んだのだろう?」
成績以外にもたくさんの価値があることを知らなかったから。
ここまで探って初めて、次のステップに進むことができます。
次のステップは、
ここまで考えてようやく、「怒りのサイン」を受け取ったといえます。

「怒らないようにする」「怒りを無視する」だけでは、対策としては未熟です。
“ 誰に対しても ” 怒りをぶつけることは問題ですが、たいてい、怒るのは、怒りを「ぶつけられる相手だから、ぶつけている」はずです。
家族や、信頼している人。
「この人なら、怒りを出しても私を見捨てない」という安心感がある人。
ところが、気持ちを受け止めてほしくても、うまく受け止めてもらえない場合も多いですね。
なのですが、
怒りを向けられた人も困って、怒りだすことも多々あります。
そうなると、ケンカになります。
1人でケンカはできません。
ケンカになるということは、ふたりとも怒っているのです。
つまり、ふたりとも困っている、ということです。
基本は、先に怒っている人に対して、怒らないこと。
といわれます。
このことがよく理解できれば、
「どうすれば、相手の困りごとを解消することができるか?」
という視点に移ります。
しかし、受け止める側も怒ってしまった場合、ふたりで怒りをぶつけ合い、ケンカになります。
泥仕合になると、ほとんど会話する意味がありません。
お互いに傷つけあうだけで、何も生まないからです。
そんなときは、どうすればいいかを見ていきましょう。

怒りが問題視されるのは、自分も苦しみ、他人も傷つけるからです。
どうしても怒りが湧き上がってくるときは、どうすればいいでしょうか。
何もないときに「さあ、怒ってみよ!」と言われても、怒れないはず。
必ず、きっかけがあります。
そのきっかけさえなければ、どんなに怒ろうとしても、怒ることはできません。
さらに、人は、怒り続けることはできないようになっています。
怒りが続いているのなら、「複数の感情」が、何層にも複雑化した状況であることが多いものです。
小さな怒りの種の段階で、適切に表現し、受け止めてもらったり、共感したりしてもらうことができれば、怒りは続きません。
怒りが生じたときに、話し合いができるのがベストです。
きちんと怒りを受け止めてくれる相手ならば、怒りの感情は続きません。
でもおそらく、この記事を読んでいるということは、話し合いができるような相手ではないからでしょう。
怒りを「未熟だ」「厄介で嫌な人だ」という考えをもっている人は、相手の目線に立つことができません。
例1)「あなたの考え方の問題じゃないの?」
個人の問題にすり替えられ、否定された状態になります。
こういう考えの人に理解してもらおうとするのは困難です。
これは、相手のキャパシティやスキルの問題です。
例2)「こうすればいいんじゃないの?」
簡単に解決できないから、困って、怒っているのに、相手の気持ちや立場をじゅうぶんに想像することができないから、共感が不足して、簡単にアドバイスしてしまうのですね。
これも、相手のキャパシティやスキルの問題です。
このように、否定されることが続き、「複数の感情」が、何層にも複雑化した状況になると、怒りが続くことになります。

本来は、素直な気持ちを受け止めてもらい、話し合い、現実に対処するのがベスト。
ですが、どうしてもそれができないときは、自分の中で処理するしかありません。
そのときの対処法を挙げていきます。
まず、相手をよく見極めることです。
後者は、怒っても何も変わりません。
自分の心がすり減るだけ。
“ 怒りを伝える価値が薄い人 ” を見極めるだけでも、少しラクになります。
この三つを考えると、だいぶ整理がつきます。
家族や、上司には、理解してもらいたいものです。
でも、あなたの精神を削るだけならば、伝えないほうが賢明です。

もう少し具体的に挙げてみましょう。
世の中には、わざと怒らせてくる人もいます。
そうやってくる本人にも、そうしたくてたまらない背景があるのでしょうが、あなたが消耗する必要はありません。
そういう相手には、「怒りという贈り物を与えない」ほうが得策です。
怒らせるつもりはないけれど、言葉の選択がうまくない人がいます。
こういう人は、悪気はないのですが、あなたが困りごとを訴えるほど、あなたを傷つける言葉をかけてきます。
勉強ができる人や、地位のある人でも、「感情」についての表現が未発達な人、「相手の感情を受け止める」スキルをもっていない人はいます。
勉強や仕事とは別ジャンルなので、感情について学ぼうと思わなければ、適切な表現力がつかないのです。
自分のことで精一杯な人は、あなたが怒ったところで、状況の改善はありません。
なのですが、あなたの怒りが湧いたとき、困っていると伝えても、自分のことで精一杯な人は、困っているあなたを置いて、逃げて行ってしまいます。
状況の改善どころか、状況は悪化し、あなたはもっと困ってしまいます。
そういう時は、「怒る価値のない人」と見極めて、あなたのほうで対処したほうが得策です。
=まとめ=
怒りを伝える価値のない相手とは、
「“ 言語 ” が通じない人」です。
つまり、常識や共感といった “ 言語 ” が通じないのです。
「同じ日本語で話しているから、通じるだろう」と錯覚しますが、“ 心の言語 ” が異なるので通じません。
日本語の全く理解できない外国人に、いっしょうけんめい日本語で訴えているようなものなのです。
あなたがなすべきことは、“ 怒り ” という行動エネルギーを、相手に伝えることではなく、自分の環境を整えるほうに使うことです。

次のステップは、「自分の神経をこれ以上削られない」ように、心を整える段階です。
怒りのサインを感じたとき、「自分の気持ちを表現する」「状況を改善する」ことができればよいのですが、他人や環境は、変えられないことも多いものです。そんなとき、
あなたの心の秩序さえ守られれば、世界は思っているよりも “ 穏やか ” かもしれません。
怒りが「反射」ではなく「選択」になった瞬間、あなたは「怒りを扱った」ことになります。
つまり、何に(誰に)時間とエネルギーを与えるかを “ 選べる ” ということです。
あなたが “ 自分の安定を取り戻す時間 ” を確保することが最優先です。

あなたが怒らないでいると、身勝手な人は自由を得た状態になり、悔しい気持ちもわかります。
そんなときは、自分の生活や思考の “ 設計力 ” で勝てばいい。
こういう人が、負けているはずはありません。
同じ土俵で勝とうとするのではなく、もっと大きな土俵で戦うのです。
身勝手な人は必ず、自らその報いを受けて苦しみます。
あなたがわざわざ怒らなくても大丈夫。
あなたは自分の生活を設計して、豊かに暮らしましょう。
「因果の道理」は、誰にも曲げられません。
どんな言い訳をしようとも、仏様でも曲げることのできないのが、因果の法則です。
因果の道理を詳しく教えられている、仏教を知れば、他人の悪い行いは、本人に結果が現れるとわかります。
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