人間関係

人間関係

怒りに振り回されない生き方―自分らしさへのヒント

【目次】

  1. 怒りは誰にでもある―感情を認める成熟へのステップ
  2. 怒りについての誤解を解く―感情との健全な向き合い方
  3. 怒りの背景―「こうありたい」を深堀りする
  4. 怒りがぶつかるとき―家族や身近な人との関係
  5. 怒りのきっかけを見つける―複雑な感情を整理する
  6. 怒りを伝える価値のある人・ない人―見極めと対処法
  7. 怒る価値のない人〈具体例〉―あなたの心の守り方
  8. 怒りに振り回されない自分になる―内面の秩序を保つコツ
  9. 怒りを超えて、豊かな人生へ― “ 因果の道理 ” が導く幸せ

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

怒りが湧いてくるので困っています。

怒りの感情って厄介ですよね。

怒っている本人には、身体に悪影響を及ぼし、さまざまな病気の種になります。血圧が上がり、呼吸は浅くなり、血がドロドロになるなど。
気分も、けっして良いものではありませんね。

怒られた側の人は、うれしい気持ちにはなりません。
傷つき、恨みの気持ちをもつこともあります。

さらに怒りは、周囲にも伝播します。
ストレスを感じている人を見ただけで、4人に1人がコルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが高まると言われます。

怒りは、これだけ害が大きいのに、なぜ止まないのでしょうか。
怒りをどうしたらいいか、一緒に考えていきましょう。

怒りは誰にでもある―感情を認める成熟へのステップ

怒りは、生存に必要な感情といわれます。
怒りは、誰にでも備わっている感情です。

もし「私は怒ったことはない」という人がいたら、それは嘘でしょう。
「自分が怒りの感情をもっている」と認めることができていないだけです。

・不機嫌になる
・無視する
・許さない

これも怒りの一種です。

口に出さなくとも、心で怒っているので、表面ににじみ出ています。
本人は自覚がなかったとしても、怒っているのです。

このようになる原因は、

・怒りを言葉にして表現することができない
・相手のせいにして、自分の心と向き合っていない

など。

怒りの感情は、すべての人がもっています。
怒りを完全になくすことは不可能なので、“ どう扱うか ” が問題になってきます。

怒りの感情を認められる人は、ある意味、成熟しています。
「ではその怒りをどうすればいいか?」という次のステップに進めるからです。

「自分には怒りの感情がある」と認めることが、第一歩

「怒りが湧いてくるので困っています。」と言えるあなたは、その一歩を踏み出しています。

怒りについての誤解を解く―感情との健全な向き合い方

怒りについては、多くの誤解があります。

「怒り=負け」のように誤解している

怒りは、喜怒哀楽の一つの感情です。勝ち負けはありません。

「怒りを表現してはいけない」と誤解している

怒りを “ 適切に ” “ 無害な形で ” 表現することが大切です。

「怒らない=自分を抑えてガマンする」と誤解している

怒りの感情は、一つのサインです。

・自分の気持ちを表現する必要があるサイン
・状況を改善するときだよと知らせるサイン

サインを無視するのではなく、扱う必要があります。

怒りについて、こんなふうに考えていませんか?

「怒りは未熟だ」
「怒りを感じるのが悪い」
「怒りを出す人は、厄介で嫌な人」

こういう考え方をしていると、

・相手に適切な対応ができません。
(未熟な人だとレッテルを貼ってしまう、相手の言葉に耳を傾けなくなる、など)

・自分にも悪影響を及ぼします。
(抑圧して不満が蓄積する、怒りをもつ自分を責めて落ち込む、など)

たしかに、人から怒りを向けられて “ 私が困る ” ことはあります。
そういうときは、その人と距離を置いたほうがいいこともあります。

ですが、それはある意味、怒りを受け取る側のキャパシティやスキルの問題でもあります。

「私は、困っている。これ以上、受け止めるのは無理だな」

このように理解して、「申し訳ないけれど、これ以上はつらい」と伝えたり、相談したりするのがよいでしょう。

相手を「未熟だ、恥ずかしい、厄介で嫌な人」だと決めつけるのはリスクがあります。

怒りには、必ず “ 背景 ” があるからです。

その “ 背景 ” を探ること。

どうすれば状況を改善できるか、考えること。

それが「怒りと向き合う」ということです。

怒りの背景を探る―心の奥を深堀りする問いかけ

怒りには、必ず “ 背景 ” がある。

その “ 背景 ” を探ること。

こう聞くと、まず思い浮かべるのはこんなことです。

「この会社はノルマが多くてしんどいからだ」
「親がちゃんと気持ちを認めてくれなかったからだ」

ここまで理由を探して、終わっている人が多いようです。

これでは怒りは収まりません。
かえって怒りを膨らませてしまうこともあるかもしれません。

ここからもう一歩、二歩、三歩、探ることが重要。

「この会社はノルマが多くてしんどいからだ」

→「どうして私はこの会社を選んだのか?」
 いい会社だと思ったから、理念に惹かれたから、ここしか採用されなかったから。

→「どんなところがいい会社だと思ったの?」
 給料がいい、福利厚生がいい、やりたいことができそう、自分にもできそうだと思った。

→「それが今は、どうしてしんどくなっているの?」
 ノルマをこなす意味が感じられない、自分のペースでやれない。

ここまで探って初めて、次のステップに進むことができます。

「親がちゃんと気持ちを認めてくれなかったからだ」

→「どんな気持ちを認めてもらいたかったんだろう?」
 褒めてもらいたかった、なぐさめてほしかった、理解してほしかった。

→「どうして褒めてもらいたかったんだろう?」
 褒められないと価値が無いと思ったたから、成績こそ自分の価値だと思い込んでいたから。

→「なぜ、成績こそ自分の価値だと思い込んだのだろう?」
 成績以外にもたくさんの価値があることを知らなかったから。

ここまで探って初めて、次のステップに進むことができます。

次のステップは、

どうすれば状況を改善できるか、考えること。

ここまで考えてようやく、「怒りのサイン」を受け取ったといえます。

怒りがぶつかるとき―家族や身近な人との関係

「怒らないようにする」「怒りを無視する」だけでは、対策としては未熟です。

怒りは抑えつけるとふくれ上がります。

“ 誰に対しても ” 怒りをぶつけることは問題ですが、たいてい、怒るのは、怒りを「ぶつけられる相手だから、ぶつけている」はずです。

家族や、信頼している人。
「この人なら、怒りを出しても私を見捨てない」という安心感がある人。

ところが、気持ちを受け止めてほしくても、うまく受け止めてもらえない場合も多いですね。

怒るのは、困っている人

なのですが、
怒りを向けられた人も困って、怒りだすことも多々あります。
そうなると、ケンカになります。

1人でケンカはできません。
ケンカになるということは、ふたりとも怒っているのです。

つまり、ふたりとも困っている、ということです。

基本は、先に怒っている人に対して、怒らないこと。

「一緒に腹を立てないようにしよう」

といわれます。

このことがよく理解できれば、
「どうすれば、相手の困りごとを解消することができるか?」
という視点に移ります。

しかし、受け止める側も怒ってしまった場合、ふたりで怒りをぶつけ合い、ケンカになります。
泥仕合になると、ほとんど会話する意味がありません。

お互いに傷つけあうだけで、何も生まないからです。

そんなときは、どうすればいいかを見ていきましょう。

怒りのきっかけを見つける―複雑な感情を整理する

怒りが問題視されるのは、自分も苦しみ、他人も傷つけるからです。
どうしても怒りが湧き上がってくるときは、どうすればいいでしょうか。

「怒らないようにする」「怒りを無視する」のではなく、怒りが生じる前段階に踏み込んでいきます。

何もないときに「さあ、怒ってみよ!」と言われても、怒れないはず。

必ず、きっかけがあります。
そのきっかけさえなければ、どんなに怒ろうとしても、怒ることはできません。

さらに、人は、怒り続けることはできないようになっています。

怒りが続いているのなら、「複数の感情」が、何層にも複雑化した状況であることが多いものです。

きっかけ → 小さな怒りの種 → 否定する(される) → 膨れ上がる
→ 未対処の状況が続く → 抑圧・自己否定など → 複雑化 → 大きな怒り

小さな怒りの種の段階で、適切に表現し、受け止めてもらったり、共感したりしてもらうことができれば、怒りは続きません。

怒りが生じたときに、話し合いができるのがベストです。
きちんと怒りを受け止めてくれる相手ならば、怒りの感情は続きません。

でもおそらく、この記事を読んでいるということは、話し合いができるような相手ではないからでしょう。

話し合いができない相手とは

怒りを「未熟だ」「厄介で嫌な人だ」という考えをもっている人は、相手の目線に立つことができません。

例1)「あなたの考え方の問題じゃないの?」
個人の問題にすり替えられ、否定された状態になります。
こういう考えの人に理解してもらおうとするのは困難です。
これは、相手のキャパシティやスキルの問題です。

例2)「こうすればいいんじゃないの?」
簡単に解決できないから、困って、怒っているのに、相手の気持ちや立場をじゅうぶんに想像することができないから、共感が不足して、簡単にアドバイスしてしまうのですね。
これも、相手のキャパシティやスキルの問題です。

このように、否定されることが続き、「複数の感情」が、何層にも複雑化した状況になると、怒りが続くことになります。

怒りを伝える価値のある人・ない人―見極めと対処法

怒りが問題になるとき、相手や環境の影響も大きいものです。

本来は、素直な気持ちを受け止めてもらい、話し合い、現実に対処するのがベスト。

ですが、どうしてもそれができないときは、自分の中で処理するしかありません。
そのときの対処法を挙げていきます。

まず、相手をよく見極めることです。

怒りを伝える価値がある相手とは——
・誠実さがあり、話し合えば改善の余地がある人
・自分にとって大切な関係で、守りたい領域がある人
・怒ることが、その関係や尊厳を守る助けになるとき
怒りを伝える価値がない相手とは——
・反省せず、責任転嫁する人
・理解力が乏しく、学ぶ意志のない人
・共感力が乏しく、困っている気持ちを汲み取れない人
・自分のことで精一杯な人
・マナー違反をしても恥じない人
など。

後者は、怒っても何も変わりません。
自分の心がすり減るだけ。

“ 怒りを伝える価値が薄い人 ” を見極めるだけでも、少しラクになります。

怒りを伝える価値があるかどうか、見極める指標
・その人が学ぶか
・自分の尊厳が守られるか
・相手との関係に意味があるか

この三つを考えると、だいぶ整理がつきます。

家族や、上司には、理解してもらいたいものです。
でも、あなたの精神を削るだけならば、伝えないほうが賢明です。

怒る価値のない人〈具体例〉――あなたの心の守り方

「どういう人が、怒る価値のない人なのか、詳しく教えてください」

もう少し具体的に挙げてみましょう。

1、わざと怒らせてくる人

世の中には、わざと怒らせてくる人もいます。
そうやってくる本人にも、そうしたくてたまらない背景があるのでしょうが、あなたが消耗する必要はありません。
そういう相手には、「怒りという贈り物を与えない」ほうが得策です。

2、言葉の選択が下手な人

怒らせるつもりはないけれど、言葉の選択がうまくない人がいます。

・「自分を守りたい」だけなのに、ボキャブラリーが少ないので、思いついた言葉を発してしまう。
・「あなたを助けたい」のに、どういう言葉が相手の気持ちをラクにするか見誤ってしまう。

こういう人は、悪気はないのですが、あなたが困りごとを訴えるほど、あなたを傷つける言葉をかけてきます。

勉強ができる人や、地位のある人でも、「感情」についての表現が未発達な人、「相手の感情を受け止める」スキルをもっていない人はいます。

勉強や仕事とは別ジャンルなので、感情について学ぼうと思わなければ、適切な表現力がつかないのです。

3、自分のことで精一杯な人

自分のことで精一杯な人は、あなたが怒ったところで、状況の改善はありません。

怒る人 = 困っている人

なのですが、あなたの怒りが湧いたとき、困っていると伝えても、自分のことで精一杯な人は、困っているあなたを置いて、逃げて行ってしまいます。

状況の改善どころか、状況は悪化し、あなたはもっと困ってしまいます。
そういう時は、「怒る価値のない人」と見極めて、あなたのほうで対処したほうが得策です。

=まとめ=

怒りを伝える価値のない相手とは、
「“ 言語 ” が通じない人」です。

つまり、常識や共感といった “ 言語 ” が通じないのです。

「同じ日本語で話しているから、通じるだろう」と錯覚しますが、“ 心の言語 ” が異なるので通じません。

日本語の全く理解できない外国人に、いっしょうけんめい日本語で訴えているようなものなのです。

通じない言語にエネルギーを注ぎ続けても、得られるものは疲弊だけ。

あなたがなすべきことは、“ 怒り ” という行動エネルギーを、相手に伝えることではなく、自分の環境を整えるほうに使うことです。

怒りに振り回されない自分になる――内面の秩序を保つコツ

次のステップは、「自分の神経をこれ以上削られない」ように、心を整える段階です。

怒りを伝える価値のない人に対しては、あなたのエネルギーを温存すること。

怒りのサインを感じたとき、「自分の気持ちを表現する」「状況を改善する」ことができればよいのですが、他人や環境は、変えられないことも多いものです。そんなとき、

あなたが守るべきは「秩序ある外界」よりも「秩序ある内側の世界」

あなたの心の秩序さえ守られれば、世界は思っているよりも “ 穏やか ” かもしれません。

怒りが「反射」ではなく「選択」になった瞬間、あなたは「怒りを扱った」ことになります。

怒る・怒らないを決める主導権は、あなたにある。

つまり、何に(誰に)時間とエネルギーを与えるかを “ 選べる ” ということです。

あなたが “ 自分の安定を取り戻す時間 ” を確保することが最優先です。

怒りを超えて、豊かな人生へ―― “ 因果の道理 ” が導く幸せ

「身勝手にふるまう人に、なんだか負けたような気がします……」

あなたが怒らないでいると、身勝手な人は自由を得た状態になり、悔しい気持ちもわかります。

そんなときは、自分の生活や思考の “ 設計力 ” で勝てばいい。

あなたの生活を、豊かにすること。
あなたの思考を、成熟したものにすること。

こういう人が、負けているはずはありません。

同じ土俵で勝とうとするのではなく、もっと大きな土俵で戦うのです。

身勝手な人は必ず、自らその報いを受けて苦しみます。
あなたがわざわざ怒らなくても大丈夫。
あなたは自分の生活を設計して、豊かに暮らしましょう。

「因果の道理」は、誰にも曲げられません。
どんな言い訳をしようとも、仏様でも曲げることのできないのが、因果の法則です。

因果の道理を詳しく教えられている、仏教を知れば、他人の悪い行いは、本人に結果が現れるとわかります。

あなたは善い行いに集中すれば、あなたに善い結果が現れます。
自分の豊かさに集中できます。

自分の人生を、自分で生きましょう。
自分の生き方を模索するために、仏教を学んでみませんか。
15通のメールで学ぶことができます。

↓↓↓↓

月見草のカフェ勉強会・おしゃべり会も開催中です。ぜひお会いしてお話ししましょう。
↓↓↓↓

この記事を書いた人

ライター:月見 草

人生の目的が5ステップで分かる
特典つきメールマガジンの登録は
こちらから

詳細を見る

関連記事

人生の目的とは 生きる意味やヒントを見つけるための特集ページです。

生きる意味やヒントを見つけるための特集ページです。