こころ

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怒る・怒られる「怒り」について学ぼう

【目次】

  1. (1)怒っている人との接し方
  2. 怒っている人のことを、怒らない。
  3. 怒らせないコツ。
  4. 怒りを鎮めるコツ。
  5. 怒らせる「縁」にならない心がけ
  6. (2)怒りが出てくる自分との接し方
  7. 怒らないコツ。
  8. 忍耐の練習をしよう。
  9. 人生を好転させる方法

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

怒ってくる人が苦手です。
それと、自分も怒るときは嫌になります。

怒りの感情って本当に厄介ですよね。

(1)怒っている人との接し方
(2)怒りが出てくる自分との接し方

今回は、この2つについて考えてみましょう。

(1)怒っている人との接し方

怒っている人と、どう接したらいいかわかりません。

怒りをぶつけられたり、イライラしている人が側にいたりすると、困ってしまいますよね。

自分が怒るのをコントロールするよりは、怒っている他人との接し方のほうが比較的コントロールしやすいので、こちらから見ていきましょう。

怒りとは、その人自身を苦しめる悪い行い

怒っている本人も、周りも、みな嫌な気持ちになりますよね。

「怒り」は、仏教で108の煩悩の中でもっとも恐ろしい「三毒の煩悩」に挙げられています。
全身に毒が回るように、その人自身を苦しめる悪い行いです。

ここで「いい・悪い」というのは、自分に善い結果をもたらすのは善い行い、自分に悪い結果をもたらすのは悪い行い、ということです。

怒っている人との接し方で、1つだけ守りたいこと。

「一緒に腹をたてないようにしよう」

「怒る」という過ちを犯す人に対して、あなたも怒ったら、あなた自身も苦しみ、負の連鎖になってしまいます。

一緒に腹を立てないようにするには、

「怒ってるなぁ」

怒っている人のことを、心理的に少し離してみることができるといいですね。

心理的に離すことが難しい場合は、丁寧に断って、一旦、物理的に離れたほうがいいこともあります。

怒っている人のことを、怒らない。

自分の心をよく見つめると、

「自分も、同じ立場だったら、怒ってしまうだろうな」

と思えることもあるのではないでしょうか。

「あんなに怒るのは、おかしい」

こう感じることも、もちろんあると思います。

当事者ではないから「自分はあんなふうに怒らない」と思うかもしれませんが、人は追い詰められると、どんなことでもしてしまうものです。

有名な『歎異抄』には、こう書かれています。

「さるべき業縁の催せば、いかなる振舞もすべし」

縁さえくれば、どんな恐ろしいこともしてしまうのが、人間なのです。

他人から見てもわからない、いろいろなことが重なって、その人は追い詰められているのかもしれません。

「自分も、追い詰められたら、怒ってしまうかもしれないな」

こういう視点をもつだけでも、怒っている人との接し方が変わるのではないでしょうか。

「どうしても腹が立つんだね」

怒っている人のことも、怒らないことです。

怒らせないコツ。

人を怒らせないコツがあります。

怒りが出るのは、欲が妨げられたときです。
欲が満たされているとき、激しく怒ることはあまりないのではないでしょうか。

欲が満たされているとき
・美味しいものを食べて満腹。
・給料がアップした、お金が儲かった。
・彼女ができた、パートナーと上手くいっている。
・褒められた。
・ぐっすり眠れて気持ちがいい。

こういうときは、心が穏やかでしょう。

2002年にノーベル経済学賞を受賞した心理学者、ダニエル・カーネマン博士は、世界的ベストセラーとなった著書『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか』で、次の実験結果を紹介しています。

食事後、判定人は仮釈放の訴えの約65%を承認した。
次の食事直前には、ゼロ近くになった。

空腹になった判定人たちは、共感力が落ちたり、イライラしたりします。
そして、申請を却下しがちになるそうです。

また、心理学には「ランチョンテクニック」があります。

食事中は、相手への好感度が高くなり、肯定的な意見を得やすい。

人を怒らせないコツ。
頼みごとをしたいときは、食事をしながらか、食後にするといいでしょう。

相手の欲が満たされていないときは、要注意です。

怒りを鎮めるコツ。

相手がすでに怒ってしまっているとき、どうすればいいでしょうか。
できるだけ早く、相手の怒りを鎮めたいですね。

怒りは、本人にしか鎮めることはできません。
ですが、あなたは2つのことができます。

(1)怒りを鎮める助けになることはできます。
(2)怒りの燃料を投下しなければ、長くは続きません。

(1)怒りを鎮める助けになることはできます。

怒りが出るのは、欲が妨げられたときなので、「この人が怒らずにいられないのは、どんな欲が隠れているのだろう」と考えてみることです。

・どうしてほしかったのか
・何に困っているのか
・どうなりたいのか

「もう少し、詳しく聞かせてください」

怒っている人を目の前にすると、あなたも動揺してしまうと思いますが、できるだけ冷静に話を聞き、同じ目線で考えてみましょう。

怒っている人とは、困っている人です。
あなたが共感的に話を聞けば、困っている気持ちが収まり、怒りを鎮める助けになるはずです。

仏教では、相手のために、お金や時間や労力を使う(与える)ことを「布施」といい、善い行いだといわれます。

怒っている人には、近づきたくないかもしれませんが、相手のためを思って接すれば、あなたが徳を積み、あなたに善い結果が現れます。

「これも布施の善行なのだ」と思えば、あなたも少しは冷静に聞けるかもしれません。

(2)怒りの炎に、燃料を投下しなければ、長くは続きません。

なんでこんなに怒り続けるんだろう?

こう思う時は、もしかしたら、あなたが相手の怒りの炎に、燃料を投下し続けているかもしれません。

「でも」「だけど」「だって」
「そんなことくらいで」
「お前が悪い」

このように、相手の言葉を否定したり、感情を否定したり、自分の言い訳を主張したりすれば、怒りの炎に燃料を投下しているようなものです。

怒るにもエネルギーが要ります。
燃料さえ投下しなければ、怒りの感情は長くは続きません。
怒りは自然と鎮まるものです。

あなたが燃料を補給してしまっていないか、確認してみることをおすすめします。

怒らせる「縁」にならない心がけ

相手が怒ってしまってから、何とかしようとするのは、難易度が高いかもしれません。

怒らせるような言動をとらないように、日頃から気をつけることも大切です。

「怒り」は、その人自身を苦しめる悪い行いです。
あくまで本人の行いであり、あなたがコントロールすることはできません。

ですが、あなたが相手を怒らせる「縁」になることはあります。

「因縁果の道理」とは

仏教には、私たちがもっとも知りたい「運命」の仕組みが解明されています。
それが「因縁果の道理」です。
たとえば、毎日食べている米の「因」はモミダネ、「縁」は日光や空気、水、土などです。

このように、「すべての結果は因と縁によって生ずる」とお釈迦様は言われています。

相手が怒っているのは、あくまで相手の「因」です。
怒っている本人が、苦しむ結果を受けねばなりません。

怒っている人を見て、あなたが気に病む必要はありません。
あなたが受け取らなければ、その怒りはあくまで本人のものです。

一方で、相手を怒らせる「縁」にならないように、気をつけることはできます。

あなたの言動がきっかけで、相手が怒っているのなら、
自分の言動を反省しましょう。

相手のためにも、自分のためにもなります。

お釈迦様の教えられた善い行いに、「禅定」「精進」があります。

「禅定」とは、わかりやすくいうと「反省」のこと。
「精進」とは、わかりやすくいうと「努力」のこと。

自分が何を反省し、具体的にどう改善し、向上につなげる努力をするか。
こう考えることは、善い行いです。

誰にでも未熟な部分はあります。
むやみに落ち込むのではなく、具体的に反省し、努力につなげましょう。

自分の未熟な点は、できるだけ素直に謝ることも、大切です。

幸せになりたければ、善い行いをしましょう。

(2)怒りが出てくる自分との接し方

どうしても、怒ってしまいます。

そういう時も、ありますよね。

怒りは、自分を苦しめる悪い行いです。
そう頭ではわかっていても、やめられないのが人間の心というもの。
「怒る」というのは、一種の過ちです。

誰にでも、過ちや失敗はあります。
過ちを犯した自分に対して怒ったところで、どうにもなりません。
負の連鎖になるだけです。

「悪いとわかっていても、どうしても腹が立つんだな」

怒ってしまう自分のことも、責めないことです。

できるだけ怒らないようにする努力は、もちろん必要ですが、
怒りの炎の前には、理性はコップ一杯の水に過ぎません。

いけないとわかっていても、怒ってしまうのが人間なのです。

なぜ怒りの心が出てくるのか。
欲・怒り・愚痴の3つを「三毒の煩悩」と言われます。
煩悩について、詳しく教えられているのが仏教です。

仏教を聞き、怒ってしまう自分の心をみつめてみてはいかがでしょうか。

怒らないコツ。

怒らないためには、どうすればいいかを考えてみましょう。

欲が妨げられると、怒りになります。

私が、怒らずにいられないのは、どんな欲が隠れているのでしょうか。

・どうしてほしかったのか
・何に困っているのか
・どうなりたいのか

相手のせいではありません。
相手はあくまで「縁」であり、自分の心に原因があります。

もちろん、よい縁を選ぶことも大切です。
ですが、縁は選べないこともあります。

自分の欲をよく知り、どんな時に怒ってしまうのか、分析しましょう。

あなたが思っている以上に、欲は大きいものです。

忍耐の練習をしよう。

仏教では、「怒り」の反対は、忍耐(忍辱)と言われます。

忍耐は善、怒りは悪です。

悪をしながら善をすることはできませんから、善をすれば、悪はやめることができます。

心の鍛練は、難しいものですが、身につけば素晴らしい宝になります。

すぐに身につくものではありません。
筋トレと同じように、心のトレーニングも、少しずつ鍛えられていきます。

・怒りの気持ちが湧いてきたとき
・相手が怒っているとき

こんなときこそ、忍耐の練習です。

人生を好転させる方法

布施、忍辱、精進、禅定は、お釈迦様が教えられた「六度万行」の中の4つです。
六度万行とは、たくさんの善(万行)を、6つにまとめられたものです。

布施……現代語では「親切」
布施の反対は「慳貪(けんどん)」ケチのこと。
忍辱……現代語では「忍耐」
忍辱の反対は「瞋恚(しんい)」怒りのこと。
精進……現代語では「努力」
精進の反対は「懈怠(けたい)」怠けること。
禅定……現代語では「反省」
禅定の反対は「散乱」心が散り乱れること。

このように、仏教にはさまざまな「善」と「悪」が説かれています。

善い行いをすれば、善い結果
悪い行いをすれば、悪い結果が現れます。

今、苦しい結果を受けているのなら、悪をやめ、善をすれば、人生は好転します。

もっと詳しく知りたい方は、仏教を学んでみてください。
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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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