人間関係

人間関係

夫婦でケンカしたり、子どもを叱りつける自分を変えたい。

目次

  1. 人間関係は、まず「あなた自身を好きになる」ところから
  2. 「あなた」が、お互いに意義のある人間関係を築く
  3. コミュニケーションが簡単になる「信頼残高」
  4. 「夫婦ゲンカ」にこそ、信頼残高が効く!
  5. 「言うことをきかない子ども」にこそ、信頼残高が効く!
  6. 信頼残高をつくる6つの行動

はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの月見草です。

今回はこんなお悩みについてです。

夫婦でケンカしたり、子どもを叱りつける自分を変えたいです。
悪いとわかっていても、やってしまいます。

悪いとわかっているのに、やってしまう。
その気持ち、よくわかります。

別々の「こうしたい」思いをもつ、2人の意見を合わせることって、難しいですよね。

人間関係は、2人以上の間の “ 関係 ” なので、相互作用です。
<あなただけが悪い>ということはありません。

「また叱ってしまった…」
「キツい言葉をかけてしまった…」

こんなふうに自分を責めるのは、やめにしましょう。

叱ってしまうくらい、あなたは一生懸命がんばっているんです。

キツい言葉が出てしまうくらい、あなたは困っているんです。

他人に優しくなるには、自分に優しくなること。
まずは自分に、優しい言葉をかけてあげてくださいね。

人間関係は、まず「あなた自身を好きになる」ところから

夫婦ゲンカは、旦那さんとの関係。
叱りつけてしまう、親と子どもの関係。

人間関係とは、「私」と相手との関係。

まず「私」をコントロールできるようになって初めて、相手とよい関係を築くことができます。

自分の成熟をすっ飛ばして、本やネットに書かれているテクニックのような近道だけでは、やがて人間関係は崩れてしまうでしょう。

まずは「あなた自身」からです。

『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著、1996初版、キングベアー出版)を通して、学んでみましょう。

第一、第二、第三の習慣は、「私的成功」というタイトルがついています。

他人のことを好きになるには、
まず「自分自身のことが好き」でなければなりません。

本当に自分を好きになる気持ちは、「私的成功」から出てきます。

私的成功(自立)とは…
まずは自分が成功する
= 自立する、自分をコントロールする

私的成功から、自分を好きになる気持ちが出てくる。

自分のことをコントロールできないまま、一時的に好きになれたとしても、うわべだけの短期的な思い込みにすぎません。

なので、まずは第一、第二、第三の習慣をよく理解し、実践しましょう。
それぞれ記事でご紹介しました。
(リンクは、この記事の最後に載せます。)

旦那さんとの関係、子どもの関係を変えるには、
自分を好きになるところからです。

「あなた」が、お互いに意義のある人間関係を築く

自分を本当の意味で好きになった「あなた」が、

  • 夫と、妻と
  • 子供と
  • ママ友と
  • 仕事仲間と

人間関係を築いていきます。

『7つの習慣』第四、第五、第六の習慣は、「公的成功」というタイトルがついています。

公的成功とは…
私的成功(自立)した人が、
他者との人間関係(相互依存)をつくる。

充実した、長続きする、お互いに意義のある人間関係を築くことができる。

人間関係は、心の痛みや挫折を感じ、幸せを妨げるものにぶつかる領域です。

幸せを定期的に手に入れるには、高い信頼関係をつくり、それを維持し、大切にする必要があります。

公的成功は、
あなたが自立して自分を好きでいる(私的成功)という「土台」の上にしか、成り立ちません。

私的成功(第一、第二、第三の習慣)の総まとめとして、
今回は、「信頼残高」をテーマにお話しします。

『7つの習慣』の「信頼残高」という考え方を知ると、長期的にみて、良い関係が築けるようになります。

コミュニケーションが簡単になる「信頼残高」

あなたの銀行の通帳を思い浮かべてください。
預金の残高がプラスであれば、必要なときにお金を引き出すことができますね。

逆に、残高がゼロなら、必要なときでもお金がありません。
赤字になったら、借金となり、返済利息もふくらんでいきます。
あなたは冷や汗をかき、気が気でない状態で、苦しい思いをすることになります。

人間関係にも、銀行の預金のようなものがあります。
お金にあたるのは、「信頼(安心感)」です。

信頼(安心感)も、預金のように増えたり減ったりするので「信頼残高」と例えられています。

◆「信頼残高」が不足すると…

地雷の上を歩くようなコミュニケーションになります。

相手の顔色を伺い、緊張が高まり、
自分の立場を守ることだけに集中するような行動をとります。

攻撃と防御の戦いになり、「ケンカ」か「逃避」の反応に走ってしまいます。

【信頼残高をマイナスにする行動】
無礼な態度
・相手の話を聞かない
過剰反応する
・自分勝手にふるまう
相手を無視する
・相手を脅かす
思い通りに動かそうとする
など

◆「信頼残高」が充分にあると…

コミュニケーションは簡単で、効果的で、すぐに話が進みます。

相手に依頼したら、OKしてもらいやすくなります。
ささいな間違いを犯しても、許してもらえるでしょう。
【信頼残高をプラスにする(安心感をつくる)行動】
礼儀正しい行動
・親切
正直
・約束を守る
など

「夫婦ゲンカ」にこそ、信頼残高が効く!

「夫婦ゲンカのとき、信頼残高なんて考えていられません…」

夫婦関係は、地球上でもっとも親密になりうる関係です。
ほかの誰よりも、充実して、喜びに満ち、満足できる、生産的な関係になりえます。

それなのに、信頼残高が不足すると「戦場」と化します。

夫婦こそ、信頼残高をプラスにしていきましょう。

「夫婦なんて、身近すぎて、気をつかってられないよ」
「家ではゴロゴロ、自分の好きなようにくつろぎたい

そう思うのも、もっともです。
仕事でクタクタのとき、家ではくつろぎたいですよね。

あなたが、くつろぐことができるようにする【ため】に、
信頼の「貯金」をするのです。

もっとも「日常的で、身近な」夫婦関係こそ、継続的な信頼の「貯金」が重要です。

あなたが、くつろげる環境になるか、戦場になるか。
「信頼残高」で決まる
からです。

「信頼残高の貯金は、たくさんあると思う。
なのにどうしてケンカになるのか、さっぱりわからない…」

貯金がいつでもたくさんあると思うのは、
ちょっと危険かもしれません。

たくさん貯金があっても、浪費すればあっという間に減ります。

接する頻度の高い、身近な人には、

  • 【自覚なし】に
  • 【自動引き落とし】のように
  • あなたが思っている以上に【頻繁】に

引き出し(マイナスになる行動)がなされるので、気づかぬうちに信頼残高がマイナスになりがちです。

「信頼残高」が不足したとき、
地雷の上を歩くようなコミュニケーションに怯えなければならないのは、
あなた自身
です。

あなたが思いっきりくつろげるように、安心できるように、
つねに信頼残高をプラスにしていきましょう。

「言うことをきかない子ども」にこそ、信頼残高が効く!

「子どもに対しては、信頼残高なんて、ないですよね?」

子どもに対しても、信頼残高が重要です!

信頼残高(安心感)が不足すると、子どもはやがて何も話さなくなります。
閉鎖的・機械的なコミュニケーションしかできなくなるのです。

・言っても言っても、言うことを聞かない。
・暴れる。
・しつけができない。
・勉強をしない。
・自分で決めない。
・自立しない。

これは、信頼残高(安心感)不足の現れです。
もしかしたら、幼いころから長期間にわたって、信頼残高が赤字になってきたのかもしれません。

「まだ子どもは小さいから大丈夫」
「うちの子は大丈夫」

こう思ってしまわずに、今から、信頼残高をプラスにしていきましょう。

反抗期の子どもは、
信頼残高(安心感)があるから、反抗を出せる、ということもあります。
「反抗しはじめたら、一安心」ともいわれます。

逆に、聞き分けの良い、手のかからないいい子は、ちょっと注意。
知らず知らずのうちに、「親が子どもに甘えて」しまい、
子どもの信頼残高(安心感)を減らして
数年後に関係が悪化したり、子どもが病気になったりすることがあります。

言うことを聞かない子
聞き分けの良い子

どちらにしても、
信頼残高(安心感)をプラスにしていきましょう。

じゅうぶんに信頼残高(安心感)があれば、
将来のことや、重要なことを相談してくるようになります。

【信頼残高をマイナスにする行動】
・腹を立てて忍耐を失う
・恩着せがましく言う
もっともっとと要求水準をあげる
・親の言うとおりにさせようとする
・子どもの話を聞かない
子どもの意見を尊重しない
【信頼残高をプラスにする(安心感をつくる)行動】
ひとりの人間として認めていることを子どもに伝える
・説教をしない
・自叙伝を挟まないで子どもの話を聞く

信頼残高をつくる6つの行動

具体的に、信頼残高をつくる6つの行動を見ていきましょう。

(1)相手を理解する

まず相手を理解してからでなければ、
なにが信頼残高をプラスにする(貯金になる)のか、わかりません。

「相手が喜ぶことを理解する」

これが最優先です。

あなたにとっては貯金になることでも、
相手にとっては、まったく貯金にならないこともあります。

相手の求めるものでなければ、貯金のつもりが引き出しになることもあります。

「これまでたくさん貯金してきた。それなのになぜ怒るんだ?」

こう思うときは、貯金のつもりで引き出していたのです。

また、夫にとってはささいなことでも、妻にとっては大ごとだということがあります。

100円くらいの引き出しだと思っていたら、
じつは10万円の引き出しをしてしまっていた!

こういうこともあるのです。

信頼残高をプラスにしたいなら、
相手が大切に思うことを、あなたも同じくらい大切に思う必要があります。

———————
【仏教のことば】
仏教では、1人1人、ちがう世界に生きていると言われます。
これを「業界(ごうかい)」といいます。
「業(ごう)」とは、行いのこと。自業自得の「業」です。

人はそれぞれ、自分の「心・口・体の行い(業)」によって、生み出した世界に生きています。

同じ映画を観ても、感動するポイントは人によってちがいます。
同じりんごを見ても、じつは同じように見ていません。
同じ世界に生きていても、1人1人、まったくちがう世界に生きているのです。

「自分がしてもらってうれしいことと、相手がしてもらってうれしいことは、ちがう」

この前提で、相手の話をよく聞き、深く理解しましょう。

(2)小さなことを大切にする

小さな礼儀や心遣いは、大きなプラスの貯金になります。
小さな無礼や不親切は、大きなマイナスになります。

小さな行いが、大きな結果になるのです。

強そうな人も、無口な人も、子どもも大人も、
内面には、誰もが「痛みを感じやすい心」をもっています。

子どもに対しても、
小さなことを大切にしましょう。

———————
【仏教のことば】
仏教の根幹は、因果の道理です。
まいた種は、必ず生えます。

ゴマつぶより小さな種が、やがて大樹になるように、
どんな小さな行為も、やがて大きな結果となって返ってくる、とお釈迦様は言われています。

(3)約束を守る

約束を守ることは、大きなプラスの貯金になります。
約束を破ることは、大きなマイナスになります。

守れない約束はしないこと。
軽々しく約束をすることは危険です。

「これくらい、大丈夫だろう」

これが人間関係の破綻につながります。

なるべく多くの環境要因や不確定要素を、予測して考え、約束を果たせないことがないようにしましょう。

しかし、あらゆる努力をしても、予期せぬ事態が起きたときは、よく状況を説明し、心から謝りましょう。
夫や子ども、親しい相手にこそ、怠ってはいけません。

「夫が、分担した家事をやりません」
「子どもが約束を守りません」

そんなときは、夫や子ども自身が、その行動によって当然もたらされる結果が見えていないのです。

≪その行動によって当然もたらされる結果とは≫
・きちんと掃除をしなければ、カビが生えて、もっと掃除が大変になる。
・分担を怠れば、妻がイライラしてケンカになる。
・宿題をしなければ、自分が叱られて嫌な思いをする。

次のように伝えましょう。

「あなたがその行動をしなければ、必ずこういう結果になる、と約束する」
・あなたが掃除をしなければ、カビが生えて、もっと掃除が大変になると約束します。
・あなたが3回続けて分担を怠れば、イライラしてケンカになるんですよ。
・宿題をしなければ、あなたが叱られて嫌な思いをすると約束します。

信頼残高があれば、相手はあなたの忠告に従って行動するでしょう。

———————
【仏教のことば】
仏教ですすめられる善の1つに「持戒」があります。
持戒とは、今のことばでいうと「言行一致」です。

言うことと、行いを一致させる。
約束は必ず守る、ということです。

「持戒」の反対は「破戒」という悪です。
悪い行いをすれば、その人に悪い結果が返ってきます。

まずはあなたから、言行一致させていきましょう。

(4)期待を明確にする

人間関係の問題のほとんどは、あいまいな「期待」をもつことから始まります。

「不明瞭な期待」「暗黙の期待」

これが、誤解、失望、信頼残高の引き出しにつながります。

◆夫が、妻に求める「暗黙の期待」

「仕事をして稼いできているだけで、愛していると伝わっているだろう
「こんなに仕事が大変なのだから、きっとわかってくれてるだろう
「家事や育児が苦手なことくらいわかってるだろう

◆妻が、夫に求める「暗黙の期待」

「私がしてほしいと思うことを、言わなくてもやってほしい
これくらいできてほしい
「我慢していることも気づいてほしい

それぞれ、相手の期待に応えれば、大きなプラスの貯金になり、
期待を裏切れば、大きなマイナスになります。

人は、自分の持っている「期待」に照らし合わせて、相手を裁きます。

「これぐらいしてくれると思ったのに!」
(これぐらいしてくれると思ったのは、こちらの勝手な期待にすぎない)

だからこそ、「相手に何を期待しているのか」を最初から明確に伝えることも、プラスの貯金になります。

期待を明確にすることは、お互いのちがいを直視し、納得できるまで話し合いが必要です。
最初は大きな時間と労力の投資が必要になりますが、
長期的にみると、大きな時間と労力の節約になります。

「夫婦なんて、いちいち言葉にしてられないよ」

面倒くささから、気持ちを伝えず、話し合いをせず、
最終的には何とかなるだろう、と思い込む方がラクですが、
やがて誤解や感情は拡大し、関係に大きな問題が生じます。

あなたが相手に期待することを、
相手に伝わるまで、伝えるようにしましょう。
将来的にラクになります。

(5)誠実さを示す

誠実さは、信頼関係の基礎です。

誠実さが欠如していると、信頼残高をプラスにすることはできないのです。
どんなに小さな親切をし、約束を守り、期待を明確にする努力をしても、不誠実ならムダになってしまいます。

———————
【仏教のことば】
仏教では、心をもっとも重視します。
行いといっても、口や体だけはありません。
心の行いは、口や体の行いよりも、重い結果を引き起こすと教えられています。

不誠実な心で、口先だけうまいことを言っても、うまくいくはずがありません。

誠実さは、信頼関係の基礎。
口や体よりも、心がもっとも重い。

忘れないようにしましょう。

(6)誠意をもって謝る

信頼残高をマイナスにしてしまったときは、誠意をもって謝ること。
これが信頼残高をプラスにします。

「私がまちがっていたよ」
「ごめん、不親切だったね」
「失礼をお許しください」
「本当に申し訳ありません」

こういった言葉を、すばやく心から伝えるのです。

「わかっているのですが、なかなか謝ることばが言えません」

そうですよね。
すばやく心から謝ることは、高潔な人格を必要とする行為です。

深い内的な安定性がなければ、誠意をもって謝ることはとてもできません。
謝罪することが、安定を壊すように感じるからです。

「弱いと思われるのではないか」
「弱みにつけこまれるのでないか」
「悪用されるのではないか」

このように恐れるのです。

だから、自分自身の行動を正当化しようとします。

相手の間違いや欠点を探し出し、それを言い訳に使い、
たとえ謝ったとしても、口先だけの謝罪をします。

「あなたの注意の仕方が悪い」
「はいはい、直せばいいんでしょ」

これでは、信頼残高をプラスにすることはできません。

また、誠意をもって謝ることは、プラスの貯金になりますが、
性懲りもなく同じ行動を繰り返すなら、かえって誠意がないとみられ、マイナスになります。

誠意をもって謝る。
同じことを繰り返さない。

これが、信頼残高をプラスにする行動です。

おわりに

多くの人は、「問題は邪魔者」だと思い、消えてなくなってくれることを望みます。

しかしこの「問題」こそが、深い人間関係をつくるとてもいい機会を与えてくれるのです。

人間関係において、問題を邪魔者や重荷だと考えず、相手との関係を築くいい機会だと解釈すれば、人間関係は一変します。

人間関係だけでなく、あなたがまだ気づいてもいない課題や問題を知り、目を向ければ、あなたの人生は一変します。

そんな深いテーマを扱うのが、仏教です。

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この記事を書いた人

ライター:月見 草

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