幸せとは

幸せとは

ガンジス川のほとりで考えた大切な人生の目的とは?

こんにちは。ライターの村松です。

「好き嫌いが真二つに分かれる国」
 
旅人たちの間でそんな風に言われるのが、インドです。

「汚いし、だまされるし、もう二度と行きたくない!」という人もいれば、「自分の価値観を大きく変えてくれた大好きな国、何度も行きたい!」という人もいます。

自分はいったいどんな風に感じるのだろう?

不安と期待で訪れたインドの旅をご紹介したいと思います。

混沌の国インド

世界第2位の人口を持つインド。

2020年代には中国を抜いて総人口がトップになると予測されています。

私が最初に降り立った首都デリーの印象もまさに、「人!人!人!」でした。

多いのは人だけではありません。

牛が町じゅうを歩き、道路にはその牛や車、バイク、リキシャー(自転車やバイクに荷台をつけたタクシー)、歩行者があふれて常に渋滞、クラクションの音が朝から晩まで鳴りやむことはありません。

道端には牛の糞や小便、ゴミがあふれ、さらにそれを食べる餓えた野犬や猿、そのすぐそばには物乞いをする子供たち。

そしてその中に香るカレーのスパイスやチャイの匂い。

さまざまな音や匂い、色彩が入り混じった世界に目が回りそうでしたが、「あー、これがまさに混沌のインドだ」と妙に感動したのを覚えています。

世界に誇る日本人の掃除の習慣

今まで訪れた国の中でも、インドはダントツでゴミの多い国でした。

一度、移動中の列車内で、うっかりゴミを床に落としてしまったことがありました。

日本人なら当然拾うところですが、ゴミを拾おうとする私に「拾うな!」と制止するインド人。

「ゴミを拾えば掃除人の仕事がなくなってしまうじゃないか!」ということでした。

一理あるとは思ったものの、深刻な大気汚染や感染症などのインドの現実を見ると、果たしてそれで片づけていいのかというやるせなさもありました。

よく外国人が「日本は街がとてもきれい!」と驚きますが、それは、自分の出したゴミは自分で片づけるという習慣が日本人の心に深く根付いているからだと思います。

日本で生まれ育つと、小・中・高と当たり前のように学校の清掃をしますが、実はこの習慣は世界でも珍しいものです。

仏教で勧められる掃除は、古くから日本文化に根付いてきたといわれ、「怠け心に打ち勝ち、自己を律する心を養う」、そんな目的も掃除には込められているのだそうです。

東日本大震災での日本人のモラルの高さが世界で高く評価されたように、物を大切にし、人を思いやる気持ちを、長年私たちは掃除から学んできたのかもしれません。

死を待つ人々がたどりつく地・バラナシ

インドには「聖なる河」と呼ばれるガンジス河が流れています。

「聖なる」という言葉のイメージとは程遠い、茶色く濁った河です。

そのガンジス河のほとりにバラナシという町があり、この町には、「死を待つ人々」がインド全土から集まってきます。

インドでは多くの人が、カースト制と呼ばれる差別に長い間苦しみ、救いを求めてきた歴史があります。

そのため、ガンジス河に遺灰を流せば来世では良いところへ生まれ変われると信じている人が少なくありません。

今世は苦しみの一生だったが、来世こそは幸せの世界に生まれたいと、全財産・全体力をかけてこのバラナシにたどり着くのだそうです。

ガンジス河のほとりでは、毎日何百体という遺体が焼かれ、その遺灰が流れる河で、生きた人々が沐浴をし、手を合わせ、排泄をし、洗濯をしています。

水がどんなに汚れていようと、インド人にとっては母なる河であり、そこでは人間の一生すべてが垣間見られるのではないかと思えるほどでした。

死ぬときは一人ぼっち

そんなバラナシの町を、早朝散歩していた時のことです。

生きているのか死んでいるのか分からない、やせ細ったホームレスの人々に、朝から炊き出しをし、食事を配っているインド人がいました。

もちろんすべて自腹で、時には何百人というホームレスに食事を配ることもあるそうです。

与えるほうも決して裕福とは思えない中、どうしてそこまで人に親切にできるのだろうと不思議に思っていたところ、あるインド人が言いました。

「どんなにお金があっても、死んだら1円も持っていけないよ。それなら、人に与えて相手もハッピー、自分もハッピー、そのほうがいいでしょ」

その言葉を聞いて私は、ずっと忘れていた何か大切なものを思い出させてもらったような、温かい気持ちになるのを感じました。

毎日必死で仕事をして、稼いだお金で自分の好きなことをする。

確かに人生は人それぞれ、楽しむのは悪いことではありません。

しかし、生涯をかけて必死になって追い求めても、死ぬときは一人ぼっち、なんにも持たずに死後の世界へ旅立たねばなりません。

死んだら何の役にもたたない、そんなものだけを追い求めていいのだろうか?

自分のしたいことだけをして、終わっていく人生でいいのだろうか?

私たちの人生には、もっと大事な目的があるのではないか?

そんなささやきが聞こえてきた、インドの旅でした。

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この記事を書いた人

会社員:村松 佳苗

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